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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
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カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

アメリカを中心に世界で大ヒットを果たしザ・キュアー (The Cure)が世界的なアーティストとなるキッカケとなったアルバム。

内容としてはこれまでのザ・キュアー (The Cure)の「キャリアの良いところ取り」をしたような内容となっており、収録曲も盛りだくさんの17曲である事から「ザ・キュアー (The Cure)ってどんな音楽をやっているの?!」と興味をもった人に最もオススメ出来る内容となっている。

タイトルは「俺たちの魅力を詰め込んだ作品だから是非愛して欲しい」(kiss me)という意味からきているのではないだろうか?!

神作「Pornography」に収録されていてもおかしくない濃厚なサイケ「1 The Kiss」全ての音が油絵のように美しく溶け合う「6 How Beautiful You Are..」神秘的でありながら完璧なポップチューンとして成立している代表曲「8 Just Like Heaven」などバラエティー豊かな曲が収録されており、また「ファンク」の要素を取り入れた曲なども存在するのだが、もはや「何をやっても嫌な位に自分たちのサウンド・音楽になる」という領域に突入していると本作を聴いて実感した。

    「要点」

  • ・アメリカを中心に世界で大ヒットを果たし世界的なアーティストとなるキッカケとなったアルバム。
  • ・もはや何をやっても嫌な位に自分たちのサウンド・音楽になるという領域に突入している。

「曲解説」

1 The Kiss

サイケギターが「蜃気楼」のように揺らめき「リスナーを幻想の世界に誘う」オープニングチューン。 「神秘のベール」のようなシンセサウンドが唸るギターサウンドを優しく包み込む(3:50〜)これまでロバート・スミス(vo)のボーカルラインが全く登場しない為、「サイケな実験インスト」かと思っていたのだが、突如、ロバート・スミス(vo)のボーカルが登場する。メロディーラインは「天から降りてきたメロディーを即興で無秩序に歌いあげる」ようなものとなっている。
2 Catch

クラシカルな弦楽器が奏でる牧歌的な音色が印象的なアコースティックソングで「海辺で寝そべって過ごす秋の午後」のようなリラックスした雰囲気を醸し出している。ボーカルラインは派手なフックなどはないのだが、抜群のメロディーセンスがあり耳に残る。
3 Torture

オリエンタルな音響を前面に押し出した王道キュアー (The Cure)チューン。「眩しすぎる光」のようなギターサウンドが音響を構築し「暗躍」のようなベースラインが曲にダークで立体的な疾走感を与えている。
5 Why Can’t I Be You?

弾けるホーンセクションをフィーチャーしたカラフルなポップチューン。ギター・ベース共にミニマムなフレーズをリフレインしており、キュアー (The Cure)ソングの中ではトップクラスに「ノーマルな体裁」を保っているのだが、ロバート・スミス(vo)が「ご機嫌にノリノリで歌えば歌う」ほどに不気味さを感じるというタイプの曲である。
6 How Beautiful You Are..

「夏の憂鬱」のようなメランコリックと「秋が近づく海辺」のようなメロウさが同居するポップソング。前作から導入しはじめたピアノがモダンでミニマムな耽美性を演出し、クラシカルな弦楽器が優雅で美しい旋律を奏でる。中盤以降は全ての音が「油絵」のように溶け合いリスナーの脳裏に「ビビッドなイマジネーション」を与える。
8 Just Like Heaven

「神秘的な空間にいる」かのような浮遊感が心地よい代表曲。軽快なギターのコードストロールの合間を縫ってアンビエントなピアノサウンドとエフェクティヴなギターサウンドが「蝶」のように空間を舞う。音数的に絶妙なラインを保っている曲であり、ミニマムなポップソングのお手本のような曲である。
9 All I Want

「グランジ」のような「混沌とした響き」を奏でるギターのコード進行と「クリスタル」のような神秘的な音響が奇妙に同居している曲。他のアーティストであれば「マニアック」の一言で終わる曲になると思うのだが、この曲を「異端なポップ」として成立させてしてしまう点に「破格のセンス」を感じる。
10 Hot Hot Hot!!!

