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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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これは本当にルナシー(LUNASEA)のRYUICHIなのか?!と多くの人に衝撃を与えたミニアルバム。おそらくではあるが「これまでの自分をぶっ壊す」「ルナシー(LUNASEA)と同じ事は絶対にしない」「非音楽ファンを自分に振り向かせる」などがテーマになっていると思われる。

ワクワク感が強調されたポップソング「2 BALLOON」では「君がふくシャボン玉の中に閉じ込められたみたい」なる歌詞が登場しルナシー(LUNASEA)ファンの度肝を抜く。かつて「コンクリートの部屋の中、外を見る事さえできずに」という暗黒モダンな歌詞を歌っていた、かつてRYUICHIの姿はこの曲にはない。しかし反面「7 SE,TSU,NA,」では都会の事を「掃きだめみたいなこんな街」と表現しており、ルナシー(LUNASEA)の名曲ROSIER同様に都会に対するアンチテーゼは不思議と一貫されている。(※ROSIERでは都会の事を「輝く事さえ忘れた街」と表現)

本作は(というか河村隆一のソロ全般)ルナシー(LUNASEA)のオールドファンを中心に賛否両論があると思うのだが「過去やこれまでの実績にしがみつく気は一切ない姿勢」「良い意味でファンの期待を裏切ってやろうという心意気」「自分がやりたい事を素でやる、だって自分の人生だもん的ナチュラルさ」を貫くことは非常に勇気がいることであり素直にリスペクトすべきだと筆者は思う。

「ロック=常に変化し続ける」と定義づけるなら河村隆一ほどロックなミュージシャンはいないのでは?!という気もある意味ではする。

    「要点」

  • ・「これまでの自分をぶっ壊す」「ルナシー(LUNASEA)と同じ事は絶対にしない」などがテーマであると思われる
  • ・「7 SE,TSU,NA,」ではルナシー(LUNASEA)の名曲ROSIER同様に都会を「掃きだめみたいなこんな街」とディスっている

「曲解説」

1 TWINKLE

揺らめくサイケサウンドと渋いサックスが「黄昏」のように漂う曲。歌詞に「ロマン」というワードが登場するが、ルナシー(LUNASEA)の名曲END OF SORROWとは全く異なるポップでノーマルな響きがある。歌詞は色んな意味でルナシー(LUNASEA)のボーカリストRYUICHIとしては歌えない内容となっており「朝が来るまであきれる位に星を数え、夢を語りあう」という真っ直ぐ過ぎる内容となっている。
2 BALLOON

「待ちわびた夏休み」のようなワクワク感を感じるポップソング。「君がふくシャボン玉の中に閉じ込められたみたい」というなんとも言えない歌詞が登場しこれは本当にルナシー(LUNASEA)のRYUICHIなのか?!と一瞬疑ってしまう内容となっている。
4 REAL

「クリスタル」のような透明感を感じる音響に包まれて「何かが壊れてしまった若者のヤバいリアル」を河村隆一が抜群の歌謡性で歌い上げるフォークバラード。
5 RED

物悲しくダークなストリングスが「中華のミステリアスなおとぎ話」のようなムードを醸し出すバラードで、よく聴いてみるとリズムはインダストリアル風の歪んだものとなっている。
7 SE,TSU,NA,

「駆け足」のようなスピードを感じるギターポップにのせて河村隆一が「愛や夢をなくした人々」に対して「周囲に流されず目的をもって生きろ!」と喝をいれる内容となっている。そう「人生は思っているよりきっと短い」のだから。ルナシー(LUNASEA)の名曲ROSIERでは都会の事を「輝く事さえ忘れた街」と表現しているが、この曲では「掃きだめみたいなこんな街」と表現している。サウンド・歌詞共にルナシー(LUNASEA)とは大きく異なるが、都会に対するアンチテーゼだけは不思議と一貫している。

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