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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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小室哲哉プロデュースを離れてリリースされた初のオリジナルアルバム(wiki)

YU-KI(vo)のパワフルで伸びやかなボーカルラインを活かした曲がこれまで以上に多く収録されており、生音重視でブラックテイストが色濃かった前作と比べポップな印象のアルバムとなっている。

ファンキーなベースライン、ド派手なホーンセクションなどはもちろん健在だがメランコリックなUKロックやグランジからの影響を反映したような曲やm.c.a.tに作詞を依頼しm.c.a.tらしい独自のイントネーションをもつラップがフィーチャーされている「13 Unite! The Night!」などは新機軸と呼べる内容となっている。

DJ KOOが多くの作曲を行いまたm.c.a.tをはじめ多くの共作者を招き「脱TKサウンド」を模索している。

    「要点」

  • 生音重視でブラックテイストが色濃かった前作と比べポップな印象
  • m.c.a.tをはじめ多くの共作者を招き「脱TKサウンド」を模索

「曲解説」

1 Realize

サビのボーカルラインと歌声がロック的なエモーショナルを放ち、「ド派手なホーンサクションが演出するカラフルに弾けた躍動感」と「オフィス街のようなクールネス」を感じるアッパーチューン。
2 frisky a GO-GO!(Sunset Boulevard Mix)

「シュールな祭り」のようなファンキーさを感じるイケイケの曲。「エフェクトをかけ歪んだYU-KI(vo)の歌声」「トライバルな打楽器の断片」「時空を超えるようなワープ音風フレーズ」「クネクネと動くDJスクラッチ」など様々な音が曲中に現れては消える、とっ散らかった曲ではあるが不思議なバランス感がありコンパクトにまとめられている。
3 Frame

「サバサバ系OLのようなハキハキ感」と透明感が混在したキャッチーなサビがインパクト大のポップチューン。この曲でも「1 Realize」同様にド派手なホーンセクションが曲に「賑やかな街角」のような色彩を与えており、サビでは「氷細工」のようなキーボードがYU-KI(vo)のボーカルに寄り添って繊細なテクスチャを与えている。
4 in the move to be

「都会が見せる様々な表情を1曲の中に詰め込んだ」ような複雑性をもつ曲。サウンドはアシッドハウスに90年代的なストリートテイストを加えたようなイメージであり、時折登場する「霧の街」「恍惚」「憂鬱な青空」などを連想する繊細なサウンドテクスチャが曲に奥深さを与えている。
5 darkscape

ディープなベースラインとソニックに切り込むギターサウンドの断片をリフレインするトラックが「深夜のドライブ」のような疾走感を醸し出す曲(0:32〜)「軟体動物」のように動くバグったDJスクラッチはインパクト大。中盤以降はリズムの強度が高まりビートの粒がリスナーの脳を刺激する展開となりロック的なダイナミズムがある。
7 TRY OR CRY

サウンドはメランコリックなUKロックをミニマムなエレクトロポップ風にアレンジしたような質感だが、サビのボーカルラインに強い歌謡性を感じるポップソング。
8 Meltin’ you

「ミニマム×モノトーンな部屋でワインを飲みながらシリアスな思考を巡らせる」ような質感のR&B。トラックは最小限の音数で構成されており艶のあるボーカルラインを聴かせる事を第一に考えている曲であると言える。
9 Future Shock

「メタリックなドラム缶を思い切り叩いた」ようなリズムと歪んだYU-KI(vo)の歌声が印象的であり、グランジロック的な歪み感を感じる曲となっている。時折挿入される「彷徨う白い影」のようなシンセサウンドはこの曲がもつロック的なエッジをさらに引き立てている。
10 Friends

「メロウな昼下がりのような質感のピアノ」「春風のように清々しいストリングス」を中心に展開されるバラード。「光が差し込む教会」のような眩しさと肩の力が抜けたリラックス感を感じる事ができる。
13 Unite! The Night!

どこまでも伸びていくYU-KI(vo)のボーカルラインを最大限に活かしたファンクソング。ソウルフルで華やかな女性コーラス、独自のイントネーションをもつラップが曲に彩りとファンキーなテイストを与えている。音数が少なくシンプルな構造で曲が求めている音のみを鳴らしているというイメージだろうか。

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