「曲解説」
1 forbidden lover
マーチ風のブレイクビーツが斬新で「深海」のようなディープな雰囲気を持つ神々しいバラード。サビにおけるhyde(vo)のボーカルラインは過去最高レベルの神ラインであり「天までに届くエネルギー波」のように強烈な響きを持つ。また歌詞に久しぶりに「神」「瓦礫」などのワードが登場するが、初期のミステリアスな歌詞を洗練させたような仕上がりとなっている。
2 HEAVEN'S DRIVE
クールなカッティングと「春風」のようなコーラスが印象的でウネるドライブ感が魅力のロックチューン(0:35〜)hyde(vo)のエロい歌詞に絡みつくken(g)のギターフレーズはまるで「濡れた蛇」のような質感である(0:58〜,1:51〜,3:06〜)サビはドライブ感のあるロックサウンドから一変、キャッチーなホーンセクションが華やかに弾ける(2:20〜)「隠しアイテム」のようなサビ以上にサビな華やかなボーカルラインが登場。
3 Driver's High
「イケイケのドライブ」のように疾走するロックチューン。イントロのken(g)のギターサウンドは名曲「2 Vivid Colors」と共通する哀愁感があるが、歌詞の内容は「2 Vivid Colors」とは正反対であり、かつて「列車は今日彼女の街を超えて」とナイーブに歌っていたのが嘘のように「この世の果てまでぶっ飛ばす」と宣言する。サビは「2 HEAVEN'S DRIVE」同様に非ロックな華やかに弾けるサウンドを聴かせてくれる。
4 Cradle
トリップホップのようなダークさと透明感を感じる実験的な曲。「クリスタル」のような質感の電子音が「真っ暗な密室」のような空間に僅かな光を灯し、
「蜃気楼」のように揺らめくDJスクラッチはポーティスヘッド(Portishead)のようだ(3:20〜)ダークな雰囲気と歩調を合わせるかのようにギターソロはダウナーな質感である。
5 DIVE TO BLUE
タイトル通りブルーな質感と「宙を舞う」ような浮遊感を感じるギターポップ。ken(g)得意のディレイサウンドはかつてのようなモノトーンな質感ではなく「カラフルなバルーン」のようにキャッチーであり、反面tetsuya(b)のベースラインは浮遊感のあるギターサウンドとは対照的に地を這うような質感である。
6 Larva
ポストロック系のモザイクがかったミニマムなビートと「青空」のように晴れ渡るシンセサウンドが印象的なインストナンバー。作曲は幅広い音楽に興味を持つyukihiro(dr)が担当している。
7 Butterfly's Sleep
キュアー(CURE)の耽美的な曲を90年代的な壊れた質感で再構築したような曲。時折挿入されるストリングスは「情熱大陸」のように優雅である。ken(g)のギターは「豪雨」のような質感で音響的であるが、tetsuya(b)のベースラインはまるで「大蛇」のように立体的でメロディアス。
8 Perfect Blue
「南国」のような開放感とトロピカルさを持つポップソング。ギターサウンドはまるで「砂浜に埋もれたガラス瓶」のように透明で煌びやか。終始リラックスした雰囲気が漂いこれまでのラルクにはないタイプの曲である。
9 真実と幻想と
「宇宙」のようなディープさをもつトリップホップ風の曲。歪んだギターサウンドの断片がリスナーの脳に突き刺さりサビは「儚い願い」のように美しい。中盤以降は重層なストリングスが存在感を増し神々しい雰囲気が漂う。終盤は「氷の雫」のような電子音と「渦巻き」のようなギターリフがリフレインされる。
11 Pieces [ark mix]
「曇った早朝のビーチ」のようなブルーを感じる名バラード(2:38〜)「美しい風景画」のような曲にken(g)のアバンギャルドなノイズプレイがアクセントを加えており、曲がギリギリ破綻しないラインで成立させているバグった質感を与えている。このギターソロがなければ曲の印象は全く異なったものとなっていただろう。