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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

前作「Atomic Heart」で大ブレイクを果たし音楽シーンの頂点に立った彼らが、自分たちがやりたいことをエゴイスティックにやりきった90年代を代表する問題作。ビジュアルが見える音色の数々で構成された本作を聴いているとまるで名作映画を見ているような感覚に陥る。歌詞の内容は「自問自答」「ノスタルジー」「虚無感」「怒り」「わずかな光」などがテーマであり、前作までに見られた「恋愛」をテーマにした詞はほとんど見られない。

またサウンドも退廃的といってもよいダークさと深さがありタイトルとシンクロしている。フォークロック、プログレ、USグランジ的な壊れた質感、ジャージーな哀愁などがギリギリのラインで見事にポップソングに落とし込まれている。

    「要点」

  • 映画を見ているようなコンセプトアルバム
  • アーティストエゴが爆発
  • 退廃的な雰囲気

「曲解説」

2 シーラカンス

本当に「海の中にいる」ような深さと暗さを感じる曲(0:55〜)前作「Atomic Heart」から90年代US/UKギターロックの影響を感じされるフレーズはあったのだが、このリフはUSグランジに対するミスター・チルドレン(Mr.Children)からの回答といっていい位にグランジテイスト。このグランジギターが曲中終始鳴り響くことになる。歌詞の内容は一言でいうと「ディープな自問自問」といったところだろうか(3:14〜)歪んでいるがとブルーな透明感のあるギターソロが鳴り響き、最後は壊れた質感を増したギターロックのような展開でそのまま3曲目に繋がる。
3 手紙

メランコリックで物悲しいアコースティックバラード。重層なストリングスが「2 シーラカンス」同様に海の中にいるような深さと暗さを醸し出しており、歌詞の内容は「いなくなった者」に対する喪失感とノスタルジーを歌っている。
4 ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~

重い質感であった「2 シーラカンス」「3 手紙」とは異なり少しリラックスした乾いた空気感が心地よい曲(1:57〜)滑らかストリングスとジャジーなピアノが本曲に滑らかな風を吹き込む。
5 Mirror

メルヘンな世界に迷い込んだような浮遊感を感じる曲。キラキラしたキーボードやオルゴールのように聴こえる管楽器がその空気感をさらに助長する (1:33〜)乾いたハーモニカソロが鳴り響きその後はシャボン玉のように透明で揺れるような電子音が登場する。歌詞のほうは古風なフォークソングのようだ
7 名もなき詩

「ジャカジャ〜ン」という勢いのあるコードストロークで始まる名曲。曲を通して乾いた空気感が常に流れており最小限の音数だけで鳴らされたジャージーなギターロックという趣だが、じっくり聴いてみるとドリーミなハーモニカや低音が強調されたホーンが海底で鳴り続いている(1:22〜)ダイナミックかつ大陸的な広がりを見せる神なボーカルラインが登場(4:04〜)これまでのミスター・チルドレン(Mr.Children)では考えられなかったマシンガンのようなラップ風のボーカルラインが飛び出す。歌われる内容は「「人を傷つけてもそこまで悩む必要ないよ」と言いながらもそこまでドライにも無感情にもなれない自分」について。このパートが曲にファンキーなテイストを与えている。最後は、澄み切ったシンプルなギターサウンドをバックに桜井 和寿(vo ,g)が悟りを開いたような愛情論を君に語りかける。
10 マシンガンをぶっ放せ

グランジ化したフォークロックという質感の曲。ありえない事が平然と起こりまくった90年代の空気感を怒りと虚無感が混在した歌詞で見事に表現している。アップテンポな曲なのだが海底で鳴っているシンフォニックなストリングスや雄大なホーンが色んな意味で痛い歌詞を中和させてこの曲をポップソングとして成立させている。
11 ゆりかごのある丘から

LUNASEAの曲に出てくるようなダークなアルペジオや哀愁感漂うアダルトなサックスが退廃的で哀愁のある雰囲気を醸し出す。歌詞の内容は「孤独な者」がノスタルジーな気分に浸る内省的なもので「自分にとって本当に大事なものは何か?!」を深く問いかける内容となっている。桜井 和寿(vo ,g)のボーカルラインは高級なワインのように渋みと甘みがありいつまでの頭の中で反芻し続ける(8:32〜)古いフィルを巻き戻すような音が流れ曲は静かに終わる。本作を象徴するような深くてダークな名曲。

