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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「1 THE LAST SONG」
「激動の過去を静かに冷静に振り返る夜」のような雰囲気が漂う再結成前のラストシングル。

ピアノの旋律は「自分の命はそう長くないと悟った老人」のようにゆったりとそして深い響きをもっており、ストリングスは「星さえも見えない都会の夜」のようにディープである。歌詞は生々しく、そして繊細なものとなっており「血まみれになりながらも激動の音楽シーンを駆け抜けたYOSHIKIの心の葛藤と傷」が描かれているのだが「傷つくだけ傷ついてわかったはずの答えをどうしてまだ問いかけてる」というラインをTOSHI(vo)が歌うとまた別の意味合い(洗脳の団体とX JAPANの間で揺れる心)にも聴こえるから不思議である。「繊細な感情を全て絞り出した」この歌詞は非常に美しく、そう何度も出てくるような内容ではないと思われる。

またこの曲はエックスジャパン(X JAPAN)の曲ではあるのだがYOSHIKIによる「シリアスな語り」が曲の中で大きなウエイトを占めておりTOSHIのボーカルが聴けるのはサビのみとなっている。だが、この曲におけるTOSHIのボーカルは登場時間こそ短いが過去最高レベルにエックスジャパン(X JAPAN)ファンの心に突き刺さる(3:12〜)ギターソロはhide(g)が最も得意とする「ボーカルとバトンタッチして続きのメロディーをギターで歌う」メロディックなものとなっており孤独に震えるYOSHIKIを眩しい光で包み込む。

(6:25〜)BLUE(悲しみ)、RED(怒り)を見たYOSHIKIが濡れたままの心で次章に進もうとするが、やはり心の葛藤と傷は消えずに最後まで明確な答えを見つけられないという「内省の極み」のような歌詞が続き出口は見えない。終盤は「自分の命はそう長くないと悟った老人」が青春時代を思い出し1人で海辺を散歩するようなイメージで淡々とそして静かにピアノの旋律だけが鳴り響く。

    「要点」

  • ・「傷つくだけ傷ついてわかったはずの答えをどうしてまだ問いかけてる」というラインをTOSHI(vo)が歌うとまた別の意味合い(洗脳の団体とX JAPANの間で揺れる心)にも聴こえるから不思議である。
  • ・血まみれになりながらも激動の音楽シーンを駆け抜けたYOSHIKIの心の葛藤と傷が描かれている歌詞が秀逸
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