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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

「90年代ヘヴィロック」と「非ヘヴィロック」なジャンルをクロスオーバーさせたサウンドはまさにHybrid Theory。掛け合いのボーカルが奏でる大陸的でエモーショナルなボーカルラインと絶叫、そしてエレクトロニカやポストロックやヒップホップなどを大胆に取り入れたサウンドなどが特徴で言わずもがなヘヴィなリフはほぼ全曲で登場する。

彼らのサウンドを聴いているとヘヴィ系バンドが他ジャンルを積極的に取り入れたというよりかは、エレクトロニカやポストロックやヒップホップテイストを出したトラックをバックにヘヴィなロックバンドが演奏しているというイメージなのである。ベーシックとなるトラックが透明感や荒涼感やアーバンなテクスチャを持っている為、ヘヴィなギターやエモーショナルな絶叫を聴いたあとでも過剰な感じがなく重くない。このあたりの計算も彼らのセオリーに沿ったものなのだろうか?!

    「要点」

  • エレクトロニカやヒップホップなど大胆導入
  • 大陸的でエモーショナルなボーカルライン
  • ヘヴィだが過剰ではない

「曲解説」

2  One Step Closer

ヘヴィなギターリフが終始鳴り響き空間を構築するシンプルな曲。その空間を圧倒的な歌唱力をもつチェスター・ベニントン(vo)のエモーショナルな歌声が響き渡る(1:42〜)一瞬テンポダウンしてDJスクラッチが登場するとこれまでより更にヘヴィになったリフが炸裂。終盤は「Shut up」という絶叫が繰り返される。歌詞の内容は「限界で壊れてしまいそう」という内容。
3 With You

「ピアノの調べをサンプリングした神秘的な静パート」と「ファンキーなDJスクラッチとヘヴィなギターサウンドによる動パート」を交互に繰り返す(2:18〜)アーバンな質感のピコピコなポリリズムが挿入される。終盤はやはりヘヴィなギターリフと激情なボーカルラインが炸裂。
5 Crawling

荒涼とした質感のエレクトロニカ以降の音響が印象的でヘヴィなギターサウンドや大陸的で伸びやかなボーカルラインや絶叫なども当然登場するのだが、冷凍された都会的でクールな質感を感じることが出来る曲。
8 In the End

サンプリングされた物悲しいピアノをフィーチャーな曲。物悲しいピアノの上を都会的でソリッドな音響やスクラッチが踊り、当然、ヘヴィなギターや激情ボーカルも鳴り響くが聴き終わった後に不思議と重たさを感じない。

「90年代ヘヴィロック」と「非ヘヴィロック」なジャンルをクロスオーバーさせたサウンドはまさにHybrid Theory。掛け合いのボーカルが奏でる大陸的でエモーショナルなボーカルラインと絶叫、そしてエレクトロニカやポストロックやヒップホップなどを大胆に取り入れたサウンドなどが特徴で言わずもがなヘヴィなリフはほぼ全曲で登場する。 彼らのサウンドを聴いているとヘヴィ系バンドが他ジャンルを積極的に取り入

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ヘヴィロックの隆盛を象徴するアーティスト/リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)。シリアスなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)とは対立関係にある。筆者はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)ファンなので、正直、本作を聴くまでリンプ・ビズキット(Limp Bizkit)というアーティストにあまり良い印象をもっておらず聴かず嫌いしていたのだが、本作を聴いてポップミュージックとしてヤバイ=「これは売れるだろ」という強烈な納得感を得てしまった。

90年代ヘヴィロック勢はシリアスな表現や音の質感が多く「怒り」「憎しみ」「トラウマ」などが主題であるが、リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)の場合、ヘヴィなギターリフこそ鳴ってはいるが曲全体で見たときに圧倒的にキャッチーで、また歌詞に関しても10代の男の子が好きそうな内容であり、フレッド・ダースト(vo)は親しみやすい声質をしている。ギタリスト/ウェス・ボーランドのシアトリカルなビジュアルもヘヴィロック的なシリアスさに対する一種のカウンターになっていると思う。だが反面、彼らはセールス面で成果を上げたが、そのわかりやすさ故に音楽ファンからは過小評価されている感は否めない。

