検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

無国籍な質感のサウンドアプローチが印象的であった前作「WORLD GROOVE」からわずか半年足らずでリリースされた4thアルバム。

「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などの曲は「口ずさむたくなる抜群のメロディー」と「つい体を動かしたくなるフィーリング」が融合されておりレイヴサウンドをJ-POPに落とし込むという方法論が完璧なまでに機能していると感じる。

また「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などで聴くことができるサビの圧倒的な爆発力は鳴っている音はこそ全く異なるが「静→動」のダイナミズムを強調したオルタナティヴロックに通じるものがある。

サウンド面では90年代前半のテクノサウンドからの影響を感じる極彩色な電子音やジャズやヒップホップのレコードからサンプリングした様々な音や声などを反映している曲もありこれまでの作品よりストリート感があると感じる。

    「要点」

  • 「7 survival dAnce(12”REMIX)」はレイヴ×J-POPの完成系
  • 極彩色な電子音やジャズやヒップホップのレコードからサンプリングした音の断片を曲に反映

「曲解説」

1 BILLIONAIRE(ORIGINAL SUMMER’94 MIX)

ダビーな質感のリズムと中国風のシンセサウンドが印象的なオープニングソング。歌詞は「生きていく為の仕事」と「自分が描く夢」ついて言及しており 「自分の可能性を信じてビッグな存在を目指せ」とリスナーにエールを送る曲。小室哲哉ってこんな熱い系メッセージソングを書く人なんだと少しびっくり。
2 Le Bleu(GRAND BLEU DANCE)

「海岸をドライブする」ような清涼感を感じるポップなハウスチューンで時折、小室哲哉独自の浮遊感を感じるコーラスが「髪を乱す風」のように流れる。 ボーカルラインはメロディーよりメッセージ性を重視しているような感じで「メロディックな語り」のようである。
3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)

テクノグループ/808ステイト(808 State)のようなシンセサウンドと重低音がビビッドに響くハードテクノ(1:46〜,4:18〜)YU-KI(vo)の声が 「酩酊」のように揺れるアレンジは非常にサイケである。サビのボーカルラインはおそらくキーボードで作ったと思われる質感であり「出会いこそ人生の宝探し」であるという真理をリスナーに突きつけてくる。終盤は「夏の終わり」のような哀愁を感じる旋律をシンセサイザーが奏でる。
4 Sexual in Gravure (JAZZY GROOVE MIX)

ジャズやヒップホップの音源から様々な音や声をサウンプリングした遊び心ある曲。「ジャジーなトラックを流してラッパーやダンサーが即興でパフォーマンスした」ようなイメージが頭に浮かぶ。
5 TRUTH’94(UNPLUGGED STYLE MIX)

ピアノとボーカルのみで構成されたセンチメンタルなバラード。「嘘が溢れて夢が隠れていた」というラインは、夢を忘れて日々何気なく過ごしている多くの人にとって耳が痛いフレーズだと思われる。
7 survival dAnce(12”REMIX)

爆発的な疾走感をもつサビのボーカルラインが秀逸なノリノリのダンスチューン。全編を通して「カラフルなバブル」に包まれたようなドリーミーな質感のアレンジが施されている。サビのボーカルラインは「yeah」と「wow」が大部分を占めるミニマムな構造だがとんでもなくインパクトがある(2:28〜)「雨雲」のようにどんよりとしたベースラインと幽玄なシンセが「Bメロ」のボーカルラインをなぞる珍しいアレンジ。

無国籍な質感のサウンドアプローチが印象的であった前作「WORLD GROOVE」からわずか半年足らずでリリースされた4thアルバム。 「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などの曲は「口ずさむたくなる抜群のメロディー」と「つい体を動かしたくなるフィーリング」が融合されておりレイヴサウンドをJ-POPに落とし込むという方

READ MORE

アシッドハウス的なディープさとジャジーな要素を大幅に加えた3rdアルバム「音楽で繋がる世界」「グルーヴは万国共通」などの思いがテーマになっていると思われ前作より多面的になったサウンドはどこか無国籍な印象を与え少しマニアックな質感がある。

