「曲解説」
1 RISE
キラキラした質感の電子音とダークなストリングスが「UFOが地球に上陸した」かのような浮遊感とシリアスさを演出するオープニングソング。アウトロでは「時空を超える」ようなワープサウンドが登場しリスナーをアルバムの世界に誘う。
2 Sophisticated Girl
ファンキーなカッティングギターと派手なホーンセクションを中心に展開されるアーバンな質感のファンクソング。歌詞は周囲に流されずに上を目指して「癪なほどいい女」に成長したいという意識高い系の極地のような内容となっている。
3 Another Sweet Field
メタリックな残響を感じるギターサウンドがリフレインされるミドルテンポの曲でリズムは力強くシンプルなものになっている(2:32〜)「賑わう街角」のような質感のサックスソロが登場して曲に彩りを与える。歌詞の内容は「2 Sophisticated Girl」同様に意識高い系で夢を諦めず突き進もうというニュアンスである。
4 Wake Me Up!(RISE Mix)
スピード(SPEED)らしい元気溢れる曲でチャカポコしたワウギターと立体的でうねるベースラインがインパクト大である。
告白したいけど自信ない小中学生女子の心情を歌っている曲ではあるが(3:34〜)「人はどこから来てどこに行くの?!」という哲学な歌詞が登場する。この時折登場するシリアスなラインはスピード(SPEED)ソングの最大の魅力かもしれない。
5 White Love
スピード(SPEED)最大のヒット曲で97年当時はどこに行ってもこの曲が流れていた。「この幸せは儚い雪のようにいつか消えてしまうのでは?」と不安に揺れる恋する思春期女子の心情を歌っている。この曲でも1stアルバム同様にソウルフルな女性コーラスがいい仕事をしており「冬の都会」のような空気感を作り上げている。
6 ラブリーフレンドシップ
1stアルバムに収録されている「Luv Vibration」のような疾走感を持つ曲で珍しく歪んだギターサウンドをフィーチャーしている。「ラブリー」「プリティー」などを盛り込んだ歌詞がアイドルっぽい(3:06〜)「笑っていたけど本当は泣きたかった」なるシリアスな歌詞が登場。「可愛さ・無邪気さ」を強調した歌詞に「シリアス」なパートを「ポンッ」と挿入するこの方法論はやはりお見事である。
7 Reset 99 to 00
ストリートテイスト満載のハードなギターリフをフィーチャーした曲でメンバーによるアグレッシヴなラップが披露される。ライムは「良くない現状をリセットせねば」という内容。
9 熱帯夜
流れるような美しいアルペジオとピアノ、「熱風」のような女性コーラスが印象的な名バラード。スピード(SPEED)史上最も良い曲だと思われ切ない片思いを超シンプルな英文法で表現したサビが秀逸。本曲のPVは暗闇の中にメンバー4人の顔が映し出されるだけの超シンプルなものだが不思議なエモさを感じるものとなっている。
11 my graduation(Album Version)
タイトル通り「卒業式」のような晴れやかな雰囲気を醸し出すヒットソング。歌詞の内容は「学校の卒業」というより「初恋からの卒業」というニュアンスで「出来るならあの頃へ戻りたい」「夢で会いたい」などの未練溢れる歌詞が登場する。「隠しきれない揺れる心情」を持ちながらも「過去にさよなら」するという切ない内容となっている。
12 I'll be all right
女の子同士の友情をテーマにした弾けたポップソングだが「過去の恋愛を冷静に俯瞰する」歌詞も登場。「大人になっていく少女の成長過程を見守る父親」のような気持ちにもなれる曲。
13 Street Life
「冬の夜空」のような冷たさを感じるバラードからストリートテイストMAXのファンクに転調するインパクト大のラストソング。
10代の頃に誰もが一度は経験する悟り=「安易な友情や愛情は結局自分が1人になりたくないだけ」を受け入れつつ、
「自分の夢に向かって力強く行きよう、リトルワールドから脱出だ!」と力強く宣言する。