検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

「1 BLOWIN’」
「ジェットコースターに乗った」ようなスピードを感じるサビのボーカルラインがとにかく素晴らしいゴージャスなシンセロック。「風に揺れる心を抱えながらも答えを探す旅を止めてはいけない!」とリスナーに提案する歌詞がとにかく秀逸である。ビーズ(B’z)のヒットシングルの歌詞によく見られる傾向として「主人公や第三者が感じている悩みや不安」に対して課題解決策を提示する事が挙げられる。この曲の歌詞もまさに「B’zのヒット方程式」にずばり当てはまる歌詞の内容となっている。

好きなアーティストが「自分達が感じるような類の悩み・不安に対する課題解決策をロックサウンドやデジタルサウンドに乗せて歌って提案してくれるのである。B’zファンの方にとってはシングルCD1枚1000円という価格設定は非常にリーズナルブである。この稲葉浩志(vo)による「課題解決型の作詞」は見事と言うほかなく見事な付加価値として機能している。

サウンド的にはデジタルビートを強調したサウンドからハードロックに移行する過渡期的な内容となっている(2:16〜)アコースティックギターのコードに乗せて「風をうけても立ち上がる君に対する賞賛」を歌い上げる静のパートが挿入され、サビのボーカルラインの体感速度を更に上げている。

「2 TIME 」
目の前に「どこまでも広がる海」が広がるようなスケールを感じるエモ系バラードの名曲。「何もない午後の入江を往く船をただ見つめていた」という歌詞は「近い将来に起こる2人の別れを予見する」ような文学的な静けさを感じさせる神ラインである。

後悔する過去を思い出す時に「どうすれば時が戻る」と思う事はよくある事だが、本作のサビでは「どうすれば時が戻る」というラインだけではなく「どうすれば時が過ぎる」というラインも登場する。「どうすれば時が過ぎる」なる感情は現状のあまりの悲しさや辛さに耐えられない時にしか湧き得ない感情である。(2:55〜)「逃げ出したくなる時にそばにいてくれるのは誰なのか?」「くだらない事で一緒に笑いあえるのは誰なのか?」と自身に問いかけ「いなくなった君の存在の大きさを再認識する歌詞」がシリアスにそして重くリスナーの心に響き渡る。

「今どこで何をしている?」や「言葉はいつも役に立たない」というフレーズからも分かるようにこの曲の歌詞は、ただ「恋人と別れた」だけではなく「人生で欠くことが出来ない重要なピースを失った」ような強烈な喪失感をテーマにしていると思われる。稲葉浩志(vo)のボーカルも「感情が完全にのっている」事から、おそらくではあるが自身の失恋体験をベースに書かれた生々しい感情であると思われる。

終盤は松本孝弘(vo)のディープなギターサウンドが「氾濫する思い」のように濃厚に響き渡る。

    「要点」

  • ・「1 BLOWIN’」稲葉浩志(vo)による「課題解決型の作詞」は見事と言うほかなく見事な付加価値として機能している
  • ・「2 TIME 」「何もない午後の入江を往く船をただ見つめていた」ラインは文学的な静けさを感じさせる

「1 BLOWIN’」 「ジェットコースターに乗った」ようなスピードを感じるサビのボーカルラインがとにかく素晴らしいゴージャスなシンセロック。「風に揺れる心を抱えながらも答えを探す旅を止めてはいけない!」とリスナーに提案する歌詞がとにかく秀逸である。ビーズ(B’z)のヒットシングルの歌詞によく見られる傾向として「主人公や第三者が感じている悩みや不安」に対して課題解決策を提示

READ MORE

非ビジュアル系なド派手なビジュアルとBADなR&Rサウンドを提げて80年代の音楽シーンに登場したジギー(ZIGGY)の1stアルバム。

カリスマ的でBADなR&Rシンガーをペルソナとして設定しているであろう、森重樹一(vo)のボーカルはR&Rボーカリストとして最高のお手本であり「1 EASTSIDE WESTSIDE」「7 HOW」における「掠れたがなり歌唱」は清春(黒夢)に多大な影響を与えたと思われる。

