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live at the indoor
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検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

代表曲「KISS ME」 が収録されており氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム。

アーバンで浮遊感を感じる大人なロックサウンドを中心に構成されており、多くの曲でU2(ユートゥー)からの影響を感じさせるディレイサウンドを大胆に取り入れている。また本作の歌詞はアルバムタイトル通り「過去のメモリーを大人になった氷室京介が回顧・内省する」という質感のものが多いと感じる。歌詞は「過去の回顧」がメインとなっているがサウンド的には「過去=ボウイ(BOØWY)」と良くも悪くも距離を置いているような気さえ感じさせ、ボウイ(BOØWY)を彷彿とされる曲は布袋寅泰風のギターソロが登場する「6 SON OF A BITCH」、直線的なビートロック「9 GET READY “TONIGHT” TEDDY BOY」位であり、「10 WILL」の歌詞にもある通り「過去の瓦礫に消えてしまいたくない」という強い意思を感じさせる。

    「要点」

  • ・氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム
  • ・歌詞は「過去の回顧」だが、サウンド的には「過去=ボウイ(BOØWY)」と良くも悪くも距離を置いている

「曲解説」

1 KISS ME

イントロで登場するカッティング・ギターリフは、ミニマムなギターリフのお手本のようなフレーズでギターキッズ必聴のフレーズとなっている。氷室京介と言えばこの曲をあげる人も多く、氷室京介のパブリックイメージに最も近い代表曲となっている。歌詞の内容は「イケない関係の男女がホテルで密会して熱い夜を過ごす」ようなイメージの歌詞で「メビウスのハイウェイ」「凍えてる三日月」などのナルシスティックな表現も登場する。「バブルの名残」のような装飾感のあるシンセとU2(ユートゥー)的なディレイ・ギターサウンドを中心に構成されており「メビウスのハイウェイ」のような浮遊感を感じる整合性の取れたロックサウンドとなっている。
2 YOU’RE THE RIGHT

「浅い夢の中にいる」ような雰囲気を醸し出すディレイサウンド・オリエンテッドな空間系バラード。「心を求めすぎて傷つくだけの恋愛」を歌っており、 最後は「一人で生きるために」なる歌詞も登場。「もう恋なんてしない」という切なさを感じる(2:19〜)「二人の眩しかった思い出」を回顧するような華やかさと甘さが同居したサックスソロが登場。
3 Memories Of Blue

「真冬の夜空」を連想するジャジーなサウンドをディレイサウンド・オリエンテッドな耽美ロックに絡めた曲。サビはロック的な熱量を感じさせるボーカルラインだがバックでは軽やかなシンフォニーが「あの頃の俺たち」のように切なく鳴り響くという展開。「10代の繊細さと弱さ」を大人になって回顧するような歌詞が秀逸である。
4 Good Luck My Love

「思い出にできない過去の恋愛」を後悔と共に切なく振り返るバラードでやはりこの曲でもU2(ユートゥー)彷彿のディレイギターがサウンドの中心となっている。筆者が知る限りここまで曲のタイトルをリフレインする曲は非常に珍しく、おそらくではあるが「Good Luck My Love」というフレーズを曲中に20回くらい言っているはずである。
6 SON OF A BITCH

「大粒の雨」のようなドラムとタイトなビート感を感じさせるギターリフを中心に展開されるアーバンなギターロック(1:58〜)イケイケのシャウトの後に登場するギターソロは布袋寅泰が弾いていたとしても不思議ではない位にボウイ(BOØWY)的なラインでありボウイ(BOØWY)ファン必聴といえる。
8 Urban Dance

ゴージャスなシンセポップと浮遊系ギターロックを融合させた曲で「高層ビルの最上階から見下ろす都会」のような煌びやかさを感じる。「波紋のようなアルペジオ」「終幕感を感じる伸びやかな単音フレーズ」「残響サウンド」など、多様な音色のギターフレーズが収録されている。
9 GET READY “TONIGHT” TEDDY BOY