    「要点」

  • ヘヴィロックを良くも悪くもポピュラーにした存在
  • 1人ビジュアル系ギタリスト/ウェス・ボーランド

「曲解説」

2 Just Like This

DJスクラッチとヘヴィでミニマムなリフが絡むイントロからはじまる。その後は「スライム」のようにプニプニと伸縮するような電子音の上をヘヴィなリフが鳴り響き、そこにフレッド・ダーストのキャッチーなボーカルラインが乗る(2:22〜)テンポダウンしてコミカルなサンプリングボイスが挿入される。親しみやすさ満点の曲で悔しいが売れるのはわかる。
3 Nookie

ブルースのレコードをサンプリングしたような渋いトラックと「ディープでヘヴィなリフをフィーチャーしたパート」からなる曲。フレッド・ダースト(vo)の歌声が親しみやすい声質なのもあり他のヘヴィロック勢より圧倒的にキャッチーで聴きやすい。
4 Break Stuff

コーン(Korn)彷彿のヘヴィリフが鳴り響く中、ストリート感があるアグレッシヴなラップが乗る。中間部でスローなテンポになりリフと一緒に「縄跳びの縄の音」のようなミニマムなループが絡みあい徐々にテンポを上げていく、そこに(1:58〜)ヘヴィリフが鳴り響き畳み掛けるようなアグレッシヴなサウンドが最後まで続く。
5 Re-Arranged

スラップベースとクリーンで透明なアルペジオがリフレインされる(2:27〜)少し憂鬱な昼下がりのようなブルージーなフレーズが登場(3:13〜)ヘヴィなギターサウンドが響き渡りヘヴィな展開になってもこの曲のメランコリックな雰囲気は損なわれていない。最後はワープ音のようなDJスクラッチが鳴り響く中、唐突に終わる。
8 Don’t Go Off Wandering

「古いドアがゆっくりと閉まる」ようなSEが流れ、「浅い夢を見ている」ような浮遊感がある曲。時折、夢から目覚めるようなヘヴィなギターリフが炸裂(3:05〜)フレッド・ダースト(vo)の強烈なシャウトが聴ける。終盤はストリングスと浮遊感あるサウンドが絡み合う展開だがそこに唐突なヘヴィリフが現れ空気感をザクザクと切り刻む。 
11 Trust?

「悲鳴」のようなギターノイズとヘヴィリフが絡んだイントロからはじまり、エフェクトがかかった歪んだラップで攻めまくる曲。(1:53〜)アニメのようなコミカルなボーカルをフィチャーした展開に移行するが、この展開は他のヘヴィロック勢では考えられないキャッチーさがある(2:55〜)ヘヴィな展開になり最後の追い込みと言わんばかりにヘヴィリフで攻めまくる。 
13 Show Me What You Got

「お家芸ヘヴィリフと信号のような効果音を絡めたヘヴィなパート」と「メロウなギターフレーズをサンプリングしたエモいトラック」が交互に繰り返される。

ヘヴィロックの隆盛を象徴するアーティスト/リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)。シリアスなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)とは対立関係にある。筆者はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)ファンなので、正直、本作を聴くまでリンプ・ビズキット(Limp Bizkit)というアーティストにあまり

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シンプルなリズムアプローチはほとんどなく変拍子やトライバルなリズムがデフォルトになっており、90年代ヘヴィ系バンドの中でも有数にクセの強いバンドだと思われる。また電子音楽やマニアックなリズム音楽にも精通しているであろう実験的な音と展開、ヘヴィなギターリフなども聴かせてくれるが他のヘヴィ系バンドと比べると非常にアニアックな印象を持つ。

プログレと一言で言うのは簡単なのだが良くも悪くもとらえどころがなく、「ダイナミックなサウンドになったと思えばすぐにしれっと淡々とした展開に戻る」etc形容や気分の設定が困難な微妙な音色が多く非常にレビュアー泣かせとも言える。正直に言うと一聴しただけではよく分からないというのが本音である。ただし、本作は全米初登場2位を記録したヒットアルバムである。わかる人にはわかるとタイプの音楽なのだろう。

    「要点」

  • 複雑なリズムアプローチ
  • マニアックなヘヴィロック

「曲解説」

2 Eulogy

「グラスを指で叩いた」ような「コツ、コツ」というミニマムテクノ風な音から始まる。そこに「モザイクの掛かったカラスの鳴き声」のような効果音やトライバルな打楽器の音が入るという他のヘヴィー系バンドでは中々、見られることができない展開。「歪んだギターサウンドを生かしたヘヴィなパート」と「様々な効果音やミニマムなアルペジオをフィーチャーした静のパート」を繰り返す曲。
3 H.