自身が憧れたであろうカリスマシンガー達の影響を反映させた「掠れたがなり歌唱」や「BADなシャウト」を盛り込みR&R的なワイルドさを醸し出している森重樹一(vo)のボーカルではあるが、サビのボーカルラインはノリノリのR&Rやシンプルなパンクソングであっても非常にメロディックであり「メロディーメーカーとしての隠しきれない才覚」がにじみ出ている。 この「歌心あるメロディーセンスの有無」がメロディーにある種の拒絶反応を示すドメスティックなR&Rバンドとジギー(ZIGGY)との決定的な違いであると思われる。

    「要点」

  • ・カリスマ的でBADなR&Rシンガーをペルソナとして設定しているであろう森重樹一(vo)のボーカルはR&Rボーカリストとして最高のお手本
  • ・サビのボーカルラインはノリノリのR&Rやシンプルなパンクであっても非常にメロディック

「曲解説」

1 EASTSIDE WESTSIDE

性急なビートに乗せてタイトルにもなっている「EASTSIDE WESTSIDE」というフレーズを「ワイルドにそしてBAD」にシャウトするオープニングソング。ボーカルラインは「どこからどこまでがサビなのか?!という判断が難しいもの」となっており曲を通して「全てがサビ」のようである。
2 MAKE IT LOUD

ゴージャスなサックスフレーズを盛り込んだミドルテンポの曲で歌詞の内容は「ブルースに抱かれる飲んだくれ女たち」についてである。 サビのボーカルは非常にメロディックであり濃厚なサックスサウンドと絡まっている。
3 I’M GETTIN’ BLUE

「ノリの良いBADなロックンロールサウンド」と「BLUEな夜が続く理由に思考を巡らせる内省的な歌詞」の対比が面白い曲(2:22〜)戸城 憲夫(b)によるベースソロは「サビのボーカルラインをアレンジした」シンプルなラインだが「雨後の光」のような眩しさを感じるものとなっている。
4 BIRDS ON STRINGS

基本的には「誰もいない部屋」のような静けさを感じるアコースティックバラードなのだが、サビで瞬間的に「エモーショナルな熱量」を放つ曲となっている。歌詞の内容は「ゆきずりで始まった、刹那的な恋の終わり」についてであると思われる。
5 LAZY BEAT

「1.2.3.4」という威勢のよいカウントアップで幕をあけるパンクチューン。歌詞の内容は「R&R幻想を叩きつけた」シュールなものとなっており「おもちゃのピストル夜空に向けて」というラインは色んな意味で危険な匂いがする。
7 HOW

「独白」のようなバラード調から突如、ワイルドなR&Rに変貌する曲。本曲における森重樹一(vo)の「掠れたがなり歌唱」は清春(黒夢)に大きな影響を与えたであろうと思われる。サビのボーカルラインは相変わらず「非R&R」なメロディックなものとなっている。
9 I WANT YOUR LOVE

サビから始まる曲展開とサビ前の「ア〜、ア〜、ア〜」というビートルズ(The Beatles)風コーラスが印象的なパンクチューン。最後は音量が徐々に下がっていき唐突にサックスソロが飛び出す意外性のある展開となっている。
11 6月はRAINY BLUES

BADなR&Rバンドとは思えないナイーヴなタイトルが印象的なロックバラード。歌詞は「現在の生活とあなたにさよならを告げる」という内容となっている。終盤は「卒業式」のような晴れやかとセンチメンタルが同居したストリングスが2人の別れを静かに彩る。

