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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「人間の暗部」や「ある種の残酷さ」をテーマにしている歌詞が印象的な曲(3 乗車権 、4 ギルド)とストーリー仕立てでリスナーに熱いエールを送るバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)らしいギターロックが同居している4thアルバム。

オリコン初登場1位をマークし「新世代のギターロック・アーティスト」の代表に上り詰めた記念すべき作品。前作「jupiter」でも才能を遺憾無く発揮していた藤原基央(vo)のソングライティングがさらなる進化・深化を見せており、まさに「神の域」となっている。

シリアスでダークな表現を好む同世代ギターロック・アーティストを意識したかのような「3 乗車権」の歌詞は特に秀逸で聴く年齢やその時の心境によって様々な解釈が可能であると思う。また「8 車輪の唄」では、まるで「名作小説」のように「登場人物の繊細な心情」を描ききっている。

藤原基央(vo)の才能をロックバンドのシンガーだけにとどめておくのは、非常に勿体無いと感じる。

    「要点」

  • ・藤原基央(vo)のソングライティングはさらなる進化・深化を見せており、まさに「神の域」。
  • ・「8 車輪の唄」では、まるで「名作小説」のように「登場人物の繊細な心情」を描ききっている。

「曲解説」

2 オンリー ロンリー グローリー

バンプらしい疾走感ある軽快なサウンドに乗せて熱量のある素晴らしいメッセージをリスナーに届けるギターロック。歌詞の内容は「特別ではない世の中の大多数の人間」に対して「自分らしく歩めば何かしらの光を掴むことができる」とエールを送るというイメージである。また歌詞の中では過去に「目を隠したり」「耳を塞いだり」したのも全て自分自身であると自責している。「人生を前向きに自分らしく生きる為のスタートライン」は、他責思考を捨て自責思考に切り替えた時なのかもしれない。
3 乗車権

これまでのバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)にはないダークさを前面に押し出した異色曲で「バンプファンではないロックファン」からの評価が高い。強く望むものがないにも関わらず「偽りの夢・願望」で夢を持つ者たちに紛れようとした主人公の虚無的な感情を歌っており、どこかシロップ16g(syrup16g) 風。
4 ギルド

「3 乗車権」同様に「人間の暗部」にスポットを当てた歌詞がインパクト大のエモーショナルチューン。人生や生活に疲れてしまった主人公による一人語り風のボーカルが凄まじく、正直サウンドはそこまで頭に入ってこない。ネガティヴィティを肯定して受け入れることで、精神が「スッ」と楽になる事もある。そんなイメージの歌詞となっている。
7 同じドアをくぐれたら

渋くコクのサウンドが藤原基央(vo)のエモーショナルなボーカルを支えるスローテンポのバラード。歌詞は大事なものが下に下がる「天秤」をテーマにして作成されたもの(wiki)で考えさせられる内容となっている。おそらくではあるが、失恋の時に感じる感情を歌っていると思われる。綺麗ごと抜きで「全ての物事が天秤にかけられ」その中で人は全てを選択しているのだ。
8 車輪の唄

メロウで軽快なサウンドが「楽しい夏休み」を連想するギターポップ。歌詞は「大事な人との別れ」をテーマにしており「繊細な心情の変化や細部まで描ききっている歌詞」はまるで「名作小説」のようである。この1曲だけで藤原基央(vo)というシンガーが破格の才能を持っている事がよく分かる。
9 スノースマイル

冬の寒さを100%ポジティヴにとらえた雪をテーマにしたラブソング。同世代のギターロック・アーティストが絶対に避けそうな色んな意味での「甘さ」を前面に押し出しており「笑顔」という非ロックワードも登場。バンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)とりわけ 藤原基央(vo)というアーティストは「ロックをやりたい」のではなく「人の心を動かしたい」という欲求が第一にくるアーティストなのであろう。そんな気がする。

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