グランジはもとより90年代USロックシーンを代表するバンドの一つパール・ジャム(Pearl Jam)日本ではニルヴァーナ(Nirvana)やスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)に比べると知名度が低い印象があるがアルバム4枚がビルボード初登場1位に輝くなどセールス面で大成功をおさめている。
「ヘヴィ」「うねり」「ダウナー」「スロー」「壊れた質感」などと言った音楽的な特徴を持つグランジ勢の中で最もトラディショナルなHRの要素が強く音楽的にもバランスを重視しておりサビの後ろで鳴らされるさりげないアルペジオやクランチ気味のカッティングなどは、ノイズ感全開の他のグランジバンドには見られない要素と言える。ただバランスを重視していると言ってもあくまで「グランジの中」における話であり、パール・ジャム(Pearl Jam)は十分にハードでヘヴィなバンドである。
「曲解説」
1 Go
タイトなリズムとうねるベースラインの上を非メタルでソリッドな刻みリフが乗る。サビの後ろで流れるアンビエントな質感のアルペジオ(多分)は他のグランジバンドにはない展開(2:38〜)ワウを使った叫びのようなギターが鳴り響き曲は終わる。
2 Animal
ツインギターにとるハードなリフが中心となり展開される曲。ボーカルラインの後ろで鳴るクリーンなクランチのカッティングが印象的で
ギターソロの後は全パートが更に熱量を高めテンションを上げるが、最高潮のところで曲は唐突に終わる。
5 Dissident
乾いたブルージーなギターフレーズではじまる曲。このような他のグランジバンドが避けそうなトラディショナルなハードロック的アプローチも柔軟にやってしまうところがパール・ジャム(Pearl Jam)の個性かもしれない。
7 Blood
チャカポコしたワウギターによるファンキーなテイストと畳み掛けるラウドなバンドサウンドとの対比が印象的。ギターソロはぶっ壊れたグランジサウンドでそこにうねりまくるベースラインが絡み最高潮のところで曲はまたも唐突に終わる。
9 Rats
太くうねるベースラインを中心に展開され歪んだギターサウンドは「サイレン」のような音を出している。ギターソロはまたもワウを使っている(ワウの使用頻度の高さはこのバンドの特徴と言える)サビのボーカルラインの後ろではミニマムなシンセ(キーボード)が鳴っているおり、
このあたりの柔軟な姿勢はグランジというジャンルにおいては個性になる。