非ビジュアル系なド派手なビジュアルとBADなR&Rサウンドを提げて80年代の音楽シーンに登場したジギー(ZIGGY)の1stアルバム。 カリスマ的でBADなR&Rシンガーをペルソナとして設定しているであろう、森重樹一(vo)のボーカルはR&Rボーカリストとして最高のお手本であり「1 EASTSIDE WESTSIDE」「7 HOW」における「掠れたがなり歌唱」は清春(

READ MORE

前作「GO FUNK」で提示したファンクサウンドと「悪ふざけ」のようなぶっ壊れた歌詞をハードに叩きつけた5thアルバム。

「ポップスとしての強度」や「前衛性」といった文脈においては傑作であった前作「GO FUNK」と比較するとやや劣ると感じるが、本作も他のアーティストではありえない「米米CLUB的やりすぎ感」が満載のアルバムとなっている。サウンド面で気になる点は「気怠いハードロックテイスト」を「3 FUNK FUJIYAMA」「8 Javaza Hat」などで取りれている点である。「グランジ上陸前夜の89年」に米米CLUBは「ハードミュージックの次なる一手」を模索していたのかもしれない!というのは深読みだろうか。

本作には神作「KOMEGUNY」で聴けた「トロピカル」なポップネスは微塵も存在しておらず「絶対に同じ事なんてするもんか?!」というアーティストとしての強烈なこだわりが感じられる。

    「要点」

  • ・ファンクサウンドと、「悪ふざけ」のようにぶっ壊れた歌詞をハードに叩きつけた5thアルバム
  • ・「気怠いハードロックテイスト」を「3 FUNK FUJIYAMA」「8 Javaza Hat」などで取りれている

「曲解説」

2 Funk-a-ねーちゃん

「この大バカ者!」という強烈なワードで幕をあける米米流ハードファンク。 「グイグイ攻めてくる」立体的なベースラインと「涼しげでアーバン」なカッティングギターを中心に展開される曲なのだが、ジェームス小野田(vo)のボーカルがあまりに強烈なので正直サウンドが耳が回らない。唇を高速で揺らす「ブルブルブルブル」という音をここまでリフレインする曲は筆者が知る限りこの曲だけである(3:16〜)リズムアプローチに南米の打楽器風のダンサブルなものが加わり、そこにサイケな光が顔を出す。終盤は「スーパーファンキー・レイディー」という「ファンキーの極み」とも言えるフレーズが祝祭性マックスのサンバティックなサウンドの上で「嫌になる位」にループされる。
3 FUNK FUJIYAMA

「ルーズで気怠いハードロックバンドがコミカルなファンクにチャレンジした」ようなイメージの曲。「強烈な和の匂い」を放つ歌詞は一度聴いたら頭から離れない類のもので「サムライ」「寿司」「芸者」「腹切」など外国人に受けそうなジャパニーズフレーズをふんだんに盛り込んでいる。最後はジェームス小野田(vo)による「イヤッホー」というご機嫌なシャウトで幕を閉じる。
4 Beautiful

「黄昏のオフィス街」のような雰囲気が濃厚なファンクバラードで「ガラス細工」のように繊細なカッティングギターが曲にアーバンな質感を与えている(2:06〜)「3 FUNK FUJIYAMA」での悪ふざけが嘘のようにサックスソロが渋く響き渡る。歌詞は「カフェの窓から雨に濡れ佇む君を見つめる」というナルシスティックな内容となっている。
5 Let’s Go!

ボーカルラインとリズムの速度が「心地よくズレている」ギターポップでタイトなファンクサウンドと清涼感があるピアノサウンドが混ざり合っている。歌詞は「あっ玉の中confusion」という意味不明なラインがインパクト大でリスナーに「混乱した時はrice show timeに夢中になろう」と提案するナチュラルに狂った内容となっている。
8 Javaza Hat

濃厚なブルージーを感じるハードロックサウンドをフィーチャーした曲でオールドスクールなヨレたギターリフが鼓膜に絡みつく。ドラムサウンドは非常にパワフルで「本当に外国のハードロックドラマーが叩いた」ようなクオリティーとなっている。
9 Kung-fu Lady

