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live at the indoor
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検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

ほとんど全ての曲に感じる宇宙的な質感が特徴のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の4thアルバムCome With Us。前作「Surrender」に存在していたサイケデリックサウンドを更に強烈にしたようなイメージの作品であり「ネオンカラー」「ビッグバン」などを連想するサウンドがリスナーの脳にダイレクトに突き刺さり様々な情景を呼び起こす。

またビートは宇宙的なサイケデリックサウンドが強調されるようにディープでシンプルなものが多くなっている。突如「異空間に放り込まれる」ようなプログレ的展開も本作の特徴の一つであり新機軸といえる。

このプログレ的展開と「10 The Test」で聴けるポップな歌のメロディーが次回作以降にどのように反映されるのか?大変興味がある。

    「要点」

  • 宇宙的なサイケデリックサウンド
  • 「異空間に放り込まれる」ようなプログレ的展開

「曲解説」

1 Come With Us

「光がうねる」ような強烈な電子音や瞬間移動風のワープ音、緊迫感漂うアシッドなストリングス風のシンセサウンドが無条件に宇宙を連想するスペーシーなオープニングチューン(2:36〜)「全てが宇宙に吸い込まれる」ような音が頭の中で高速ループされ、その後は「ビッグバン」のようにパワフルなドラムが連打される。
2 It Began In Afrika

アフリカンなパーカッションをフィーチャーしたスペーシーなアッパーチューン。「揺らめく光」のようなシンセサウンドが「1 Come With Us」同様に宇宙を連想させ、不規則かつ自由自在に鳴り響くアフリカンなビートの粒が「原子の宴」のような祝祭性を演出する。終盤はサンプリングされたファンキーな女性ボーカルだけが宇宙的な無の空間の中で響き渡る。
3 Galaxy Bounce

アシッドハウス的なスライムビートが大暴れする「ジェル」のような質感の曲(2:02〜)「どこでもドアを使い深夜のクラブから灼熱の砂漠に移動した」ような展開がプログレ的で恍惚すら感じる眩しすぎる光に包まれる。終盤はサンプリングされた女性ボーカルの歌声をDJスクラッチで切り刻むようなサウンドが展開される。
4 Star Guitar

「ネオンカラー」を連想するビートの粒が印象的で宇宙的な無重力感を感じるサウンド(3:00〜)「60年代の良質なポップスを宇宙的にエディットした」ようなプログレ的な展開を見せ、以降はその雰囲気を「極彩色なビーム」のようなエレクトロサウンドが彩り、いつの間にか元の宇宙的なサウンドに戻る。 終盤はネオンカラーのサウンドがシャワーのように降り注ぐエレクトロな展開で、最後は「小さな星が消滅した」ような音で幕を閉じる。
5 Hoops

「ガラス越しに映るエジプトの砂漠」のような雰囲気を持つ曲。序盤は「酩酊」のような気怠いサイケサウンドが展開されるが(1:35〜)BPM速めのスペーシーなアシッドハウスサウンドに切り替わり、アシッドハウスを象徴する「動物の鳴き声にエフェクトをかけたような歪みサウンド」も登場する。終盤はオリエンタルな質感のサウンドが絡まり「蜃気楼」のように揺らめく。
6 My Elastic Eye

「強烈に歪んだ異空間にいる」ような錯覚を覚える曲で、「氷柱」を連想する透明感のあるビートや「RPGゲームの魔法」のような音が踊る。
9 Pioneer Skies

極彩色なビートや音響が脳内を駆け巡るサイケソング。シンプルな四つ打ちと共に「2 It Began In Afrika」でも聴けたアフリカンなパーカッションサウンドが鳴り響く(1:55〜)「時空が歪んだ」ようなサウンドがリスナーの脳みそをグチャグチャにする。終盤は宇宙的な静けさとディープさを感じるサウンドが展開される。
10 The Test

