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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「パンク=反体制・反権力」という「レガシーな方程式」を作った存在がセックス・ピストルズ(Sex Pistols)であるとすれば、ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」というアティテュードを提示したアーティストであると言える。

本作は彼らのキャリアの中でも最も評価の高いアルバムの1つであり「スカ」「ロカビリー」「ジャズ」など様々な音楽要素を盛り込んでいる。「15 Lover’s Rock」ではパンクロックの中でピアノサウンドを活かす方法論なども模索しており、やりたい放題である。

また様々な音楽要素を盛り込むだけではなく「パンク以降の二ューウェイブ」を思わせる浮遊感漂うギターサウンドや音響もいち早く取り入れており「9 Clampdown」で聴くことができる「チカチカ」するようなサイケなギターサウンドはまさかのシューゲイザー風であったりする。

様々な音楽に触手を伸ばす「音楽マニア」である彼らの「表現欲求」は3rdアルバムにして早くも「パンクという檻」の中で収まりがつかなくなっていた。本作でザ・クラッシュ(The Clash) が提示した「ある種の柔軟さ」は当時オールドスクール・パンクファンを中心に賛否両論を巻き起こしたはずである。

    「要点」

  • ・ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」であるというアティテュードを提示したアーティストであると言える
  • ・「パンク以降の二ューウェイブ」を思わせる浮遊感漂うギターサウンドや音響も取り入れている

「曲解説」

1 London Calling

確かなメロディーと「パンクなしがらみ」から解放されている自由度の高いサウンドが印象的なタイトルトラック。ギターのコードバッキングは「記号」のような質感となっており、ポール・シムノン(b)のベースラインは「静かに佇む」かのようにクールである。
2 Brand New Cadillac

「路地裏」のようなダークさと「迷子」のようなギターフレーズが印象的な曲で「ベースがメインリフを奏で、ギターが空間構築に徹する」という「二ューウェイブ的方法論」をいち早く取り入れている。
3 immy Jazz

「古びた場末のbar」のような渋さがあるアコースティックソング(2:18〜)曲の空気に瞬時に溶け合うサックスサウンドがモノトーンな曲に色彩を与える。終盤は「音楽室にあるマニアックな楽器を無造作に鳴らしたようなイメージ」の展開となる。
6 Spanish Bombs

和訳「スペイン戦争」というシリアスなタイトルとは裏腹にサウンドは軽やかなギターポップとなっており、イントロのギターサウンドはややキュアー(CURE)風である。
7 The Right Profile

レトロで分厚いホーンサウンドをフィーチャーしており「スカ」からの影響を反映させている曲。ギターサウンドは「スカ」特有の「メカニカルに時を刻む」ようなフレーズとなっている。
8 Lost in the Supermarket

浮遊感のあるニューウェイヴのようなイメージの曲でコーラスを効かせたギターフレーズはキュアー(CURE)に近い質感。キュアー(CURE)はザ・クラッシュ(The Clash)の影響を受けているのだろうか?!歌詞は「スーパーマーケットで迷子になっている男の喪失感」についてであり、ポジティブな意味で「パンク=反抗的」という方程式を完全無視している。
9 Clampdown

アンプのハウリングを「電子音」のように利用しているシンプルなロックチューン(1:35〜)時代を先取りしているシューゲイザー風のギターサウンドが「チカチカ」と響き渡る。
15 Lover’s Rock

女性ボーカルをゲストに招いたデュエットソング。タイトル通りスウィートなポップソングとなっておりサウンドも「よく晴れた午後」のように爽やかである。
16 Four Horsemen

シンプルなパンクソングにピアノサウンドを上手く絡めた曲となっており「パンク=音楽的自由」というザ・クラッシュ(The Clash)的パンク美学をアルバム収録曲の中で最も分かりやすく表現している曲かもしれない。

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