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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

河村隆一自身が初主演した映画「ピカレスク 人間失格」のサウンドトラックのような立ち位置のソロ3rdアルバム。

1st 2ndアルバムは「ルナシー(LUNASEA)ではできない表現」や「J-POPのフォーマットでどの位、通用するのか?!」などがテーマであったと思うのだが、本作は太宰治の小説「人間失格」のストーリーからインスピレーションを受けたシリアスな作風となっている。「クラシカルな弦楽器を中心に奏でられる静なサウンド」と河村隆一のコクのある歌声によって構成されるシンプルで上質な曲が多く、歌詞には「道化師を演じて」「仮面をかぶる午後は」などのフレーズが登場し「心地よい憂鬱さ」を感じる。

またこれまで距離を置いてきたと思われるルナシー(LUNASEA)的サウンドも僅かではあるが取り入れており「1 So Deep」に関してはルナシー(LUNASEA)彷彿のダークな残響が心地よい曲となっている。1st2ndアルバムで確立した?!ラブソング=河村隆一というイメージを見事に打ち砕く作品となっている。

    「要点」

  • ・太宰治の小説「人間失格」のストーリーからインスピレーションを受けたシリアスな作風
  • ・歌詞には「道化師を演じて」「仮面をかぶる午後は」などのフレーズが登場し「心地よい憂鬱さ」を感じる

「曲解説」

1 So Deep

不穏なノイズサウンドとクラシカルな弦楽器の優雅な調べが絡みあう冒頭から「ルナシー(LUNASEA)彷彿のダークな残響」が心地よいギターロックに移行する曲。これまでの河村隆一の作品にはないダークテイストが新鮮なエモーショナルソングとなっている。
2 かけがえのない人

「メロウな昼下がり」のようなピアノの旋律とクラシカルな弦楽器の調べのみで構成される上質なサウンドにのせて、河村隆一が「素敵なあなた」に対して愛を独白する静かなバラード。「愛」といっても1st 2ndアルバムのメインテーマであった「恋愛」とは少しニュアンスが異なり、人間性をディープに見つめた「愛」を歌っている。歌詞の中に「道化師を演じて」というフレーズが登場、アルバムタイトルにもなっている太宰治の名作「人間失格」からインスピレーションを得た曲である事は間違いない。
3 愛欲のまなざし

「2 かけがえのない人」同様にピアノとクラシカルな弦楽器のみで構成された上質なサウンドだが、歌詞は「人間の暗部」にスポットが当てられており「愛する人さえ汚していく自身の性欲」に対する嫌悪感を歌っていると思われる。
5 liar’s hymn

「異国感が強調された不思議な響き」を感じる河村隆一の多重コーラスがインパクト大の曲。多重コーラスが音響として圧倒的な存在感を放っている為、歌詞の内容は正直頭に入ってこない。「眩しい光に照らされた教会」を思わせるシンセサウンドと中間部移行から導入される「ボリビアの高地の街」を連想する独自のテンポが不思議な静けさを演出している。
6 うたかた

「春の訪れ」のようなサビのボーカルラインがビビッドに響き渡る曲。サビ前にはこれまで距離を置いていたと思われる「ロック的に壊れたノイズ」が挿入される。
7 Stop the time forever

「重層で全てを優しく包み込む」ストリングスをバックに河村隆一の熱唱が響き渡るエンディングソング(3:23〜)マーチ風のドラムが挿入される事をキッカケに曲は徐々に熱量をあげていくが上質な音響は常に保たれている。「仮面をかぶる午後は」というフレーズは「人間失格」的である。

河村隆一自身が初主演した映画「ピカレスク 人間失格」のサウンドトラックのような立ち位置のソロ3rdアルバム。 1st 2ndアルバムは「ルナシー(LUNASEA)ではできない表現」や「J-POPのフォーマットでどの位、通用するのか?!」などがテーマであったと思うのだが、本作は太宰治の小説「人間失格」のストーリーからインスピレーションを受けたシリアスな作風となっている。「クラシカルな弦楽器を中心に奏