直線的なビートが強調されておりアルバムの中で最もロックンロール色が強い曲となっている。「いじけてる暇があれば早く行動を起こせ」と 10代の不良少年・少女にエールを送る歌詞には元不良の氷室京介なりの優しさを感じる。
10 WILL

「ガラス越しの雨の街」のような湿り気を感じるラストソングで氷室京介の歌声は時折「魂の叫び」のように生々しく響き渡る。「過去の瓦礫に消えてしまいたくない」というラインはからは、過去の栄光にしがみつかず「これからも自分らしさを貫いてサバイブする」という強い意思を感じさせる。

代表曲「KISS ME」 が収録されており氷室京介のキャリア史上最もセールス的に成功したアルバム。 アーバンで浮遊感を感じる大人なロックサウンドを中心に構成されており、多くの曲でU2(ユートゥー)からの影響を感じさせるディレイサウンドを大胆に取り入れている。また本作の歌詞はアルバムタイトル通り「過去のメモリーを大人になった氷室京介が回顧・内省する」という質感のものが多いと感じる。歌詞は「過去の回顧

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ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。

デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場する。

「実験的な作品」というのはリスナーに驚きを与える反面、ポップ・ミュージックとしての強度を欠くケースがままあるのだが、この難しい課題を布袋寅泰はソウルフル・オペラ調の女性コーラスを大胆に活用するという手法で解決している。「5 DANCING WITH THE MOONLIGHT」「6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES」「8 STRANGE VOICE」などは女性コーラスが曲のクオリティーを大きく左右する程の存在感を放っており「曲に何が必要であるか?!」を冷静に見極めるプロデューサーとしての才覚を発揮している。本作「GUITARHYTHM」はソロ活動のスタートとして文句なしのクオリティーを誇り、ボウイ(BOØWY)ロスのファンにとっては当時救いの1枚であったと思われる。

    「要点」

  • ・デジタルサウンドを大胆に導入してグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品
  • ・ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジネーションを刺激するアーティスティックな音響や音が多く登場

「曲解説」

2 C’MON EVERYBODY

「これぞ!布袋寅泰」という疾走感のあるギターリフと東洋的な浮遊感を感じるテクノポップ風シンセサウンドが並行するノリノリのロックンロール(1:30〜)ロックンロール感を強調するバイクのエンジン音も登場する。
3 GLORIOUS DAYS

伸びやか歪みギターサウンドを中心に展開されるメロディックなロックンロール。珍しく?!煌びやかアルペジオをプレイしており曲にカラフルな彩りを与えている。
4 MATERIALS

「シュールな異空間」のような音響を感じる曲でギターサウンドは金属的なきらめきを感じるものとなっており少しだけヘヴィメタル的である(1:30〜) 「ホラー映画」のようにダークでおどろおどろしい音響が不気味さを演出(1:53〜)「蜃気楼」のように揺らめく音響の中で「カラフルなガラス細工」のようなビートが踊る。
5 DANCING WITH THE MOONLIGHT

「真夜中」のようなベースラインと「太陽」のような眩しさを感じるシンセサウンドの対比が面白い曲でボーカルラインは渾身の出来であると思われ、繰り返しリフレインしたくなるグッドメロディーとなっている。サビではソウルフルな女性コーラスが「華やかな風」を運んできてポップソングとしての強度を劇的に向上させている。このコーラスの有無は曲のクオリティを大幅に左右するほどの存在感があると感じる。
6 WIND BLOWS INSIDE OF EYES

「ミステリアスにどこまでも追いかけてくる影」のような不穏なループがインパクト大でボーカルは「ヒステリーな語り調」となっている。 時折、挿入されるシンセサウンドは幽玄な光を感じさせる(3:30〜)「大空を羽ばたく巨大な鳥」のようなオペラ調の女性コーラスが曲に優雅な風を運んでくる。終盤は「古びた渋いバー」のようなジャズサウンドを中心に展開される。1曲を通してリスナーに様々なイメージを連想させる曲となっている。
8 STRANGE VOICE