「耽美ニューウェイブ的なミステリアスな音響が強調されたヴァース」と「華やかホーンサクションをフィーチャーしたサビ」を中心に展開される曲。ギターソロはマニアックなエフェクトをかけたサウンドとなっており「サイケなおもちゃ」のようなイメージである(2:42〜)タイトル(カンフー)にちなんだ「アチョー」というシャウトがコミカルに響き渡る。
10 俺をもとめてる~Everyone Is Searching For Me

「ピクニック」のようなワクワク感と「夢の中」のような浮遊感が同居したアーバンなポップソング。前作「GO FUNK」がオリコン1位になり嬉しすぎて作った曲(wiki)との事で自意識過剰なタイトルは明らかにネタであろう。
11 Forever

ジェームス小野田(vo)がコミカルな声でクサイ愛情表現を過剰にシリアスに歌うなんとも言えない曲。ベースラインは一癖あるこの曲の中でも「寸分の狂いなく淡々とそしてダークに時を刻んでいる」。
14 ア・ゲ・ハ

リラックスしたアコースティックギターの音色がカールスモーキー石井(vo)のボーカルを優しく包み込むバラード。歌詞は「アゲハ蝶のように夢に向かって飛んでいけ」とリスナーにエールを送る内容であると思われる。

前作「GO FUNK」で提示したファンクサウンドと「悪ふざけ」のようなぶっ壊れた歌詞をハードに叩きつけた5thアルバム。 「ポップスとしての強度」や「前衛性」といった文脈においては傑作であった前作「GO FUNK」と比較するとやや劣ると感じるが、本作も他のアーティストではありえない「米米CLUB的やりすぎ感」が満載のアルバムとなっている。サウンド面で気になる点は「気怠いハードロックテイスト」を「3

READ MORE

再結成前にリリースされた最後のオリジナルアルバムでありデッドエンド(DEAD END) のキャリアの中で「最高傑作」との呼び声も高い傑作4thアルバム。

前作を聴いて感じた「密室感」が大幅に後退し「ダークではあるのが空間的な広がりを感じるサウンド」を聴かせてくれる。 本作における足立祐二(g)のギタープレイはもはや「神の域」であり、ルナシー(LUNASEA)やラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)に多大な影響を与えたであろうと思われる。「耽美」「ミステリアス」と形容したくなるアルペジオがほとんど全ての曲で登場して一筋縄ではいかないマニアックな雰囲気を醸し出している。特に「1人V系ツインギター」と表現したくなる「2 SLEEP IN THE SKY」は全てのV系ファン必聴である。

80年代ハードミュージックとUKニューウェイブを掛け合わせた方法論は、鳴っているサウンドは異なるがUSオルタナの創始者の1つである「ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)」に近いものがあると感じる。

    「要点」

  • ・「ダークではあるのが空間的な広がりを感じるサウンド」
  • ・「1人V系ツインギター」と表現したくなる「2 SLEEP IN THE SKY」は全てのV系ファン必聴

「曲解説」

1 I WANT YOUR LOVE

ドラムンベース風のドラムプレイで幕をあける浮遊系ギターロック。「大空を駆け巡る」伸びやかなボーカルラインと「アンプ直」のようなウォームな歪みが心地よいギターサウンドを中心に展開される曲でタイトルは「MORRIE(vo)らしからぬノーマル」なものとなっている。サビでは足立祐二(g)のアンビエントなアルペジオが曲にミステリアスな空気感を与えている。
2 SLEEP IN THE SKY

ルナシー(LUNASEA)のプログレ曲「serach for reason」におけるツインギター・アプローチに多大な影響を与えたと思われる足立祐二(g)のギタープレイが素晴らしすぎる耽美チューン。「神秘的でミニマムにループされるアルペジオ」「ウォークでコクのあるトーン」「幽玄で半透明な煙を連想するギターサウンド」などを自由自在に操る様はまさに「1人V系ツインギター」と言っても過言ではない。
3 BABY BLUE

