検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

投稿詳細ページ

初期の楽曲を今井寿覚醒後のセンスでセルフカバーしたアルバムでアルバムタイトルはB-Tらしい「孤高のアブノーマルさ」を感じるものとなっている。

「充実したレコーディング環境」「イメージを具体化できる楽器・機材」「凄腕エンジニアの存在」「洗練され始めたセンス」「演奏スキルの向上」など様々な要素がポジティヴに働き、全ての曲が原曲より生々しく立体的な響きをもっている。傑作アルバム「狂った太陽」同様に90年代B-Tサウンドに大きな影響を与えたと思われる「インダストリアル」「トリップホップ」の要素を大胆に取り入れており「ここからが本当の自分たちのスタートだ」と高らかに宣言するような内容となっている。

「狂った太陽」のレコーディングで今井寿(g)は「何かを掴んだ」のだろう「狂った太陽」同様に「狂ったセンス」が大爆発の傑作カバーアルバムとなっている。

    「要点」

  • ・アルバムタイトルはB-Tらしい「孤高のアブノーマルさ」を感じる
  • ・「狂ったセンス」が大爆発の傑作カバーアルバム

「曲解説」

1 ICONOCLASM

インダストリアル・ボディミュージック風の原曲を更に大胆にそして凶暴にリメイクしており、より立体的になったギターサウンドとベースリフがリスナーの脳を刺激する。櫻井敦司(vo)のボーカルには強烈な歪みが加わっており歌い方も含めてルナティックである(2:48〜)原曲には存在しなかったと思われるディープでスローなパートが挿入される。その後は櫻井敦司(vo)のシャウトが登場してより「壊れた感」が強調される。
3 DO THE “I LOVE YOU”

「同じところをクルクル回る」ようなクリーンなギターサウンドを中心に展開されるB-T流アブノーマルなダンスソング(2:10〜)不思議としか言いようのない音感を持つギターソロと「突き刺さるレーザービーム」のような音が登場(2:45〜)「脳みそをグチャグチャにする」ようなサウンドはカオス。
4 VICTIMS OF LOVE

「迷宮に迷い込んだ」ような質感のメランコリックバラード。「ガラスの破片」のようなキーボードフレーズが宙を舞い、樋口 豊(b)のヌメッとしたベースラインが非常に目立つ曲となっている。wikiを見るとフットレスベースを使用しているとの事だ(4:44〜)曲の世界観とはやや異なる質感のギターソロは「春の訪れ」のような暖かさを感じさせる。終盤は「終幕感」が強調されたダークサウンドが空間を支配して今井寿(g)独自の「狂ったサイレン」のようなギターサウンドが不穏に鳴り響く(6:55〜)一瞬のブレイクの後は「異空間に放り込まれた」ような展開となり「音に殴られる」ような錯覚を味わう事ができる。
6 ORIENTAL LOVE STORY

「強い風に吹かれている」ような雰囲気をもつシンプルなニューウェイブソング。ギターサウンドには多様なエフェクトが掛けられておりバンドサウンドだけで「どこまでカラフルな絵を描けるか?!」にトライしているかのようなサウンドである。最後はファミコンのシューティングゲームに登場しそうなワープ風の効果音で締めくくられる。
8 LOVE ME

「メタリックな水面」のようなダブアレンジが面白い曲で「メルヘンな夢の中にいる」ような浮遊感を感じる事ができる。終盤はタイトなドラムプレイが存在感を増しビート感が強調されるが曲が持つ世界観は変わらず最後まで揺れている。
10 …IN HEAVEN…

初期の代表曲に「ガラスのような透明感」と「インダストリアルなエッジ」を反映させたアレンジを加えており、 アグレッシヴさはそのままに洗練された雰囲気が漂っている。
12 JUST ONE MORE KISS

ヒットシングルに「神秘のベール」のようなダブアレンジを施しており、原曲のもつニューウェイブ的な浮遊感をさらに強調している。歌詞の内容は狂おしい恋愛感情をB-T的な練られた表現でまとめたものとなっており、 「抱き合えばそこは架空の都」なる歌詞はいつ聴いても秀逸である。
14 HYPER LOVE

「竜宮城」を連想する東洋音階フレーズと「暗躍」のようなダークなベースサウンドがインパクト大の曲で 当時、前衛であった「インダストリアル」「オルタナ」「アシッドハウス」などを今井寿(g)独自のセンスでごちゃ混ぜにしたようなサウンドを聴かせてくれる。

このレビュー記事をSNSでシェア