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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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3rdアルバムにして帝王の風格すら漂い「スラッシュメタルの文脈」においてやりたい事は全てやりきったのでは?!と思える内容となっている。「叙情的」であり「ヘヴィ」であり「プログレッシブ」。「分かりやすいプログレッシブさ」であれば前作に軍配が上がるが今作はより自然な形で一筋縄ではいかない楽曲を生み出している。ギターソロは中世ヨーロッパに建てられた「古城が頭に浮かぶ」ような重層な音色が印象的。

筆者はメタルというジャンルは「変化を好まず色んな意味で様式を楽しむものだ」と誤解していたが、メタリカ(Metallica)は作品ごとに常に前進し続けている。彼らの凄いところは激しい曲やヘヴィーな曲をボーカル・ギター・ベース・ドラムというミニマムな構成音の中での緩急や創意工夫で意外性を追求しているところにあると思う。

まさに絶頂期で充実の時を迎えていた彼等は今作の発表から数ヶ月後にベーシスト:クリフ・バートンを交通事故で亡くす事となる。コンポーザーとしてプレイヤーとしてバンドに大きく貢献していた彼の存在は絶大であり、2nd 3rdの「プログレッシブ」「叙情的」などの要素はクリフ(b)がバンドにもたらしたものだと言われている。次作以降彼等はどのように変化するのだろう?!

    「要点」

  • 「叙情的」で「ヘヴィ」で「プログレッシブ」
  • ベーシスト:クリフ・バートンが参加した最後のアルバム

「曲解説」

1 Battery

前作のオープニングソング同様に「静イントロ」から突如激しくタイトな曲調に変貌する曲。物悲しいアルペジオからスラッシュメタルに変貌する「XJAPAN」の名曲「紅」はこの曲からヒントを得たアレンジなのかもしれない。それ位に後続のバンドに影響を与えたインパクト大の曲。
2 Master of Puppets

8分の大曲。「静パート」では叙情的ともいえる哀愁感が漂い今までの彼らにはない音色のギターソロが飛び出す。「静のパート」の後は「原始の宴」のような雰囲気の中でジェイムズ・ヘットフィールド(vo)が「マスター」「マスター」と連呼する。これまでの彼らの曲で最も多面的な要素が盛り込まれた曲であり曲中全くダレることなく体感で「5分位の曲」に感じる。
8 Damage, Inc

ラストの曲で「待ってました!」な彼等らしい高速スラッシュメタルチューン。前作、前々作より更にヘヴィーになっている。

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