「クーラ・シェイカー(Kula Shaker)の曲をアシッドハウスにアレンジした」ようなイメージの曲で「ガラス」のような質感のファンクギターと立体的なベースラインが非常に耳に残る(3:54〜)中間部で連呼されるコーラスは「レディオヘッド(radiohead)」と聴こえなくもない。本作のほとんどの曲に存在する宇宙的な雰囲気を持ちつつも「つい口ずさみたくなるメロディー」をもつこのラストソングは異彩を放っている。

ほとんど全ての曲に感じる宇宙的な質感が特徴のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の4thアルバムCome With Us。前作「Surrender」に存在していたサイケデリックサウンドを更に強烈にしたようなイメージの作品であり「ネオンカラー」「ビッグバン」などを連想するサウンドがリスナーの脳にダイレクトに突き刺さり様々な情景を呼び起こす。 またビートは宇宙的なサイケデ

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ゲストボーカリストにノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)と ボビー・ギレスピー / プライマル・スクリーム(Primal Scream)を招いてレコーディングされた3rdアルバム。

本作では「クラフトワーク(Kraftwerk)のようなクラシカルなテクノ」「ミニマムミュージックのようなトランス状態を体感できるハードコアテクノ」「アシッドハウスにモザイクをかけて再構築したサウンド」など幅広いサウンドが展開されているが、多くの曲で「眩しすぎる光」や「酩酊のような揺れ」を感じる事ができサイケデリックに対する傾倒を感じる。

1st 2ndアルバムで聴けたロック的で直線的なブレイクビーツは今作ではあまり登場しないが、今作のバグったサイケな音響サウンド1st 2nd以上の激しさでリスナーの脳を刺激する。

    「要点」

  • 「眩しすぎる光」や「酩酊のような揺れ」を感じるサイケデリックサウンド
  • ピコピコテクノ〜ハードコアテクノまで多様なサウンドを展開

「曲解説」

1 Music:Response

1st2ndアルバムには収録されていないタイプのピコピコ系スペーシーテクノ。 「Music:Response」というタイトルを呟く無機質ボイスはクラフトワーク(Kraftwerk)風。 煌びやかな電子音が浮かんでは消え「カラフルな蛍光灯が張り巡らされた空間」を連想する。
2 Under the Influence

空間系電子音が高速でループされるBPM速めのハードコアテクノ。ミニマムミュージックのように同じフレーズをリフレインすることでリスナーをトランス状態にするという類の曲となっている。リスナーを突き放すようなエッジを感じる曲ではあるが、随所に挿入される女性のサンプリング・ボイスが不思議なポップネスを演出している。
3 Out of Control

サイケな光に包まれるスペーシーな名曲。ゲストボーカルであるボビー・ギレスピー / プライマル・スクリーム(Primal Scream)が、神作「Screamadelica/プライマル・スクリーム(Primal Scream)1991年」彷彿の気怠いボーカルを披露(4:26〜)恍惚すら感じる「白昼夢」のような眩しすぎる光に包まれ、まるで体が宙に浮くような錯覚を感じる。それ以降に展開される「時空が歪んだような電子音」や「スライムのような弾力性があるビート」との絡み合いはプログレ的ですらある(6:16〜)インドの宮殿のような雰囲気を醸し出すギターフレーズが登場してアクセントになっている。
4 Orange Wedge

「歪んだ空間」に放り込まれたようなイメージのサイケソング。全ての音が酩酊時のように揺れており、やはりここでも真っ白な光が目の前に浮かんでくる。
5 Let Forever Be

前作「5 Setting Sun」同様にノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)をゲストボーカリスに迎え「蜃気楼」のような揺らめきを感じるサイケな名曲。 立体的なブレイクビーツは「レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)的なドラムリフ」のようである。BPMはゆったりとしているが「頭の中を通り過ぎる光」のような直線的な音響はリスナーにマッハの速度を感じさせる。
7 Asleep from Day

囁くような儚い女性ボーカルの歌声をフィーチャーした曲で「オルゴール」のようなキラキラした音やミニマムなアルペジオなど他の曲ではあまり聴けないタイプの音も登場する。足元が微妙に浮いているような浮遊感は新機軸と言ってもよく最後はキラキラしたオルゴール風サウンドが物悲しく孤独に鳴り響く。
8 Got Glint?

