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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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日本におけるギターロックの雛形を作ったボウイ(BOØWY)のラストアルバム「PSYCHOPATH」。今作は「グラム」「パンク」「ニューウェイブ」など様々な音楽からの影響を感じるが、基本的にはシンプルなボウイ(BOØWY)流ロックンロールアルバムであると感じる

アルバムを通してモノトーンで曇ったような空気感が流れ、シンセや電子音などにあまり頼らずに4人の音だけでどれだけのものができるか?!という点にトライしていると思う。ラストアルバムというのは「原点回帰的な作品」か、「贅肉を削ぎ落としたシンプルな作品」となる傾向があると思うのだが、今作は後者に該当する。最後の曲「12季節が君だけを変える」のギターリフはこれ以上削ぎ落とせないところまで削ぎ落とされており、「この4人で出来ることは全てやり尽くした」と宣言するようなラストアルバムとなっている

    「要点」

  • 削ぎ落としたシンプルさ
  • モノトーンで曇った雰囲気
  • この4人で作った最後のアルバム

「曲解説」

1 LIAR GIRL

どんより曇った小雨が降る街角を連想するようなシンプルなロックンロール。イントロでも登場するガラス細工のようなシンセのループが終始鳴り響き、 布袋 寅泰(g)は湿り気を帯びた暗さがあるコードバッキングをリフレイン、リズム隊はシンプルなエイトビートを構築している。(1:42〜)サビは氷室京介(vo)と布袋寅泰(g)による掛け合わせによるボーカルラインだが、メロディーというより言葉のリフのようだ(2:10〜)「目の前がパッと開ける」ような煌びやかなギターソロが登場。終盤はタイトルである「LIAR GIRL」という布袋寅泰(g)のコーラスが何度もリフレインされる。
2 ANGEL PASSED CHILDREN

シャッフルビートが印象的なシンプルな曲で「1 LIAR GIRL」に近い空気感を連想する。ギターはシンプルなバッキングをリフレインしている (1:08〜)クイズに正解したような能天気な効果音の後に氷室京介(vo)による「ニュースキャスターのシャウト」が飛び出し、そしてこれまで黒子のようにバッキングに徹していた布袋寅泰(g)の煌びやなトーンのギターソロが登場する。終盤はリフのように短いサビのボーカルラインが何度も何度もリフレインされる。
4 GIGOLO & GIGOLET

ダークで立体的なギターリフとどっしりしたリズム隊が印象的な曲。サビのボーカルラインはやはりメロディーというよりリフ的なものとなっている。 (1:13〜)少し不穏な響きのするベースソロが登場、アクセントとしてチープなリズムマシンが合いの手を入れる(1:27〜)「うねるアラブの蛇」を連想するアクの強いトーンで奏でられるギターソロがインパクト大。
5 RENDEZ-VOUS (LIVE IN HAMBURG JULY 1987)

氷室京介(vo)と布袋寅泰(g)2人の掛け合いによるサビのボーカルラインがインパクト大。ライブハウスの歓声風SEがイントロやその他の箇所で挿入され、リスナーをライブハウス「HAMBURG」にトリップさせる。(1:58〜)「蛍光塗料が塗られたネズミ花火」のようにくるくると回るギターソロが曲に色彩を与えている。終盤はサビが何度もリフレインされ、歓声風SEで締め括られる。
7 PLASTIC BOMB

タイトなリズム隊とモノトーンな布袋寅泰(g)のギターリフによるノリノリのパンクチューン。インパクト大の名コーラスがサビ以上に目立つ布袋寅泰(g)が主役の曲。(0:13〜)布袋寅泰(g)によるロボット風のコーラスは「リエパパ、リエパパ」と聴こえる。(0:30〜)サビ以上にサビな布袋寅泰(g)によるメロディックなコーラスが登場して、そのままサビに突入。終盤はやはり布袋寅泰(g)によるコーラス「Let’s go」が繰り返しリフレインされる。
8 PSYCHOPATH

布袋寅泰(g)によるクリーンでエッジの効いたカッティングギターが曲を引っ張る。この曲もやはり曇ったモノトーンな空気を支配、曲を通して「メロディックな独り言」のようなボーカルラインが流れる。(2:03〜)壊れたおもちゃのような効果音風のギターソロとギターソロの途中から電撃のような電子音が登場。終盤はモノトーンな空気感にペンキで色を塗るような2度目のギターソロが鳴り響きそのままフェードアウトする
12 季節が君だけを変える

布袋寅泰(g)が氷室京介(vo)に詞の書き換えをはじめて依頼した曲(wiki)で全パートがミニマムで必要な音しか入っておらす見事に削ぎ落とされている。その中でも特に「夢の終わり」のようなシリアスなカッティングギターが秀逸。このフレーズを聴くための曲といっても過言ではない。

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