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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

1stアルバムで模索していた「パンク以降の次なるビジョン」が明確に見えたサウンドを聴く事ができる2ndアルバムで全編を通して「ダークでミステリアスなギターサウンド」を前面に押し出しだしている。

空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられ後に登場するダーク系ニューウェイヴ・アーティストに多大な影響を与えたと思われる。

本作でスージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees) が提示した「ダークで閉ざされた音世界」は極東の島国「日本」でも「V系」という異端な形で花開く事になる。本作はオールドスクールV系ファンに是非聴いて頂きたいアルバムである。

    「要点」

  • ・本作で提示された「ダークで閉ざされた音世界」は極東の島国「日本」でも「V系」という異端な形で花開く事になる
  • ・空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられる

「曲解説」

1 Poppy Day

「不吉という言葉を音楽化した」ような怪しくダークなギターサウンドが渦巻くオープニングチューン。このギターサウンドは後に登場するダーク系二ューウェイブ・アーティストに多大な影響を与えたと思われる。ベースはダークな音響の中で「憂鬱」なラインを淡々と奏でている。
2 Regal Zone

「密室」のような雰囲気を前面に押し出した曲で空間系エフェクトを活用したダークで鋭角的なギターサウンドが全体を引っ張っている(1:48〜)「重力がバグった」ようなエキサイティングな展開を見せる。終盤は「強迫観念」のようにダークなアグレッシヴさが強調された展開となる。
3 PlaceboEffect

ヘヴィメタルに「呪縛」のようなエフェクティヴ・アレンジを施したようなイメージの曲。オクターブ奏法やブラッシング奏法を使って奏でられるギターサウンドは、どこかスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)を彷彿とさせる。
6 Playground Twist

「狂ったジェット機」のようなギターサウンドが宙を舞い「不吉さを助長する」ような鐘の音「終幕のファンファーレ」のようなサックスも登場する実験的な曲。
7 Mother / Oh mein Papa

物悲しいオルゴール風サウンドが「メランコリックな夏休みの思い出」のように鳴り響く曲。スージー・スー(vo)のボーカルは「祈り」のように繊細で儚いものとなっている。
9 Love In a Void

「密室で奏でられたパンクロック」という趣の曲。歌詞はパンクとはまた違ったベクトルで捻くれたものとなっており「恋は空虚である、恋をすることは愚かである」との事だ。
10 Infantry

ダークな残響音が「ミニマルミュージック」のように繰り返されるミステリアスな曲でスティーヴ・ライヒ(Steve Reich)のアルバムに収録されていても全く違和感がない。

1stアルバムで模索していた「パンク以降の次なるビジョン」が明確に見えたサウンドを聴く事ができる2ndアルバムで全編を通して「ダークでミステリアスなギターサウンド」を前面に押し出しだしている。 空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられ後に登場するダーク系ニューウェイヴ・アーティストに多大な影響を

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セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の熱狂的なファンたちによって結成された(wiki)スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees)の1stアルバム。

「パンク」からの影響も感じられるサウンドではあるのだが、それ以上に「既存のサウンドと違う事をやりたい!」というチャレンジ精神が魅力的であると感じる。彼らは「パンクという体裁」ではなく「言葉本来の意味でのパンク精神」を引き継ぎ「退廃的」「耽美的」という形容が似合う質感の音をサウンドに反映させた。

また様々なエフェクターを活用して「これまでにはない響き」を探求しているギターサウンドはロック的なベタさを拒絶するようなスタンスであり、コードストロークのタイミングなどはこれまで様々な音楽に触れてきた筆者からしても「新感覚」と言えるものとなっている。後に「ゴス」を象徴する存在となった彼らのデビューアルバムは、「新感覚」を模索している分「良くも悪くもリアクションの難しい」作品となっている。

    「要点」

  • ・セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の熱狂的なファンたちによって結成された(wiki)スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees)
  • ・「パンクという体裁」ではなく「言葉本来の意味でのパンク精神」を引き継ぎ「退廃的」「耽美的」という形容が似合う質感の音をサウンドに反映

