ハードロックファンだけではなく世界中の音楽ファンに多大な影響を与えている伝説のバンド/レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)。彼らをリスペクトするミュージシャンは非常に多く特にジョン・ボーナム(dr)をフェイバリットにあげるドラマーは多い。
ハードロックに興味がなくても一度はタイトルを聴いた事がある名曲「Stairway to Heaven」(天国への階段)を収録している彼らの代表作を聴いてみた。聴いた感想としては筆者が勝手に想像していたユニークさ(技巧的なもの)とは異なるユニークさがあるバンドだと感じた。80年代に隆盛を極めたスピード感のあるメタル勢というよりハウス的なロックを展開した「ストーンローゼズ」や90年代にヘヴィミュージックを再構築した「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」などに影響を与えていると思われる。
「曲解説」
1 Black Dog
ロバート・プラントによる独唱がありその後、「絡んで転がる」ようなギターリフが繰り返される曲だがこの曲のドラムは「リズムを刻む」というよりかはギターリフをよりハードにする為のドラムリフのようなイメージ。
2 Rock and Roll
一度聴いたら耳から離れないギターリフを中心に展開される、曲名そのままにノリノリでハイテンションな曲。途中の間奏部分では「ジャッ、ジャッ」という「機械がトラブった」ようなエフェクティブなギタープレイがありアクセントになっている。またエンディングではこれまでのノリノリな展開を遮るかのうようにジョン・ボーナムが「祭りの締め」のようにプレイする「ドコッ、ドコ、ドドド」という原子的なドラミングは、ドラムに関して素人の筆者が聴いても相当のスキルがある事がわかる。
3 The Battle of Evermore
今作で最も好きな曲。2000年前後のレディオヘッド(radiohead)の曲だったとしても不思議ではなく、「砕けたクリスタル」を思わせるハードロックらしからぬテクスチャーを持っている。3:50分頃からのロバート・プラントと女性コーラスとのハモりは霧のように幻想的。
4 Stairway to Heaven
名曲と名高い「Stairway to Heaven」和訳;「天国への階段」。あまりに有名なアルペジオフレーズで幕をあけその後、清涼感のあるアコースティックでギターが絡むという展開が続くのだが、4:20分頃からジョン・ボーナムのドラムが入ってくるのをキッカケに曲は徐々に熱量を上げていく。
「静かなパート」から「静かに天国に登る」イメージの神聖な雰囲気が漂い、そこから各楽器の「ダイナミズムが渦巻く」展開に発展。各パートがダイナミックな演奏を見せようとも曲そのものの神聖な雰囲気は全く崩れることはなく最後はロバート・プラントの物悲しい独唱で幕を閉じる。
6 Four Sticks
ジミー・ペイジのヨレッとしたミニマルなギターリフと原始的なリズムが絡む躍動感に満ちた曲。途中からミステリアスな雰囲気のコードストロークが絡むことにより「異国の宴」のような雰囲気となり最後のほうに挿入されるシンセサイザーは幻覚的ですらある。