オペラ調の女性ボーカルを大胆に導入した曲でミニマムなインダストリアル・ビートの上でイマジネーション刺激する様々な音が次々と現れる(2:05〜) 「テクニカルなタップダンス」のようなリズムアプローチが鳴り響き、その後はエレクトロニカ的な音響が「ダイヤモンド」のようにチカチカと輝く。88年にこのエレクトロニカ風サウンドは新しすぎる。
10 GUITARHYTHM

「中華の風」を感じるテクノポップサウンドをバックに実験的なロックバンドが演奏したようなフリーな曲でサビは布袋による「HEY!Cocoon」というファンキーなボーカルが炸裂する。布袋本人もお気に入りの1曲であると思われ後に「今井寿」「永井聖一」「雅-MIYAVI-」などの個性派ギタリストをゲストに招き新バージョンを再録音している。
11 A DAY IN AUTUMN

「長い戦の終焉」のようなストリングスが中心となり「神秘的な和」を演出するラストソング。布袋寅泰の声は「ガラス越し」のような質感であり歌というより音響の一部として機能している。

ボウイ(BOØWY)解散後に程なくしてリリースされた布袋寅泰のソロデビューアルバム。 デジタルサウンドを大胆に導入してデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やロキシー・ミュージック (Roxy Music)からの影響を感じさせるグラマラスでノリの良いロックンロールをモダンにアップデートしたようなイメージの作品であり、ビッグになり過ぎた後期ボウイ(BOØWY)では表現できなったリスナーのイマジ

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「クリアでアンビエントな音響」を前面に押し出した前作「極東 I LOVE YOU」とはうってかわり、「ロックンロール」や「パンク」がもつダイナミズムを「90年代を通過した感性」で再構築したサウンドが聴ける13枚目のアルバム。

過去の遺産(R&R、パンク)をナチュラルに奏でる懐古主義ではなく、初期衝動的なスタンスで細かい事よりもノリを重視した曲が多いと感じる。「1 ナカユビ」高速デジタルハードコアチューン、「4 LIMBO」アンダーワールド(Underworld)を彷彿とさせる「憂鬱なダンスミュージック」、「7 Sid Vicious ON THE BEACH」「おもちゃ」のような明るさを感じるニューウェイブソングetc

2000年前は「ロックンロール・リバイバル」なるムーブメントが世界的なトレンドとなったが、 今作はサウンドとしてのロックンロールというより、どちらかというとアティテュード面での 「ロックンロール」=「ノリが良くてかっこよければなんでもアリ」を具体化したアルバムと言える

    「要点」

  • ・「7 Sid Vicious ON THE BEACH」「おもちゃ」のような明るさを感じるニューウェイブソング
  • ・サウンドとしてのロックンロールというより、どちらかというとアティテュード面での 「ロックンロール」=「ノリが良くてかっこよければなんでもアリ」を具体化したアルバム

「曲解説」

1 ナカユビ

強烈なフラストレーションをダイレクトに叩きつける高速デジタルハードコアチューン。櫻井敦司(vo)と今井寿(g)によるツインボーカルは数えられないほどに「I HATE YOU SO FUCK IT」というフレーズを繰り返す。非難GO-GO時代(B-Tインディーズ初期)にこの曲の原曲が作られていたとしても筆者は全く驚かない。それ位イケイケの曲。
2 BUSTER

アシッドハウス的な潤いを感じるハードチューン。この曲でも今井寿(g)はボーカルを披露しており、歌詞の内容は今井寿(g)らしい「未知の生物」をテーマにしたシュールなものとなっている。
3 残骸 -Shape2-

ナチュラルに歪んだギターリフを中心に展開されるロックンロール。ニューウェイブ・テクノをルーツにもつバクチク(BUCK-TICK)がここまでストレートなロックンロールを鳴らすのは非常に感慨深く、歌詞も「深く、もっと深く」というフレーズをリフのように繰り返すものとなっている。
4 LIMBO

