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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

TM NETWORKのブレイクを決定付けた出世作で前半はテンポが早くノリのいい曲が中心で後半はバラード中心という構成になっている。

じっくり本作を聴いた率直な間奏としてはここまで「ファンク」「プログレ」のテイストをもっているグループだとは思わなかった反面、90年代TKサウンドのような極彩色なサビのボーカルラインなどはほとんどなく、どちらかというと玄人好みな曲が多いと思った。

時折、聴く事ができる90年代エレクトロニカ風のシンセサウンドやプログラミングされた機械的なボーカルラインなどは87年当時の日本の音楽シーンでは相当な異彩を放っていたと思われる。

87年は「ボウイ(BOØWY)」「米米CLUB」が傑作をリリースしているが彼らに比べるとTM NETWORKは少し不器用であると感じる。「ビートを強調したアグレッシヴさ」や「振り切れた異国感」といったある種のわかりやすさが少ないと感じるからだ。本作を聴いてメインソングライターのTKこと「小室哲哉」が「90年代にヒットソングを連発し稀代のヒットメーカーになる」と予想できる人はあまりいないハズである。

    「要点」

  • ボーカルラインのメロディーは意外とスルメタイプ
  • 都会的なシンセとファンクなベースラインが特徴
  • 時折、見え隠れするプログレ匂

「曲解説」

2 Maria Club (百億の夜とクレオパトラの孤独)

「賑やかな都会の休日」のような抑えられないワクワク感を感じるシティーロック。イントロ・間奏部ではエッジの効いた最小限な手数の歪んだギターサウンドが鳴り響き、リフレインされるミニマムなシンセリフの合間をゴージャスで少しコミカルなホーンセクションが踊る。(1:02〜)Bメロの裏では「プールの水面の上で踊る光」のようなエレクトロニカ風の揺らめくシンセフレーズが登場し、少しシリアスなムードを与える(1:17〜)サビは「都会の雑踏をすり抜けた」ような解放があり、(1:28〜)90年代のTKサウンドでも頻繁に聴く事ができる「wow wow wow wow」というコーラスが飛び出す。
3 Don’t Let Me Cry (一千一秒物語)

弾力のあるベースラインが脳にゴリゴリくるファンクチューン。ひんやりと冷たいディスコ風のシンセと規則正しいマシンビートは「誰もいない深夜のオフィス街」を思わせ、ミニマムなカッティングギターが曲に「急ぎ足」のようなスピードを与えている。
4  Self Control (方舟に曳かれて)

直線的なビートとループされる「Self Control 」というボーカルラインが、当時「近未来」だったと思われる代表曲。Aメロのシンセフレーズはサビのボーカルラインを淡々となぞるが、Bメロでは華やかに弾ける。1:30〜 壮大なストリングスとサイバーな質感のノイズギターが登場、1:52〜 「螺旋階段を早足で降りる」ようなプログレ的なギターフレーズも聞く事ができる。やはりこの曲でもミニマムなカッティングギターが曲にスピードを与える。最後は「未来」のような眩しい光に包まれワープするように終わる。
6 Fighting (君のファイティング)

強い風が吹く街で一人で佇むような雰囲気のバラード。涼しく淡々と進行するヴァースと力強いサビという構造。サビのボーカルラインは珍しくハードなロック的な熱量がある。2:44〜 「移り変る街」のようなサックスソロがノスタルジック。
7 Time Passed Me By (夜の芝生)

「目の前にでかい夕日が浮かんでくる」ようなアコースティックバラード。ゆったりとしたアフリカンなパーカッションとストリングスが空気感を演出。サビが2回あるような抑揚があるサビのボーカルラインを宇都宮 隆(vo)がしっとりと歌い上げる。(2:40〜)夕暮れ感を醸し出すゴスペル風コーラスがエモく、歌詞の内容は「戻れないあの日」のようなイメージ。
9 Fool On The Planet (青く揺れる惑星に立って)

「宇宙から舞い降りた」ような神秘的なシンセフレーズと雄大なメロディーラインが印象的な曲。ヴァースは昼間から少しアルコールを飲んだアーバンな休日のような雰囲気だが、「空まで届く」ようなボーカルラインをもつサビがダイナミック。1:58〜 間奏では一時ハードロックのようにハードに畳み掛けたり3:23〜 少し酔っているようなサックスソロが登場したりと一筋縄ではいかないプログレ感が魅力。

