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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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ゴージャスなシンセポップをヘヴィメタル・ハードロックな熱量で再構築したようなイメージの曲が目立つ1stアルバム。ファーストアルバムの時点でここまで「やりたい音楽」が明確なグループは非常にめずらしいと感じる。

ユニークな高音を持つ貴水 博之(vo)の歌声は一度聴いたら頭から離れない類のものであり、プロデューサーである浅倉大介が彼をパートナーに選んだのも納得である。

本作を聴くまではアクセス(access)サウンド=「シンセ・キーボードで埋め尽くされたデジタルデジタルしたサウンド」をイメージしていたのだが、ほとんど全ての曲で「強風」のようなギターサウンドを導入しておりロック的なパワフルさを感じるサウンドとなっている。ラストソング「11 Look-a-head」に関してはスラッシュメタルもびっくりのハイスピードを体感できる。

    「要点」

  • ファーストアルバムの時点で「やりたい音楽」が明確なグループ
  • ほとんど全ての曲で「強風」のようなギターサウンドを導入

「曲解説」

1 Sensual Glide

「頭上をクルクルと回る」ようなシンセサウンドが印象的なシンセロック。立体的で潤ったシンプルなビートと「強風」のようなギターサウンドが曲にロックな力強さを曲に与えており(2:34〜)ハードロック的な叙情性を感じるギターソロまで登場する。
2 VIRGIN EMOTION

バブリーでゴージャスな雰囲気を醸し出すハードなシンセロック。この曲でもやはり「強風」のような質感のギターサウンドが鳴り響き曲に疾走感を与えている(2:27〜)「遠い地へワープできる渦巻き」のようなプログレ的なシンセサウンドが登場、その後は「雨後の街」のような質感のピアノフレーズが挿入される。
3 Pale Blue Rain

「雨の日」のような湿り気を感じるロックバラード。序盤は物悲しいピアノ風シンセサウンドと「懐かしい日々」のような質感のストリングスを中心にしっとりとした展開(2:34〜)空間を包み込むようなギターサウンドの登場と共に曲は一気に熱量を高め、そのまま泣き系のギターソロに突入。終盤は「強い風が過ぎ去った後」のような静けさの中「独り言」のようなピアノが鳴り響く。
4 JEWELRY ANGEL (DEEP AXS MIX)

ディープで立体的なビートと「ギターリフ」を思わせる浅倉大介のキーボードサウンドが印象的で曲を通してゴージャスなナルシズムを感じる曲(2:55〜)「おもちゃ箱をひっくり返した」ようにカラフルでポップなサウンドが次々と飛び出しアクセントとなる。
5 Distance 〜求め合うには遠すぎて〜

ノスタルジーと「曇り空」のようなどんより感を感じるロックバラード。B’zの名バラード「もう一度キスしたかった」のように映画のような映像が見える曲である。
7 Against The Rules

曖昧な記憶を辿ってハッチャけた昨日の夜を思い出すようなジャンクソング。「縮れた音の断片」が次々と現れ「クラブの狂騒」を思わせるが憂鬱な質感の「不穏なシンセサウンド」は「本当は真面目だけど無理している俺」のようなイメージである。
9 Be Nude

「南国」のような開放感を感じるサビが印象的なポップチューン。「スライムのようなベースライン」「トロピカルな質感のギターソロ」などインパクトのある音を中心にコンパクトにまとめられている。
11 Look-a-head

「舞空術で空を飛んでいるZ戦士」を連想するハードなシンセロックでハイスピードを感じる曲となっている。歌詞の中に「フリーザ」というワードが登場して一瞬ドキッとする。「just you access」「give me access」というフレーズを頻繁に繰り出している為、「access」のテーマソングのような立ち位置の曲であると思われる(3:00〜)「名作RPGゲームの戦闘シーン」を思わせるテクニカルで流れるようなキーボードソロが登場、ソロの後半はギターとユニゾンしメロディック・ヘヴィメタル的な旋律を奏でる。

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