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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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ブラックミュージック・オリエンテッドであった前作から大胆にサウンドチェンジさせた3rdアルバム。

同じく97年にリリースされた「FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させた作風となっており、オープニングソングである「1 Concentration 20 (make you alright)」などはイントロを聴いた時点では「これは本当にアムロの曲なのか?」と疑うレベルである。

シングルカットされた「6 a walk in the park [Remix]」「12 How to be a Girl [STRAIGHT RUN]」などは「ブラックミュージック的なディープさ」と「オルタナ的な壊れた質感」が見事に掛け合わされており、当時の小室哲哉は相当に90年オルタナ・グランジに傾倒していたと思われる。

    「要点」

  • FACES PLACES / globe(グローブ)」と共振する「オルタナ・グランジ的な響き・質感」を大胆に反映させたアルバム
  • 6 a walk in the park [Remix]における「a」は「amuro」の「a」だと今気づいた

「曲解説」

1 Concentration 20 (make you alright)

「暗号」のような質感の歪んだギターリフと「暴風雨」のようなノイズが空気を支配するハードなオルタナチューン。イントロを聴いた段階だと「本当にアムロの曲なのか?」と疑いたくなる程に前作からの変化を感じるサウンドであり、サビのボーカルラインもどことなくニルヴァーナ(Nirvana)的なエモーショナルを放っている。最後は「狂騒」のようなノイズサウンドがパタリと止まり「ガラス」のような質感のミニマムな電子音だけが静かに鳴り響く。
2 B w/z you

「縮れたビーム」のような電子音と「不穏な影」のような音響が印象的なトラックに乗せてアムロがしっとりした歌声で歌い上げるバラード。「1 Concentration 20 (make you alright)」ほど露骨ではないが全編を通してロック的なエッジを感じる事ができる。終盤では「空間を彷徨う黒い影」のような質感のノイズギターが鳴り響き曲をカオスにしている。
3 Close your eyes, Close to you

「メタリックな質感のうねる波のような重低音」と「ネオンカラーの電子音」が印象的なハウスチューン。中盤以降は一番遠くでノイズギターが鳴り響き曲にロック的なエッジを与えている。
4 Me love peace !!

「海辺に一人で佇む」ようなセンチメンタルを感じるレゲエ調の曲。サビのボーカルラインは「グランジアーティストを彷彿とする言葉のリフのようなハードなパート」と「メロディックでポップなパート」という2部構成になっている(3:20〜)「素敵な別れ」のような晴れやかさをもつ電子音が登場、その後は気怠い音響のノイズサウンドが曲にミステリアスな印象を与える。
5 No Communication

メタリックでカラフルな電子音と「雨雲」のような質感のベースラインの対比が印象的な曲。この曲でも随所に歪んだギターサウンドが挿入される為、前向きなポップさの中にも不穏さを感じる。
6 a walk in the park [Remix]

「深夜徘徊」のようなダークさをもつニューウェイブソング。イントロなどで聴く事ができる「終わらない螺旋階段」のような キーボードのループは非常に中毒性があり何度でも聴いていられる。サビは「一気に感情を解き放つ」ような開放感があり、 ボーカルの裏では何重にも重ねられた歪んだギターサウンドが鳴り響く。鳴っている音こそ全く違うが、このサビでの爆発はUSグランジ的と言っていいと思う。あとタイトルの主語である「a」は「amuro」の「a」だと思われる。
7 To-day

「眠れない夜」のようなディープさと気怠さをもつ曲でミステリアスに規則正しく鳴り響く電子音はオリエンタルな耽美を感じる。 終盤は「思い出したくないシーン」のような質感の歪みギターサウンドが脳内をグシャグシャとかき乱す。
8 Storm

「チープな西部劇」のようなミニマムな音響がループされるファンキーな曲。「急ぎ足」のようなラップと面白いテンポ感のボーカルラインが印象的。作詞作曲はなんと「m.c.a.t」。
10 CAN YOU CELEBRATE? [Remix]

「卒業式」のような晴れやかさと「1人で都会に佇む」ような孤独を同時に感じる大ヒットソング。ゴスペル風のコーラスがサビのボーカルラインに花を添え「全てを包み込む優しい風」のようなストリングスが全ての負の感情を浄化してくれる。
12 How to be a Girl [STRAIGHT RUN]

「ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)」のようなハードなブレイクビーツとオルタナロックのような質感が印象的なハードチューン(3:03〜)「空に浮かぶ黄金の城」を連想するサイケなギターソロが登場。ギターソロ以降はこれまで以上に壊れた質感のギターサウンドが強度を増し、最後はアシッドハウス的なスライムビートが淡々と鳴り響く。

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