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「LOVE」をテーマにした大ヒット・デビューアルバムから4年の時を経てリリースされた2ndアルバムでタイトル通り「LOVE」を更に深くディープに掘り下げた内容となっている。

1stアルバムで印象に残った「少年時代の恋愛感情」にスポットを当てた歌詞は今作でも健在で「5 君の前でピアノを弾こう」などはその流れで書かれた歌詞であろうと思われる。本作で「河村隆一=ラブソング」というパブリックイメージが良くも悪くも出来上がった。それ位、過剰かつストイックに「恋愛」をだけを歌っている作品である。

反面、1stアルバムで「絶妙なスパイス」として機能していたナルシズムは後退しており、メッセージ性やパブリックイメージは全く異なるのだが全ての曲で尾崎豊的な「ありのままの俺」という潔さを感じさせる。この「バランス」や「周囲の目」を一切気にしない孤高のスタンスはある種、神の域である。「恋愛」のみを歌いきった本作の後、河村隆一は一体どこに向かうのだろうか?!

    「要点」

  • ・過剰かつストイックに「恋愛」をだけを歌っている作品
  • ・「バランス」や「周囲の目」を一切気にしない孤高のスタンスはある種、神の域
  • ・1stアルバムで「絶妙なスパイス」として機能していたナルシズムは後退

「曲解説」

1 Nē

「答えが見えず、求めるほど苦しくなる恋愛」を柔らかいアコースティックサウンドにのせて河村隆一がエモーショナルに歌い上げる。歌詞には「失うものなどないから」というラインが登場するが、この「失うものはない」というスタンスはルナシー(LUNASEA)のヒットシングル「STORM」でも歌われている。
2 in the sky

「君と僕」を「光と影」に見立て「近づくほど奪い合う」と表現するラブソング。サウンドは「どこまでも続く曇った夏の日の空」のような質感のギターポップである。冒頭の「壊れたメロデイー、この世界を」という不可思議な響きが曲にシリアスな風を運んでくる。
3 Tomorrow

軽やかで清らかな風を感じるポップチューン。リズムは終始リラックスしたゆったり感があり、時折挿入されるミニマムなシンセサウンドが曲に清涼感を与えている。「2 in the sky」における「壊れたメロディー」が嘘のように「素敵なメロディー」というラインが登場する。
4 forget about you

「誰もいない秋の海辺」のようなセンチメンタルを感じる曲。控え目でアダルトなギターのカッティングが「過ぎ去った夏の日」のように響き渡る。歌詞は「鮮やかにみえた君が心からまだ消えなくて、ここ(海)に来てしまう」というニュアンスであり、ヒットシングル「6 BEAT」同様に過去の恋愛に密接にリンクする海を訪れている。
5 君の前でピアノを弾こう

キラキラしたオルゴール風のSEで幕をあけるポップソング。ジャジーなピアノを中心に展開される静のサウンドにのせて「少年時代」のようなシャイな恋愛感情を歌い上げる(2:35〜)「今夜ピアニストになる」というフレーズをファルセットで歌い上げ、そこから「黄昏」のようなサックスソロが展開される。
7 my first love

クラシカルな弦楽器がゆったり美しい旋律奏でる「コクのある上質なワイン」のような静かなサウンドにのせて「切ない初恋」を思わせる歌詞を河村隆一が軽やかに歌い上げる。ルナシーのアルバム/SHINEがリリースされた1998年〜終幕する2000年までの間に頻繁に使われたワード「輝く」がこの曲でも登場する。また「離さないで」「連れて行って」という受け身なラインから、女性目線で描かれた歌詞なのでは?という気がする。本曲は元SPEEDの上原多香子に歌われてヒットを記録した。
10 静かな夜は二人でいよう