ディープに歪んだ残響のようなイントロを経て、微妙に掠れたクリーンなアルペジオが流れる。そしてその上を「メロディーのある祈り」のようなボーカルラインが乗る。本曲もリズム面はトライバルな打楽器風である(2:44〜)ディストーションギターが鳴り響き一瞬ハードなサウンドになるのだが、すぐに元のトライバルなリズムアプローチが淡々と進行するパートに戻る(4:47〜)メイナード・ジェームス・キーナン(vo)のシャウトをきっかけにハードな音が一斉に流れ込み、ギターソロはこれまで抑制していた感情を爆発させるかのうようなノイズギターが炸裂する。
5 Forty Six & 2

ミステリアスでクリーンなアルペジオとオリエンタルな雰囲気のギターフレーズが絡み進行される。やはりボーカルラインはどこか「祈り」のように聴こえる(1:55〜)ヘヴィなリフとシャウトが炸裂。その後は「ヘヴィなパート」と「オリエンタルなパート」がパズルのように組み合わされた展開となる。
9 Die Eier von satan

サイバーな質感の音の断片で構成されるイントロが実験的で「原始の宴を近未来風にアレンジ」したような曲。

シンプルなリズムアプローチはほとんどなく変拍子やトライバルなリズムがデフォルトになっており、90年代ヘヴィ系バンドの中でも有数にクセの強いバンドだと思われる。また電子音楽やマニアックなリズム音楽にも精通しているであろう実験的な音と展開、ヘヴィなギターリフなども聴かせてくれるが他のヘヴィ系バンドと比べると非常にアニアックな印象を持つ。 プログレと一言で言うのは簡単なのだが良くも悪くもとらえどころがな

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「陰鬱」で「ノイズまみれ」で「プログレ」だが「美」を感じる事ができる作品。ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)はインダストリアル的な冷たさと無機質さも持っているが多くの曲でリスナーの感情に訴えかける音の絡みやボーカルラインが存在する。

「ノイズ」や「ヘヴィリフ」が鳴っている時間や頻度は他のヘヴィ系バンドに比べると少ないと思われるが、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)の音楽は破壊的であるという印象をもつ。なぜ?!そのような印象を持つのかというとそれは1つ1つのフレージングが実に「過剰」だからである。

「1 Mr. Self Destruct」で聴けるリスナーの聴覚を狂わせるような「ノイズにノイズにノイズを重ねた」ノイズなどが最も分かりやすい例だと思える。「過剰なノイズ」が鳴り響いた後の静けさは「過剰」である。ぶっ飛んだ音で「狂気」と「静けさ」を表現する。それがトレント・レズナー(vo)というアーティストだと思う。

    「要点」

  • V系アーティストに多大な影響
  • 陰鬱でノイズまみれだがポップミュージックとして成立
  • 聴覚が麻痺るノイズにノイズにノイズを重ねたノイズ

「曲解説」

1 Mr. Self Destruct

タイトルの和訳は「ミスター自己破壊」で本作の凶暴さを詰め込んだようなオープニングナンバー。銃の発砲音と男の「フッ、フッ」という声が繰り返されるSEではじまり「螺旋階段を思わせる渦巻き」のようなノイズが終始鳴り響く(1:40〜)ノイズにノイズを重ねて歪ませたような「壮絶」という言葉がピッタリのサウンドがこれまで以上の激しさでリスナーの耳を刺激するが、突如として「暗い迷路に迷い込んだ」ようなダークな静寂がおとずれる(2:43〜)静寂の中に金属的なノイズがうごめき破壊的な展開を予感させる。その後はノイズにノイズにノイズを重ね合わせてリスナーから耳の感覚を奪うような「ノイズの海」が鳴り響く。そして最後は「電気ネズミ」のように動きまくるノイズが鳴り響き曲は終わる。
2 Piggy