コクのあるベースラインが目立つシンプルなリフロックではあるのだが、時折挿入される「脳みそをグシャグシャとかき乱す」ような刻むギターリフと「迷宮」のようなアルペジオが圧倒的な存在感を放っている(2:05〜)「忍者」のようなダークさと瞬間的なスピードを感じるCRAZY COOL- JOEのベースソロが披露される。最後は「途切れたメロディー」のように唐突な静寂に包まれる。
4 SO SWEET SO LONELY

ユートゥー(U2)彷彿のディレイサウンドが存在感を放ち「恍惚の光」を感じられるバラード。歌詞の内容は「愛しすぎるが故に破滅に向かう2人」と言ったところだろうか。この曲のギターソロの音色はどこかグレイ(GLAY) に近い響きがある。
5 CRASH 49

「砂の街」のようなオリエンタルな響きが印象的なアルペジオがループされるダークソング。歌詞は「砂の街」とは正反対の「CRASH」した内容で「コンピユータゲームと現実がごっちゃ混ぜになった」ようなカオティックなものである。
7 HYPER DESIRE 

デッドエンド(DEAD END)流パンクソング。リスナーのイマジネーションを刺激する足立祐二(g)のギター音色が、シンプルなこの曲に「アバンギャルドでカラフルな色彩」を与えている。
9 I SPY

ゆったりとしたヘヴィリフと高速の早弾きフレーズが印象的なメタルチューン。「Am I a spy? Are you a spy? Who is a spy?」という掛け声コーラスが珍しく?!「健全なハードロック的ワイルドさ」を醸し出している。
10 I’M IN A COMA

終幕感を感じる音響と眩しすぎる光が同居しているミドルテンポの耽美チューン。ボーカルラインは「しなやか」という表現がピッタリな上質なものとなっており、途中から「どこからどこまでがサビなのか」が分からなくなる程である。MORRIE(vo)のボーカルラインの後ろで「螺旋階段」のようなディレイサウンドが鳴り響き曲にミステリアスな深みを与えている。
11 SERAFINE

文学性を感じる歌詞がとにかく素晴らしい名バラード。歌詞の内容はおそらくではあるが「解散」と大いにリンクしていると思われ、空に浮かぶ「あの船」とは日本の音楽シーンの事で「オマエ」とはMORRIE自身がかつて憧れたアーティストの事ではないだろうかと筆者は考える。メジャーシーンで活動する中で感じた虚しさなどをキッカケに「オマエのもと=アメリカに行きたい」という決意をMORRIEは固めたのではないだろうか?!

再結成前にリリースされた最後のオリジナルアルバムでありデッドエンド(DEAD END) のキャリアの中で「最高傑作」との呼び声も高い傑作4thアルバム。 前作を聴いて感じた「密室感」が大幅に後退し「ダークではあるのが空間的な広がりを感じるサウンド」を聴かせてくれる。 本作における足立祐二(g)のギタープレイはもはや「神の域」であり、ルナシー(LUNASEA)やラルク アン シエル(L’

READ MORE

ヘヴィメタルの中に耽美派ニューウェイブの要素を大胆に反映させた独自すぎるメタルサウンドが後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与えたジャパニーズ・ヘヴィメタルの異端児/デッドエンド(DEAD END)

本作はそんな彼らの3rdアルバムとなっており「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている。

河村隆一、hyde、清春などの「V系レジェンド達」に多大すぎる影響を与えたMORRIEのボーカルは耽美的でありながらも「どこまでも続く地平線」のように力強く、本作に収録されている某曲などは「これボーカルhytdeじゃない?!」と聴き間違いしてしまう程である。また「ヘヴィだが空間的な広がりを見せるギターリフ」「異空間のようなミステリアスさを醸し出す耽美なアルペジオ」などを自在に操り、良質なV系ツインギターサウンドを1人で演っているような足立祐二(g)のギタープレイはギターキッズ必聴である。

デッドエンド(DEAD END)の存在がなければ「90年代V系」は存在しなかったと断言でき、ミュージシャン限定で言うとその影響力は日本におけるギターロックの雛形を作ったボウイ(BOOWY)以上かもしれない?!