前作「Atomic Heart」で大ブレイクを果たし音楽シーンの頂点に立った彼らが、自分たちがやりたいことをエゴイスティックにやりきった90年代を代表する問題作。ビジュアルが見える音色の数々で構成された本作を聴いているとまるで名作映画を見ているような感覚に陥る。歌詞の内容は「自問自答」「ノスタルジー」「虚無感」「怒り」「わずかな光」などがテーマであり、前作までに見られた「恋愛」をテーマにした詞はほ

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前作までのナイーヴな質感は残しつつ90年代以降の音楽から影響を曲に反映させ始めた作品で、時代が求める空気感に見事にはまりミスター・チルドレン(Mr.Children)史上最高のセールスを記録したアルバム。

「2 Dance Dance Dance」で聴ける歪んだカッティングリフやエフェクトのかかったボーカル、「7 ジェラシー」に流れるアブストラクヒップホップにも通じるダークさ、分厚いシンセサウンドがスピード感を体感できる「11 Round About 〜孤独の肖像〜」など、自分たちが影響を受けた幅広いジャンルをポップ・ミュージックに落とし込んでいる。また前作まではどこか箱庭的にこじんまりとしていた桜井 和寿(vo ,g)のボーカルラインはサビを中心にメロディックになっており一回聴いたら耳から離れない魔力がある。

    「要点」

  • ボーカルラインがメロディックに変貌
  • 90年代的な空気感と見事にマッチしている
  • 「7 ジェラシー」は明らかに異色作

「曲解説」

2 Dance Dance Dance

「散らかった部屋」のような透明で歪んだミニマムなリフが繰り返されるミスター・チルドレン(Mr.Children)風90年代USロックという趣の曲。これまでのミスター・チルドレン(Mr.Children)とは異なる雰囲気でエフェクトのかかった歪んだ声で歌われる「社会風刺」と桜井 和寿(vo ,g)の伸びやかなボーカルラインと春風のようなサウンドが聴くことができるサビが実に対照的だ。
3 ラヴ コネクション

ウォームなギターサウンドが鳴り響くシンプルな曲。シンプルに淡々としヴァースと曲に奥行きと厚みを与える銀座のバーのようなホーンセクションに開放的なボーカルラインが乗るサビによって構成されている(3:36〜)ワウをかけた70年代ハードロックバンドのようなサイケなギターソロが鳴り響く。
4 innocent world

イントロのギターフレーズは「夏の終わり」のようで少しセンチメンタル。仕事に追われて何も起きない平凡な日常のようなヴァースと清涼感のある桜井 和寿(vo ,g)が奏でる「メロウな記憶が走馬灯のように過ぎていく」ようなボーカルラインを持つサビによって構成される。柔らかいそよ風のような爽快感を感じる事ができるポップソング。
5 クラスメイト

シンプルなリズムの上を渋いサックスと水滴のような繊細でクリーンなギターが淡々と鳴り響くアーバンなソウルミュージックのような曲。サビのボーカルラインは派手ではないがしっかりとした熱量を感じる事ができる。
6 CROSS ROAD

「LOVE」と「並ぶ」をかけた言葉遊びもお見事な曲。サビが2個あるような壮大で流れるようなボーカルラインは90年代J-POP/J-ROCK史に残る神ラインだと思う。サウンド的には最小限の音で構成されたアーバンなギターポップといった感じ。
7 ジェラシー

本作中で最も実験的でアブストラクヒップホップに通じるようなダークさと「宇宙にいる」かのような無重力感を感じる曲。ミニマムで軽やかなビートと不穏なうねりを生み出すベースラインが中心となりギターはほとんど入っていない。歌詞はエロ系で心身ともに満たし合ういけない男女関係みたいなイメージ。
8 Asia (エイジア)