シンプルなリズムとトレント・レズナー(vo)の語りのようなボーカルラインを中心に進行。薄いベールのようなシンセ音と「遠くのほうで炎のように燃え上がる」不穏なノイズが神聖な雰囲気を醸し出す(3:05〜)「突如、何かが壊れた」かのようにリズムがひどく狂いはじめ(3:22〜)ぶっ壊れたリズムの上を「暗闇を照らす僅かな光」のような電子音が淡い旋律を奏でる。しっとりダークな雰囲気の曲で破壊的な音は一切入っていないのだが、曲が終わる頃には激しい音楽を聴いたような錯覚を味わえる。
3 Heresy

浮遊感のあるミニマムテクノのようなフレーズで幕をあけ、そこにホラーテイストのボーカルが不穏なボーカルラインを奏でる(0:50〜)強烈に歪んだ絶叫と共にノイズが鳴り響きラウドな音に切り替わる。金属的でヘヴィな音に支配される凶暴な曲でトレント・レズナー(vo)も度々絶叫するのだがボーカルラインはしっかりと耳に残っている。
4 March Of The Pigs

「行進」を思わせる規則正しいビートがインダストリアル。鬼気迫る絶叫とエフェクトを掛けた声で歌われる「早口の呪文」のようなボーカルラインがインパクト大。早口の呪文歌唱は日本ではhide(X JAPAN(エックスジャパン)に引き継がれている(1:15〜)四つ打ちのリズムとホラーテイストの不穏なシンセが鳴り響く中で唐突、現れる美しいピアノに意表をつかれる(1:25〜)一瞬のブレイクした後、インダストリアルノイズが鳴り響き暴走をはじめる。ノイズと絶叫で全てを破壊し尽くした後にまたしても美しいピアノが現れる。最後はこれまでの絶叫が嘘のようなメランコリックで美しいボーカルラインで締めくくられる。
7 The Becoming

インダストリアル加工されたオリエンタルなテクノポップというイメージ。分厚いベースラインが曲に立体感を与える(2:24〜)鬼気迫るエモーショナルな絶叫が空気を切り裂く(2:46〜) 突如、軽快なアコギフレーズが鳴り牧歌的な雰囲気になる。このままアコースティックな展開が続くかとと思った矢先(3:35〜)「目的地を見失ったタイムマシン」のようにトラブルった電子音が鼓膜を刺激(4:04〜)ゴリっとしたソリッドなリフとヒステリーなボーカルが狂気を演出。その後、再び軽快なアコギフレーズが鳴り牧歌的な雰囲気に戻ると最後は「電子の海」のような柔らかいノイズにつつまれ終わる。
8 I Do Not Want This

冷徹で規則正しいインダストリアルビートの上を耽美的で終幕感のあるピアノ旋律が舞い踊る冒頭(1:04〜)コーン(Korn)と共振するようなヘヴィなリフが登場。そして、その上にまくしたてるようなトレント・レズナー(vo)のボーカルが乗る。美しい旋律とそれを切り裂く破壊的なサウンドがタペストリーのように絡み合う曲(3:35〜)リスナーの脳みそごと吹き飛ばすかのような強烈なノイズが鳴り響き、その後は実験的な歪みとトレント・レズナー(vo)のシャウトによってカオスの様相を呈する。
10  A Warm Place

スティーヴ・ライヒのようなミニマムな音響と「深海」のようなディープな電子音だけで構成された曲。これまでの過剰でノイズまみれの展開が嘘のように透明に輝くクリスタルのようなテクスチャーがある。この曲の有無でアルバム全体の印象は大きく変わったと思われる。色んな意味で救いの1曲。
14  Hurt

透明なアルペジオと空間を震わせる薄いノイズをバックにトレント・レズナー(vo)が美しくエモーショナルなボーカルラインを歌い上げる(3:45〜) エレクトリックで原始的な太いリズムが曲に躍動感を与え(4:30〜) 強烈に歪んだギターサウンドが一瞬だけ鳴り響き曲は激変する。そのギターサウンドはその後不穏なノイズに姿を変え曲を最後まで支配し続ける。アルバム最後の曲だから美しいバラードだろうというリスナーの期待を良い意味で裏切る曲。

