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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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幅広い年齢層に支持される国民的なアーティスト/サザンオールスターズ(Southern All Stars)のデビューアルバム。

デビュー作にしてサザンオールスターズ(Southern All Stars)の魅力をギュッと詰め込んだような作品となっており、ハードロックやプログレなどに影響を受けたアーティストが多かったと思われる78年当時に「サンバ」「ボサノバ」「レゲエ」からの影響をサウンドに反映しておりパブリックイメージとは異なる「音楽マニア」な側面が垣間見れる。

そして桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」はサウンドが「サンバ」「ボサノバ」はたまた「レゲエ」であろうが「そんなの関係ない」と言わんばかりにリスナーの脳に「濃厚なメロディー」を刻み込む魔力がある。またセンチメンタルな内容の歌詞であっても「驚異的に歌が上手い酔っ払い」という形容がピッタリの桑田佳祐(vo)が歌うと本来、曲がもっているであろう「湿っぽさ」や「暗さ」を感じる事が一切ない。

極端な話、桑田佳祐(vo)が歌えば例えどんなに「シュールな歌詞」や「非売れ線サウンド」であってもポップとして成立し「嫌でも売れてしまう」だろう。

    「要点」

  • ・デビュー作にしてサザンオールスターズ(Southern All Stars)の魅力をギュッと詰め込んだような作品
  • ・「驚異的に歌が上手い酔っ払い」という形容がピッタリな桑田佳祐(vo)のボーカル

「曲解説」

1 勝手にシンドバッド

「リオのカーニバルを和風にアレンジした」ようなイメージのサンバ調のヒットシングル。デビューシングルのオープニングソングにして 「サザンオールスターズ(Southern All Stars)」というアーティストの魅力が凝縮されており、桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」がキレキレで曲の中を縦横無尽に動き回る。歌詞の内容は「サザンらしく海で出会ったアンタを思い出す」というものだが、歌詞の展開的に唐突感が半端ない「いま何時?!」なるコーラスがこの曲に強烈な「コミカルさ」を与えていると感じる。
2 別れ話は最後に

「夢見心地」のような揺らめく音響が印象的なボサノバ風の曲。「雨が降っているのに空は晴れている」というレアな状況を「雨のSun shine Road」と表現している。
3 当って砕けろ

「抑えられないワクワク感を音楽化した」ような賑やかなポップソング。「祝祭」のようなホーンセクションが中心となって展開されるサウンドだが、アーバンなピアノが曲全体をアダルトに引き締めている。
5 茅ヶ崎に背を向けて

「曇った夏の海辺」のようなポップソングでループされる「ガラス」のようなコードカッティングと清涼感のあるピアノサウンドを中心に展開される。ボーカルは桑田佳祐(vo)と原由子によるデュェットとなっており桑田佳祐(vo)のボーカルは「驚異的に歌が上手い酔っ払い」風、対照的に原由子のボーカルは「普通に冷静」である。終盤は熱いギターソロが「溢れ出す思い」のようにブルージーに響き渡る。
7 女呼んでブギ

「女の気持ちが分かるモテる男」をテーマにした歌詞が印象的な曲で歌詞の中にはモテる男に対する同性(男)からの「嫉妬」と「鋭い指摘」が混在されている。「女呼んでもんで抱いていい気持ち」なるラインは現在では明らかにNGであると思われる。
8 レゲエに首ったけ

サンプルリングされた動物の鳴き声が「ジャングル」を連想するレゲエソングで「我関せず」と言わんばかりにクリーンなギターフレーズがマイペースにリフレインされる。「レゲエは女よりいいや」というフレーズがガチであれば当時、桑田佳祐(vo)は相当レゲエに傾倒していたと思われる。
10 今宵あなたに

ディープなベースラインと「高級レストラン」のようなピアノサウンドを中心に展開される曲。基本バラードではあるが「ディナーショー」のような華やかさも混在している珍しいタイプである。ギターソロとピアノソロの前で「メンバー紹介」を行う余裕も見せつける。

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