タイトル通り「湿度の高い東南アジアの街」にいるような雰囲気を感じる曲であり、抑揚なく流れる川のようなサビのボーカルラインがアジアンテイスト。 ギターリフは「じめっとした空気感」を演出するような重さがある(3:00〜)軽く酔っているような透明なギターソロが異国感を演出(4:30〜)これまでの淡々とした展開が嘘のような桜井 和寿(vo ,g)による 「オォー、オォー、オォー」というメロディックな雄叫びのようなボーカルラインが登場。曲はそのまま静かにフェードアウトしていく。「7 ジェラシー」同様に新機軸といえる1曲。
11 Round About 〜孤独の肖像〜

スポーツに青春を捧げた過去を回顧するような壮大なホーンセクションが印象的。「80年代ギターポップのようなメロウなヴァース」と「分厚くスペーシーなシンセと軽やかなアコギで「マッハのスピードを感じる弾けたサビ」で構成されている曲(3:15〜)サックスソロが始まるがどことなく青春的なメロウさを感じる。シティーポップ的なアーバンさと田舎っぽさが同居している。

前作までのナイーヴな質感は残しつつ90年代以降の音楽から影響を曲に反映させ始めた作品で、時代が求める空気感に見事にはまりミスター・チルドレン(Mr.Children)史上最高のセールスを記録したアルバム。 「2 Dance Dance Dance」で聴ける歪んだカッティングリフやエフェクトのかかったボーカル、「7 ジェラシー」に流れるアブストラクヒップホップにも通じるダークさ、分厚いシンセサウンド

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ハードロックを突き詰めた前作「Brotherhood」から1年後にリリースされた作品「90年代ヘヴィロック」への接近と中国風のメロディーの導入が大きな特徴としてあげられ、またヘヴィネスをより強調するために浮遊感のある音色や展開も多い。これまでとは明らかに質感の異なるノイズサウンドや不穏な空気は、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)やナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)からの影響を感じさせる。

「9 Raging River「14 今夜月の見える丘に」などのボーカルラインは「雨の上海」や「中国の大河」といった景色を連想してしまうような質感をもっており、前作「Brotherhood」同様にハード・ヘヴィなサウンドが主だが、そこにこれまでにない色彩や質感を与える試行錯誤を感じる。

    「要点」

  • USヘヴィッロックからの影響を反映
  • ノイズのようなギターサウンドを積極活用
  • 中国の大河を思わせるボーカルラインを持つ曲がある

「曲解説」

2 Seventh Heaven

SEはロボットが何かを囁いているような電子音。前作ではほとんど聴くことができなかったカッティングギターのリフが登場してBメロのボーカルラインの裏でなるリフはダークでこれまでにない質感のものだ。またイントロやサビ部分ではカラフルなホーンセクションが鳴り響きビーズ(B’z)らしいポップソングに仕上がっている。
3 信じるくらいいいだろう

「2 Seventh Heaven」を聴いて「本作はポップな作品かな?!」と思った矢先、ハードなギターリフとパワフルなドラムが鳴り響く。本曲は終始、ハードでダイナミックなサウンドが鳴り響くシンプルな曲だが、(2:20〜)ギターソロは少しシューゲイザーのようなノイズサウンドになっている。松本 孝弘(g)がこのようなプレイを披露したのは初めてでこれまでどんなサウンドでも「伸びやかでコクのあるギタートーン」を聴かせてくれたので、このギターソロはかなり意外。
4 RING

ギターフレーズとストリングスからなるイントロは「中国の大河」を連想。前作でも登場した空間系でクリーンなアルペジオが曲中で頻繁に登場し神聖な空気感を作り出すしヴァースのボーカルラインも「中国の大河」のようなメロディーを奏でて哀愁があるが、サビのボーカルラインと裏で鳴り響くギターサウンドはパワフルでハードなビーズ(B’z)サウンドとなっている。「神聖で浮遊感のあるパート」と「ハードなビーズ(B’z)サウンド」がクロスしている。
5 愛のprisoner

