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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
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カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

オリジナルアルバムには何故か収録されていない8枚目のマキシシングルでc/wにはメインボーカルである今井 絵理子・島袋 寛子のソロ曲が収録されており色んな意味で”この先”を予感させる内容となっている。

「1 ALL MY TRUE LOVE」はこれまでのスピード(SPEED)ソングをよりパワフル×タフにしたようなファンクソングとなっており歌詞に登場する「翼なんてないって気付いた」「消えそうな位にちっぽけだと思っていた」という”冷めた質感”には少しびっくりさせられる。大ヒット曲「White Love」のジャケットで手を翼に見立てて無邪気に空を飛んでいた少女の姿はこの曲には存在しない。

歌詞の内容は恋愛をテーマにしたものではあるが過去の曲で歌われた「熱烈な片思い」ではなく「輝くあなたについていきたい」というスタンスで成熟を感じさせる内容となっている。この短期間での精神的な成長はまるで「精神と時の部屋に入っていた」かのようでビックリだ。また今井 絵理子・島袋 寛子のツインボーカルは過去最高のクオリティーを見せ魅力である甲高いハイトーンボイスは「大空を羽ばたく鳥」のように伸びやかに響き渡る。

「2 見つめていたい」は島袋 寛子(hiro)のソロ曲となっており「息子の成長を見つめる母親の心境」のような歌詞が印象的である。ソロ初作品ではあるが「島袋 寛子(hiro)がソロ活動したこんな感じだろうな」とファンが思うイメージそのままの曲となっており色んな意味で完成されている。やはり島袋 寛子(hiro)はとんでもなく早熟な人であると感じる。

「3 冷たくしないで」今井 絵理子のソロ曲で落ち着いたモノトーンな質感のhiroの曲とは対象的なアッパーなキラキラ系ダンスチューン。ハリのあるハイトーンでアグレッシヴに攻めまくるボーカルラインはスピー(SPEED)以上にスピード(SPEED)的であり、「シンプルな四つ打ち」「冷たい風のようなコーラス」「カラフルな電子」「スピーディーなラップ」などを総動員したサウンドはとんでもなく疾走感がある。中盤以降は歪んだギターサウンドが存在感を強めサイバーでザクザクした質感のリフで曲をサポートする。歌詞の内容は熱烈な片思いの究極系のような内容となっている。

    「要点」

  • ・オリジナルアルバムに収録されていない8枚目のマキシシングル
  • ・メインボーカルである今井 絵理子・島袋 寛子のソロ曲をc/wに収録
  • ・「3 冷たくしないで」の攻めまくるボーカルラインはスピード(SPEED)以上にスピード(SPEED)的

オリジナルアルバムには何故か収録されていない8枚目のマキシシングルでc/wにはメインボーカルである今井 絵理子・島袋 寛子のソロ曲が収録されており色んな意味で”この先”を予感させる内容となっている。 「1 ALL MY TRUE LOVE」はこれまでのスピード(SPEED)ソングをよりパワフル×タフにしたようなファンクソングとなっており歌詞に登場する「翼なんてないって気付いた」「消えそうな位にちっ

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人気絶頂期にリリースされスピード(SPEED)史上最高のセールスを記録した2ndアルバム。

1stアルバムと比べて力強さを感じさせる歌詞が増えて「無邪気さ・可愛さ」を強調した内容が少し減っていると感じる。この変化はまるで思春期女子の成長の足跡を描いているようで本作では「子供から大人に変化する人生で最も美しい時期」が見事にパッケージングされている。

背伸びして「癪なほどいい女になりたい」と言い放つ「2 Sophisticated Girl」夢を追い続ける意識高い系の「3 Another Sweet Field」などの歌詞は現在の感覚で言うと「アイドル」が歌うような内容ではないが、反面「4 Wake Me Up!(RISE Mix)」「6 ラブリーフレンドシップ」などでは「ファンサービス」と言わんばかりに弾けた可愛さをリスナーに提供する余裕を見せつける。

また無邪気な歌詞の中に時折シリアスな歌詞を挿入させる方法論は健在で「4 Wake Me Up!(RISE Mix)「どこから来てどこへ行くの人は?」」「・6 ラブリーフレンドシップ「笑っていたけど泣きたかった」」などの歌詞はドキッとさせられる。本作は2ndアルバムにしてスピード(SPEED) の完成形とも言える内容となっている。