また歌詞にも「バハマ」「行ったことない南の島」などインパクトのあるフレーズが登場。「3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)」「7 Silver and Gold dance(Remix)」「8 Beauty and Beast」などの曲で聴けるサビのボーカルラインはTKサウンドの代名詞である弾けた質感の素晴らしいメロディーをもっている。

どこかマニアックなサウンドと弾けたサビのボーカルラインの共存は「TMNの小室」から「希代のヒットメーカーTK」へと進化する過渡期的な内容であるといえる。

    「要点」

  • 「無国籍感を感じるサウンド」と「弾けたサビのボーカルライン」が共存
  • 「TMNの小室」から「希代のヒットメーカーTK」へと進化する過渡期的な内容

「曲解説」

1 WORLD GROOVE 1st.chapter(Forest Ambient)

曲名通り「森林の中にいる」ようなアンビエント感があるオープニングのインスト。終盤は「森林の中から他の空間にワープする」かのようにシンセサウンドが揺らめく。
2 Feel the CENTURY

「1 WORLD GROOVE 1st.chapter(Forest Ambient)」とはうってかわり「都会の狂騒」を思わせるゴージャスなシンセサウンドを中心に展開されるアグレッシブなテクノ。リズムアプローチはシンプルでアシッドハウス的な弾力感をもつ四つ打ちがメインとなっている。
3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)

アーバンなジャズテイストをアシッドハウスに反映させたサウンドと「寒い夜だから」という歌詞とは裏腹にどこまでも伸びていくような抜群のメロディーをもつサビのボーカルラインがインパクト大のヒットシングル。全編にわたり「賑わう休日の銀座」のように弾けるサックスサウンドが曲に色彩を与えている。
4 CAMILLE CLAUDEL

アンビエントな質感のアルペジオ風サウンドをシンセで再現した「深夜」のような雰囲気をもつディープソング。歌詞の内容はディープなサウンドと同様に深いもので「無防備な信頼、それは恋の入り口」であると説く。ビートはスライムのような弾力と潤いを持つアシッドハウスなアプローチとなっている(1:45〜)サウンドの質感に寄り添うような渋いギターフレーズがミニマムに鳴り響く。終盤はサビのボーカルラインをシンセサイザーでなぞるという展開になるのだがキャッチーとは言えないメロディーが非常に耳に残る。これが小室マジックだろうか。
6 Waiting Waves (夏の気分を待ちわびて)

YU-KI(vo)のボーカルがコミカルな響きを持つ変化球ソング。「バハマに行きたいが東京からマイアミはストレートには行けない」という歌詞もどこかシュールである。終盤はリズムアプローチにプリミティヴな要素が加えられパーカッショナルな躍動感を感じる。またアウトロでは空間を縦横無尽に踊るサックスソロが登場する。
7 Silver and Gold dance(Remix)

「曇り空」のようなUKテイストと高揚感が同居しているアッパーなダンスチューン。サビのメロディーは頭に即座にインプットされるグッドメロディーである (2:18〜)地を這うような質感の重低音が鳴り響き、その後はシンセソロが飛び出しサビのボーカルラインをなぞる。アウトロでもシンセでサビのボーカルラインが繰り返し奏でられる。この曲は自信のあるサビのボーカルラインを聴かせる為の曲という感じがする。
8 Beauty and Beast

「海」のようなうねりと「星々のきらめき」を感じるアッパーチューン。アシッドハウス的なディープでミステリアスなサンプリングボイスや「良質なポップ・ミュージックのサビの断片を切り取った」ような女性ボイスが空間を自由に舞う。この曲でYU-KI(vo)が歌うのはサビのみでありサビのボーカルラインは「輝く星」のような電子音と絡まり華やかである。
10 Winter Grooves

カラフルなシンセサウンドが頭の中を駆け回るテクノポップ風の曲。サビではTKサウンドを象徴する「wow,wow,wow」というコーラスがボーカルラインを華やかに彩る。
11 WORLD GROOVE 3rd.chapter(main message)