ガッツリと歪んだヘヴィリフが繰り返され、ボーカルもエフェクトが歪んでいる。サビ前のボーカルラインの裏ではまたもエフェクティブな空間系ギターサウンドが鳴り響き浮遊感を感じるが、サビではパワフルなボーカルラインとヘヴィなギターリフでストレートに攻める。本曲は神聖な雰囲気→ハードサウンドに移行する展開が繰り返される(2:22〜)トム・モレロ(g)/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)を彷彿とさせる暴風のようなエフェクティヴなノイズプレイが登場してその後ギターソロが始まる(2:58〜)これまたトム・モレロ(g)/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)彷彿の鋼鉄を切り裂くレーザーのようなバンギャルドなギターサウンドが登場。ヘヴィなサウンドに+aを追加しようとする創意工夫を感じる。wikiを見ると当時、稲葉浩志(vo)はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)に影響を受けていたらしい。納得。
6 煌めく人

ヘヴィなギターリフがグルグルと回り続ける。この曲では稲葉浩志(vo)がザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)のようなハイテンションでアグレッシヴなラップにトライしている。これまたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)の影響が出ている曲。
7 May

メロディックなピアノの旋律が流れ「シャボン玉の中にいる」ような不思議な揺れた空気感を持つバラード(2:40〜)HIPHOPのビートとDJのスクラッチが登場してその後、ギターソロがプレイされる。ギターソロの音色はこれまでの松本 孝弘(g)のプレイでは聴いたことがない浮遊感があるものになっている。
9 Raging River

「雨の上海」を連想するウェットな響きを感じる大曲。冒頭はクリアなアコギのストロークを中心に展開され、そこに透明感のあるアルペジオや雨のようなピアノのフレーズが乗りウェットな質感を感じる(2:23〜)歪んだノイズ音の登場とともにハードでダイナミックなサウンドに切り替わる(3:10〜)ハードなサウンドがピタリと止まりポツポツと降り注ぐ雨のようなピアノが流れ、その雨音を重厚なストリングスが包み込み展開。そこにオペラ調のゴージャスなコーラスとタイトなリズムが加わる。メロディーラインはどことなく中国風(4:05〜)重厚なストリングスが作り出した不思議空間を天まで届くような光線のようなギターソロが引き裂くがギターソロが終わった後は雨音のようなピアノとしっとりとしたボーカルラインだけの展開となる(5:40〜)歪んだノイズからハードなサウンドに移行するが、ストリングスはずっと鳴り響いてたままなので浮遊感も感じる(6:50〜)最後は冒頭のクリアなアコギのストロークが静かに流れる。
10 TOKYO DEVIL

残像のようなストリート感のあるエフェクティヴSEではじまり、曲を通してジャンクなストリート感を感じることができるハードチューン。インダストリアル的要素を曲に影響を反映させた新機軸である(0:23〜)不穏な雰囲気を醸し出すエフェクトをかけた稲葉浩志(vo)の声と金属的な響きのザクザクギターサウンドがインダストリアル風(0:54〜)うねる煙のようなオルタナ風ギターフレーズも聴くことができる。
13 扉

「宇宙空間にいるような浮遊感を感じるパート」と「時空が歪んだようなヘヴィサウンドのパート」で構成された曲。宇宙空間に「ピィー」という機械音が流れ続け(1:14〜)遠く離れた故郷を思い出すような渋いアコギソロが絡み浮遊感と哀愁を感じる空間ができあがる。「宇宙的な静けさ→ヘヴィなサウンドに移行する際に感じるヘヴィネス」と「ヘヴィなサウンドが宇宙に吸い込まれるような静けさ」という両極端を感じることができる。
14 今夜月の見える丘に

イントロは「中国の大河」を思わせるアルペジオが鳴り響き、「ジャージーで柔らかく空気感のヴァース」と「ハードなサウンドなサビ」という構成になっている。サビのボーカルラインもやはり「中国の大河」を連想する(2:28〜)「梅雨の晴れ間」のようなピアノの調べと「浅い夢」のような揺らめくようなアコギフレーズが絡み安堵感を与えてくれる。終盤はコクのあるギターソロが鳴り響き、その後、サビが連続で繰り返される。最後は「イントロの中国の大河フレーズ」が響き渡り曲は終わりを迎える。