「陰鬱」で「ノイズまみれ」で「プログレ」だが「美」を感じる事ができる作品。ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)はインダストリアル的な冷たさと無機質さも持っているが多くの曲でリスナーの感情に訴えかける音の絡みやボーカルラインが存在する。 「ノイズ」や「ヘヴィリフ」が鳴っている時間や頻度は他のヘヴィ系バンドに比べると少ないと思われるが、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch

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金属的なリズムと「冷徹なマシン」を思わせる歪んだギターサウンドが特徴HR/HMとは明らかに異なり「ハード」「ヘヴィ」などという形容詞はあまり似合わない。人の温かさや鼓動を全く感じさせない「無機質で冷たい音像」は破壊を楽しむロボットのような不穏さを感じる。

この「無機質な冷たさ」は80年代ヘヴィミュージックと90年代ヘヴィミュージックを分ける重要なポイントであり、またインダストリアルロックは日本のカリスマ的アーティストやバンドにもインスピレーションを与えており、hide(X JAPAN(エックスジャパン))、BUCK-TICK(バクチク)、THE MAD CAPSULE MARKETS(ザ・マッド・カプセル・マーケッツ)などに多大な影響を与えた。ミニストリー(Ministry)やナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)が築いたインダストリアルな質感がなければ、今日のヘヴィロックシーンは全く別のものになっていたと思われる

    「要点」

  • 金属的で無機質な冷たさ
  • hide、BUCK-TICKなどに多大な影響

「曲解説」

1 N.W.O.

「ドド、ドド」というシンプルなマシンビートの上に「金属を砕いた」ような音やセンサー音が渦巻き不穏な空気を醸し出す。時折、「空気を切り裂く叫び」のようなノイズが鳴り響く曲で80年代メタルには見られない凶暴さを感じるオープニング。
2 Just One Fix

「銃の乱射」のような音が鳴り響く物騒なイントロからスラッシュメタルのようなヘヴィなザクザクギターと「サイレン」のような高音ノイズが鳴り響き、サンプリングされたヒステリーな叫び声が四方八方から聴こえては消える。またボーカルは激しく歪んで「呪縛」のような怪しさがありダークなヘヴィロック的「おどろおどろしさ」ではなく、「不穏」という言葉がピッタリなサウンドといえる。
4 Hero

「人の温かみや鼓動を一切感じないマシン」のような質感の高速スラッシュメタルリフが終始鳴り響き、時折、「Hero!」という歓声のような声が挿入される。中間部では早弾きのギターソロも披露され本アルバムの中で最もメタル要素が強い曲(3:38〜)「早送りしていたビデオテープがピタッと止まった」ような細切れのブレイクが数回入り意表を突かれる。
5 Jesus Built My Hotrod

マシンのようなギターリフが鳴り響き、エフェクトのかかったボーカルはhide/XJAPANに近いものがある。hide/XJAPANはミニストリー(Ministry)に相当影響を受けているに違いない(2:40〜)金属的なマシンビートが強調される展開となり淡々と進行される。終盤は複数のギターが複雑に絡むジャンクで疾走感のあるサウンド。
7 Corrosion

アバンギャルドなノイズと金属的なマシンビートを中心に進行する曲。「野獣の叫び」のような「Corrosion」という凶暴なシャウトを連呼(2:07〜)リズムがバグりはじめ線切りのような「ザザザザ」という高速のリズムが挿入される。この曲でも「不穏なサイレン」のようなフレーズが登場し不穏な空気感を醸し出す。複雑に重ねられた金属的なノイズのぶつかりが最後まで続く。

金属的なリズムと「冷徹なマシン」を思わせる歪んだギターサウンドが特徴HR/HMとは明らかに異なり「ハード」「ヘヴィ」などという形容詞はあまり似合わない。人の温かさや鼓動を全く感じさせない「無機質で冷たい音像」は破壊を楽しむロボットのような不穏さを感じる。 この「無機質な冷たさ」は80年代ヘヴィミュージックと90年代ヘヴィミュージックを分ける重要なポイントであり、またインダストリアルロックは日本のカ

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