アーバンでジャジーなサウンドをベースにした無国籍ポップ。終盤はシックなサックスが縦横無尽に鳴り響き曲をビシッと引き締めている。歌詞の内容は「行ったことがない南の島でも感じることができるWORLD GROOVE」について。

アシッドハウス的なディープさとジャジーな要素を大幅に加えた3rdアルバム「音楽で繋がる世界」「グルーヴは万国共通」などの思いがテーマになっていると思われ前作より多面的になったサウンドはどこか無国籍な印象を与え少しマニアックな質感がある。 また歌詞にも「バハマ」「行ったことない南の島」などインパクトのあるフレーズが登場。「3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)」「7 Silver a

READ MORE

タイトルにもなっている代表曲「EZ DO DANCE」を収録し「レイヴ的な開放感と煌びやかさ」をJ-POPに融合させたTKサウンドのベーシックとなる要素が詰まっているヒットアルバム。

TMN時代から小室哲哉というソングライターはどちらかというと聴けば聴くほど味が出るスルメタイプのメロディーセンスの持ち主であるという印象があったのだが、「1 EZ DO DANCE」サビで聴くことができる「突き抜けて弾けるボーカルライン」はリスナーに「マッハの速度」を感じさせるもので素晴らしいポップネスをもっている。

本作には「EZ DO DANCE (UK DANCE VERSION)」という海外を意識したバージョンも収録されている。「EZ DO DANCE」という曲は小室哲哉にとって自信作であると同時に売れるポップミュージックを作る上での明確な答えを与えたのではないかという気がする。

    「要点」

  • TKサウンド黄金期の幕開けを告げるヒットアルバム
  • マッハの速度を感じる「1 EZ DO DANCE」のサビ

「曲解説」

1 EZ DO DANCE

「夜の街を駆け抜けるような疾走感」と「レイヴ的な解放感」が混在された雰囲気を持つ代表曲。「はじける夜」を連想するサンプリングされた「男の壊れた笑い声」や「3.2.1 break down」というフレーズが随所で挿入され不思議なストリート感を演出する (1:32〜,2:47〜) サビのボーカルラインはこれまでのJ-POPでは聴けない類のものであり、耳に残るメロディーとファンキーな質感が癒合され非常にマッハのスピードを感じるものとなっている(3:28〜)DJ KOOによるファンキーなラップ風ボイスは当時相当にシュールな響きをもっていた。
2 ROCK IT ON!!

アシッドハウス的に潤う重低音が印象的なダンスチューン。都会的な落ち着きがあるラップと「ロキノン,ロキノン」(そう聴こえる)というフレーズを連呼するキュートなイケイケボイスは「シャイな男の子」と「はっちゃけたいギャル」のように対照的である(2:40〜)「声が何重にもブレるエフェクティブなアプローチ」は小室哲哉が多大な影響を受けたと思われるニューオーダー(New Order)の曲でも聴くことができるアプローチである。終盤は「1 EZ DO DANCE」同様にDJ KOOによるファンキーボイスが挿入される。
3 ISLAND ON YOUR MIND

清涼感を感じるシンセサウンドが「肌寒い秋の夜」を連想するスピード感のあるバラード。ヴァースはYU-KI(vo)が歌いサビはプロデューサーである小室哲哉が歌うというまさかの展開を見せる。サビのボーカルラインは「おとぎ話のような質感」を持つメロディーと「言葉のリフのようなスピーディーなボーカルライン」で構成されている。
4 ON MY WAY

TMNの曲であったとしても不思議ではない「都会の街角」のような雰囲気を醸し出す曲。サビのボーカルラインは「早歩き」のようなイメージでTKサウンド全盛の突き抜けた質感はまだない(3:36〜)小室哲哉による「woo woo woo woo」というメロディックなコーラスはサビ以上のポップネスがある。
5 ONE MORE NIGHT

切迫感とバブリーなゴージャス感が混在するシンセサウンドが「ハードなギターリフ」ようにリフレインされるスペーシーでディープなアッパーチューン(1:53〜,4:12〜)ミステリアスでダークな囁きは「マークパンサーによる独自のラップ」とも共通する質感である。終盤はDJ KOOにより「GO,GO」というノリノリの掛け声が披露される。
6 RAVING ZONE