TM NETWORKのブレイクを決定付けた出世作で前半はテンポが早くノリのいい曲が中心で後半はバラード中心という構成になっている。 じっくり本作を聴いた率直な間奏としてはここまで「ファンク」「プログレ」のテイストをもっているグループだとは思わなかった反面、90年代TKサウンドのような極彩色なサビのボーカルラインなどはほとんどなく、どちらかというと玄人好みな曲が多いと思った。 時折、聴く事ができる9

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「これまでリリースしたアルバムは本気を出していなかったのか?!」と思えるほどに劇的な変化を見せた傑作アルバム。

「サイバーな質感』「地下の実験室のような不穏な空気感」「未知の生物が誕生したかのような獣的な爆発性」といった要素を持つハードでアバンギャルドな側面と「6 JUPITER」「7 さくら」で聴けるような浮遊感を感じる独自のバラードが絶妙なバランスで配置されている。

デビュー作〜アルバム「悪の華」までに彼らが作り上げた「ギクシャクしたニューウェイブ×ビートロック」の良いところを継承しつつ一線を超えたダークサイドに足を踏み入れている。wikiを見ると今作からメインソングライターの今井寿(g)が本格的に機材を揃え曲作りをはじめたり、ギターシンセを使うようになったそうだ。本作以前は作りたい音はあるのだが今井寿(g)の意図がメンバーや制作関係者に伝わらず本領を発揮できていなかったのだろうと思われる。

アメリカの音楽シーンに激震が走った91年は日本でもバクチク(BUCK-TICK)やルナシー(LUNASEA)などがニューウェイブの独自進化のような問題作をリリースし後続のアーティストに多大な影響を与えた。バクチク(BUCK-TICK)は今作を境にダークサイドのどっぷり使ったアルバムを数作リリースすることになる。

    「要点」

  • ダークサイドに足を踏み入れたサイバーな狂った質感が魅力
  • 今井寿(g)のイメージが明確に具体化できたアルバム

「曲解説」

2 MACHINE

サイバー質感と疾走感を感じることができるハードなニューウェイブチューン。「タカ、タカ、タカ、タカ」という一人時間差のようなギターフレーズがニューウェイブ風。前半は低音を活かした歌声でダークに淡々と展開されるが(1:52〜)不穏なノイズと「宙に浮かぶ近未来のバイクに乗っている」かのようなサイバーな疾走感を味わえるギターソロの出現で状況が一変する。ギターソロは以降は、前半と同じボーカルラインが少し狂ったようなテンションで歌われサウンドも近未来のバイクにのって高速を疾走するイメージを連想できるスピード感がある。
3 MY FUNNY VALENTINE

「ダークでサイバーな地下の実験室」のようなミドルテンポの曲。ツインギターが絡みつくように不穏な響きを奏で、また未知の生物が誕生したかのような電子音が不気味さを演出する(1:58〜)「ダークな世界観にそよ風が入り込む」ような安堵感を感じるサビのボーカルラインが歌われるが、ツインギターはサビでも容赦なく耽美的でダークなフレーズを奏でる(3:08〜)暗い部屋の中で輝く「極彩色の光」のようなギターソロが登場。終盤は開放的なサビが2回繰り返されるが曲のダークさは一貫している。
4 変身[REBORN]

「地下の実験室で生まれた未知の生物が暴れ始めた」ような狂気的なスピードチューン。ダークな静寂の中で不穏でな電子音が鳴り響く展開、この空気を「制御不能な光線のようなサイバーなサウンドが切り裂く。曲を通してこのサイバーなギターサウンドが暴れまくる(2:01〜)人間不信を思わせるような狂気的なシャウトが響く(2:20〜)一旦、冷静になったような淡々としたアルペジオが流れるが、その後、すぐに「全てを切り刻むノコギリ」のようなギターソロが鳴り響く。終盤はこれまで以上にハードになりカオスな様相を呈し(3:52〜)この世の終焉を告げるような消防車のようなサイレンが響く中、最後は櫻井 敦司(vo)の掠れたシャウトで幕を閉じる。
6 JUPITER