    「要点」

  • ・「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている
  • ・デッドエンド(DEAD END)の存在がなければ「90年代V系」は存在しなかったと断言できる

「曲解説」

1 EMBRYO BURNING

「魔界」のような質感のヘヴィなギターリフが、他のジャパニーズ・ヘヴィメタルバンドとは一線を画するヘヴィメタル・チューン。サビのボーカルラインの後ろでは「蜃気楼」のようなシンセ(ギターの可能性もある)が透明に響き渡る。MORRIEのボーカルはパワフルでありながらも耽美的であり素晴らしいの一言である。
2 JUNK

ヘヴィリフがゆったりとリフレインされるスローテンポの曲。MORRIEのボーカルはおどろおどろしいものとなっている。歌詞の内容は「シュールを超えた不気味さ」を感じるものとなっており、「ばらばらの肉体が宙ぶらりんになり」などは中々出てこないラインであると思う。
3 NIGHT SONG

「強打」のようなドラムプレイと浮遊感を感じるヘヴィリフが疾走感を演出するハードチューン。サビではキュアー(CURE)を彷彿とさせる耽美でミステリアスなアルペジオが登場し曲を立体的にしている(2:13〜)ギターソロはテクニカルなものとなっており「ヘヴィメタル」ではあるのだが「V系的な狂ったフィーリング」を確かに感じる事ができる内容となっている。本曲で聴ける足立祐二(g)のプレイは「ルナシー(LUNASEA)のツインギターを1人で演奏した」ようなイメージであり効果的に「ヘヴィネス」と「耽美」を曲に提供している。
4 SERPENT SILVER

スラッシュメタルのようなスピードを感じるニューウェイブ・メタル。この曲でもキュアー(CURE)彷彿の耽美的なアルペジオが導入されている。歌詞は意味深とした言いようがない内容だが「神々しい光」というラインは、河村隆一とhydeに多大な影響を与えたと思われる。
6 LUNA MADNESS

ウォームで立体的なベースラインが非常に目立ち、耽美なUKポップをデッドエンド(DEAD END)流にアレンジしたような曲。歌われている内容は狂気的なものっているが、歌詞の内容とは裏腹にMORRIEのボーカルは「耽美的に揺れる」ように歌われており逆説的に狂気を表現していると思われる。
8 BLOOD MUSIC

ブルージーなハードロックテイストを感じるハードな曲で本作に収録されている曲の中で「最もグルーヴを感じる」事ができる。MORRIEのボーカルもワイルドさが強調されたものとなっており「デッドエンド(DEAD END)」のヘヴィメタル的側面を強調したようなイメージの曲である。
10 I CAN HEAR THE RAIN

泣きのギターフレーズで幕をあける疾走系・耽美チューン。この曲で聴く事ができる足立祐二(g)のプレイは、ジョニー・マー/ザ・スミス(The Smiths) を彷彿とさせる流麗なものとなっている。反面、ギターソロは高速早弾きを盛り込んだエモーショナルなものとなっておりハードロック的な熱量を感じる。

ヘヴィメタルの中に耽美派ニューウェイブの要素を大胆に反映させた独自すぎるメタルサウンドが後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与えたジャパニーズ・ヘヴィメタルの異端児/デッドエンド(DEAD END) 本作はそんな彼らの3rdアルバムとなっており「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている。 河村隆一、hyde、清春などの「V系レジェンド達」に多大すぎる

READ MORE

1 15 16 17 56