    「要点」

  • 「9 熱帯夜」はスピード(SPEED)NO,1の名曲だと思われる
  • 「子供から大人になる」人生で最も美しい時期を見事にパッケージング

「曲解説」

1 RISE

キラキラした質感の電子音とダークなストリングスが「UFOが地球に上陸した」かのような浮遊感とシリアスさを演出するオープニングソング。アウトロでは「時空を超える」ようなワープサウンドが登場しリスナーをアルバムの世界に誘う。
2 Sophisticated Girl

ファンキーなカッティングギターと派手なホーンセクションを中心に展開されるアーバンな質感のファンクソング。歌詞は周囲に流されずに上を目指して「癪なほどいい女」に成長したいという意識高い系の極地のような内容となっている。
3 Another Sweet Field

メタリックな残響を感じるギターサウンドがリフレインされるミドルテンポの曲でリズムは力強くシンプルなものになっている(2:32〜)「賑わう街角」のような質感のサックスソロが登場して曲に彩りを与える。歌詞の内容は「2 Sophisticated Girl」同様に意識高い系で夢を諦めず突き進もうというニュアンスである。
4 Wake Me Up!(RISE Mix)

スピード(SPEED)らしい元気溢れる曲でチャカポコしたワウギターと立体的でうねるベースラインがインパクト大である。 告白したいけど自信ない小中学生女子の心情を歌っている曲ではあるが(3:34〜)「人はどこから来てどこに行くの?!」という哲学な歌詞が登場する。この時折登場するシリアスなラインはスピード(SPEED)ソングの最大の魅力かもしれない。
5 White Love

スピード(SPEED)最大のヒット曲で97年当時はどこに行ってもこの曲が流れていた。「この幸せは儚い雪のようにいつか消えてしまうのでは?」と不安に揺れる恋する思春期女子の心情を歌っている。この曲でも1stアルバム同様にソウルフルな女性コーラスがいい仕事をしており「冬の都会」のような空気感を作り上げている。
6 ラブリーフレンドシップ

1stアルバムに収録されている「Luv Vibration」のような疾走感を持つ曲で珍しく歪んだギターサウンドをフィーチャーしている。「ラブリー」「プリティー」などを盛り込んだ歌詞がアイドルっぽい(3:06〜)「笑っていたけど本当は泣きたかった」なるシリアスな歌詞が登場。「可愛さ・無邪気さ」を強調した歌詞に「シリアス」なパートを「ポンッ」と挿入するこの方法論はやはりお見事である。
7 Reset 99 to 00

ストリートテイスト満載のハードなギターリフをフィーチャーした曲でメンバーによるアグレッシヴなラップが披露される。ライムは「良くない現状をリセットせねば」という内容。
9 熱帯夜

流れるような美しいアルペジオとピアノ、「熱風」のような女性コーラスが印象的な名バラード。スピード(SPEED)史上最も良い曲だと思われ切ない片思いを超シンプルな英文法で表現したサビが秀逸。本曲のPVは暗闇の中にメンバー4人の顔が映し出されるだけの超シンプルなものだが不思議なエモさを感じるものとなっている。
11 my graduation(Album Version)

タイトル通り「卒業式」のような晴れやかな雰囲気を醸し出すヒットソング。歌詞の内容は「学校の卒業」というより「初恋からの卒業」というニュアンスで「出来るならあの頃へ戻りたい」「夢で会いたい」などの未練溢れる歌詞が登場する。「隠しきれない揺れる心情」を持ちながらも「過去にさよなら」するという切ない内容となっている。
12 I’ll be all right

女の子同士の友情をテーマにした弾けたポップソングだが「過去の恋愛を冷静に俯瞰する」歌詞も登場。「大人になっていく少女の成長過程を見守る父親」のような気持ちにもなれる曲。
13 Street Life

「冬の夜空」のような冷たさを感じるバラードからストリートテイストMAXのファンクに転調するインパクト大のラストソング。 10代の頃に誰もが一度は経験する悟り=「安易な友情や愛情は結局自分が1人になりたくないだけ」を受け入れつつ、 「自分の夢に向かって力強く行きよう、リトルワールドから脱出だ!」と力強く宣言する。