アシッドハウスに強烈なモザイクをかけて再構築したような曲。リズムはディープで淡々とした四つ打ちとなっている(1:25〜 , 2:33〜 , 4:32〜)モノトーンな空間を「太古の風」のような質感の美しい旋律がすり抜ける。この美しい旋律は本曲のサビと言っていい位にインパクトがある(2:50〜)「終焉」のようなラッパが「懐かしい思い出」のようなメロディーを奏で(3:08〜)歪んだサンプリングボイスは「溢れ出す液体」のようにドロっとした質感である。
9 Hey Boy Hey Girl

「Hey Boy , Hey Girl , sister DJ , here we go!」というフレーズがキャッチーなダンスチューン。 「陽炎」のような揺らめきと「二日酔いの朝に見る太陽」のようなチカチカした眩しさを感じる雰囲気があり(2:48〜)「渋みのあるサックスの音の断片をループさせた」ような強烈なサウンドが登場、非常に耳に残る。
11 Dream On

「センチメンタルな夏の思い出」のようなドリーミーなシューゲイザーソング。アコースティクギターと儚いボーカルラインをフィーチャーしたサウンドは「早朝の海辺」のような質感であり、デリケートで揺らめくようなサウンドレイヤーはリスナーに様々なエモい風景を連想させる。

ゲストボーカリストにノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)と ボビー・ギレスピー / プライマル・スクリーム(Primal Scream)を招いてレコーディングされた3rdアルバム。 本作では「クラフトワーク(Kraftwerk)のようなクラシカルなテクノ」「ミニマムミュージックのようなトランス状態を体感できるハードコアテクノ」「アシッドハウスにモザイクをかけて再構築したサウンド」など幅広いサ

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前作以上に「ロック的な直線さと過激さ」が全面に出ている2ndアルバム。「5 Setting Sun」ではノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)をゲストボーカリスに迎えオアシス(Oasis)自身が3rdアルバムで表現したかったのでは?と思われる「壊れた質感の極彩色サイケサウンド」が炸裂。

本作は「ロック」と「テクノ」がガッチリと手を組み合い条約が成立したような記念碑的なアルバム。「ロック的な直線的ビートを持つ90年代テクノサウンド」といえば本作と「The Fat of the Land / ザ・プロディジー(The Prodigy)」が代表作に挙げられる。この2枚のアルバムは共に97年にリリースされ「普段あまり電子音楽を聴かないロックファン」からも支持を集めビッグセールスを記録した。3rd以降もケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)はこの「ロック路線」を突き進むのだろうか?気になるところである。

    「要点」

  • ロック的な直線的ビートを持つ90年代テクノサウンド
  • 「5 Setting Sun」はノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)をゲストボーカリスに迎えている

「曲解説」

1 Block Rockin’ Beats

「同じところをクルクルと回る」ような分厚くミニマムなベースラインとロック的なタイトなビートが印象的なヒットチューン (1:22〜)「火炎放射」のように焼き尽くす直線的で歪んだシンセサウンド(1:42〜)侵入者を感知して鳴らされるセンサーを歪ませたような音(3:00〜)「激しい豪雨」のように連打されるビートなどがUSミクスチャー勢にも通じるロック的なストリート感を演出している(2:42〜)連打されるタイトなビートと共に鳴らされる電子音は「迫り来る影」のようにダークである。曲中を通してメロディックなパートは存在しないがキャッチーで一度聴くと耳に残るパンチ力がある。
2 Dig Your Own Hole

