「曲解説」
3 LEATHER FACE
「時空が歪んだような音響」を感じるヘヴィなインダストリアル・チューンでハードでミニマムベースリフが「地面をゴロゴロと転がる」ようにリフレインされる(2:18〜)突如「宇宙に迷い込んだ」ような浮遊感を感じる静パートが挿入されるが「頭の中を貫通する光」のような電子音の登場と共にすぐにヘヴィなサウンドに戻る。
4 PINK SPIDER
「頭の中に鮮明なストーリー」がイメージできる歌詞がとにかく見事でhideのストーリーライターとしての才能が発揮されている。歌詞の内容は嘘の網を張りめぐらし井の中の蛙状態のピンクスパイダーが、蝶の羽を頂きあの空に羽ばたこうとするという内容でhideの死後、様々な角度から注目された。サビではこれまでのハードなサウンドが嘘のように「晴れやかさ」を感じるストリングスが空間を舞いサビのインパクトを更に高めている(1:58〜)蝶からスパイダーに「知らぬが仏」と言わんばかりの辛辣なメッセージが送られる。
6 FISH SCRATCH FEVER
「明確な答えが見えた」かのように迷いがない直線的なリフロック。サビではSpread Beaverのメンバーによるスペーシーな質感のキャッチーなコーラスがhideのボーカルラインをサポートして、曲を更にノリの良いものにしている。
7 ever free
「光」のようなスピードを感じるカラフルなパンクチューン。「なくしてしまった初期衝動」と「まだ胸の中にある夢の続き」について言及した歌詞が「4 PINK SPIDER」同様に素晴らしく「消えていく最初のメモリー」なる歌詞は、エックスジャパン(X JAPAN)ファンに様々なイメージを与えるエモラインである。間奏部分では「サーフ・ミュージック」のようなギターサウンドと祝祭性強めのホーンセクションが曲を更に色鮮やかにしている。
8 BREEDING
「どんよりとした気怠さ」と「泥水」のような重さを感じるグランジチューン。イントロや間奏では珍しく「独り言」ようなニルヴァーナ(NIRVANA)流カッティングギターが登場。サビの歌詞にも「Breed」なるワードが登場する為「グランジに対する回答」的な立ち位置の曲であると思われる。※ニルヴァーナ(NIRVANA)の曲で「Breed」という曲がある※(4:20〜)最後に「ガラスの世界」のような透明なピアノの旋律が唐突に挿入され曲にミステリアスな影を与える。
9 HURRY GO ROUND
「牧場」のようなのどかさを感じるストリングスと「強風」のようなハードなギターサウンドが絡まる曲でサビに登場する「また春に会いましょう」なる歌詞は、卒業式のメッセージでヤンキーが書いていたと記憶している。やはりhideの歌詞は強烈に十代に突き刺さるようだ。