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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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アシッドハウスのスタート地点とも言われる非常に興味深い作品で動物の鳴き声にエフェクトをかけたようなシンセサウンドの数々はまるでジャングルにいるかのような錯覚を味わえる。

またスライムやジェルを連想するカラフルで弾力のある低音やディープで「鼓動」のようにシンプルな四つ打ちのリズムは無条件にリスナーの体を揺らす。このポップネスを拒絶するかのようなクールでカラフルなサウンドは海を越えてロックのフィールドにも多大な影響を与えた。今作がなければ後の名作「Screamadelica/プライマル・スクリーム(Primal Scream)1991年」は生まれなかったであろう。

    「要点」

  • ジャングルにいるような錯覚を味わえる
  • アシッドハウス のスタート地点
  • 「鼓動」のような四つ打ちのリズム

「曲解説」

1 Acid Tracks

「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」と輪郭のしっかりしたシャープな四つ打ちの上を「スライム」のように弾力があるモノクロームな低音が踊り、多種多様な動物の鳴き声にエフェクトを掛けたようなシンセサウンドが四方八方から登場するサウンドはまるで「ジャングルにいる」かのような錯覚を味わうことが出来る。「Screamadelica/プライマル・スクリーム(Primal Scream)1991年」でも聴くことが出来る「メタリックな管楽器を叩いたようなリズム」やホイッスルのようなサウンドも登場(7:00〜)一時リズムレス状態になりズミカルなシンセサウンドがより躍動するが、すぐにデフォルトの四つ打ちに戻る。終盤はサウンドがより鋭角的になり音が脳をグサリグサリと刺激する。
2 Phuture Jacks

グループ名である「Phuture」が呪文のように繰り返されるダンサブルな曲。「モザイク」のような低音と「カラフルなジェル」のようなシンセサウンド、リズムアプローチは「メタリックなブレイクビーツ」のような質感である(3:37〜)「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」というシンプルな四つ打ちのみの展開になるが、その後はドラムマシンのタイトなリズムなども加わり直線的なエッジを持ち始める。終盤は「Phuture」と共に「シャッ、シャッ、シャッ、シャッ」という呪文ボイスが連呼され、最後は酸性雨のようなアシッドなシンセサウンドが降り注ぐ。
3 Your Only Friend

全編を通して不穏なサンプリングボイスが儚く踊り、まるで「嫌な夢」を見た後のような気分になる曲。空気感を切り刻みようなリズムプローチが時折登場して、最後は金縛りのように不穏な声が強調されかなり怖い。

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