検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

投稿詳細ページ

ザ・キュアー (The Cure)らしいミニマムなサウンドを「ディープにアップデートした」ようなサウンドを聴かせてくれる3rdアルバム。前作「Seventeen Seconds」で聴く事ができた「淡々としたアーティスティックな落ち着き」も健在である。

本作はサイモン・ギャラップ(b)によるディープなベースラインが特に大きな存在感を放っており曲をこれまでより立体的にそしてダークにしている。またギターのコード進行も「退廃感」や「切迫感」を強調したものが増えており、各パートがミニマムなバンド形式の中で「自分たちのスタイルのベーシック」を確立したようなイメージの作品となっている。「6 Doubt」におけるギターのコード進行は日本のV系アーティストに大きな影響を与えたハズである。

本作は初期ザ・キュアー (The Cure)の集大成と言っても良いクオリティをみせ、ゴスを代表するアーティスト/ ザ・キュアー (The Cure)のスタートラインのような作品となっている。

    「要点」

  • ・ミニマムなサウンドを「ディープにアップデートした」ようなサウンドを聴かせてくれる3rdアルバム
  • ・「6 Doubt」におけるギターのコード進行は日本のV系アーティストに大きな影響を与えたと思われる

「曲解説」

1 The Holy Hour

おどろおどろしいベースラインが「ドロっとした液体」のようにディープに響き渡り、ロバート・スミス(vo)のボーカルには「鏡の世界」のようなエフェクト処理が施されている。前作「Seventeen Seconds」に収録されていた曲同様に冷たく淡々としたフィーリングの曲ではあるが全てのパートがディープな進化を見せている。最後は「この世の終わりを告げる」かのような不穏な鐘の音がミステリアスに響き渡り「これぞ!ゴス」という展開となる。
2 Primary

ザ・キュアー (The Cure)らしい「無国籍な浮遊感」を前面に押し出した疾走系チューン。ギターのコード進行は「パンク以前の音楽にはない」類のものであり「ミステリアスな影に追いかけられる」ような切迫感をリスナーに与える。
3 Other Voices

「1 The Holy Hour」同様に「ディープでゴリッとした」ベースリフを中心に展開され「神秘」という形容がよく似合う異空間のような雰囲気を醸し出す曲(3:15〜)幻想的でキラキラとしたギターサウンドが曲に耽美性を与えている。このエフェクティヴなフレーズは今井寿(バクチク/BUCK-TICK)やSUGIZO(ルナシー/LUNASEA)などの「日本の異端なギタリスト達」に大きな影響を与えたと思われる。
5 The Funeral Party

「死後の世界で歌われる壮大なバラード」のような幽玄さを感じる曲。「オーロラ」のように神秘的なストリングスが「全てを浄化する」ように響き渡る。
6 Doubt

「忍者」のようなスピードとダークさを押し出したザ・キュアー (The Cure)流ロックンロール。ロバート・スミス(vo)のボーカルは「マニアックな呪縛」風であり、Aメロとかサビという概念を全く無視するかのように自由奔放である。ギターサウンドは退廃的なコード進行をリフレインしており90年代V系的である。

このレビュー記事をSNSでシェア