聖母マリアのような幽玄なコーラスと星野英彦(g)による12弦ギターのコードが印象的な名バラード。曲を通して神聖でシリアスな雰囲気が漂い、音から眩しすぎる光を感じることが出来る。櫻井 敦司(vo)の歌声はセンチメンタルかつエモーショナル。歌詞の内容は「亡くなった母親の事」と「自身の後悔」について歌っている(2:36〜)今井寿(g)のギターソロが始まるがサビのボーカルラインをなぞった珍しく?!シンプルなものになっている。(3:08〜)「雅」という言葉がぴったりのチェロのメロディーが登場し曲に柔らかい春風が吹く。最後は全ての風が止まり静かに終わる。
7 さくら

「天空の城」を思わせる雅で浮遊感のあるミドルテンポの曲。ヴァースは「天空の城から見渡す夜空」のように涼しい展開で、きらめく星のようなキーボードも散りばめられている(2:17〜)「ちぎれた身体」「ごまかす痛み」という過激な歌詞を合図にサウンドは熱量を帯び始めるが、サビのボーカルラインは淡々とした語りのようなものとなっている。この曲の歌詞も「後悔」がテーマになっていると思われる。(5:20〜)この曲も今井寿(g)のギターソロもボーカルラインをなぞったシンプルなものになっている。「6 JUPITER」同様に「この曲は「歌」を聴かせる曲だ」という無言のメッセージを感じる。
8 Brain,Whisper,Head,Hate is noise

密室で行われる未知の生物の生誕祭のような怪しい雰囲気。今井寿(g)によるアナーキーなラップ風ボイスも登場する実験的な曲。ヤガミトール(dr)によるレッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)風のヨレた質感のドラムが不思議とマッチしている。91年の日本のメジャーシーンでこの曲を演れるのは色んな意味でB-Tだけだと思う。
9 MAD

ミニマムで歪んだギターリフがリフレインされるサイバーパンク。脳みそを刺激する神経質で電流のようなノイズがあらわれては消え、BPMはゆったりとしているがマッハの速度を感じる事ができる。歌詞の内容は「狂っている事に気づいていない男」による嘆きというところだろうか。
10 地下室のメロディー

「パンドラの箱が開いたような不吉な電子音で幕をあけるB-T流デジタルハードコア。エフェクトのかかった櫻井 敦司(vo)の捲したてるようなボーカルは正体不明の黒い物体に追いかけられるような恐怖を感じる。(1:53〜)淡々としたサビの後は一時的に「全てが終わったような終幕感」が流れ、「電気で動く鳥のさえずり」のような直線的な電子音が鳴り響く。(2:15〜)ギターソロの後ろでは「やばい液体が溢れた」ようなノイズが鳴っている。

「これまでリリースしたアルバムは本気を出していなかったのか?!」と思えるほどに劇的な変化を見せた傑作アルバム。 「サイバーな質感』「地下の実験室のような不穏な空気感」「未知の生物が誕生したかのような獣的な爆発性」といった要素を持つハードでアバンギャルドな側面と「6 JUPITER」「7 さくら」で聴けるような浮遊感を感じる独自のバラードが絶妙なバランスで配置されている。 デビュー作〜アルバム「悪の

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洋楽のポップ・ミュージックを日本語でやる洋楽邦楽(感覚で言ってる)の先駆者的なユニット/フリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)。

「60年代ロック」「サイケ」「ネオアコ」「ギターポップ」「ドリームポップ」「ジャズ」「ソウル」などを「無印良品的なミニマリズム」で再構築したような無駄のない良質なポップが彼らの魅力。シンプルなギターポップである1stアルバムと実験的でサイケな3rdアルバムの中間にある本作は、音楽的に過渡期と言える作品となっている。

    「要点」

  • 洋楽ギターポップな邦楽
  • 様々な音楽を無印良品的なミニマリズムで再構築
  • 過渡期的な作品

「曲解説」

2 Camera! Camera! Camera!

ファミコンのシューティングゲームを思わせるスペーシなシンセとブレイクビーツが鳴り響き、ギターポップ版のアレンジとは違う良さがある彼らの代表曲で歌詞は過去の刹那的な恋愛感情といったところ。ニュー・オーダー(New Order)と共振するビート感と享楽性も感じる。(2:58〜)祝祭のようなストリングスが無機質な曲に有機性を与える。最後はソニックユースのギターノイズをサイバーな質感でエディットしたようなノイズが鳴る。
4 Summer Beauty 1990