ネオンカラーを思わせる電子音が「賑わうクラブ」を連想するイケイケの曲。ディープな四つ打ちのビートが脳みそをズンズンと刺激。中盤以降は更にリズムがディープになりダンスミュージックとしての強度を高める。

タイトルにもなっている代表曲「EZ DO DANCE」を収録し「レイヴ的な開放感と煌びやかさ」をJ-POPに融合させたTKサウンドのベーシックとなる要素が詰まっているヒットアルバム。 TMN時代から小室哲哉というソングライターはどちらかというと聴けば聴くほど味が出るスルメタイプのメロディーセンスの持ち主であるという印象があったのだが、「1 EZ DO DANCE」サビで聴くことができる「突き抜けて

READ MORE

活動再開前のラストオリジナルアルバム「CORKSCREW」強烈なジャケットに全く負けていない歌詞とサウンドを持つパンクの名作である。

歌詞の内容は反抗期の少年のヒリヒリ感や焦燥感、色んな意味でやりすぎな音楽業界批判・刹那的な快楽などをテーマにしている。このアルバムを聴いて彼らが元V系のカリスマであるとは誰も思わないだろう。それにしてもこのコアな問題作がオリコン初登場2位を記録したという事実には驚愕する。

黒夢がイケイケのパンク期であった頃、筆者は中学生であったのだが清春(vo)の反逆ソングには素直に共感できた事を覚えている。黒夢はオリコン1位を取るような人気アーティストという立場から「抑えきれない衝動」が弾けてパンク化したという日本の音楽業界の中でも唯一無二の存在であり、「売れっ子アーティスト」「元V系のカリスマ」による反逆ソングの数々は非常にリアリティのあるヒリヒリした質感をもちダイレクトに「少年」に響いてきた。

次作以降の想像がつかない色んな意味で行き着くとまで行き着いたアルバムなので、当時の活動停止には妙な納得感があった。

    「要点」

  • 尖ったファストチューンで埋め尽くされたリアルなパンクアルバム
  • 人気アーティストという立場から「抑えきれない衝動」が弾けてパンク化したという日本の音楽業界の中でも唯一無二の存在

「曲解説」

1 MASTURBATING SMILE

極限までそぎ落とされたファストなパンクチューン。歌詞の内容は「腹黒い大人には騙されないぞ」的な側面と「逆風の中で孤立無援でも自分たちはサバイブするんだ」という強い意志を感じる側面によって構成されている。
2 FASTER BEAT

手数の多いドラムと「地底」のような質感のベースラインが躍動するミニマムなパンク。清春(vo)の歌詞は「終わらない反抗期」のように衝動的な内容ではあるが「待ち伏せしている落とし穴」について言及するクールネスも持ち合わせている。
3 SPOON & CAFFEINE

「記号」のようにミニマムなリフが高速でリフレインされるパンクソング。「無個性のどうでもいい歌を垂れ流す」音楽業界を痛烈に批判している。「カフェイン」と「スプーン」でここまでイマジネーションを膨らませた歌詞がかけるのは清春(vo)位だろう。
4 後遺症 -aftereffect-

ドラムとベースラインがドライブ感MAXで攻めまくる曲。歌詞の内容は痛烈な音楽業界批判と自身の消えない傷についてであり「後遺症」というワードを連呼する歌詞はインパクト大。サビのボーカルラインはパンクの仮面を被っていても抑えきれない抜群のメロディーセンスが炸裂している。
5 CANDY

「ボディーブロー」のようなドラムプレイが強烈なファストチューン。「痛みや寒気を止めるCANDY」について歌った曲でやりたい放題。
6 少年 -screw mix-

「地下室」のような陰鬱な雰囲気とルーズな質感をもつ彼らの代表曲。「細かなプライドで髪を伸ばす」「認められない奴がしていたネックチェーン」など思春期の少年のヒリヒリ感や焦燥感を見事にパッケージングした歌詞が秀逸。大人になってこの歌詞に触れると「当時はそんな類の事思っていたような」というノスタルジーを感じる。
9 HELLO, CP ISOLATION