人気絶頂期にリリースされスピード(SPEED)史上最高のセールスを記録した2ndアルバム。 1stアルバムと比べて力強さを感じさせる歌詞が増えて「無邪気さ・可愛さ」を強調した内容が少し減っていると感じる。この変化はまるで思春期女子の成長の足跡を描いているようで本作では「子供から大人に変化する人生で最も美しい時期」が見事にパッケージングされている。 背伸びして「癪なほどいい女になりたい」と言い放つ「

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ローティーン女性アイドルグループの先駆け的存在であるスピード(SPEED)の1stアルバム。

「本当にローティーンなのか?!と疑いたくなる歌唱力」と「子供らしい無邪気さと可愛さ」がミックスされた良曲を多数収録した傑作アルバムとなっている。

サウンドは一言で言うと「ファンク」「ロック」「R&B」「ソウル」をゴチャ混ぜにしたミクスチャーサウンド。よく聴いてみると多くの曲でコクのあるカッティングギターと下からグイグイ攻めてくるベースラインを多くの曲で採用しておりファンク色が特に強いと感じる。また多くの曲で聴くことができる「大空を羽ばたく巨大な鳥」のようなソウルフルな女性コーラスが甲高い今井絵理子・島袋寛子のハイトーンをしっかりサポートしており力強さとコクを与えている。この女性コーラスの有無は本作のクオリティーを大幅に左右するレベルで効いていると思う。

歌詞の内容はローティーンらしい無邪気さと元気の良さを前面に打ち出したものであるが、時折見えるシリアスな影=「世間が分かり始めて傷つく事も増えてく」「矛盾だらけの世の中」「歪んだこの世界」や反抗期的衝動=「誰にも縛られたくない」が彼女たちの瑞々しいエネルギーをより引き立てるという構造となっている。

    「要点」

  • ローティーン女性アイドルグループの先駆け的存在
  • 「シリアスな影」や「反抗期的衝動」が時折歌詞に登場しスパイスになっている

「曲解説」

1 Walk This Way

「賑わうストリート」のような雰囲気を醸し出すサウンドに乗せて「4人それぞれ目指す道は違うけれどこの道を歩いていこう」とラップで意思表明するオープニングソング。
2 Body & Soul

ローティーンらしい瑞々しさを前面に押し出したダンサブルなファンクロック。歌詞の内容は非常に前向きな内容で「全力で生きていく」というニュアンスだが、シリアスな影=「世間が分かり始めて傷つく事も増えてく」や反抗期的な衝動=「誰にも縛られたくない」などにも言及しており、ローティーン少女による元気いっぱいソングだけでは終わらない奥深さがある名曲。イントロとアウトロで聴けるソウルフルな女性コーラスは「大空を羽ばたく巨大な鳥」のように優雅に響き渡る。
3 Luv Vibration

10代らしい直線的な片思いをノリノリのファンクに乗せて歌うアッパーチューン。「愛撫」と「バイブ」をかけた歌詞はなんとも言えないエロさがある。サウンドは様々な音が入ったミクスチャーな質感だが「元気の良いハリのあるボーカル」に圧倒的な響きがある為、正直細かい音が耳に入ってこないのだがそれすら「アリ」になる位に歌に勢いがある。
4 STEADY

「メタリックで歪んだ空間にいる」ような雰囲気のヒットソング。歌詞の内容は「3 Luv Vibration」同様に10代らしい直線的な片思いについてである。熱量マックスの恋愛感情をド派手なボーカルラインに乗せて歌う曲なのだが、「変わり始めている私を誰も知らない」という思春期特有の孤独感にも言及している。このラインの有無は曲の印象を大幅に左右する位にインパクトがあると感じる。
5 RAKUGAKI

「夜はこれからだ!」と中学生に歌わせるノリノリの曲だがメランコリックな風も感じるジャジーなファンクソング(1:58〜) 「イケてる男ならついていく」と色んな意味であぶないラップを披露(2:50〜)強烈にうねるベースラインの上を「波乗り」のようなギターソロが駆け抜ける(3:25〜)「夜が明けたら(夜の出来事は)クシャクシャに丸めて捨てよう」と提案するがそんな器用な中学生は果たしているのだろうか?!と少し心配になる。
6 サヨナラは雨の日….