アンダーワールド(Underworld)を彷彿とさせる「憂鬱なダンスミュージック」をB-T流にアレンジしたような曲。サビのボーカルラインは淡々とした語り調であるが、「強烈なボディーブロー」のように「ドシッ」「ドシッ」と響く「ヘヴィなギターサウンドの断片」が登場して非常に目立つ。
6 GIRL -Shape2-

「妄想のリゾート」のような空気感が新鮮なエレクトロポップ。祝祭性を感じる電子音はまるで「ネオンカラー」のように眩しくバンドサウンドはメロウなUKロックのようなシンプルな音をだしている。
7 Sid Vicious ON THE BEACH

今井寿(g)がメインボーカルを担当するポップなニューウェイブソングで「おもちゃ」のような明るさがある。セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の名曲「アナーキー・イン・ザ・U.K.」のリフを引用しており(wiki)いろんな意味で遊び心に溢れる曲となっている。「退屈な星がくるくる回るメリーゴーランド」という表現で何気ない日常を表現する今井寿(g)の作詞センスはやはり非凡である。
8 BLACK CHERRY

ブルージーでシンプルなロックサウンドと「跳ねる」ようなトリッキーな電子音が並行する曲でサビでは前作「極東 I LOVE YOU」に収録されていた 「21st Cherry Boy」とも共通する「春風」のようなコーラスが曲にポップネスを与える。
10 MONSTER

「頭の中にいるぶっ壊れた化け物」について歌ったハードチューン。「鉛」のような重みを感じる歪みギターリフを中心としたシンプルな曲だが(1:30〜、2:57〜)サビのバックでは「光の世界」を連想する眩しいサウンドレイヤーが登場して曲に浮遊感を与えている。
12 Continuous

ビートの粒が「ガラスの破片」のように突き刺さるインストで前作「極東 I LOVE YOU」のオープニングチューン「疾風のブレードランナー」を再構築している(wiki)「海の中にいる」ようなディープさを感じる曲で前衛的なビート・アーティスト「オウテカ(Autechre)」からの影響を感じさせる。

「クリアでアンビエントな音響」を前面に押し出した前作「極東 I LOVE YOU」とはうってかわり、「ロックンロール」や「パンク」がもつダイナミズムを「90年代を通過した感性」で再構築したサウンドが聴ける13枚目のアルバム。 過去の遺産(R&R、パンク)をナチュラルに奏でる懐古主義ではなく、初期衝動的なスタンスで細かい事よりもノリを重視した曲が多いと感じる。「1 ナカユビ」高速デジタルハ

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バクチク(BUCK-TICK)サウンドの象徴とも言える今井寿(g)による不思議な音程感を感じるニューウェイブ・ギターサウンドがほとんど登場しない問題作。

2000年にリリースされ音楽シーンに衝撃を与えた「KID A / レディオヘッド(Radiohead)」や音響系・ポストロック・アーティストからの影響を感じられる。「オーガニックな電子音」「クリアでアンビエントなアコギ」を大胆に取り入れたサウンドにはこれまでのB-Tサウンドにはない類の浮遊感と透明感が漂っている。また歌詞もB-T的な屈折は少なめでエモーショナルでストレートな表現が多くなっている。

これまでのどのアルバムにも似ていないサウンドが鳴っていることからファンの中でも賛否両論があったと思われるが、自分たちが築き上げた「B-Tらしさにあぐらをかく気はない」と高らかに宣言するようなアナーキズムを感じる作品であると言える。

    「要点」

  • ・「KID Aレディオヘッド(Radiohead)」や音響系・ポストロック・アーティストからの影響を感じられる
  • ・「オーガニックな電子音」「クリアでアンビエントなアコギ」を大胆に取り入れたサウンド

「曲解説」

1 疾風のブレードランナー

「春の訪れ」のような暖かさを感じる音響に包まれるオープニングソング。アナログなバンドサウンドに伸びやかな電子音が絡みついて、曲全体から確かな光と清々しさを感じる事ができる。歌詞も過去最高レベルに前向きな内容で「祝福」なる非B-Tなワードも登場する。
2 21st Cherry Boy