「祭典」のような雰囲気と少しのコミカルさを感じるスカパンク。「ファスト×ラウド」でヒリヒリしたパンクソングが連発される本作において、一服感を感じるこの曲の存在は非常に大きいと感じる。ギターサウンドは裏のリズムを強調したジャカジャカしたプレイである。
11 COWBOY

過去になんて興味ないと言わんばかりの「歩いた場所をポラロイドカメラで撮り、そしてどんどん破り捨てよう」というパンクな提案がシュールなファストチューン。サウンドはタイトでダイナミックなロックンロール(1:12〜)本作の中では珍しいギターソロが登場、音色がどことなくCOWBOYを連想するものとなっている。
12 MARIA -screw mix-

CDバブルの90年代に背を向けパンクな生き方を実践する清春(vo)にしか歌えない反逆ソング。くぐもった質感で強烈にうねるドラム・ベースラインとは対照的にギターサウンドはワンコードの音の断片をリフレインするものとなっている。「生まれつき器用になれない」という心情をmy sisterであるMARIAに吐露するという歌詞は深く考えさせられる。
14 KNEES TO BREAK

重たく不機嫌なベースサウンドを中心に展開されるルーズな曲。「dear fat man」は一体だれなのか?が気になる。ツパッた歌詞はまさに「永遠の反抗期」。
15 LAST PLEASURE

ファストなパンクチューンで埋め尽くされた本作のラスト飾るハードコアチューン。サビではエフェクトがかけられた狂気じみた清春のシャウトが炸裂する(2:02〜)「狂騒」のようなサウンドの中「スローモーション」のような質感の人時(b)の歪んだベースソロが登場。ドラムは「馬の大群が走り抜ける」ようなバタバタ感を感じる強烈なプレイを聴かせてくれる。

活動再開前のラストオリジナルアルバム「CORKSCREW」強烈なジャケットに全く負けていない歌詞とサウンドを持つパンクの名作である。 歌詞の内容は反抗期の少年のヒリヒリ感や焦燥感、色んな意味でやりすぎな音楽業界批判・刹那的な快楽などをテーマにしている。このアルバムを聴いて彼らが元V系のカリスマであるとは誰も思わないだろう。それにしてもこのコアな問題作がオリコン初登場2位を記録したという事実には驚愕

READ MORE

前作「FAKE STAR」が可愛く思える程に放送禁止レベルの反逆ソングが多く収録されている5thアルバム。

前作「FAKE STAR」に収録されていたパンクソングの強度を更に高めたサウンドに乗せて歌われる歌詞は、音楽業界だけに留まらずテレビやV系シーンまでをディスりの対象としており、もはや「痛快」の域である。反面、「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」などの歌詞は反抗期男子のフラストレーションを代弁したような歌詞は非常に繊細でこの二面性が清春(vo)の魅力なのだろう。この時期の清春はファッションリーダーとしてもまさに神の域で中高生男子から絶対的な支持を得ていた。

    「要点」

  • 放送禁止レベルの反逆ソングを多く収録
  • 「12 NEEDLESS」の歌詞は反抗期男子のフラストレーションを代弁

「曲解説」

1 MIND BREAKER

「ザクっ」とした歪んだギターサウンドが中心となって展開されるヘヴィロック。タイトルである「MIND BREAKER」というフレーズをメロディックに歌い上げるサビが非常に頭に残る(2:05〜)間奏部ではヘヴィなサウンドの上を「金縛り」のような清春(vo)の声が空間を舞う。
2 DRUG PEOPLE

ビジネス最優先の音楽業界をディスった歌詞と挑発的なラップ風歌唱が印象的なファンクロック。サウンド自体は「砂鉄」のような歪みを感じるギター、強烈にうねるベースラインとタイトなドラムのみで構成されているシンプルなものである。
3 DRIVE