流麗なファンクギターとディープなベースラインを全面に押し出している曲ではあるが、ブラックテイストを感じさせつつも「キュアー (The Cure)以外の何者でもない耽美チューン」となっている。どんなタイプの音楽に接近しようとも最終的に「自分たち以外の何者でもない音楽」として成立してしまう感じは、レディオヘッド(Radiohead)に近いものがある。
11 One More Time

「視界を真っ白に染め上げる」空間系アルペジオが淡々と響き渡る曲で、時折登場する吹奏楽器がラテン的な牧歌旋律を奏でる。歌詞は珍しく「凡人にも意味が分かる」ものとなっており「空に触れたいからもう一度抱きしめて」という内容である。
13 Icing Sugar

原始的で無造作なビートと濃厚なアラブの旋律が印象的な曲。キュアー (The Cure)らしくマニアックな曲だが「上質なジャズ」を聴いたような口当たりの良さがある。
16 Shiver and Shake

屈折したビート感を押し出したキュアー (The Cure)らしいロックチューンでBPMより遥かに速いスピードを感じる事ができる。ギターサウンドは意地でも「ロック的な歪みリフなど弾くものか!」と言わんばかりの空間的なアプローチとなっている。
17 Fight

70年代ハードロック的なブルージーを感じるギターリフがキュアー (The Cure)らしからぬラストチューン。ハードなリフが繰り返される展開ではあるが、全体的にはしっかりと「迷宮」のようなミステリアスムードを醸し出している。

アメリカを中心に世界で大ヒットを果たしザ・キュアー (The Cure)が世界的なアーティストとなるキッカケとなったアルバム。 内容としてはこれまでのザ・キュアー (The Cure)の「キャリアの良いところ取り」をしたような内容となっており、収録曲も盛りだくさんの17曲である事から「ザ・キュアー (The Cure)ってどんな音楽をやっているの?!」と興味をもった人に最もオススメ出来る内容となっ

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「1 Tears」
エックスジャパン(X JAPAN)を象徴する「クラシカルで美しいバラードの完成形」と言っても良い曲であり、X時代にリリースされたバラード「ENDLESS RAIN」「Say Anything」とは異なる「どこまでも続く異国の夜空を一人見つめる」ような「圧倒的な静けさ」と「壊れそうな孤独感」を感じる事ができる。

海外進出以降から解散までのエックスジャパン(X JAPAN)は「Longing」「Forever Love」「CRUCIFY MY LOVE」などの名バラードをリリースしているが「全てはこの曲をベースにしているのではないか?!」と思える程のクオリティを誇る曲となっている。

他のレビューでも書いたが海外進出以降のエックスジャパン(X JAPAN)はあまりに複雑な状況の中で(91年以降激変した音楽シーンのトレンド)これまでエックスジャパン(X JAPAN)サウンド以外の音楽的軸を模索する必要があった。ハードチューンの音楽的試行錯誤に関してはアルバム「DAHLIA」に収録されているインダストリアルチューン「SCARS」「DRAIN」などから感じ取れる事ができる。

反面「バラード」に関しては「新たな要素を加える」事ではなく、むしろ「削ぎ落とし」「世界観をよりディープに表現」する事で「これまでの壁」を壊そうとしている印象がある。特筆すべきは「究極の孤独感」をストイックに描いている歌詞であろう。よく知られている事だがエックスジャパン(X JAPAN)のバラードの歌詞に登場する「あなた」とは多くの場合「恋愛関係にある相手」の事ではなく「早世したYOSHIKIの父」の事を指している。X時代のバラードも「消えない傷」「孤独感」をYOSHIKIは言語化して歌詞にしてきた訳だが「Tears」以降は歌詞に登場するワードがよりシンプルになり、装飾感がなくなったという印象を受ける。

「心の傷と向き合う事」は誰でも怖く、ましてやその「痛々しい感情を言語化・音楽化」するなどというのは耐えきれない苦行である。だが「音楽に全てを捧げる」YOSHIKIは心の傷と真っ正面からディープに向き合う事で「これまで(X時代)のバラード」を完全に凌駕する事に成功している。