「黒い蛇」のようにうねるディープなベースラインが印象的なアッパーチューン。冒頭は「コンクリの上にある水面に反射する光」のような眩しい電子で幕をあけるが、すぐにストリート感のあるBPM早めのアッパーな展開に移行。この曲でも直線的なブレイクビーツは健在でリスナーの脳にダイレクトに突き刺さる(2:15〜)「スローな竜巻」のような風を切るサウンドが少しシューゼイザー風(2:30〜)「ラップの断片」のようなボイスがファンキーなテイストを加え、間奏部では「UFOが着陸した」ような少し不気味な音が鳴り響く。この間奏部の存在があるので終盤はビートがこれまで以上に直線的にリスナーの脳裏に突き刺さる。
4 piku

「浅い夢の中にいる」ような幻想感を持つビート・オリエンテッドチューン。「ラップの断片」や「アンビエントな美音響」などをサンプリングし音遊びしている趣の曲である。
5 Setting Sun

「どこまでも追いかけてくる追跡ビーム」のようなアシッドなシンセサウンドが鳴り響くファンキーなサイケデリックソング。「カラフルな蝶々の大群」を思わせる「アヤヤ〜、アヤヤ〜」は名コーラスでリスナーの頭の中を極彩色に染め上げる。反面、本曲のビートは「ロック以上にロック的」でゲストボーカルで歌っているノエルギャラガーの「尻を蹴り上げる」ようなパンチ力があり、オアシス(OASIS)が97年発表したBe Here Nowで表現したかったと思われるハードでサイケなサウンドをテクノ化したようなイメージである。
6 It Doesn’t Matter

「大量のエラーを吐き出すバグったコンピューター」のような曲。無機質な人造人間風ボイスで無限ループされる「Doesn’t Matter」というフレーズや 「壊れそうな旧式エアコン」のような空気感がアングラな雰囲気を醸し出している(5:15〜)「ロボット風ボイスを千切りにした」ようなサウンドと「バグり果てた」ようなカラフルなシンセサウンドが展開される。
8 Get Up On It Like This

ゴージャスなホーンセクションとソニックなDJスクラッチの対比が印象的な曲(1:50〜)ビートが強度を増し複数のリズムアプローチが順番に展開され、終盤は「赤ちゃんの泣き声」のように聴こえる「キャー、キャー」というアグレッシブなサウンドがリフレインされる。
9 Lost In the K Hole

「真夏の夜に見た夢」のようなドリーミーなサウンドレイヤーが幻想的な曲。ビートは「電子チップ」のようにミニマムでカチッとした音色、ベースラインはリフといっていいものになっておりドリーミーな雰囲気の曲に熱量を与えている。最後は「全てが時の砂に消える」ような儚なさを感じる音響で締めくくられる。
11 The Private Psychedelic Reel

「夜の砂漠」のようなオリエンタルな雰囲気を持つハードチューン。甲高い電子ノイズが「鳥類の泣き声」のようにリスナーの鼓膜に絡みつき「ジェット機」のような音や「蛇使いが吹く笛」ような音などが空間を自由に踊る。中盤以降はミニマムミュージックのように「メタリックなドアノブを回すような音」がループされ陶酔感を感じるサウンドが展開され、ビートはハードロック的とも言っていい位にワイルドでパワフルである。最後はカラフルな音が「洪水」のように次々に溢れ出し最高潮のところで曲が終わる。

前作以上に「ロック的な直線さと過激さ」が全面に出ている2ndアルバム。「5 Setting Sun」ではノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis)をゲストボーカリスに迎えオアシス(Oasis)自身が3rdアルバムで表現したかったのでは?と思われる「壊れた質感の極彩色サイケサウンド」が炸裂。 本作は「ロック」と「テクノ」がガッチリと手を組み合い条約が成立したような記念碑的なアルバム。「ロック的な直線

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90年代的なジャンルのクロスオーバーを象徴するようなアーティストの1つであるケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)。本作はそんな彼らのデビューアルバムにあたり、ハードなロックミュージックをテクノやハウスの文脈で再構築したようなサウンドは圧倒的に個性的である。