「君の扉は開かない」と認識しつつも「抱きしめさせて」と強く願望するエゴイスティックな愛情を熱くエモーショナルに歌い上げるクラシカルなバラード。 「傷ついても、傷つけても構わない」というスタンスはルナシー(LUNASEA)の終幕アルバム「LUNACY」に収録されているハードなロックチューン「a Vision」と共通するものである。
11 恋をしようよ

「あなたの恋を探します」というニュースキャスター風の声で始まるメロウなギターポップで「恋をすると人は詩人」になるそうです。「幻想」というワードも登場するがルナシー(LUNASEA)時代とはまるで異なる響きをもっている。
13 憂鬱

タイトル通り「張り詰めたシリアス感」を演出するピアノインスト。ピアノの旋律はまさに「憂鬱」を具現化したような質感である。
14 ジュリア

ファミコンゲーム風のハッピーな電子音で幕をあける軽やかなギターポップ。 歌詞は「伝えたい思いで溢れる恋愛」について。

「LOVE」をテーマにした大ヒット・デビューアルバムから4年の時を経てリリースされた2ndアルバムでタイトル通り「LOVE」を更に深くディープに掘り下げた内容となっている。 1stアルバムで印象に残った「少年時代の恋愛感情」にスポットを当てた歌詞は今作でも健在で「5 君の前でピアノを弾こう」などはその流れで書かれた歌詞であろうと思われる。本作で「河村隆一=ラブソング」というパブリックイメージが良く

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「これまでのキャリアからの劇的な変化」という文脈においては過去最高レベルのインパクトがあり、男性ボーカリストのソロアルバムとして破格のセールスを記録した河村隆一1stフルアルバム。

成功したバンドのメンバーのソロデビューアルバムは大きく2つのケースに分類できる。1つ目は「ナチュラルにやりたい事をやるケース」ルナシー(LUNASEA)のメンバーでいうとスギゾー(SUGIZO)とイノラン(INORAN)のソロデビューアルバムはこれ該当。もう1つは「ルーツミュージックをフィーチャーするケース」本作は後者に該当する。

ルナシー(LUNASEA)ファン20年越えの筆者の考察では、河村隆一という人は不器用な人間なのだが他者からは器用に思われるというタイプであると思われる。本作のサウンドは歌謡曲テイストも強い良質なポップ・ミュージックが主となっており、考えようによっては「売れ線に走った」という見方も可能ではあるのだが、それは間違った見解である。河村隆一は「ハマってしまうと徹底的にハマる」という性分をもっている。要はルーツを掘り下げるとなると本当にルーツ(幼少期〜少年時代に触れた音楽)まで辿ってしまうのである。このあたりのちょっとズレた「やりすぎ感」が河村隆一の魅力だと思う。

「ルナシー(LUNASEA)のボーカリストという先入観を一切排除して本作に触れてみると本作がいかに素晴らしいポップアルバムであるという事が理解できる。好き嫌いは別として河村隆一の声は嫌になる程に耳に残るのである。

    「要点」

  • ・「1 I love you (Album mix)」相変わらず都会に対するネガティヴな感情を歌っており、「壊れそうなこんな街も」とディスっている。
  • ・ルーツを掘り下げるとなると本当にルーツ(幼少期〜少年時代に触れた音楽)まで辿ってしまう「やりすぎ感」が河村隆一の魅力

「曲解説」

1 I love you (Album mix)

ゆったりとした波の音から始まるファーストシングルで歌詞は「恋に疲れていた2人」が出会った熱いラブソングとなっている。この曲でも相変わらず都会に対するネガティヴな感情を歌っており「壊れそうなこんな街も」とディスっている。
2 好き

「遠い日の夏」のようなノスタルジーを感じるアコースティックソング。「愛し方をしらない孤独な少年」が主人公の物語であり、この孤独な少年はおそらくではあるが河村隆一自身であろうと思われる。「首にさげた部屋の鍵が鎖みたいで」というフレーズは「少年の壊れそうな繊細さ」が端的に表されている。
3 涙色