ハードロックを突き詰めた前作「Brotherhood」から1年後にリリースされた作品「90年代ヘヴィロック」への接近と中国風のメロディーの導入が大きな特徴としてあげられ、またヘヴィネスをより強調するために浮遊感のある音色や展開も多い。これまでとは明らかに質感の異なるノイズサウンドや不穏な空気は、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)やナイン・インチ・

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ヘヴィメタルといっても過言ではない位にハードでヘヴィなアルバム。前作「SURVIVE」で見られた「ハードさ」「ヘヴィネス」を更に推し進め、 少しリラックスしたアコースティックな数曲以外はアナログでハードなサウンドで埋め尽くされている。ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加しておりテクニック面でも高度であると思われる、本作はハードロック的な音以外とはあえて距離を置いるかのような印象すらある。

唯一、非ハードロック的な要素として確認できるのは、「3 Brotherhood」「7 その手で触れてごらん」で聴けるような空間的でクリアなギターサウンド この要素はもしかするとV系の影響なのかもしれない?!と推測してみる。 それ位にソングライターである松本 孝弘(g)は幅広く様々な音楽をチェックしているという感想を筆者は持っている

    「要点」

  • ヘヴィメタルアルバムといっても過言ではない
  • ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加
  • 空間系クリーンギターサウンドを導入

「曲解説」

1 F・E・A・R

前作よりタイトでパワフルなドラムが非常に目立つオープニング曲。ヘヴィロックといってもいい位に重低音が効いた歪んだ刻みギターリフが印象的で(2:06〜)稲葉浩志(vo)が相変わらずノリのよいシャウトを聴かせてくれる。本曲は過去のBzの曲で重要な要素となっていた煌びやかなキーボードやシンセ、キャッチーなホーンセクションなどが一切入っていない。
2 ギリギリchop

スラッシュメタルのような時速200kmレベルの疾走感を感じる曲。ギターサウンドは80年代スラッシュメタルのようなザクザクした歪みリフではなく、金属的なギラつきがありながらも松本 孝弘(g)らしいコクのあるトーンとなっている(2:15〜)浮遊感があり高速で回転するUFOを思わせる驚愕のベースソロが登場する。色んな意味で「なんだこのベースソロ?!と思いwikiをみるとまさかのビリー・シーン/ミスター・ビッグ(Mr. Big)(2:21〜)ギターソロもベースソロに負けないテクニカルな内容となっており光沢があるビームのような音色は高崎晃/ラウドネス(LOUDNESS)を思わせる。本曲も終始疾走するハードチューンとなっておりポップなテイストは一切ない。
3 Brotherhood

「神聖な雰囲気のある音色のアルペジオが印象的なパート」と「「乾いた空気感」を感じることができるハードサウンドなパート」で構成されるバラード。派手な歪みギターリフはなく全体のダイナミズムを重視している(4:48〜)ハードなサウンドが「ボタンをポチり」と押したようにガラリと神聖な雰囲気にかわる。この唐突な雰囲気の移行はどことなくオルタナっぽい。
4 ながい愛

LOVE PHANTOMにも通じるような重厚で真っ白なストリングスが流れるが、その空間をギターリフが黒く染め一気にヘヴィロックになる。Aメロ、Bメロ、サビで全て違うギターリフが弾かれるというギターリフオリエンテッドでやりたい放題なハードチューン。「Aメロ/不穏でダークな質感のエフェクティグなリフ」「Bメロ/煌びやかで開放的なラフなリフ」「サビ/ザクザク切り刻むハードリフ」(3:18〜)ハードなサウンドの残響を残す中でイントロでも流れたストリングスが一時流れるが、その空気を次は強烈に歪んだ汽車の音のようなギターサウンドが切り裂く。終盤はストリングとハードなサウンドが同居した展開となる。
5 夢のような日々

SEはプライベートのメンバー会話(wiki)乾いた空気感を感じるアコースティックソングでキラキラしたキーボードやドリームなオルガンがポップ感を与えてくれる(1:51〜)ギタリスト松本 孝弘(g)がサビを歌うというまさかの展開。5曲目にして非ハードロック/非ヘヴィメタルな登場して少しほっとする。
6 銀の翼で翔べ