「フゥ〜、フゥウウ〜ウ」という「春風」のようなコーラスに多くのファンが驚愕したと思われるキャッチーなポップチューン。タイトル「21st Cherry Boy」と繰り返される「I wanna be a toy」というフレーズはT・レックス(T. Rex)の名曲を意識していると思われる。
3 WARP DAY

アコースティックギターによるクリアでミニマムなフレーズがリフレインされるアンビエントな質感の空間系ソングで音響系・ポストロックからの影響を感じられる。音数は少なく音には洗練されたオーガニックな質感がある。この「厳選された感」のある音はまるでハイセンスなセレクトショップのようである。
4 謝肉祭-カーニバル-

「3 WARP DAY」同様にデリケートな音響に包まれるアンビエントな質感のバラード。ギターサウンドは「空間を静かに漂う」ように流れリフやフレーズではなく完全に「音響」である。櫻井敦司(vo)のボーカルはファルセットで透明感のある美しさを醸し出している。
6 Long Distance Call

ミニマムで冷たいアコギのアルペジオを中心に展開されるエモーショナルバラード。歌詞は戦場に向かう若者が遠く離れた母親に電話してストレートに愛情を伝えるという内容である。気のせいかもしれないが詞の世界に「母親」が登場する歌を歌うときの櫻井敦司(vo)はいつも以上に声に繊細な感情が反映されていると感じる。
7 極東より愛を込めて

ダークなシンセサウンドが「脅迫観念」のように迫り来るアッパーチューン。「愛」という非B-Tなワードが頻出する歌詞がインパクト大で「争いのない世界」をテーマにしていると思われる。「汝の敵を愛する事ができるか?!」という歌詞には「争いをはじめるのも人」だけど、同時に「争いのない世界の実現をを拒んでいる」のもまた人なんだよという皮肉めいたものを感じる。
9 Brilliant

アコースティックなオルゴール風サウンドがループされるドリーミーなバラード。歌詞はイマージネーションによって様々なイメージが頭の中に浮かぶものとなっている。筆者としては「戦場で亡くなった息子に対して母親が独り言で語りかける」ような内容であると考察している。
10 Kingdom come-moon rise-

「強い北風」のような音響を感じる浮遊ソングで全てのパートが「空を漂うような浮遊感」をもっている。終盤は縮れた電子音だけがミステリアスに響き渡る。
11 Continue

「ディープでバグった密室」を連想するインスト。「これぞB-T」というアバンギャルドなノイズと音響が次々と現れる(2:03〜)その合間をアンビエントで氷細工のようなフィールングの電子音が美しいメロディーを奏でる。ノイズとアンビエントで美しいメロディーの共存はテクノ界のレジェンド / エイフェックス・ツイン(Aphex Twin)からの影響を感じさせる。

バクチク(BUCK-TICK)サウンドの象徴とも言える今井寿(g)による不思議な音程感を感じるニューウェイブ・ギターサウンドがほとんど登場しない問題作。 2000年にリリースされ音楽シーンに衝撃を与えた「KID A / レディオヘッド(Radiohead)」や音響系・ポストロック・アーティストからの影響を感じられる。「オーガニックな電子音」「クリアでアンビエントなアコギ」を大胆に取り入れたサウンド

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カラフルなデジタルサウンド・B-T化したエレクトロニカサウンドをバンドサウンドに絡め、これまでのB-T作品の中でも最も「カラフルな音響」を感じられる作品となっいる。

前作「SEXY STREAM LINER」で習得したデジタルサウンドとの共存をよりナチュラルな形で表現しており「1 Baby, I want you.」「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」などは「歌われいる内容のアブノーマルさ」とは対照的に非常にポップである。「7 女神」における「静」→「動」への移行を強調したダイナミズムはこれまでありそうでなかった展開でありストレートにオルタナ系ギターロック・アーティストからの影響を反映したものとなっている。また歌詞は相変わらずマニアックかつアブノーマルなものが多く、クイズ番組風の「2 CHECK UP」やクローン羊をテーマにした数え歌風の「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」などはB-T以外では色んな意味で成立しないと思われる。今作のポップに対する挑戦が次回以降の作品にどのように反映されるか非常に楽しみである。