「曲解説」

3 オーヴァーグラウンド

「独自」としか言いようのない不思議なリズム感が印象的な曲で僅かに「フラメンコ的なダンサブルな熱量」も感じることができる。ギターはあまり聴いた事がないタイプのコードストロークで和音を奏でており「激しく弾ける」でもなく「沈む」でもなく「優しく包み込むもの」でもないというレアな響きをもっている。これまで様々なタイプの曲を聴いてきた筆者ではあるがこの曲がもつある種の違和感は「新感覚」と言っていい。
4 カーカス

「どんよりとした曇り空の下で奏でられたパンクロック」という趣の曲。やはりこの曲のギターサウンドもこれまであまり聴いた事がないタイプのコードストロークとなっており「パンク的な分かりやすい突き抜け感」を拒絶している。終盤はハンドクラップが挿入されノリの良さが強調されるが、ギターサウンドだけが「迷子」のように空間を彷徨っている。
5 ヘルター・スケルター

「ホラー」のような暗い空間を鋭角的なギターサウンドが切り裂く曲。リズムはアグレッシヴなギターとは対照的に淡々と時を刻んでいる。歌詞の内容は大混乱で意味不明な内容となっている。「あなたは恋人かもしれませんがダンサーではない」との事だ。
8 ニコチン中毒

シンプルなパンク調の曲だが、歌詞の内容は「喫煙の有害性」を狂気的にそして文学性に描いた凝ったものとなっている(1:18〜)ギターソロは「非パンク的な音響」となっており「鏡の世界」のような耽美性を感じる事ができる。
10 スウィッチ

「耽美」「ミステリアス」などの形容がよく似合う様々な音色の空間系・ギターサウンドが登場する実験曲(3:38〜)リズムがタイトなビートに切り替わるが、ギターサウンドは最後の最後までベタを拒絶している。
12 ステアケイス

退廃的な空気感が後のポストパンクを予見しているかのようなラストソング。頻繁に登場するダークで冷気を感じる歪みギターが圧倒的な存在感を放っており、終盤は「ガラスの破片」のようなピアノの断片が挿入され、曲がもつ不穏さが更に強調される。

セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の熱狂的なファンたちによって結成された(wiki)スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees)の1stアルバム。 「パンク」からの影響も感じられるサウンドではあるのだが、それ以上に「既存のサウンドと違う事をやりたい!」というチャレンジ精神が魅力的であると感じる。彼らは「パンクという体裁」ではなく「言葉本来の意味

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三大パンクバンドの中で最も後のハードコア勢に影響を与えたダムド(The Damned)の1stアルバム。 本作のサウンドを聴いていると「ボーカル」「ギター」「ベース」「ドラム」というミニマムな形式で「エッジの立った激しい音楽を作ろう!!」とイマジネーション通りに好き勝手にやったところ結果的に「パンク」的な音楽になったという印象を受けた。

「ハリネズミ」や「縮毛」を連想するギンギンと歪んだサウンドやアバンギャルドなノイズギターは時代を先取りしており、ハードコア勢だけにとどまらず「USオルタナティヴ」にも多大な影響を与えていると思われる。「12 I Feel Alright」の終盤で聴くことができるアヴァンギャルドなノイズプレイは狂気的でソニック・ユース(Sonic Youth)のようだ。

また「12 I Feel Alright」におけるアヴァンギャルド・サウンドだけではなく、キャプテン・センシブル(g)のギタープレイは独特なものであり曲ごとに「多重人格」のように様々な側面を見せる。「7 New Rose」のギターリフに関しては日本のバンド/ボウイ(BOØWY)の名曲「IMAGE DOWN」に似ているし「10 1 of the 2」における終盤の「眩しく鋭角的なギターサウンド」はまさかのV系風である。

ダムド(The Damned) は日本のアーティストにも多大な影響を与えているのであろう。

    「要点」

  • ・「エッジの立った激しい音楽を作ろう!!」とイマジネーション通りに好き勝手にやったところ、結果的に「パンク」的な音楽になったという感じ
  • ・キャプテン・センシブル(g)のギタープレイは独特なものであり曲ごとに「多重人格」のように様々な側面を見せる

「曲解説」

1 Neat Neat Neat

「暴走」するバイクのような質感のアグレッシヴなギターサウンドが唸りを上げるパンクチューン。強弱をうまくつけたギターサウンドとビートがシンプルでファストなこの曲に緊張感を与えている。
2 Fan Club