ラテンなギターワークとパーカッションが印象的なメルヘンなポップ。「パパッ、パパパ〜」というメルヘンなコーラスと「よく晴れた昼下がり」のようなピアノの旋律が「はじめてのおつかいをする少女」のように初々しさを醸し出す。小山田コーネリアス圭吾(vo,g)の声がアニメティックといってもいいくらいにキュート。これを大人になったご本人が現在聴くとどう思うか?!非常に興味がある。
5 Haircut 100/バスルームで髪を切る100の方法

誰もが一度は経験したことがある「バスルームで髪を切る」という経験を「洗練されたヨーロッパの街並み」を連想するギターポップに乗せて歌う。夢見心地なオルガンやシックなホーン、「カラフルなバルーンが揺れる」ようなワウギターがカラフルな雰囲気を作り出している。(2:30〜)バタついたドラムの連打は平凡な日常に起こったトラブルのようだ。
6 Colour Field

雲の上に乗っているような浮遊感を感じるサイケポップ。小山田コーネリアス圭吾(vo,g)による夢見心地なコーラスで幕を開ける。ミニマムなアコギのフレーズのループが終始鳴り響き、ボーカルラインは珍しく歌謡曲のようである。(1:40〜)中盤以降から登場するオルガンが曲に更なる浮遊感を与えており、終盤は雲が動き出したようなスピード感を感じることができる。
9 Knife Edge Caress

オレンジ・ジュース(Orange Juice)を彷彿とさせる夏休みのようなギターポップ。小沢 健二(g,vo)によるコーラスのかかった清涼感のあるギターサウンドが終始鳴り響き、ドラムはシンプルでミニマムなビートを刻み、ベースはモノトーンな質感で曲を引き締める。言いたいことがたくさんあるけど時間が足りないと言わんばかりに最後まで早歩きのようなテンポ感で進む。
12 Camera Full of Kisses

「何もやることがない日曜日」のような雰囲気のドリームポップ。(2:15〜)何重にも重なる小山田コーネリアス圭吾(vo,g)のコーラスが幻想的な空気感を作りうたた寝を誘う。(3:35〜)「夢の中で見た雲ひとつない青空」のような電子音が曲にカラフルなポップネスを与える。最後は徐々にフェードアウトしてサウンドが薄れていき「終わった」と思った矢先、RPGゲームの隠しアイテムのように「続くストーリの予告編」のようなサウンドが流れる。

洋楽のポップ・ミュージックを日本語でやる洋楽邦楽(感覚で言ってる)の先駆者的なユニット/フリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)。 「60年代ロック」「サイケ」「ネオアコ」「ギターポップ」「ドリームポップ」「ジャズ」「ソウル」などを「無印良品的なミニマリズム」で再構築したような無駄のない良質なポップが彼らの魅力。シンプルなギターポップである1stアルバムと実験的でサイケ

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「日本の個性派バンドって誰かいないかな?!」と考えたところすぐに頭に浮かんできた米米CLUB。大人数のグループかつ多才なカールスモーキー石井(石井 竜也)が率いるグループという事もあり、演劇的なアプローチをするグループだという先入観があったのだが、本作を聴いてその先入観はあっさり砕け散った。

本作には「アジアン」「トロピカル」な世界にトリップできるようなカラフルな音を使った良質なポップ・ミュージックが収録されている。「テクノポップ」「シティポップ」「ファンク」「ニューウェイブ」etc。サビのボーカルメロディーをシンセなどと絡めてBPM以上の体感速度を感じるアプローチは大変興味深く、87年にこれだけの多面的なアプローチをしているグループが日本にいたことに衝撃を受けている。

    「要点」

  • 「アジアン」「トロピカル」な世界にトリップできる
  • BPM以上の体感速度を感じるサビ

「曲解説」

1 Only As A Friend

タイトで淡々としたリズムマシーンが時代を感じるプラスティックな質感のシティポップ。 (0:57〜)サビは低音を強調したリズミカルなダンスビートと清涼感のある炭酸飲料のようなシンセサウンドが重なり、 BPM以上のスピード感を感じることが出来る(2:55〜)「島国の子供たちがはしゃいでいる」ようなパーカッションや人力ブレイクビーツの重なりが挿入されその後はサックスによるソロパートが登場する。
2 sûre danse

