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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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壮絶でハイテンションなハードコアサウンドとリスナーのイマージネーションに訴えかけ様々な風景や世界観を連想させるパンチの効いたフレージングが強烈なアット・ザ・ドライヴイン(At The Drive-In)

ハードコアという音楽はどちらかというとフィジカルに訴えかけるものや色んな意味でリスナーと「熱量を共有しあう音楽」であるという印象があるのだが、本作は頭の中に様々な絵が浮かぶ「プログレ性」と「ハードコア的な破壊力やテンション」が奇跡のバランスで成立している。激しい音楽を聴いて「ノッた後の爽快感」と「練られた音楽を聴いた後の感慨」を同時に味わう事ができる。

    「要点」

  • イマジネーションを刺激するプログレ性あり
  • ポストハードコアの名作

「曲解説」

1 Arcarsenal

「上空から何者かが舞い降りた」ような不穏な響きと「酔っ払い」のようにぐらついたギターフレーズが絡むインパクト大のイントロ。 「太陽光線」のような直線的なギターサウンドが終始鳴り響く中、突如(2:12〜)ダークなピアノの音色が挿入されて曲にアクセントを与える。 全てがシャウトのように聴こえるボーカルラインを筆頭に全てのパートが凄まじいテンションで響き渡る。
2 Pattern Against User

左右から聴こえる「異なる音色による鬼ごっこ」のようなギターサウンドが特徴。冒頭からストレートで熱量のあるテンポで進行するが(1:48〜) リズムがなくなりベース音のみが鳴る。そこに「上空を舞うねじまき鳥」のような立体的で透明感のあるアルペジオが響きわたる。終盤はストレートなロックサウンドに戻り疾走、最後はマイナーな響きのコードバッキングが鳴り響く。
4 Sleepwalk Capsules

冒頭から「戦場」のような荒れ狂った空気感を感じる。ツインギターの音色はやはり全く異なりそびえ立つ音の壁となって迫り来る。そんな展開の中(1:22〜)浮遊感のあるアルペジオとそれに絡みつく幻影のようなフレーズが飛び出し、それに呼応するかのようにセドリック・ビクスラー(vo)がメロウなボーカルラインを奏でる。しかしそれも束の間(2:12〜)またも荒れ狂った空気感をもった展開になり爆発する。
5 nvalid Litter Dept.

不穏でどこか「エジプトの神殿」を連想するようなアルペジオが鳴り響く中、ミニマムで唸るベースラインの上を「早口なパート」と「夢見心地でメロウなパート」が合体したセドリック・ビクスラー(vo)独特のボーカルラインが踊る(3:05〜) ピアノの旋律と「沈む夕日」のような枯れたギターが鳴り響く。ハードなサウンドも健在ではあるがどちらかというと浮遊感をと哀愁を感じる曲となっている。
7 Enfilade

男女の電話でのやり取りがSEで流れる。「宇宙に放り出された」ようなバグった重力感の中で「ラップのようなボーカルが響き渡るパート」と「電撃のような強烈なギターサウンドが登場するアヴレッシヴで熱量マックスのダイナミックなパート」が交互に展開される(4:30〜)最後は重力にのみ込まれるように音は途切れて「ピーピー、ガーガー」というノイズだけが鳴り響き曲は終わる。
8 Rolodex Propaganda

「高速道路を走る車の中から見る景色」のように揺れてきらめくギターサウンドとアヴレッシヴなラップは「本当に車に乗っている」ような感覚を味あわせてくれる(0:52〜)虹の中にいるような極彩色のボーカルラインが登場して、その後サウンドはさらにエフェクティヴになり、中盤以降は高速道路ではなく「上空を走る車」のようなイメージが頭に浮かぶ。
10 Cosmonaut

叙情性を感じる強烈なギターサウンドと「タイトなリフ」のようなドラミングが絡み合う。そこに強烈なテンションで歌われるボーカルが加わるハイテンションな曲。時折、挿入される「揺れる水面」のような透明なアルペジオがこの曲のキーだろう(2:40〜)壮絶な絶叫から最高潮を迎え最後は残響だけが残る。
11 Non-Zero Possibility

クリスタルのような透明なピアノの旋律が鳴り響く曲。これまで「戦場のようにハイテンション」な曲が多かったので非常に安堵感を感じる。セドリック・ビクスラー(vo)のボーカルラインはバラード調のこの曲でも強烈な熱量を感じさせ(2:58〜)「高速でループするブーメラン」のようなノイズギターがピアノの旋律を壊すことがない位の位置で静かに鳴り響く(3:59〜)ミニマムなアコギのアルペジオが挿入されてから 全ての音が少しずつ遠くのほうに遠ざかり、最後は不穏で重厚な弦楽器の調べと共に静かに幕を閉じる。

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