河村隆一が「愛の伝道師」のようなスタンスで愛の重要性を説くポップチューン。「果てしない愛に触れたら争いはなくなるかな?!というラインは「純粋な子供」のように無邪気ではあるが不思議と考えさせられる。ギターサウンドはディレイを活用しており若干SUGIZO風/ルナシー(LUNASEA)。
5 Love song

「幼少期の無邪気な恋愛」をテーマにしたエモーショナルバラードで「河村隆一特有のハイトーン」が非常に美しくパッケージングされている。歌詞に「変な顔して笑わせるよ」なる歌詞が登場する。
6 BEAT (Album mix)

色褪せない夏のメモリーをビビットなポップソングにのせて河村隆一が熱唱するヒットシングル。「過去の恋愛を回顧する曲」は得てして暗くなりがちだがこの曲はメロウで軽やか。最後は失恋を100%ポジティヴに捉えた「歩き出すよ、君を知ったこの場所から」というフレーズで締めくくられる。
7 蝶々

「幼少時代の切なすぎる初恋」に対する後悔をエモーショナルに歌い上げる名バラード。「2 好き」「5 Love song」同様に幼少期の恋愛をテーマにしているが「名前も知らないあなた」というフレーズから恋の対象はおそらく年上であると思われる。曲を通して素晴らしいノスタルジアを感じる事ができる。
8 Love

果てしない海を見て「孤独な少年時代」を回顧しつつも「今までとは違う君」に対して「帰る場所になってくれたら」と願うバラード。作曲はアルフィー(THE ALFEE)の高見沢俊彦が担当(wiki)。
9 Evolution

ミニアルバム「Cranberry Soda」に収録されている「4 REAL」と同様に「何かが壊れてしまった若者のヤバいリアル」を歌っている曲。本作の中でも最もルナシー(LUNASEA)に近い質感のサウンドでミステリアスなアルペジオを中心に構成されている。歌詞は「リアルとバーチャルの感覚がバグった若者に対するアラーム」のようなイメージである。
10 小さな星

宇宙船が地球を出発する発射音で幕をあけるキラキラ・ポップチューン。「少年時代の恋の妄想」をダイレクトに叩きつけたイマジネーション豊かな歌詞が素晴らしい。「2人きりだからこの気持ちを法律にしよう」なる歌詞が許されるシンガーはそう多くはないだろう。曲中にキザな言葉を連発する主人公ではあるが、相手の女性がこの星について来てくれた真の狙いは「波」であるという事を知っているというオチまで用意されている。
11 Glass (Album mix)

「ナイーヴな男の独白」のような歌詞がインパクトの名バラード。ヒロイックなピアノの旋律、「大粒の雨」のようなビートから無条件に「夜の街」を連想するが、優雅なストリングスをフィーチャーした間奏部は「草原に一人孤独に佇む」かのような開放感を感じる。
14 Love is… (Album mix)

1人の女性に対する熱すぎる恋愛感情が印象的なラブソングであり「河村隆一=Love is」という位にインパクトのある曲となっている。冒頭の天使を思わせるコーラスはスピード(SPEED)のwhite loveに少し似ている。
16 Hope

壮大なストリングスにのせて「いつまでも新たな光を求める自己願望」を高らかに歌い上げるラストソング。「宇宙はコーヒーカップ」なる意味深なラインも登場。最後は静かに波だけが流れる。

「これまでのキャリアからの劇的な変化」という文脈においては過去最高レベルのインパクトがあり、男性ボーカリストのソロアルバムとして破格のセールスを記録した河村隆一1stフルアルバム。 成功したバンドのメンバーのソロデビューアルバムは大きく2つのケースに分類できる。1つ目は「ナチュラルにやりたい事をやるケース」ルナシー(LUNASEA)のメンバーでいうとスギゾー(SUGIZO)とイノラン(INORAN

