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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合という発明が詰まった作品。80年代にも「ヒップホップグループ」とHR/HMバンドとの合体はあったがグランジ以降の壊れた質感と90年代的なストリート感をもった「ハードなギターサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合は彼らが元祖だと思われる。

スタイルとしてのラップというより怒り狂ったラディカルな言葉を吐き出す為の「手段としてのラップ」という印象を受けるし、また彼らの怒りや焦燥感を表現するためには「ハード」で「ヘヴィ」なサウンドは必然だと思われる。要するに彼らのサウンドスタイルは「音楽的な斬新さ」を求めた探求の結果ではなく、自分たちのやりたいことを最も自然な形に落とし込む為の結果論と言っていいと思う。本作のリリース後、彼らのスタイルの表層部分を真似たバンドが大量発生したが、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)の持つ空気感やテンション迫るバンドは存在しない。

    「要点」

  • 「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合
  • モノマネバンドが大量発生
  • 鋼鉄リフと特殊でアバンギャルドなギタープレイ

「曲解説」

3 take the Power Back

ブンブンとしなる分厚いベースラインとその合間を縫うように展開されるギターリフを中心に展開される。ギターソロは「スプリングのおもちゃ」を連想するユニークなタイミング(5:05〜)一時の静寂の後に訪れる本曲最大の見せ場。一層ハードさを増すサウンドと「撃ちまくるマシンガン」のようなザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)のアグレッシヴなラップが炸裂。
4 Settle for Nothing

広い荒野のような静けさに不気味なサイレンのような音が鳴り響くイントロ(0:40〜)あえて抑制しているかのような単調なアルペジオが流れ、その上を「怒気を含む語り」のようなラップが乗る(1:00〜)これまでの静けさを吹き飛ばすような怒り狂っている絶叫とタイトなドラムが鳴り響く。「静寂」と「怒り狂ったサウンド」が交互に繰り返されるグランジ的展開の曲。1回目の「怒り狂ったパート」ではギターは一切登場しないが特殊系ギタリスト/トム・モレロ(g)がこのまま大人しくしているわけもなく、2回目3回目の「怒り狂ったパート」で「この世の終幕を告げる狂ったサイレン」のようなヤバイ音を聴かせてくれる。
5 Bullet in the Head

「鋼鉄を簡単に引き裂く真っ赤なレーザー」のようなエフェクティヴなリフや「瞬間移動」のような「ピィーピィー」というシュールなギタープレイと武装化した70年代風ハードロックリフの対比が面白い曲(4:28〜)一層アグレッシヴになるサウンドの中、ザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)が「Bullet in the Head」(頭の中の弾丸)というフレーズを怒り狂ったテンションで連続シャウトする。最後は「24時間稼働でミサイルを作り続ける工場」のようなタイトなリズムで終わる。
7 Wake Up

退廃的なストリートのような空気感をもつ曲。早口で甲高いアグレッシヴなラップと狂ったように繰り返される「Wake Up」というシャウトなど本曲でもザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)は暴れまくり、そしてやはり怒っている。DJのスクラッチのようなプレイや「難解なパズル」のようなモザイクがかったギターソロは必聴。曲の最後には「死ぬまで一生追いかけてくる冷徹なレーザービーム」のようなアバンギャルドの極致と言えるギターサウンドが鳴り響く。
10 Freedom

耳に残るメインリフと鋼鉄のリズムがシンプルにリフレインされる。ギターソロの後はメインリフに変化が見られ「これまでのリフ」を逆さにして弾いているかのうようなフレーズとなる(3:43〜)一瞬の静寂の後「これからが本番」と言わんばかりにラウドになるサウンド。最後は「Freedom Yeah」という壮絶な絶叫とバグりまくったハウリングで締めくくられる。

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