マイナー調の哀愁を感じるアルペジオが印象的な曲。「沈む」ようなイメージのギターとは対照的にドラムプレイは手数が多いものとなっている(1:50〜)ギターソロは「パニック」のように乱れたものとなっているが同時にカラフルなサイケ感もある。最後は「爆竹」のように騒がしいラフなギターサウンドが鳴り響く。
4 Born to Kill

「ハリネズミ」のように尖った質感のギターサウンドが印象的なファストチューン。この曲も「1 Neat Neat Neat」同様にうまく強弱をつけたアレンジが施されており、シンプル極まりない曲ではあるが非常にダイナミズムを感じるサウンドとなっている。
6 Feel the Pain

「チープなヘヴィメタル」のようなアルペジオを中心に展開されるダークバラード。「コン、コン、コン、コン」というパーカッションが曲がもつポジティヴな意味でのチープさを強調している。終盤はタイトルである「Feel the Pain」というフレーズが何度もリフレインされる。歌詞は和訳を読んでも「一体何の痛みなのか?!」全く理解ができないシュールなものとなっている。
7 New Rose

ギターリフが少しだけ日本のバンド/ボウイ(BOØWY)の名曲「IMAGE DOWN」に似ている疾走感抜群のパンクチューン。ギターは当時の感覚で言えば「強烈に歪んだ」サウンドとなっており、ベースラインはギターとユニゾンする形で曲を分厚くしている。
9 See Her Tonite

全てのパートが強烈に自己主張するミニマムなパンクチューン。キャプテン・センシブル(g)のギターリフに関してはもはや「効果音」と言っていいレベルにミニマムであり「凶暴」という表現がピッタリの曲となっている。最後はヘヴィメタルバンドもビックリの 「手数の多いテクニカルな高速ドラムプレイ」で締めくくられる。
10 1 of the 2

「縮れた」ノイズギターと原始的なパーカッションを思わせるドラムが印象的な曲。終盤は後の「二ューウェイブを予見している」かのようなキャプテン・センシブル(g)の眩しく鋭角的なギターサウンドが大暴れする。このフレーズは日本のV系にも通じるものがあると筆者は感じる。
12 I Feel Alright

「強烈なボディーブロー」のようなビートの上で「縮れたギターサウンドが空間を引き裂く」シンプルなパンクチューン'(1:45〜) 「アヴァンギャルドな悲鳴」のようなギターソロはこの時代においては「シュールを超えて不気味」ですらあったはずである。一体どのようなエフェクターを使ってこの音を作ったのだろうか?!(2:55〜)「タガが外れた」ようにビートが無秩序な暴走を始め「ボタンのかけ違い」のようななんとも言えない違和感を感じる「ある意味プログレ」な展開となり、キャプテン・センシブル(g)のノイズギターは無秩序なビートに全く負けていない「狂気的でジャンクなサウンド」を出している。このジャンクなサウンドはソニック・ユース(Sonic Youth)を思わせる。

三大パンクバンドの中で最も後のハードコア勢に影響を与えたダムド(The Damned)の1stアルバム。 本作のサウンドを聴いていると「ボーカル」「ギター」「ベース」「ドラム」というミニマムな形式で「エッジの立った激しい音楽を作ろう!!」とイマジネーション通りに好き勝手にやったところ結果的に「パンク」的な音楽になったという印象を受けた。 「ハリネズミ」や「縮毛」を連想するギンギンと歪んだサウンドや

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「パンク=反体制・反権力」という「レガシーな方程式」を作った存在がセックス・ピストルズ(Sex Pistols)であるとすれば、ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」というアティテュードを提示したアーティストであると言える。

本作は彼らのキャリアの中でも最も評価の高いアルバムの1つであり「スカ」「ロカビリー」「ジャズ」など様々な音楽要素を盛り込んでいる。「15 Lover’s Rock」ではパンクロックの中でピアノサウンドを活かす方法論なども模索しており、やりたい放題である。

また様々な音楽要素を盛り込むだけではなく「パンク以降の二ューウェイブ」を思わせる浮遊感漂うギターサウンドや音響もいち早く取り入れており「9 Clampdown」で聴くことができる「チカチカ」するようなサイケなギターサウンドはまさかのシューゲイザー風であったりする。