タイトルからしてハードな曲をイメージするが、やはりハードな曲。うねるヘヴィなギターリフとそのリフの合間を縫うように鳴らされるパンチの効いたホーンセクションがキャッチー(2:18〜)ギターソロと並走する形でブルースハープのソロが鳴り響く。ハードな曲だがキャッチーでポップな質感もある。
7 その手で触れてごらん

「鏡の世界」のような透明感と浮遊感を感じる。U2のような空間系サウンドとダイナミックでハードなサウンドが同居している曲(2:28〜)ヒソヒソ話のような囁きが挿入され一時的に歪みが減少するが、すぐに更にハードになったサウンドが鳴り響き最後まで続く。
8 流れゆく日々

「「誰もいない部屋」のようなクリーンなアルペジオと「散歩」のようなゆったりとしたリズムで構成されるヴァース」と「ザラついた質感のギターサウンドとタイトでパワフルなリズム」で構成されるサビが中心となる。イントロや中間部で挿入されるフレーズは80年代ブリティッシュメタルのような聴いているだけで自分がRPGゲームの主人公になったような錯覚を味わえる叙情フレーズ(3:10〜)縦横無尽に駆け回る稲妻のようなテクニカルなギターソロが登場。全体を通してやはりPRGゲーム的メタル感を感じる曲
11 SHINE

哀愁のフラメンコギター(多分)によるイントロが印象的。その後は、ハードでダイナミックなサウンドに移行して底の方でうねるベースラインがこの曲に浮遊感を与えている(2:42〜)サークルの飲み会のような手拍子と歓声が挿入され、サビのボーカルラインはどことなくラテンの香りがする。本作を締めくくるにふさわしくハードで疾走感のある曲となっている。

ヘヴィメタルといっても過言ではない位にハードでヘヴィなアルバム。前作「SURVIVE」で見られた「ハードさ」「ヘヴィネス」を更に推し進め、 少しリラックスしたアコースティックな数曲以外はアナログでハードなサウンドで埋め尽くされている。ミスター・ビッグ(Mr. Big)のメンバーがレコーディングに参加しておりテクニック面でも高度であると思われる、本作はハードロック的な音以外とはあえて距離を置いるかの

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前作から登場した「グランジの質感」を更に色濃く反映した作品だが強烈な歪みや壊れたようなジャンク感を見せてくれる一方で、エレクトロ音楽的やHIP HOPなどのビート感などを柔軟に取り入れている。

過去最高に「ハード」「ヘヴィ」なサウンドになっておりキャッチーなメロディーでPOPな雰囲気があるのは「7 Do me」位になっている。これまでの彼らの曲はハードなリフが鳴っていたとしても、ボーカルラインのバックではJ-POPのフィールドを意識したサックスやキーボードが曲に色彩を与えていたのだが、「好きな人だけついてきてね」と言わんばかりに本作ではJ-POPフィールドを意識した色彩が圧倒的に少ない。この作品を一言で言うなら「分岐点」だと思う。

    「要点」

  • J-POP要素が少なくハードな作風に移行した分岐点
  • HIP HOPやエレクトロニカ風のビートが登場

「曲解説」

 
1 DEEP KISS

「鞭のようにしなる」強烈に歪んだギターリフが強烈でパワフルなドラムと「脳にくるファンク」なベースからなるリズムも過去最高にハード。静→動のダイナミズムを活かした展開をもっており90年代USグランジからの影響を感じることができる。ダイナミックなサウンドが炸裂するリフオリエンテッドな曲。
  2 スイマーよ!!