後期は「エックスジャパン(X JAPAN)=バラード」と言える位にバラードの存在感が増し「ハードなロックアーティスト」という側面が希薄になっていった。だが「純粋に良い音楽」をファンや音楽シーンに届けたいという視点に立った時に、海外進出〜解散までの時期におけるYOSHIKIにとっては「自分の中にある痛々しい感情をダイレクトに音楽化したバラード」こそがエックスジャパン(X JAPAN)の音楽であったのだろう。

YOSHIKIというアーティストは「激情を音楽化する」この1点を誰よりも突き詰めるアーティストである。

    「要点」

    ・エックスジャパン(X JAPAN)のバラードは「全てこの曲をベースにしているのではないか?!」と思える程のクオリティを誇る
  • ・「音楽に全てを捧げる」YOSHIKIは心の傷と真っ正面からディープに向き合う事で「これまで(X時代)のバラード」を完全に凌駕する事に成功

「1 Tears」 エックスジャパン(X JAPAN)を象徴する「クラシカルで美しいバラードの完成形」と言っても良い曲であり、X時代にリリースされたバラード「ENDLESS RAIN」「Say Anything」とは異なる「どこまでも続く異国の夜空を一人見つめる」ような「圧倒的な静けさ」と「壊れそうな孤独感」を感じる事ができる。 海外進出以降から解散までのエックスジャパン(X JAPAN)は「Lo

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「1 Rusty Nail」
これまでのエックスジャパン(X JAPAN)にはないシンセサイザーによる鋭角的なループが印象的なヒットシングル。これまで彼らが得意としてきた「激情で美しいハードチューン」とはやや毛色が異なる質感のサウンドとなっており、誤解を恐れずにいうと「J-ロック的」と言っていい整合性を感じるサウンドとなっている。

91年にアメリカで起こった「グランジ / オルタナティヴムーブメント」はこれまでの音楽業界の潮目を完全に変えた。91年以降「ドラマティックで過剰なサウンド」「テクニカルなヘヴィメタルサウンド」などは「前時代的なダサいモノ」として扱われるようになってしまったのである。奇しくも91年はエックスジャパン(X JAPAN) がアルバム「Jealousy」をリリースして100万枚セールスを達成し、日本のロックシーンにおいて「別格の存在」になった年でもある。

92年にアメリカに渡り「本気でアメリカでの成功」を考えていたYOSHIKIにとって「アメリカ版のパンクムーブメント」と言っていい「グランジ / オルタナティヴムーブメント」は完全に誤算であったであろう。要するにエックスジャパン(X JAPAN)の音楽がもつポジティヴな意味での「過剰さ」が当時のアメリアの音楽マーケットにおいて「明らかにNGな質感」になったのである。

この「音楽シーンの流れ」をビジネスセンスに長けたYOSHIKIが見逃す訳がなかった。

アメリカの音楽シーンの流れを見ながらアメリカ版アルバムのレコーディングを進めつつ、同時に日本の巨大音楽マーケットの存在も気にする必要がある。またアメリカでは「1枚も作品をリリースしていない新人アーティスト」である反面、日本では「海外進出を果たしたカリスマロックスター」であったエックスジャパン(X JAPAN)。当時、ここまで複雑な状況での活動を余儀なくされたアーティストは世界中を見渡してもエックスジャパン(X JAPAN)だけであろう。

本曲の歌詞に登場する「素顔のままで生きて行ければきっと」というラインに当時のエックスジャパン(X JAPAN)の苦悩が端的に詰まっていると筆者は感じる。

    「要点」・誤解を恐れずにいうと「J-ロック的」と言っていい整合性を感じるサウンド。

  • ・YOSHIKIにとって「アメリカ版のパンクムーブメント」と言っていい「グランジ / オルタナティヴムーブメント」は完全に誤算

「1 Rusty Nail」 これまでのエックスジャパン(X JAPAN)にはないシンセサイザーによる鋭角的なループが印象的なヒットシングル。これまで彼らが得意としてきた「激情で美しいハードチューン」とはやや毛色が異なる質感のサウンドとなっており、誤解を恐れずにいうと「J-ロック的」と言っていい整合性を感じるサウンドとなっている。 91年にアメリカで起こった「グランジ / オルタナティヴムーブメン

