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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「BPM以上のスピード感を演出する高速ループ」や「ビビッドな電子音」など様々な情景を連想するサウンドが印象的でニューウェイブ的なダークさとミステリアスな雰囲気があった前作よりクリアーな音が多くなった4thアルバム。

カール・ハイドのボーカルは相変わらず無機質で脱力感のあるものが多いが、ラストソング「8 stagger」ではレディオヘッド(radiohead)のようなエモーショナルを感じる。またエイフェックス・ツイン(Aphex Twin)やオウテカ(Autechre)などのエレクトロニカ系アーティストから影響をうけたと思われる「冷たく透明な質感の音」や「神経質なブレイクビーツ」なども柔軟に受け入れており、アルバムジャケット同様に「ダークで陰鬱な黒」を開放的に表現したようなアルバムとなっている。

    「要点」

  • エレクトロニカ系アーティストからの影響をうけている
  • 「ダークで陰鬱な黒」を開放的に表現したようなアルバム

「曲解説」

1 juanita : kiteless : to dream of love

「深夜の首都高速をドライブする」ようなスピード感を感じる16分超えのオープニングチューン。序盤に登場するボーカルラインは一切の感情がなく「暗号」のように無機質である(3:40〜)「眩しいネオン」のような電子音が高速でループされ、体感速度を大幅に上げる(6:02〜)「回りながら落下」するような電子音が存在感を放つミステリアスな展開となり、その後はリバーヴのかかったギターサウンドの断片が登場。10分を超えたあたりから曲はアシッドハウスのようなディープさを持ち始める(12:12〜)「透明なクリスタル」のような質感のシンセサウンドが光の速さで美しい旋律を奏でる。このサウンドをバックに「人間らしい暖かい感情を持ったボーカルライン」が登場。そこに「電気的な歪み」を感じるエッジのたった電子音やアシッドハウス的な「鳥類の鳴き声にエフェクトをかけた」ようなサウンドが絡む。最後は「壊れたロボット同士の会話」のような声の断片がミステリアスに響く。
2 banstyle/sappys curry

序盤と中盤で曲の雰囲気がガラリと変わるプログレな曲。時折挿入されるカール・ハイドのボーカルは脱力感がありメロウなものとなっている。0~6分頃までは「雲の上」のような浮遊感を感じる音響とシャープなジャングル風ブレイクビーツが印象的な展開でエイフェックス・ツイン(Aphex Twin)以降の神経質な音響も登場する。6分頃〜 アナログな暖かさを感じる立体的なスラップベースがミニマムなフレーズを奏でて、そこに「さざ波」のような質感の電子音が絡まり「メランコリックな夏の海」を連想するような空気感が出来上がる(11:53〜)「シュールな世界にワープできる泉」のような質感のサイケデリックな音響がリスナーの頭の中をグシャグシャとかき乱す。終盤はこれまで曲中に登場した全ての音と雰囲気が絡まるカオスな展開で幕を閉じる。
3 confusion the waitress

「ミニマリストの部屋」を思わせるミニマムでメランコリックな質感の曲。リズムは規則正しい四つ打ちとブレイクビーツが交互に鳴らされるイメージで、 ボーカルラインは相変わらず「独り言」のようなものとなっている。
5 pearls girl

「どんよりした曇り空にモザイクをかけた」ような空気感の曲。エレクトロニカ風の神経質なブレイクビーツやバグったコンピュータボイスが時折挿入される。この曲でのカール・ハイドのボーカルはインダストリアル的に歪んでいる(5:28〜)「crazy、crazy」というワードを高速ループするシュールな展開となり、そこにバグった質感の細切れの女性ボイスも加わってリスナーをトランス状態にする。終盤は「神聖で真っ白なストリングス」が全てを包み込むがそこに神経質なブレイクビーツが「蛇」のように動き回りアクセントを加える。
6 air towel

ビビッドな音色の電子音が終始「ギターリフ」のようにリフレインされるシンプルな曲。「囁き」のような無機質なボーカルはメランコリックでメロディーを聴かせる気などまるでない。中盤以降はエレクトロニカ的な冷たい音像が曲に冷気を与える。
8 stagger

モノトーンでシリアスな空気感を持つダウナーソング。物悲しくダークなピアノ風の旋律は「氷の迷路」のようであり、カール・ハイドのボーカルはレディオヘッド(radiohead)のようにエモーショナルである。終盤〜最後は歪んだビートだけが「重い足取り」のようにスローに鳴り響く。

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