検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

投稿詳細ページ

オアシス(OASIS)やレディオヘッド(radiohead)からの強い影響を感じる気怠くメランコリックなUKギターロックサウンドで埋め尽くされたザ・ブリリアント・グリーン(the brilliant green)の1stアルバム。

ほぼ全ての曲で「曇り空」のようなギターサウンドが鳴り響き、流れるような抜群のメロディーラインを川瀬智子(vo)が「不機嫌な少女」のように気怠く歌い上げる。98年当時の日本の音楽シーンにおいてここまで「濃厚なUKロック匂」を醸し出したアーティストは非常にレアであり、アルバムを通して1曲のような統一感がある。「3 You & I」は神レベルの素晴らしいメロディーセンスをもつ曲でシングルカットされていない事が不思議でならない。

    「要点」

  • ・気怠くメランコリックなUKギターロックサウンド
  • ・抜群のメロディーラインを川瀬智子(vo)が「不機嫌な少女」のように気怠く歌い上げる

「曲解説」

1 I’m In Heaven

「UKロックアーティスト以上にUKロックなギターサウンド」が印象的であり「曇りのち曇り」のような雰囲気と「不機嫌な少女」のような気怠さをもつ川瀬智子(vo)の歌声が非常にマッチしている。
2 冷たい花

UKロックアーティスト・オアシス(OASIS)からの強い影響を感じるサイケなギターサウンドが「雨雲」のように分厚く鳴り響く曲で、相変わらず川瀬智子(vo)のボーカルは不機嫌である。歌詞は過去の失恋によって心に傷を抱えた主人公が「夢も希望も自分で捨てた」というメランコリックの極地のような感情をぶちまける内容となっており、サビに登場する「冷たい花を蹴り散らす様に」という「繊細で衝動的なワンフレーズ」だけがダークで陰鬱なこの曲に僅かな光を差し込む。
3 You & I

「初恋」のようなエモさを感じる良質なUKギターポップ。サビの後に「隠しアイテム」的に大サビが用意されており、全編を通して素晴らしいメロディーをもつ曲となっている。川瀬智子(vo)の歌声は気怠い質感ではあるが、同時に「少女」のような甘さも感じるられる。イントロや間奏で聴く事ができる「チュチュル、チュルチュルー」というコーラスは斬新な響きで他のアーティストでは聴けない類のものだ。
4 Always And Always

「アジアンな街」を連想するラフなパーカッションが印象的なアコースティックソングでボーカルラインは「気怠い無国籍が心地よいヴァース」と「初めてのおつかい」を連想するスウィートなサビの2部構成となっている。「3 You & I」同様に終始、素晴らしいメロディーを堪能できる。
6 Stand by

「ウェットに沈む」ギターサウンドがまるで「夕暮れの曇り空」のようなメランコリックソング(2:07〜)ギターソロ(オルガンかも?!)はまるで「憂鬱な夢」のようである。
7 “I”

枯れたギターサウンドをフィーチャーしたギターロック。歌詞の内容は「ひそかな想いを太陽」に隠した切ない片思いが今も心にうつろなメロディーを運んでくるが、それでも前に進むために過去にbye byeと手を振るという内容である。
8 Baby London Star

気怠さと疾走感が同居した曲で本作の中で最も直線的なビートを感じる(4:07〜)この曲でも川瀬智子(vo)独自のコーラス「チュル、チュッチュ、チュ、チュ、ルー」が登場する。
9 There will be love there -愛のある場所-

罪悪感を背負っていた主人公がメランコリックな内省を経て「確かな光」を見つけだすヒットシングル。メランコリックで良質なUKロックソングを収録した本作の中でこの曲以上にシングルに相応しい曲は存在しない。
10 Rock’n Roll

タイトルとは裏腹に「メランコリックな響き」をもつアコースティックソング。川瀬智子(vo)のボーカルラインは派手なメロディーを歌うわけではないのだが非常に耳に残る。終盤は「Just you and rock’n roll yeah」というフレーズが連呼される中で、ギターのコードストロークが唐突に途切れそのまま静寂で幕を閉じる。

このレビュー記事をSNSでシェア