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「1 SCARS」
イントロの「レーザー光線」のような電子音だけでhideが作曲したという事が分かる曲であり、hideが傾倒していた「インダストリアルロック」の要素をXJAPANのサウンドに大胆に導入している。ちなみにではあるがエックスジャパン(XJAPAN)最後のオリジナルアルバム「DAHLIA」には「SCARS」だけでなく「DRAIN」というインダストリアルチューンも収録されている。

この曲のサウンドの特徴はなんと言っても「ロボットが弾いた」ようにカチッとした無機質でヘヴィなギターサウンドと「素顔」のようなキーで歌われる「メロディックな語り」風のToshi(vo)のボーカルである。歌詞は「苦悩」をテーマにしたものであると思われるが「yoshikiの苦悩」とはまたタイプの異なる「自問自答系の苦悩」をテーマにしている。

「かけ違いのボタンでさえ知らずに奏で続けた」「君の壊れたメロディー二度と交わらず」などの歌詞は、今後のメンバー(TAIJIも含む)に起こる全ての「ネガティヴな現象」を予言しているかのようで恐怖すら感じる。

メンバーの中で誰よりも冷静に物事を見つめるhideは、この頃には既にToshi(vo)の異変に気付いていたのであろう(2:47〜)ギターソロの後に他のヘヴィ系アーティストでは中々聴けない「ただ一人夜の星を見つめる」ような静寂パートが挿入される。「過去の戻らない記憶」に対して祈りを告げるようなイメージの歌詞とは対照的にToshiのボーカルには薄っすらとディストーションがかけられている。

「2 White Poem I (M.T.A. Mix)」
アルバム「DAHLIA」に収録されているオリジナルバージョンを大胆にアレンジしており、サビでは「楽園」のように華やかなハウスミュージックを思わせる展開をみせる。またオリジナルバージョンはマッシヴ・アタック(Massive Attack)からの影響を大胆に反映させた「沈む」ようなメランコリックチューンとなっている。

この時期のエックスジャパン(XJAPAN)は「激情をクラシカルな美旋律に変換して奏でるハードチューン」「美しくクラシカルなバラード」というエックスジャパン(XJAPAN)サウンドにおける2本柱以外の「新たな音楽的な軸」を構築する為に様々な試行錯誤を行なっていた時期なのだろう。

歌詞は「関係が冷めきったカップルの別れ」のようなものとなっているが、おそらくではあるがこれは「当時のバンドの関係性や温度感」の事を歌っているのであろうと思われる。

Yoshikiはこの時点で既に解散は不可避であると明らかに悟っている。

    「要点」・「1 SCARS」「かけ違いのボタンでさえ知らずに奏で続けた」「君の壊れたメロディー二度と交わらず」などの歌詞は、 今後のメンバー(TAIJIも含む)に起こる全ての「ネガティヴな現象」を予言しているかのようで恐怖すら感じる。

  • ・「2 White Poem I (M.T.A. Mix)」冷めた関係性をテーマにしている歌詞、Yoshikiはこの時点で既に解散は不可避であると明らかに悟っている。

「1 SCARS」 イントロの「レーザー光線」のような電子音だけでhideが作曲したという事が分かる曲であり、hideが傾倒していた「インダストリアルロック」の要素をXJAPANのサウンドに大胆に導入している。ちなみにではあるがエックスジャパン(XJAPAN)最後のオリジナルアルバム「DAHLIA」には「SCARS」だけでなく「DRAIN」というインダストリアルチューンも収録されている。 この曲の

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初期を彷彿とさせるミニマリズムを感じる曲が多く収録されている6thアルバム。

初期同様に「ミニマム」という共通点はあるのだが、初期作のような「閉ざされた感」はあまりなくキュアー (Cure) 独自としか言いようのない「浮遊感溢れる異端なポップソング」を数多く収録。前作「The Top」から本格的に導入されたシンセやピアノをキュアー (Cure)ソングの中にうまく落とし込んでおり曲のバランスが格段に上がっている。