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これは本当にルナシー(LUNASEA)のRYUICHIなのか?!と多くの人に衝撃を与えたミニアルバム。おそらくではあるが「これまでの自分をぶっ壊す」「ルナシー(LUNASEA)と同じ事は絶対にしない」「非音楽ファンを自分に振り向かせる」などがテーマになっていると思われる。

ワクワク感が強調されたポップソング「2 BALLOON」では「君がふくシャボン玉の中に閉じ込められたみたい」なる歌詞が登場しルナシー(LUNASEA)ファンの度肝を抜く。かつて「コンクリートの部屋の中、外を見る事さえできずに」という暗黒モダンな歌詞を歌っていた、かつてRYUICHIの姿はこの曲にはない。しかし反面「7 SE,TSU,NA,」では都会の事を「掃きだめみたいなこんな街」と表現しており、ルナシー(LUNASEA)の名曲ROSIER同様に都会に対するアンチテーゼは不思議と一貫されている。(※ROSIERでは都会の事を「輝く事さえ忘れた街」と表現)

本作は(というか河村隆一のソロ全般)ルナシー(LUNASEA)のオールドファンを中心に賛否両論があると思うのだが「過去やこれまでの実績にしがみつく気は一切ない姿勢」「良い意味でファンの期待を裏切ってやろうという心意気」「自分がやりたい事を素でやる、だって自分の人生だもん的ナチュラルさ」を貫くことは非常に勇気がいることであり素直にリスペクトすべきだと筆者は思う。

「ロック=常に変化し続ける」と定義づけるなら河村隆一ほどロックなミュージシャンはいないのでは?!という気もある意味ではする。

    「要点」

  • ・「これまでの自分をぶっ壊す」「ルナシー(LUNASEA)と同じ事は絶対にしない」などがテーマであると思われる
  • ・「7 SE,TSU,NA,」ではルナシー(LUNASEA)の名曲ROSIER同様に都会を「掃きだめみたいなこんな街」とディスっている

「曲解説」

1 TWINKLE

揺らめくサイケサウンドと渋いサックスが「黄昏」のように漂う曲。歌詞に「ロマン」というワードが登場するが、ルナシー(LUNASEA)の名曲END OF SORROWとは全く異なるポップでノーマルな響きがある。歌詞は色んな意味でルナシー(LUNASEA)のボーカリストRYUICHIとしては歌えない内容となっており「朝が来るまであきれる位に星を数え、夢を語りあう」という真っ直ぐ過ぎる内容となっている。
2 BALLOON

「待ちわびた夏休み」のようなワクワク感を感じるポップソング。「君がふくシャボン玉の中に閉じ込められたみたい」というなんとも言えない歌詞が登場しこれは本当にルナシー(LUNASEA)のRYUICHIなのか?!と一瞬疑ってしまう内容となっている。
4 REAL

「クリスタル」のような透明感を感じる音響に包まれて「何かが壊れてしまった若者のヤバいリアル」を河村隆一が抜群の歌謡性で歌い上げるフォークバラード。
5 RED

物悲しくダークなストリングスが「中華のミステリアスなおとぎ話」のようなムードを醸し出すバラードで、よく聴いてみるとリズムはインダストリアル風の歪んだものとなっている。
7 SE,TSU,NA,

「駆け足」のようなスピードを感じるギターポップにのせて河村隆一が「愛や夢をなくした人々」に対して「周囲に流されず目的をもって生きろ!」と喝をいれる内容となっている。そう「人生は思っているよりきっと短い」のだから。ルナシー(LUNASEA)の名曲ROSIERでは都会の事を「輝く事さえ忘れた街」と表現しているが、この曲では「掃きだめみたいなこんな街」と表現している。サウンド・歌詞共にルナシー(LUNASEA)とは大きく異なるが、都会に対するアンチテーゼだけは不思議と一貫している。