    「要点」

  • ・これまでのB-T作品の中でも最も「カラフルな音響」を感じられる作品
  • ・「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」クローン羊をテーマにした数え歌風の曲

「曲解説」

1 Baby, I want you.

これまでのバクチク(BUCK-TICK)ソングには登場しなかった類のカラフルなデジタルビートが終始鳴り響く、トロピカルでセクシーなエロい系アッパーチューン(2:30〜)「ガラスの世界に迷い込んだ」ようなエレクトロニカパートが挿入される(3:00〜)櫻井敦司(vo)によるシャウトの後に「縮毛」のように縮れたビーム風ギターサウンドが曲に強烈な歪みを与える。
2 CHECK UP

ハードなロックサウンドに乗せて「リスナーにシリアスなクイズを出す」というアイデアが斬新すぎるB-Tらしいシュールソング。時折、登場する今井寿(g)のボーカルは「ぶっ壊れたクイズ番組の司会者」のようだ(3:43〜)ギターソロはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)のギターソロに「UFO」を思わせる浮遊感を加味したピィーピィー系ノイズソロであり「曲が持つインパクト」に負けない内容となっている。
3 GLAMOROUS -FLUXUS-

「海中にいる」ような浮遊感とブルーを感じる耽美なギターポップ。サビは非常に開放的なボーカルラインとなっており、歌詞にもあるよう「扉を突き抜けた」ようなフィーリングである。またサビでは「光のシャワー」のような電子音がリスナーを光の世界へと誘う。
4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM

タイトルからしてマニアックな匂いが濃厚なデジタルチューンで歌詞の内容は「クローン羊:ドリー」からヒントを得たものらしい(wiki)。サビは「ドリーが1匹、ドリーが2匹」というまさかの「数え歌」である。この曲をメジャーシーンでリリースできるのはバクチク(BUCK-TICK)だけだ(2:11〜)ギターソロは「錆びついたドアノブを強引に回すような歪み」を感じるサウンドとなっている。
6 Death wish

縮れたような歪みを感じるギターリフを中心に展開される曲で歌詞は「設定を把握するのが困難」なものであるが、おそらくでは「救いようのない男」をテーマにしていると思われる。「キリストに似た男がドクロマークの翼で飛んでいる」との事です。
7 女神

「神秘」を感じる音響が印象的な曲で「ミステリアな静パート」→「ダイナミズムを強調したサビ」に移行する展開はレディオヘッド(Radiohead)やスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)からの影響を感じる。90年代オルタナからの影響をここまでダイレクトに反映している曲は捻くれアーティスト日本代表のB-Tにしては珍しい。
8 サファイア

「メランコリックな昼下がり」のような質感のサイケな歪みチューン。「どこから、どこまでがサビなのか?」の判断が難しい曲で櫻井敦司(vo)のボーカルラインは終始「途切れそうな囁き」風となっており、メロディックでメロウなラップ風・女性コーラスが非常に目立つ(2:56〜)「空けてはいけない扉から溢れる光」のような不気味な眩しさを感じる今井寿のソロパートが鳴り響く。
10 FLAME

ミニマムでエレクトロな音響がリフレインされる耽美なラブソング。サビでは「空を舞う」ような浮遊感を感じるギターサウンドが櫻井敦司(vo)のボーカルラインを力強く支えるという展開をみせる。歌詞は珍しく(?!)ポジティヴに「キミ」に愛情を伝える内容となっており、サビで登場する「揺れている影一つ」という表現は秀逸である。

カラフルなデジタルサウンド・B-T化したエレクトロニカサウンドをバンドサウンドに絡め、これまでのB-T作品の中でも最も「カラフルな音響」を感じられる作品となっいる。 前作「SEXY STREAM LINER」で習得したデジタルサウンドとの共存をよりナチュラルな形で表現しており「1 Baby, I want you.」「4 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」などは「歌われいる内容のアブノーマル

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