「「ロックの直線的な破壊力」をテクノサウンドに見事に反映しておりリズム面はロックドラム的なパワフルさを持つブレイクビーツが多く使われており硬質な質感だが、ストリート感のある遊び心のある音や「メロウ」「サイケ」な質感を曲に与えるサンプリングされた女性ボーカルの使い方が抜群にうまく、硬質でミニマムなフレーズをループするタイプであっても不思議なポップネスがあると感じる。

アルバムタイトルの邦題は「さらばダスト惑星」は彼らの改名前のグループ名「ダスト・ブラザーズ (The Dust Brothers)」から名付けられている。デビューアルバムで過去に対して「さらば」と別れを告げた彼らは次作以降より刺激的なサウンドを展開する事となる。

    「要点」

  • 「ロックの直線的な破壊力」をテクノサウンドに見事に反映
  • 改名前のグループ名は「ダスト・ブラザーズ (The Dust Brothers)」

「曲解説」

1 Leave Home

70年代ハードロックバンドによるリフ・オリエンテッウドな曲をテクノ化したような硬質な1曲。リズム面はタイトでパワフルなロックドラム風のブレイクビーツとなっている。「流れ星」のようにきらめく電子音やサンプリングされたメロウな女性ボーカルが時折挿入され、シンプルで硬質なサウンドではあるのだがポップに響く。最後は「次元の違う空間にワープする」かのようなサウンドが登場する。
2 In Dust We Trust

「霧」のようなモヤっと歪んだ空気感が心地よいファンキーな曲でDJスクラッチが所々に盛り込まれアクセントとなっており、分厚くディープなベースリフが曲をグイグイと引っ張っている。ベースがメインリフを弾く方法論はニュー・オーダー(New Order)のようだ(4:05〜)「コンピューターのモニターが突然、真っ白になった」ような静寂パートが挿入され、終盤は躍動感のあるリズムと「空気を切り裂く疾風」のようなサウンドが強調される。
3 Song to the Siren

「面白い音を集めてミックスジュースを作った」ようなサウンドが面白い曲。オリエンタルな香りがする「呪縛」のようなサンプリングされた女性ボイスや脳みそをグシャグシャとかき乱す「縮れたビーム」のようなサウンドが特に印象に残る。
6 Chemical Beats

「スライム」のような弾力感を持つミニマムな歪み系・電子音がループされるテクノ。「ハッ、ハッ」というサンプリングボイスが少しコミカルでシリアスな曲にリラックス感を与えている(2:15〜)間奏部で瞬間に「早朝のビーチ」のようなメランコリックなパートが挿入される、このあたりUKっぽい。終盤はこれまで以上に横揺れを促すようなダンサブルなビートが強調される。
8 One Too Many Mornings

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)彷彿の白昼夢のような曲。全ての音が「ガラス越しに鳴り響く」ような質感をもっており(1:40〜)サンプリングされた女性ボーカルの歌声は「今にも消えてしまいそう」に儚い。ベースラインは底で鋭角的にメロディックなフレーズを奏でている。
11 Alive Alone

ダークでアラブ的な雰囲気が印象的なラストソング。神秘的な女性ボーカルをフィーチャーしており本作の中で最もボーカルラインが目立つ曲である。ディープな低音と時折現れる「黄金の宮殿」を連想するサイケギター風フレーズがミステリアスさを醸し出している。終盤は「うねる蛇」や「そびえ立つ太陽」のようなサウンドがこれまで以上にサイケデリックに響き渡る。

90年代的なジャンルのクロスオーバーを象徴するようなアーティストの1つであるケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)。本作はそんな彼らのデビューアルバムにあたり、ハードなロックミュージックをテクノやハウスの文脈で再構築したようなサウンドは圧倒的に個性的である。 「「ロックの直線的な破壊力」をテクノサウンドに見事に反映しておりリズム面はロックドラム的なパワフルさを持つブレイ

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アシッドハウスリヴァイバルの立役者ハードフロア(Hardfloor)の1stアルバム。