様々な音楽に触手を伸ばす「音楽マニア」である彼らの「表現欲求」は3rdアルバムにして早くも「パンクという檻」の中で収まりがつかなくなっていた。本作でザ・クラッシュ(The Clash) が提示した「ある種の柔軟さ」は当時オールドスクール・パンクファンを中心に賛否両論を巻き起こしたはずである。

    「要点」

  • ・ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」であるというアティテュードを提示したアーティストであると言える
  • ・「パンク以降の二ューウェイブ」を思わせる浮遊感漂うギターサウンドや音響も取り入れている

「曲解説」

1 London Calling

確かなメロディーと「パンクなしがらみ」から解放されている自由度の高いサウンドが印象的なタイトルトラック。ギターのコードバッキングは「記号」のような質感となっており、ポール・シムノン(b)のベースラインは「静かに佇む」かのようにクールである。
2 Brand New Cadillac

「路地裏」のようなダークさと「迷子」のようなギターフレーズが印象的な曲で「ベースがメインリフを奏で、ギターが空間構築に徹する」という「二ューウェイブ的方法論」をいち早く取り入れている。
3 immy Jazz

「古びた場末のbar」のような渋さがあるアコースティックソング(2:18〜)曲の空気に瞬時に溶け合うサックスサウンドがモノトーンな曲に色彩を与える。終盤は「音楽室にあるマニアックな楽器を無造作に鳴らしたようなイメージ」の展開となる。
6 Spanish Bombs

和訳「スペイン戦争」というシリアスなタイトルとは裏腹にサウンドは軽やかなギターポップとなっており、イントロのギターサウンドはややキュアー(CURE)風である。
7 The Right Profile

レトロで分厚いホーンサウンドをフィーチャーしており「スカ」からの影響を反映させている曲。ギターサウンドは「スカ」特有の「メカニカルに時を刻む」ようなフレーズとなっている。
8 Lost in the Supermarket

浮遊感のあるニューウェイヴのようなイメージの曲でコーラスを効かせたギターフレーズはキュアー(CURE)に近い質感。キュアー(CURE)はザ・クラッシュ(The Clash)の影響を受けているのだろうか?!歌詞は「スーパーマーケットで迷子になっている男の喪失感」についてであり、ポジティブな意味で「パンク=反抗的」という方程式を完全無視している。
9 Clampdown

アンプのハウリングを「電子音」のように利用しているシンプルなロックチューン(1:35〜)時代を先取りしているシューゲイザー風のギターサウンドが「チカチカ」と響き渡る。
15 Lover’s Rock

女性ボーカルをゲストに招いたデュエットソング。タイトル通りスウィートなポップソングとなっておりサウンドも「よく晴れた午後」のように爽やかである。
16 Four Horsemen

シンプルなパンクソングにピアノサウンドを上手く絡めた曲となっており「パンク=音楽的自由」というザ・クラッシュ(The Clash)的パンク美学をアルバム収録曲の中で最も分かりやすく表現している曲かもしれない。

「パンク=反体制・反権力」という「レガシーな方程式」を作った存在がセックス・ピストルズ(Sex Pistols)であるとすれば、ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」というアティテュードを提示したアーティストであると言える。 本作は彼らのキャリアの中でも最も評価の高いアルバムの1つであり「スカ」「ロカビリー」「ジャズ」など様々な音楽要素を盛り込んでいる。「15 Lover&

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伝説のパンク・アーティスト「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」が残した唯一のオリジナルアルバム。サウンド的にほぼ全ての曲に統一感があり「アグレッシヴなパンクサウンド」で埋め尽くされている。

「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」の最大の特徴は「明らかにノーマルではないイントネーショーンでコミカルですらあるジョニー・ロットン(vo)のボーカリゼイション」にこそあると思うのだがサウンドにも「計算されていないようで実はされているキャッチーさ」がある。

代表曲「8 Anarchy in the U.K.」などは言葉を選ばずに言うと「オラついた良質なポップ・ミュージック」であり、一度聴くとメロディーやサウンドが耳から離れない中毒性がある。「12 E.M.I.」は所属していたレコード会社(EMI)を痛快なまでに批判するパンクロックのお手本のような曲でパンクロックの歌詞=「反抗的・批判的という方向性」に大きな影響を与えたと思われる。