アジアンな祭のような雰囲気を醸し出す曲。ウォームなベースリフが終始鳴り響き、ホーンの音色はこの曲に祝祭性を加えている (0:58〜)トロピカルな電子音や空間的なカッティングギターが絡みアジアンな雰囲気が出来上がりサビに突入。サビのボーカルラインはファンキーでノリノリ(1:20〜)人力ブレイクビーツのようなビートと「ハッ、ハッハッ」というコミカルな声が挿入されアクセントになっている。 (2:25〜) 夜の夜景を見ながら独り言を呟くような静かなパートがあり、その後、カラフルなホーンが鳴り響きそのまま曲はエンディングに向けて最高潮を迎える。
3 浪漫飛行

ミニマムな低音が心地よいダンサブルなテクノポップ。(0:40〜)大ヒットも納得の神レベルのボーカルラインが登場。窓から入り込む「そよ風のような」シンセサウンドが曲を柔らかく包みこむ(2:26〜)淡々と流れるビートの上を流星を連想するシンセが流れ、終盤はクラシカルなストリングスも登場し浮遊感を増す展開。
4  Collection

ザ・キュアー(The Cure)のような耽美な質感を感じるPOPチューン。真夏の夜のような静けさをもつ曲だがサビは不思議なスピード感を感じる(0:50〜)ボーカルライン自体は淡々としていて渋いがザ・キュアー(The Cure)風の空間ギターサウンドがスピード感を与えるサビ(1:46〜)少しの間、静寂が流れド派手ホーンソロが登場して終盤は呪文のように「Collection」というワードがリフレインされる。
6 Make Up

複雑でタイトなビートが反復されるファンクチューン。ゴージャスなホーンと煌びやかなシンセがバブルを連想させ、底からドンドンと突き上げるファンクなベースが脳みそを刺激する(1:18〜)サビでは七色のシンセ音色が体感速度を上げ、中盤以降は複雑なビートがよりタイトになりレッドツェッペリンのような「ドラムリフ」がファンクの強度を高める。
8  Hollywood Smile

ジャジーなピアノとソウルフルなボーカルを中心に展開される(1:24〜)どこまでも続く星空のような煌びやかなシンセが静寂を運んでくる(2:00〜)ドラムの連打から生命力の塊のような分厚いホーンソロが鳴り響きそのままエンディングを迎える。
9  Hustle Blood

スライムのように潤ったベースラインが攻めまくるシンセポップ。(0:40〜)ボーカルーラインがカラフルなシンセフレーズと絡むことにより極彩色と化すサビ(2:08〜)煌びやかな光を感じるギターソロが登場。全編を通してニュー・オーダー(New Order)に通じる音の質感。

「日本の個性派バンドって誰かいないかな?!」と考えたところすぐに頭に浮かんできた米米CLUB。大人数のグループかつ多才なカールスモーキー石井(石井 竜也)が率いるグループという事もあり、演劇的なアプローチをするグループだという先入観があったのだが、本作を聴いてその先入観はあっさり砕け散った。 本作には「アジアン」「トロピカル」な世界にトリップできるようなカラフルな音を使った良質なポップ・ミュージッ

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日本におけるギターロックの雛形を作ったボウイ(BOØWY)のラストアルバム「PSYCHOPATH」。今作は「グラム」「パンク」「ニューウェイブ」など様々な音楽からの影響を感じるが、基本的にはシンプルなボウイ(BOØWY)流ロックンロールアルバムであると感じる

アルバムを通してモノトーンで曇ったような空気感が流れ、シンセや電子音などにあまり頼らずに4人の音だけでどれだけのものができるか?!という点にトライしていると思う。ラストアルバムというのは「原点回帰的な作品」か、「贅肉を削ぎ落としたシンプルな作品」となる傾向があると思うのだが、今作は後者に該当する。最後の曲「12季節が君だけを変える」のギターリフはこれ以上削ぎ落とせないところまで削ぎ落とされており、「この4人で出来ることは全てやり尽くした」と宣言するようなラストアルバムとなっている