アシッドハウス特有の「鼓動」のような四つ打ちサウンドとリスナーを「ジャングル」に誘うディープネスを継承しつつ、ダークな質感を加え歪ませたようなイメージのサウンドとなっており、人間の声を歪ませたように聴こえる電子音が曲に随所で聴け不気味な怖さを感じる。

また「静けさ」や「不穏さ」を強調するストリングス(シンセかも?!)が多く使われており、この点は「オリジナル・アシッドハウス」と決定的に異なる点である。90年代前半のテクノ勢などが得意としている極彩色な電子音などは皆無で個人的には非常にマニアックな音楽であるという印象を持った。

    「要点」

  • アシッドハウスをダークに歪ませたサウンド
  • 「静けさ」や「不穏さ」を強調するストリングス(シンセかも?!)が頻出

「曲解説」

1 Lost In the Silverbox

「モザイク」のような質感の四つ打ちが終始鳴り響く、歪んだアッパーチューン。「耳にグサリと突き刺さる光線」のような電子音は80年代アシッドハウスにはあまり聴けないタイプのものである(4:48〜)四つ打ちのリズムが「パタリ」とストップして不穏な静けさをもつストリングスと「警報機」のようなモザイクがかった電子音だけが流れる展開が中間部に挿入され、終盤はこれぞアシッドハウスという「スライム」のように潤った低音が登場しアッパーなBPMに戻る。最後は不穏なストリングスと「鼓動」のような四つ打ちだけが静かに流れる。
2 Trancescript

「海の中で鳴らされたアシッドハウス」のようなイメージの曲。潤いのあるディープな電子音がミニマムに鳴り響き「トライアングル」のような金属的な高音が耳を刺激(4:44〜)ダークで少し神秘的なストリングスが曲にシリアスな空気感を与え、終盤はリズムレスの展開となり「男の声の断片を強烈に歪ませた」ような電子音が鳴り響き少し不気味である。
4 into the Nature

神秘的なストリングスが生み出す浮遊感とディープな四つ打ちの対比が印象的な曲。この曲でも「男の声の断片を歪ませた」ような音がループされミステリアスな雰囲気を醸し出している(4:15〜)歪んでいる電子音がさらに歪み「ちぎれる」ような質感のサウンドに進化してリスナーの脳みそを絞る。終盤は「メロディーの断片」のような柔らかな女性ボイスが挿入され僅かなポップさを感じる。
6 Acperience 1

全体を通して歪んだ潤いのような質感を持つ曲(1:42〜)「電子の海に広がる波紋」のようなデリケートな電子音がダークな曲に光を与える(2:10〜)「終幕」のようなシリアスさを持つ透明なベールのようなサウンドが一番遠くで鳴り響き全体を包む。終盤はビートが躍動感と複雑性を増し、リスナーの脳みそと体を同時に揺らす。最後はシリアスで透明なベールサウンドが「消えかけのロウソク」のようにミステリアスに鳴り響く。
8 AM-Trip

ダークでクラシカルなストリングス風シンセと「神経質で小刻み」なブレイクビーツが宇宙を連想するラストチューン(4:56〜)これまで「音響」として佇むように流れていたストリングスが壮大な旋律を奏で始める。本作はメロディーや旋律を拒絶するような曲が多いので、この旋律の登場には非常に安堵感を感じる。終盤はアシッドハウス特有の「動物の声にエフェクトをかけた」ような音の断片が空間を舞いジャングル感を醸し出す。

アシッドハウスリヴァイバルの立役者ハードフロア(Hardfloor)の1stアルバム。 アシッドハウス特有の「鼓動」のような四つ打ちサウンドとリスナーを「ジャングル」に誘うディープネスを継承しつつ、ダークな質感を加え歪ませたようなイメージのサウンドとなっており、人間の声を歪ませたように聴こえる電子音が曲に随所で聴け不気味な怖さを感じる。 また「静けさ」や「不穏さ」を強調するストリングス(シンセかも

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