    「要点」

  • ・「明らかにノーマルではないイントネーショーンでコミカルですらあるジョニー・ロットン(vo)のボーカリゼイション」
  • ・代表曲「8 Anarchy in the U.K.」などは言葉を選ばずに言うと「オラついた良質なポップ・ミュージック」

「曲解説」

1 Holidays in the Sun

「軍隊の行進」SEから始まるパンクチューン。「捲し立てる」ようなジョニー・ロットン(vo)のボーカルは「明らかにノーマルなイントネーションではなく」舐めきっている。この「頭のネジが外れた」ようなハイテンションは当時とんでもなく斬新であったに違いない。
2 Bodies

ホーラーテイストのハードロック風ギターフレーズで幕をあけて、そのままハイテンションなパンクチューンになだれ込む曲。歌詞の中で「俺は動物ではない!」(I’m not an animal)と主張しているが、サビで「Bodies!!」と叫ぶジョニー・ロットン(vo)のボーカルは「狂った狂犬」のように危険である。
4 Liar

「嘘つき野郎」をヒステリーなテンションでディスり倒すシンプルなパンクチューン(1:30〜)ギターソロは同じポジションでチョークアップ・ダウンを機械的に繰り返すというものになっており「テクニカルなハードロックやプログレに対する一種のアンチ」のような質感である。
5 God Save the Queen

「俺にもお前にも未来なんてない!!ノーフューチャーだぜ!」と言い放つ身も蓋もない代表曲。タイトルの和訳は「女王様万歳」ではあるが、歌詞の内容は悪意に満ちた皮肉で溢れている。
8 Anarchy in the U.K.

パンチの効いたロックンロールに乗せて「俺はこの街でアナーキストになる」と大胆に宣言する代表曲。「アナーキストになりたい」という「ワルなモチベーション」は、どう考えても問題だがこの「ある種の志の高さ」は見習うべきであると思う。筆者はこの曲を聴いてはじめて「アナーキー」「アナーキズム」という言葉を知った。歌詞の中に「I use anarchy(アナーキー)」なるフレーズも登場「アナーキを使うという発想」は「オラオラ系パンクス」からは出てこない発想であり、インテリなジョニー・ロットン(vo)らしい。アナーキックな歌詞がインパクト大の曲だが、サウンドにはご丁寧にキャッチーなギターソロも用意されておりアルバム収録曲の中でも最も「ポップソングとしての体裁」があると感じる。
9 Submission

「沈んだ」ような気怠さを感じるスローなリフロック。他の曲と比較するとやや異なるテイストであり、ギターサウンドはオールドスクールなハードロックのようである。
10 Pretty Vacant

ノリノリなサウンドと威勢の良いボーカルとは裏腹に「空虚な自分たちを皮肉った」虚無感を全面に押し出した歌詞がなんとも言えない曲。歌詞の和訳を読み込むまでは頻出する「we so pretty」というフレーズから「イケてる俺たち」を自称するご機嫌なナンバーであると筆者は勘違いしていた。
12 E.M.I.

所属していたレコード会社(EMI)を「明らかに舐めきった歌唱法」で痛快なまでに批判するパンクロックのお手本のような曲で多くのパンクアーティストに影響を与えたと思われる。90年代の日本の音楽シーンでは黒夢がこの曲からインスピレーションを受けたと思われる「カマキリ」という曲をリリース※EMIの事を「Easy Money Island」と痛烈に批判※セックス・ピストルズ(Sex Pistols)は「既に利害がなくなったレコード会社(EMI)」をこの曲で強烈にディスった訳だが、黒夢の場合は「EMI」に所属しているアーティストという立場でありながらEMIをディスった。この場合どちらが「パンク」としてイケているのだろうか?!コアなパンクリスナーに聴いてみたいものである。

伝説のパンク・アーティスト「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」が残した唯一のオリジナルアルバム。サウンド的にほぼ全ての曲に統一感があり「アグレッシヴなパンクサウンド」で埋め尽くされている。 「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」の最大の特徴は「明らかにノーマルではないイントネーショーンでコミカルですらあるジョニー・ロットン(vo)のボーカリゼイション」にこそあると思う

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