サイバーなビートとアーバンでミニマムなベースラインが特徴の曲で電子の海を泳ぐような心地よい重力感を感じる(2:05〜)エイフェックス・ツイン(Aphex Twin)風の切り刻まれるビート(2:18〜)ソニック・ユース(Sonic Youth)風の壊れたノイズなど、これまでのビーズ(B’z)の曲にはまず出てこないサウンドが登場。wikiによるとゲストミュージシャン徳永暁人(b)によるアレンジらしく、見事にゲストミュージシャンの個性と化学反応を起こした曲。
3 Survive

イントロはノスタルジーな気分に浸れる陽炎のようなギターサウンドが流れる。その後は夕暮れの草原のような牧歌的なアコギのストロークとのびやかに歌われるボーカルラインを中心となる構成(2:48〜)機嫌の良い鳥のような快調なシャウトが響き、その後はコクのある伸びやかなギターソロが流れる。終盤はイントロ同様ノスタルジーな雰囲気になり静かに終わる。
4 Liar! Liar!

「迷宮に迷い込んだ」ような立体的な電子音と重低音が効いたビートが曲にスピード感を与えており、ギターサウンドはチューニングを下げて低音が強調されている。ボーカルラインはメロディーというよりハードロックのリフのようで、当時の日本のメジャーシーンの中では異質だったと思われる。曲全体として音の塊を投げつけるようなハードな質感となっている。
6 FIREBALL

グランジ的なヘヴィさとうねり感を前面に押し出した曲。流砂のようにドロっとしたうねるベースラインが混沌とした雰囲気を醸し出しており、ギターサウンドはザラついた歪みサウンドで破壊力がある。初期からのファンはこの曲にどうリアクションを示すのだろうか?!最後まで歪みの残響は残り続ける。
7 Do me

「壊れたおもちゃ」のようなアバンギャルドなギターサウンドで始まり、軽く歪んだカッティングとご機嫌なホーンセクションを中心に展開されるノリノリな曲。本作の中で最もポップな曲でグランジを消化したビーズ(B’z)流ポップソング(2:48〜)最後に「弾き足りない」と言わんばかりに松本 孝弘(g)がコクのある歪みギターを弾きまくる。
9 CAT

アーバンな質感と中国的な哀愁を混在させたようなサウンドは「上海の高層ビル群をすり抜ける髪の長い少年」を連想する(1:25〜)珍しく空間的なクリーンなアルペジオが登場、曲に浮遊感を与えている。アーバンで浮遊感を感じる質感のサウンドとなっているが、対照的に稲葉浩志(vo)のボーカルは相変わらずパワフルでサウンドとボーカルに心地よいミスマッチがある。
11 Shower

SEでは砕けた氷の破片のような音が鳴り、空間的でスローなアルペジオが「雲に乗っている」ような夢心地な浮遊感をリスナーに与える。曲は夢見心地なのだがサビでは稲葉浩志(vo)の力強いボーカルラインが歌われる。「9 CAT」同様にサウンドとボーカルに心地よいミスマッチがある(4:18〜)最後はアンプのフィードックが孤独に鳴り響く。
  12 Calling

イントロはHIP HOPのビートと松本 孝弘(g)のコクのある伸びやかなギターサウンドで構成される(1:08〜)哀愁感漂うピアノの調べとストリングスをバックに稲葉が繊細でエモーショナルな歌を歌い上げる(2:16〜)壮大でエモーショナルなサビのボーカルラインが歌われ、その後に泣き叫ぶようなギターソロが登場。中盤以降もピアノの調べが流れるクラシカルな展開からサビに移行し最高潮を迎える(4:25〜)終盤は転調してイントロのHIPHOPビート×ハードなサウンドが鳴り響き少しずつフェードアウトしていく。HIP HOPのビートとハードサウンドの掛け合わせは、USミクスチャー勢のようなストリート感のあるサウンドになるのだが、ビーズ(B’z)の場合は松本 孝弘(g)独自のギタートーンもあり独自の雰囲気になっている。この曲のイントロはUSハードバンドと日本のハードバンドの比較ネタとして面白い。

前作から登場した「グランジの質感」を更に色濃く反映した作品だが強烈な歪みや壊れたようなジャンク感を見せてくれる一方で、エレクトロ音楽的やHIP HOPなどのビート感などを柔軟に取り入れている。 過去最高に「ハード」「ヘヴィ」なサウンドになっておりキャッチーなメロディーでPOPな雰囲気があるのは「7 Do me」位になっている。これまでの彼らの曲はハードなリフが鳴っていたとしても、ボーカルラインのバ

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