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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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スラッシュメタルの金字塔的作品「Master of Puppets/メタリカ(Metallica)」と同年にリリースされた本作。エクストリーム (Extreme)メタルと評される彼らの代表作なので 覚悟して聴いてみたのだが、、全て聴き終わって瞬間に悟った。「この作品に曲解説は不要だ」と。本作は10曲が収録されている29分(短い!)のアルバムではなく「29分の1曲」だからである。

筆者は様々なタイプの音楽を聴くのだが、「度肝を抜かれた」という意味においては過去トップクラスの作品であり、他のヘヴィメタルバンドが「様式美」だと思えるほど、今作は余白を完全に排除してただただ快感原則に沿って作られている。今作はメタリカが1stで提示した破壊的なサウンドを更に凶暴にしたというイメージで、暴風雨のようなギターリフが終始なり響きリズムは鬼のような速さとヘヴィさがあり超高速でムチを打たれているような錯覚に陥る(痛さは感じないけど)。

またどのメタルバンドにも多少は存在すると思われる「テクニカルなスキルの誇示」が、全くと言っていいほどが感じられず全てのスキルを曲を凶暴に破壊的にする為に使っているという印象を受ける。86年頃になるとヘヴィメタルは音楽業界の中でも一つのトレンドになりつつあったと思うが、そんな状況でリリースされた「強烈なカウンターパンチ」のような作品が今作で、メタリカの2nd〜3rdとは別の軸でヘヴィメタル史に永遠に残る1枚だと思う。

    「要点」

  • アルバムというより1曲29分の作品
  • 破壊神のようなエクストリーム (Extreme)メタル
  • 既存のメタルに対する「強烈なカウンターパンチ」
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