「どんよりとした湿り気」を感じるバラードで歌詞は「待ち合わせに恋人が現れず1人都会に残される」という内容。サビの「RAIN RAIN」という箇所ではソウルフルなコーラスが渋みと哀愁を加えている。
9 Kiwi Love

出会いの予感に心を弾ませるハイテンションなポップソング(2:48〜)サポートラッパーによるストリート感MAXのラップが披露される。今井絵理子・島袋寛子の歌声は本作の中で過去最高レベルに甲高く響き渡る。
10 HAPPY TOGETHER

「仲間同士で朝までパーティーだ!踊り明かそう」とリスナーに提案するポップソング。「未来のドア」「いつも会えなくなる」などの歌詞からおそらくではあるが「中学や高校を卒業した後の仲間内のパーティー」というシュチュエーションであると思われる。終盤はメンバー全員による無邪気なコーラス「HAPPY TOGETHER」が連呼される。
11 Starting Over

「卒業式」のような清々しさと未来に対する不安が混在しているバラード調だが「終わりは始まりであり、ここから歩き出す」というポジティヴなメッセージをもつ曲。サウンドは非常にシンプルで「雨雲」のような質感のベースラインと「優しく全てを包み込む」ようなストリングスを中心に構成されている。
12 Starting Over(reprise)~Walk This Way

「これまでの収録曲を「11 Starting Over」にミックスさせた」ような曲で気付いたら1曲目「1 Walk This Way」に戻っているという不思議な展開を見せる。このようなタイプの曲は今まであまり聴いたことがない。

ローティーン女性アイドルグループの先駆け的存在であるスピード(SPEED)の1stアルバム。 「本当にローティーンなのか?!と疑いたくなる歌唱力」と「子供らしい無邪気さと可愛さ」がミックスされた良曲を多数収録した傑作アルバムとなっている。 サウンドは一言で言うと「ファンク」「ロック」「R&B」「ソウル」をゴチャ混ぜにしたミクスチャーサウンド。よく聴いてみると多くの曲でコクのあるカッティン

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現役小中学生ダンスグループとしてデビューしたスピード(SPEED)が始めてオリコンチャート1位を獲得したヒットシングル。

「Go! Go! Heaven」というファンキーの極みとも言えるタイトルをもつ曲ではあるが歌詞の内容は「10代の葛藤」をテーマしたものであり、「矛盾だらけの世の中」「歪んだこの世界」から抜け出したいと強く願いつつも現状は「本当の自分」すらまだ分かってはいないという「強烈な自己矛盾」を抱えている主人公が「悩んでばかりいても仕方ないよ!」と言わんばかりに「天国へ行こう!」と提案するインパクト大の内容となっている。

またサビで聴くことが出来る島袋寛子・今井絵理子の歌声は「無邪気な子供らしさ」を強調したものとなっており同世代のティーンエイジャーに深く突き刺さった。

今、じっくりと冷静に「Go! Go! Heaven」を聴き込んでみるとサウンド自体はザクザクした質感のギターと派手なホーンセクションを中心にまとめられたオーソドックスなJ-ロック風である事に気付くのだが「berak out!berak out!」というワードと連動するような「鈍器で頭を殴られたような効果音風のリズム」と「都会の狂騒」から「早朝の大空のような景色」に転調するアコースティクパートが強烈なインパクトを放ちこの曲を特別なものとしていると感じる。

またアコースティックパートでは「自己矛盾を抱えつつも今日も明日も生きていく」という強い決意を「I know , I know」という中学英語で分かりやすく伝えてくれる親切さにも関心させられる。このあたりの心配りがヒット曲には欠かせないのだろう。子供らしい無邪気さを前面に出しつつ「子供だって悩んでいるし大人が思うほど単純じゃない」という主張が込められており曲となっておりビーズ(B’z)のギタリスト/TAK MATSUMOTOも絶賛(wiki)のクオリティを誇る。

2「おやすみ……」に関しては「恋に恋する少女的なメルヘンの世界」のような雰囲気を醸し出しており正当なアイドルソングとなっている。

    「要点」

  • ファンキーの極みとも言えるタイトルだが歌詞の内容は「10代の葛藤」をテーマにしている
  • 「berak out!berak out!」というワードと連動する「鈍器で頭を殴られたような効果音風のリズム」がインパクト大