「ザクっ」とした音質のシンプルなパンクロック。時折現れる幽玄なシンセサウンドはまるで「白い煙」のようだ。歌詞は現在では間違いなくリリース出来ない類のものでありセックスドラッグを前面に押し出している(1:58〜)BPMが急速に落ち人時(b)のベースリフが繰り返しリフレインされる、このあたりは作曲者の特権と言えるだろう。
4 C.Y.HEAD

ミニマムなリフがリフレインされるド直球のパンクロック。音楽評論家に対して「たいした文章も書けない」「君の頭はプラスティックだ」と真っ向から喧嘩を売る歌詞が痛快。C.Y.HEADは「cutting your head」の略であると思われる。
5 CAN’T SEE YARD

腐った音楽産業や業界人を気持ちいい位にディスる曲で清春(vo)のボーカルはエフェクトでガッツリと歪んでおり、反抗期の男の子の気持ちを代弁するかのような熱量がある。
6 DISTRACTION

ギターとベースがユニゾンする分厚いリフが印象的がパンクチューン。音楽業界のみならず「ロッカーではない子供向けタレント」にまでディスりの範囲を広げた反逆ソング。サビで登場する「オーオーオッ」という野太いコーラスはまるで自分が「勇敢な勇者」になったかのような錯覚をリスナーに与える。
7 Spray

抜群のメロディーラインを持つノリノリのパンクソング。気持ち良い位に攻撃的なディスりソングが続いた後に登場するこの曲の歌詞は、「Sprayで描いた夢は叶うから」と優しくそして力強くティーンエイジャーにエールを送るという内容になっている。「手に負えない不良が時折見せる優しさ」は、「普通の人の優しさ」の10倍評価されるのと同じ法則でこの曲の歌詞は普通のミュージシャンが書いた歌詞の10倍優しくリスナーに響く。
9 BLOODY VALENTINE

伝説のシューゲイザーアーティスト/マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)を意識したと思われる浮遊感と透明感をもつ歪みソング(2:22〜)久しぶり感のある耽美的でエロティックなギターサウンドが登場し、その後は強度を増したうねる歪みとガラスの破片のようなクリーンサウンドが絡まる(3:40〜)ボーカルラインの後ろで「隠しアイテム」のようなクリーンアルペジオがミステリアスに響く。
11 NITE&DAY

「刹那的な恋愛を映画にした」ようなメロウなアコースティックソング。全編を通して「霧の中にいる」ような心地よいウエットな質感がありメロウな歌詞が数段メロウに切なく響き渡る。「繊細な男女の心の揺れ」を描いた歌詞がとにかく素晴らしい。
12 NEEDLESS

「全力疾走」のようなスピード感をもつメロディックなパンクソング。反抗期男子の気持ちを代弁している歌詞が生々しく、そして繊細な響きをもっている。「昔話好きな大人から逃げたい」という気持ちは若気の至りだが、確かに10代のある時期はそういう気持ちが自分にもあったような気がする。「あの頃の気持ち」を思い出させてくれる名曲である。
13 Like @ Angel

全ての塞ぎ込む思春期期男子に「ナイフで窓を削り天使の羽を広げて羽ばたこう」とエールを送るメッセージソング。「窓のない部屋で膝を抱えている」というフレーズは思春期特有の陰鬱さを端的に表した名フレーズだと思う。
14 BAD SPEED PLAY

BADなSPEEDを体感できる強烈なハードコアソング。歌詞は当時頻出していたモノマネV系バンドの事を痛烈にディスっていると思われる内容であり、現在の音楽シーンでは明らかに発売できないレベルの反逆ソング。「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」という反抗期・思春期の少年の気持ちを代弁したような素晴らしいパンクソングの後で、しかもラストソングにこの曲を配置するあたり「さすが」としか言いようがない。

前作「FAKE STAR」が可愛く思える程に放送禁止レベルの反逆ソングが多く収録されている5thアルバム。 前作「FAKE STAR」に収録されていたパンクソングの強度を更に高めたサウンドに乗せて歌われる歌詞は、音楽業界だけに留まらずテレビやV系シーンまでをディスりの対象としており、もはや「痛快」の域である。反面、「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」などの歌詞は反抗期男子の

READ MORE

1 27 28 29 56