初期の曲が良くも悪くも「ミステリアス」「耽美」「浮遊感」など言語化・形容しやすかったのに対して、本作に収録されてる多くの曲は「ミニマム×ポップ」ではあるのだが「形容が困難」なものが多く、ある種のバラドックスが魅力となっている。

例えば「ミステリアスでダークな要素」があったとすれば、そこに相反する「軽快で清涼感を感じる要素」などを盛り込む事でリスナーを「特定の感情」に浸らせない。この他のアーティストと良い意味でズレた「異端なバランス感覚」は見事と言う他ない。

    「要点」

  • ・ミニマムではあるのだが、初期作のような「閉ざされた感」はあまりない。
  • ・「ミステリアスでダークな要素」があったとすれば、そこに相反する要素を盛り込む事でリスナーを「特定の感情」に浸らせない方法論は見事と言う他ない。

「曲解説」

1 In Between Days

透明な解放感を感じるギターポップで初期曲を彷彿とさせるミニマムな音数で構成されている。前作「The Top」から本格導入されたシンセが奏でる「浮遊感溢れる突き抜けた旋律」を最大限活かしたアレンジとなっており、この曲はキュアー (Cure)ソングの中でシンセを有効活用するには?!」という試行錯誤に対する一つの回答であると思われる。
2 Kyoto Song

「上品な和の旋律」を見事に反映させた曲で三味線風の音で奏でられた単音フレーズが非常によく目立つ。歌詞の中に「京都」というフレーズは一度も登場しない。歌詞の内容は「悪夢」と「死」をテーマにした難解な内容となっている。
3 The Blood

「癖はあるが心地よい」アコギのコードストロークを前面に押し出した曲なのだが、バックでは「アラビア」を連想する東洋音階が奏でられてしっかりとキュアー (The Cure)ソングとなっており「意地でも軽快で爽やかなポップソングなんてやるもんか?!という維持すら感じる。
5 Push

「装飾された退廃感」を感じるギターサウンドに「眩しい季節」のようなピアノを絡めており、中盤以降からロバート・スミス(vo)のボーカルが加わり熱量を増す曲展開となっている。歌詞にはキュアー (Cure) らしからぬ「go go go」というフレーズが飛び出す。だが、ロバート・スミス(vo)がこの元気溢れるフレーズを歌っても「ファンキーなテイスト」を一切醸し出さない所がなんとも面白い。
6 The Baby Screams

スピード感がある歪んだベースラインが全体を引っ張る曲。ベースラインだけを聴くと初期作のように「ミニマムでミステリアス」な印象を受けるのだが「水滴」のようなピアノサウンドと「ゆっくり回る」ようなギターサウンドが曲のバランスを大幅に向上させている。ミステリアスではあるが「閉ざされた感」がしないのはそのせいであろう。
7 Close to Me

オーガニックなエレクトロニカサウンドが時代を先取りしすぎている素晴らしいバラード。ノリの良い手拍子が非常に目立つ曲ではあるのだが「一般的なノリ」の良さとは全く無縁である。
9 Screw

サイモン・ギャラップ(b)による歪んだグルーヴィーなベースリフをフィーチャーした曲で「インダストリアル的な硬質さ」が非常に印象的ではあるが「迷子」のように空間を彷徨う電子音が曲に「不思議なポップネス」を与えている。
10 Sinking

「神秘のベール」のようなシンセサウンドの上でサイモン・ギャラップ(b)によるダークなベースラインが「怪しいなダンス」のように踊るバラード。中盤以降はロバート・スミス(vo)のボーカルもエモーショナルになる。

初期を彷彿とさせるミニマリズムを感じる曲が多く収録されている6thアルバム。 初期同様に「ミニマム」という共通点はあるのだが、初期作のような「閉ざされた感」はあまりなくキュアー (Cure) 独自としか言いようのない「浮遊感溢れる異端なポップソング」を数多く収録。前作「The Top」から本格的に導入されたシンセやピアノをキュアー (Cure)ソングの中にうまく落とし込んでおり曲のバランスが格段に

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