これは本当にルナシー(LUNASEA)のRYUICHIなのか?!と多くの人に衝撃を与えたミニアルバム。おそらくではあるが「これまでの自分をぶっ壊す」「ルナシー(LUNASEA)と同じ事は絶対にしない」「非音楽ファンを自分に振り向かせる」などがテーマになっていると思われる。 ワクワク感が強調されたポップソング「2 BALLOON」では「君がふくシャボン玉の中に閉じ込められたみたい」なる歌詞が登場しル

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メランコリックな90年代UKロックからの影響をダイレクトに音楽化した1stアルバムから1年後にリリースされた2ndアルバムで「曇り空」「雨雲」という形容がよく似合う彼等らしいギターサウンドにサイケデリックロックやアコースティックの要素が加えられている。

2000年前後は彼等が多大な影響を受けたであろう90年代UKギターロックアーティスト達が「アーティストエゴを大爆発させた」プログレ・アート作品をリリースし音楽シーンに大きな衝撃を与えたのだが、このような状況下に置いても彼等は愚直なまでに「ルーツミュージックからの影響を自分たちなりに鳴らす」という方向性でボーカル・ギター・ベース・ドラムというミニマムな形式に拘り自分たちの可能性を模索した。

「メロディーラインの素晴らしさ」という点においては前作に1歩譲るが、彼等らしい拘りが詰まったUKロックアルバムとなっている。

    「要点」

  • ・前作同様、愚直なまでにルーツミュージックからの影響を自分たちなりに鳴らしている
  • ・「9 そのスピードで」では「冷たい花を蹴り散らす」だけでは物足りず「泥だらけの靴を蹴っ飛ばす」

「曲解説」

1 BYE! MY BOY!

「雨雲」のようなダークさを感じる音響が印象的なUKギターロックで前作に収録されている曲より低音が強調されたサウンドとなっている。歌詞は「永遠を誓った二人が永遠にSA YO NA RAする」というセンチメンタルな内容である。
2 愛の❤️愛の星

「瑞々しい光」と「メランコリックな質感」がタペストリーのように絡まる曲。歌詞は不安や憂鬱な気持ちからネガティヴに塞ぎ込んでいる主人公をなんとか救いたいという内容であり川瀬智子(vo)の母性を感じる。サウンドは「ありふれた晴れた午後」のようなイメージである。
4 CALL MY NAME (ENGLISH VERSION)

インド音楽に傾倒しているUKサイケロックからの影響が感じられる曲でザ・ブリリアント・グリーン(the brilliant green)らしい気怠いギターロックと「泥酔した時に見る月」のように揺らめくオルガンサウンドが絡まる(3:25〜)ギターソロは「鼓膜に絡みつく」ような濃厚なサイケサウンドとなっている。
5 Maybe We Could Go Back To Then (76 VERSION)

「湿り気を帯びた土道に足跡を残して歩く」ような暗さを感じるアコースティックソングでシンプルなコード進行と川瀬智子(vo)の「気怠い囁き」のようなボーカルのみで成立している。
7 FUNNY GIRLFRIEND!!

ゆったりと曇ったUKギターサウンドを中心に展開される王道ブリグリチューン。歌詞は「チューイングガムで風船を作りながらアイスクリームを食べる」シュールでクレイジーな友達についてである。
9 そのスピードで

「冷たい花を蹴り散らす」だけでは物足りず「泥だらけの靴を蹴っ飛ばす」というバイオレンスなフレーズで幕をあけるヒットシングル。歌詞は「小さな物語をなくした夜に天使に魔法をかけられた」という意味深なものとなっている。

メランコリックな90年代UKロックからの影響をダイレクトに音楽化した1stアルバムから1年後にリリースされた2ndアルバムで「曇り空」「雨雲」という形容がよく似合う彼等らしいギターサウンドにサイケデリックロックやアコースティックの要素が加えられている。 2000年前後は彼等が多大な影響を受けたであろう90年代UKギターロックアーティスト達が「アーティストエゴを大爆発させた」プログレ・アート作品をリ

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