    「要点」

  • 削ぎ落としたシンプルさ
  • モノトーンで曇った雰囲気
  • この4人で作った最後のアルバム

「曲解説」

1 LIAR GIRL

どんより曇った小雨が降る街角を連想するようなシンプルなロックンロール。イントロでも登場するガラス細工のようなシンセのループが終始鳴り響き、 布袋 寅泰(g)は湿り気を帯びた暗さがあるコードバッキングをリフレイン、リズム隊はシンプルなエイトビートを構築している。(1:42〜)サビは氷室京介(vo)と布袋寅泰(g)による掛け合わせによるボーカルラインだが、メロディーというより言葉のリフのようだ(2:10〜)「目の前がパッと開ける」ような煌びやかなギターソロが登場。終盤はタイトルである「LIAR GIRL」という布袋寅泰(g)のコーラスが何度もリフレインされる。
2 ANGEL PASSED CHILDREN

シャッフルビートが印象的なシンプルな曲で「1 LIAR GIRL」に近い空気感を連想する。ギターはシンプルなバッキングをリフレインしている (1:08〜)クイズに正解したような能天気な効果音の後に氷室京介(vo)による「ニュースキャスターのシャウト」が飛び出し、そしてこれまで黒子のようにバッキングに徹していた布袋寅泰(g)の煌びやなトーンのギターソロが登場する。終盤はリフのように短いサビのボーカルラインが何度も何度もリフレインされる。
4 GIGOLO & GIGOLET

ダークで立体的なギターリフとどっしりしたリズム隊が印象的な曲。サビのボーカルラインはやはりメロディーというよりリフ的なものとなっている。 (1:13〜)少し不穏な響きのするベースソロが登場、アクセントとしてチープなリズムマシンが合いの手を入れる(1:27〜)「うねるアラブの蛇」を連想するアクの強いトーンで奏でられるギターソロがインパクト大。
5 RENDEZ-VOUS (LIVE IN HAMBURG JULY 1987)

氷室京介(vo)と布袋寅泰(g)2人の掛け合いによるサビのボーカルラインがインパクト大。ライブハウスの歓声風SEがイントロやその他の箇所で挿入され、リスナーをライブハウス「HAMBURG」にトリップさせる。(1:58〜)「蛍光塗料が塗られたネズミ花火」のようにくるくると回るギターソロが曲に色彩を与えている。終盤はサビが何度もリフレインされ、歓声風SEで締め括られる。
7 PLASTIC BOMB

タイトなリズム隊とモノトーンな布袋寅泰(g)のギターリフによるノリノリのパンクチューン。インパクト大の名コーラスがサビ以上に目立つ布袋寅泰(g)が主役の曲。(0:13〜)布袋寅泰(g)によるロボット風のコーラスは「リエパパ、リエパパ」と聴こえる。(0:30〜)サビ以上にサビな布袋寅泰(g)によるメロディックなコーラスが登場して、そのままサビに突入。終盤はやはり布袋寅泰(g)によるコーラス「Let’s go」が繰り返しリフレインされる。
8 PSYCHOPATH

布袋寅泰(g)によるクリーンでエッジの効いたカッティングギターが曲を引っ張る。この曲もやはり曇ったモノトーンな空気を支配、曲を通して「メロディックな独り言」のようなボーカルラインが流れる。(2:03〜)壊れたおもちゃのような効果音風のギターソロとギターソロの途中から電撃のような電子音が登場。終盤はモノトーンな空気感にペンキで色を塗るような2度目のギターソロが鳴り響きそのままフェードアウトする
12 季節が君だけを変える

布袋寅泰(g)が氷室京介(vo)に詞の書き換えをはじめて依頼した曲(wiki)で全パートがミニマムで必要な音しか入っておらす見事に削ぎ落とされている。その中でも特に「夢の終わり」のようなシリアスなカッティングギターが秀逸。このフレーズを聴くための曲といっても過言ではない。

日本におけるギターロックの雛形を作ったボウイ(BOØWY)のラストアルバム「PSYCHOPATH」。今作は「グラム」「パンク」「ニューウェイブ」など様々な音楽からの影響を感じるが、基本的にはシンプルなボウイ(BOØWY)流ロックンロールアルバムであると感じる アルバムを通してモノトーンで曇ったような空気感が流れ、シンセや電子音などにあまり頼らずに4人の音だけでどれだけのものができるか?!という点に

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