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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「1 TELL ME」
「新学期のような期待感」と「きらめく宇宙」を感じる軽やかなポップロックで。歪んだギターサウンドは控えめでキュアー(CURE)のような空間系サウンドが印象的である。歌詞の内容は思春期男子に向けられたものだと思われ「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させ、この1曲だけでもhideが十代から熱い支持を受けた理由が非常によくわかる。

(2:50〜)ギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)ファンに対して「ご褒美」と言わんばかりの内容で流麗でメロディックなハモリフレーズとなっている(3:01〜) レゲエ的な音響が「シャボン玉」のようなメルヘンさを演出しており、そこにhideの囁き(僕には僕が見えない)が溶け合う。

「2 SCANNER」
ルナシー(LUNASEA)のRYUICHIをゲストに招きデュエットした曲でサウンドはインディーズ時代のルナシー(LUNACY)を彷彿とさせるダークなハードコアチューンとなっている。

気のせいかもしれないがhideとRYUICHIの声質は非常に似ており、歌詞の内容は「DOUBT」に近いもので「むかつくアイツ」に対する苛立ちを全面に押し出したものだが同時に「今のうちにせいぜい吠えておきなさい」という余裕もある。本作はルナシー(LUNASEA)大ブレイク前夜の94年3月リリースの作品となっており、深読みかもしれないがこの時期にRYUICHIを招きハードコア調の曲でディュエットを試みたのは、 hideがRYUICHIに対して「昔(インディーズ時代)の君を思い出せ」というメッセージを伝えたかったからでは??と感じた。93年にルナシ(LUNASEA)がリリースした耽美アルバム「EDEN」には賛否両論があったし、何よりhideはRYUICHIの「ルナティクでダークな独自歌唱」が大好きだったのだろう。

RYUICHIは見事にhideの思い(筆者の妄想)にこたえ、名曲ROSIERで耽美さとアグレッシヴな熱量が見事に絡まった素晴らしいボーカルを披露してくれた。

    「要点」

  • ・「1 TELL ME」の歌詞にある「幻覚に踊る体」「心とは裏腹のパントマイム」などのラインは、 周囲の気をひきたくて「本当の自分ではない役を演じているヤンキー少年」を連想させる
  • ・「2 SCANNER」はルナシー(LUNASEA)の大ブレイクのキッカケの一つでもある
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