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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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前作The Great Escapeをもって文字通りブリットポップムーブメントの狂騒から大逃走した彼らが90年代以降に影響を受けた音楽の要素を大胆に取り入れた本作。前作まではどこか窮屈そうであったグレアム・コクソン(g)のギターが面白い音を出しており彼ら独自の「ひねくれたポップソング」とグランジ・オルタナの壊れた質感が見事にマッチした作品になっている。

どっちつかずであった前作「The Great Escape」の鬱憤を晴らすかのように明確な答えを提示した今作。レディオヘッドやヴァーヴが傑作アルバムを出しオアシスがサイケ色を強めた1997年、ブラーもまた「これまでの自分たち」を良い意味で壊した。

    「要点」

  • グランジ・オルタナに急接近して殻を破った
  • グレアム・コクソン(g)がボーカルをとる名曲を収録

「曲解説」

2 Song 2

ブラー流パンクソング。タイトルの言語感覚も当時斬新だったに違いない。グランジ・オルタナの方程式である「静」→「動」のダイナミズムを活かした曲でサビの脱力的コーラス「フ〜、フ〜♪」がオシャレで他のバンドとは異なるセンスを感じる事ができる。また「普通」を拒絶する彼らしい唐突に途切れるように終わるエンディングもまたいい。 1点残念な点を挙げるとすれば曲の時間がキリ良く「2」分じゃない事かな。
3 Country Sad Ballad Man

気怠くヨレた質感のグランジテイストな曲。ラスト1分頃からレディオヘッド彷彿のダイナミックなサウンドに変貌。ストリート感のあるミニマムな電子音も絡みストレートな熱量をみせる。
5 On Your Own

「機械の壊れた」ようなジャンキーなノイズサウンドが鳴り響き、そこにブラーらしい享楽的なボーカルラインが乗る。このサウンドでトラディショナルな英国の匂いがするのはブラー位だろう。
7 You’re So Great

グレアム・コクソン(g)がボーカルをとるアコースティックな名曲。声が少しデーモン・アルバーン(vo)に似ているがそれにしても素晴らしい曲で、今後作品毎に1曲はグレアム・コクソン(g)のソロを入れて欲しいと思わずにはいられない。
8 Death of a Party

ネオンに照らされた古びた教会をイメージするような質感の曲であり、ギターノイズとオルガンのような音が絡み合い神聖さとストリート感が見事に同居している。

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