「曲解説」
1 MASTURBATING SMILE
極限までそぎ落とされたファストなパンクチューン。歌詞の内容は「腹黒い大人には騙されないぞ」的な側面と「逆風の中で孤立無援でも自分たちはサバイブするんだ」という強い意志を感じる側面によって構成されている。
2 FASTER BEAT
手数の多いドラムと「地底」のような質感のベースラインが躍動するミニマムなパンク。清春(vo)の歌詞は「終わらない反抗期」のように衝動的な内容ではあるが「待ち伏せしている落とし穴」について言及するクールネスも持ち合わせている。
3 SPOON & CAFFEINE
「記号」のようにミニマムなリフが高速でリフレインされるパンクソング。「無個性のどうでもいい歌を垂れ流す」音楽業界を痛烈に批判している。「カフェイン」と「スプーン」でここまでイマジネーションを膨らませた歌詞がかけるのは清春(vo)位だろう。
4 後遺症 -aftereffect-
ドラムとベースラインがドライブ感MAXで攻めまくる曲。歌詞の内容は痛烈な音楽業界批判と自身の消えない傷についてであり「後遺症」というワードを連呼する歌詞はインパクト大。サビのボーカルラインはパンクの仮面を被っていても抑えきれない抜群のメロディーセンスが炸裂している。
5 CANDY
「ボディーブロー」のようなドラムプレイが強烈なファストチューン。「痛みや寒気を止めるCANDY」について歌った曲でやりたい放題。
6 少年 -screw mix-
「地下室」のような陰鬱な雰囲気とルーズな質感をもつ彼らの代表曲。「細かなプライドで髪を伸ばす」「認められない奴がしていたネックチェーン」など思春期の少年のヒリヒリ感や焦燥感を見事にパッケージングした歌詞が秀逸。大人になってこの歌詞に触れると「当時はそんな類の事思っていたような」というノスタルジーを感じる。
9 HELLO, CP ISOLATION
「祭典」のような雰囲気と少しのコミカルさを感じるスカパンク。「ファスト×ラウド」でヒリヒリしたパンクソングが連発される本作において、一服感を感じるこの曲の存在は非常に大きいと感じる。ギターサウンドは裏のリズムを強調したジャカジャカしたプレイである。
11 COWBOY
過去になんて興味ないと言わんばかりの「歩いた場所をポラロイドカメラで撮り、そしてどんどん破り捨てよう」というパンクな提案がシュールなファストチューン。サウンドはタイトでダイナミックなロックンロール(1:12〜)本作の中では珍しいギターソロが登場、音色がどことなくCOWBOYを連想するものとなっている。
12 MARIA -screw mix-
CDバブルの90年代に背を向けパンクな生き方を実践する清春(vo)にしか歌えない反逆ソング。くぐもった質感で強烈にうねるドラム・ベースラインとは対照的にギターサウンドはワンコードの音の断片をリフレインするものとなっている。「生まれつき器用になれない」という心情をmy sisterであるMARIAに吐露するという歌詞は深く考えさせられる。
14 KNEES TO BREAK
重たく不機嫌なベースサウンドを中心に展開されるルーズな曲。「dear fat man」は一体だれなのか?が気になる。ツパッた歌詞はまさに「永遠の反抗期」。
15 LAST PLEASURE
ファストなパンクチューンで埋め尽くされた本作のラスト飾るハードコアチューン。サビではエフェクトがかけられた狂気じみた清春のシャウトが炸裂する(2:02〜)「狂騒」のようなサウンドの中「スローモーション」のような質感の人時(b)の歪んだベースソロが登場。ドラムは「馬の大群が走り抜ける」ようなバタバタ感を感じる強烈なプレイを聴かせてくれる。