現役小中学生ダンスグループとしてデビューしたスピード(SPEED)が始めてオリコンチャート1位を獲得したヒットシングル。 「Go! Go! Heaven」というファンキーの極みとも言えるタイトルをもつ曲ではあるが歌詞の内容は「10代の葛藤」をテーマしたものであり、「矛盾だらけの世の中」「歪んだこの世界」から抜け出したいと強く願いつつも現状は「本当の自分」すらまだ分かってはいないという「強烈な自己矛

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ルナシー(LUNA SEA)史上最もスレイヴ(彼らの熱心なファン)の中で賛否両論を巻き起こした問題作「SHINE」。

「1 SHINE」のサウンドを一言をで言うと「煌びやかな光を感じるタイトなポップパンク」という趣であり普通に良い曲である。だがしかし、ルナシー(LUNA SEA)というアーティストにおいてはこの「真っ当な光(SHINE)」は当時明らかにNGな質感であったのである。メンバーもおそらくリリース後の反響を受けて「リリースするのが早かった」と感じたことだろう。

要は俗な言い方をするとファンが彼らについていけなかったのである(筆者も含めて)

世界の音楽シーンと同時進行で「元祖オルタナ的な尖りきったサウンド」でインディーズシーンに登場した彼らには、既存の音楽シーンに対して「常にカウンターであり続けないといけない」というある種の強迫観念が常につきまとった。異端なアーティストが既存のシーンに対してカウンターを浴びせ時代の寵児になるまでのストーリーは実に美しくカリスマ的であり、また当時の音楽ビジネスの主流であったタイアップを拒絶した「孤高のスタンス」もコアで内向的なロックキッズには魅力的に移った。

94年~96年にかけての3年間はルナシー(LUNA SEA)の絶頂期であった。この3年間はまさに「神の時期」で自分たちのやりたい事と「内向的な激しさ」を求めるコアなロックキッズとの間で完璧にニーズが合致した。だがこの完璧なバランスを保つのは色んな角度から見て不可能に近く、彼らは96年に傑作アルバム「STYLE」をリリース後に活動休止に入った。

ただでさえ「先が見えない」から活動休止した訳であるが、彼らは活動休止中も各々5人5様のソロ活動を精力的に行いあらゆる刺激を吸収していった。またボーカルのRYUICHIは本名の河村隆一名義で300万枚のアルバムセールスを達成。河村隆一が在籍するバンドとして音楽にさして興味がないような中高生にも認知されるバンドとなってしまった。

■常に変化するルナシー(LUNA SEA)

■ダークで耽美的で実験的なサウンドを求めるコアなロックキッズ

■河村隆一的なものをルナシー(LUNA SEA)に求める世間・レコード会社

このような迷路的状況になってくるとまさに八方塞がり状態で何をやっても「以前より良くない」という評価にしかならないのは明白で筆者も本作がリリースされ始めて聴いた時は率直に言って「これは何かの間違いだ」と思った。そう、彼らの作り出した「独自のサウンド」は90年代に多数のフォロワーを生み出し当時のロックシーンで完全にブランド化されていたのである。要するに異端から頂点に上り詰めたカリスマブランドはそのイメージから逸脱したイメージを打ち出すことは極めて困難であるという事だ。

当時の彼らにとって最も簡単な選択はファンが求めるルナシー(LUNA SEA)サウンドに河村隆一的なエッセンスを僅かに追加することである。だが彼らはこのカオスな状況においても不器用なまでにこれまで同様に普通に「変化した」。鳴っている音はこれまでのサウンドと比べると非常にポップ感が強く戸惑いも大きかったのは確かだが「何も変わらないスタンス」を貫いた。この作品のリリースがなければ現在のルナシー(LUNA SEA)は存在していないといっても過言ではないほどにチャレンジ精神のある作品であると思う。

大人になった今なら分かる。

    「要点」

  • 賛否両論を巻き起こした問題作
  • 不器用にこれまで通り変化したサウンド

ルナシー(LUNA SEA)史上最もスレイヴ(彼らの熱心なファン)の中で賛否両論を巻き起こした問題作「SHINE」。 「1 SHINE」のサウンドを一言をで言うと「煌びやかな光を感じるタイトなポップパンク」という趣であり普通に良い曲である。だがしかし、ルナシー(LUNA SEA)というアーティストにおいてはこの「真っ当な光(SHINE)」は当時明らかにNGな質感であったのである。メンバーもおそらく

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