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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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人気絶頂期にリリースされスピード(SPEED)史上最高のセールスを記録した2ndアルバム。

1stアルバムと比べて力強さを感じさせる歌詞が増えて「無邪気さ・可愛さ」を強調した内容が少し減っていると感じる。この変化はまるで思春期女子の成長の足跡を描いているようで本作では「子供から大人に変化する人生で最も美しい時期」が見事にパッケージングされている。

背伸びして「癪なほどいい女になりたい」と言い放つ「2 Sophisticated Girl」夢を追い続ける意識高い系の「3 Another Sweet Field」などの歌詞は現在の感覚で言うと「アイドル」が歌うような内容ではないが、反面「4 Wake Me Up!(RISE Mix)」「6 ラブリーフレンドシップ」などでは「ファンサービス」と言わんばかりに弾けた可愛さをリスナーに提供する余裕を見せつける。

また無邪気な歌詞の中に時折シリアスな歌詞を挿入させる方法論は健在で「4 Wake Me Up!(RISE Mix)「どこから来てどこへ行くの人は?」」「・6 ラブリーフレンドシップ「笑っていたけど泣きたかった」」などの歌詞はドキッとさせられる。本作は2ndアルバムにしてスピード(SPEED) の完成形とも言える内容となっている。

    「要点」

  • 「9 熱帯夜」はスピード(SPEED)NO,1の名曲だと思われる
  • 「子供から大人になる」人生で最も美しい時期を見事にパッケージング

「曲解説」

1 RISE

キラキラした質感の電子音とダークなストリングスが「UFOが地球に上陸した」かのような浮遊感とシリアスさを演出するオープニングソング。アウトロでは「時空を超える」ようなワープサウンドが登場しリスナーをアルバムの世界に誘う。
2 Sophisticated Girl

ファンキーなカッティングギターと派手なホーンセクションを中心に展開されるアーバンな質感のファンクソング。歌詞は周囲に流されずに上を目指して「癪なほどいい女」に成長したいという意識高い系の極地のような内容となっている。
3 Another Sweet Field

メタリックな残響を感じるギターサウンドがリフレインされるミドルテンポの曲でリズムは力強くシンプルなものになっている(2:32〜)「賑わう街角」のような質感のサックスソロが登場して曲に彩りを与える。歌詞の内容は「2 Sophisticated Girl」同様に意識高い系で夢を諦めず突き進もうというニュアンスである。
4 Wake Me Up!(RISE Mix)

スピード(SPEED)らしい元気溢れる曲でチャカポコしたワウギターと立体的でうねるベースラインがインパクト大である。 告白したいけど自信ない小中学生女子の心情を歌っている曲ではあるが(3:34〜)「人はどこから来てどこに行くの?!」という哲学な歌詞が登場する。この時折登場するシリアスなラインはスピード(SPEED)ソングの最大の魅力かもしれない。
5 White Love

スピード(SPEED)最大のヒット曲で97年当時はどこに行ってもこの曲が流れていた。「この幸せは儚い雪のようにいつか消えてしまうのでは?」と不安に揺れる恋する思春期女子の心情を歌っている。この曲でも1stアルバム同様にソウルフルな女性コーラスがいい仕事をしており「冬の都会」のような空気感を作り上げている。
6 ラブリーフレンドシップ

1stアルバムに収録されている「Luv Vibration」のような疾走感を持つ曲で珍しく歪んだギターサウンドをフィーチャーしている。「ラブリー」「プリティー」などを盛り込んだ歌詞がアイドルっぽい(3:06〜)「笑っていたけど本当は泣きたかった」なるシリアスな歌詞が登場。「可愛さ・無邪気さ」を強調した歌詞に「シリアス」なパートを「ポンッ」と挿入するこの方法論はやはりお見事である。
7 Reset 99 to 00

ストリートテイスト満載のハードなギターリフをフィーチャーした曲でメンバーによるアグレッシヴなラップが披露される。ライムは「良くない現状をリセットせねば」という内容。
9 熱帯夜

流れるような美しいアルペジオとピアノ、「熱風」のような女性コーラスが印象的な名バラード。スピード(SPEED)史上最も良い曲だと思われ切ない片思いを超シンプルな英文法で表現したサビが秀逸。本曲のPVは暗闇の中にメンバー4人の顔が映し出されるだけの超シンプルなものだが不思議なエモさを感じるものとなっている。
11 my graduation(Album Version)

タイトル通り「卒業式」のような晴れやかな雰囲気を醸し出すヒットソング。歌詞の内容は「学校の卒業」というより「初恋からの卒業」というニュアンスで「出来るならあの頃へ戻りたい」「夢で会いたい」などの未練溢れる歌詞が登場する。「隠しきれない揺れる心情」を持ちながらも「過去にさよなら」するという切ない内容となっている。
12 I’ll be all right

女の子同士の友情をテーマにした弾けたポップソングだが「過去の恋愛を冷静に俯瞰する」歌詞も登場。「大人になっていく少女の成長過程を見守る父親」のような気持ちにもなれる曲。
13 Street Life

「冬の夜空」のような冷たさを感じるバラードからストリートテイストMAXのファンクに転調するインパクト大のラストソング。 10代の頃に誰もが一度は経験する悟り=「安易な友情や愛情は結局自分が1人になりたくないだけ」を受け入れつつ、 「自分の夢に向かって力強く行きよう、リトルワールドから脱出だ!」と力強く宣言する。

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