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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。

デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場する。

「実験的な作品」というのはリスナーに驚きを与える反面、ポップ・ミュージックとしての強度を欠くケースがままあるのだが、この難しい課題を布袋寅泰はソウルフル・オペラ調の女性コーラスを大胆に活用するという手法で解決している。「5 DANCING WITH THE MOONLIGHT」「6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES」「8 STRANGE VOICE」などは女性コーラスが曲のクオリティーを大きく左右する程の存在感を放っており「曲に何が必要であるか?!」を冷静に見極めるプロデューサーとしての才覚を発揮している。本作「GUITARHYTHM」はソロ活動のスタートとして文句なしのクオリティーを誇り、ボウイ(BOØWY)ロスのファンにとっては当時救いの1枚であったと思われる。

    「要点」

  • ・デジタルサウンドを大胆に導入してグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品
  • ・ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場

「曲解説」

2 C’MON EVERYBODY

「これぞ!布袋寅泰」という疾走感のあるギターリフと東洋的な浮遊感を感じるテクノポップ風シンセサウンドが並行するノリノリのロックンロール(1:30〜)ロックンロール感を強調するバイクのエンジン音も登場する。
3 GLORIOUS DAYS

伸びやか歪みギターサウンドを中心に展開されるメロディックなロックンロール。珍しく?!煌びやかアルペジオをプレイしており曲にカラフルな彩りを与えている。
4 MATERIALS

「シュールな異空間」のような音響を感じる曲でギターサウンドは金属的なきらめきを感じるものとなっており少しだけヘヴィメタル的である(1:30〜) 「ホラー映画」のようにダークでおどろおどろしい音響が不気味さを演出(1:53〜)「蜃気楼」のように揺らめく音響の中で「カラフルなガラス細工」のようなビートが踊る。
5 DANCING WITH THE MOONLIGHT

「真夜中」のようなベースラインと「太陽」のような眩しさを感じるシンセサウンドの対比が面白い曲でボーカルラインは渾身の出来であると思われ、繰り返しリフレインしたくなるグッドメロディーとなっている。サビではソウルフルな女性コーラスが「華やかな風」を運んできてポップソングとしての強度を劇的に向上させている。このコーラスの有無は曲のクオリティを大幅に左右するほどの存在感があると感じる。
6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES

「ミステリアスにどこまでも追いかけてくる影」のような不穏なループがインパクト大でボーカルは「ヒステリーな語り調」となっている。 時折、挿入されるシンセサウンドは幽玄な光を感じさせる(3:30〜)「大空を羽ばたく巨大な鳥」のようなオペラ調の女性コーラスが曲に優雅な風を運んでくる。終盤は「古びた渋いバー」のようなジャズサウンドを中心に展開される。1曲を通してリスナーに様々なイメージを連想させる曲となっている。
8 STRANGE VOICE

オペラ調の女性ボーカルを大胆に導入した曲でミニマムなインダストリアル・ビートの上でイマジネーション刺激する様々な音が次々と現れる(2:05〜) 「テクニカルなタップダンス」のようなリズムアプローチが鳴り響き、その後はエレクトロニカ的な音響が「ダイヤモンド」のようにチカチカと輝く。88年にこのエレクトロニカ風サウンドは新しすぎる。
10 GUITARHYTHM

「中華の風」を感じるテクノポップサウンドをバックに実験的なロックバンドが演奏したようなフリーな曲でサビは布袋による「HEY!Cocoon」というファンキーなボーカルが炸裂する。布袋本人もお気に入りの1曲であると思われ後に「今井寿」「永井聖一」「雅-MIYAVI-」などの個性派ギタリストをゲストに招き新バージョンを再録音している。
11 A DAY IN AUTUMN

「長い戦の終焉」のようなストリングスが中心となり「神秘的な和」を演出するラストソング。布袋寅泰の声は「ガラス越し」のような質感であり歌というより音響の一部として機能している。

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