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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

ヘヴィメタルでもグランジではないヘヴィミュージックを鳴らしたアーティスト/コーン(Korn)の1stアルバム。

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)やミニストリー(Ministry)と共振する「マシン」のような冷徹さがあり、また地面から湧き出るような7弦ギターによる重低音リフは「音の断片」と言っていい位にミニマムであり、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)以降のストリートテイストな効果音やDJスクラッチ風のフレーズも多く取り入れておりヘヴィさだけではなく90年代的な空気感も感じることができる。ジョナサン・デイヴィス(vo)の狂気的なシャウトは他のボーカリストが真似できない位の痛々しさがある。

    「要点」

  • 7弦ギターによる重低音サウンド
  • 「音の断片」のようなミニマムなリフ

「曲解説」

1 Blind

左右のヘッドフォンから交互に「戦車」のような重低音が鳴り響く中、「ヒステリーな嘆き」のようなジョナサン・デイヴィス(vo)のボーカルラインが登場しておどろおどろしい雰囲気を助長する。ギターリフはフレーズというより「音の断片」と言いたくなるほどミニマムで、グランジ勢との違いは「地面から湧き出すような重低音感」と「90年代的ストリート感」にある(3:53〜)ヘヴィなパートが途切れ淡々としたベース音とサイレンのような効果音が響き渡り静かに終わる。
2 Bail Tongue

立体的なベースのスラップの上をレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)彷彿の短い悲鳴のようなフレーズもがリフレインされ時折、重低音ヘヴィリフが鳴り響く(2:08〜)リズムが急激にテンポダウンしてトリップ・ホップのようなダークでリズミカルな展開になる(2:28〜)ベースの低音がわずかに鳴ったことを合図にミニマムなヘヴィリフが鳴り響き(2:47〜)ジョナサン・デイヴィス(vo)によるエフェクトを掛けた不穏なラップようなボーカルラインが飛び出す。その後はヘヴィリフと「Ball Tongue! 」という狂気じみたシャウトが繰り返される。
3 Need To

打ち込み風のメタリックなリズムアプローチの上を「異常警報マシン」のような冷徹な空間系ノイズギターが鳴り響く(2:11〜)ジョナサン・デイヴィス(vo) の強烈なシャウトから急激にヘヴィな展開になり「冷徹な空間系ノイズギター」は破壊的なノイズに変貌する。ここまで痛々しいシャウトはそうは何度も聴くことはできない(2:45〜)「プツンと糸が途切れた」ように急に静寂になりブレイクビーツが踊り始める。その後はまたも冷徹な空間系ノイズギターが鳴り響くという展開。
4 Divine

「冷徹なロボット」のように正確なリズムソロ(?)ではじまる曲。「無感情で破壊を楽しむマシン」のようなヘヴィリフが鳴り響く(1:32〜)タイトなドラムが鳴り響いた後、最小限のヘヴィネスとジョナサン・デイヴィス(vo)の鬼気迫るボーカルラインで展開される。その後サウンドは加速度的に激しくなり唐突に終わる。
7 Predictable

グルーヴを感じるゆっくりとしたリフがグランジテイスト、本作の中で最もグランジっぽい響きがある曲(1:48〜)マシンが壊れたようなノイズ音と渦を巻くようなノイズギターが鳴り響く。一瞬ドラムとベースだけの静なパートもあるが、その後もヘヴィで渦を巻くようなノイズギターが鳴り続ける。
8 Fake

ブレイクビーツ風のリズムの上を「氷の迷宮」のようなダークなアルペジオが鳴り響く。コーン(Korn)最大の武器であるミニマムなヘヴィリフは当然鳴り響き、静かなパートとヘヴィなパートが交互に展開されたり同居していたりする曲。

ヘヴィメタルでもグランジではないヘヴィミュージックを鳴らしたアーティスト/コーン(Korn)の1stアルバム。 ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)やミニストリー(Ministry)と共振する「マシン」のような冷徹さがあり、また地面から湧き出るような7弦ギターによる重低音リフは「音の断片」と言っていい位にミニマムであり、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Again

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脱退したジョン・フルシアンテの後釜に新ギタリストに元ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)デイヴ・ナヴァロ(g)を迎え作成された異色作。哀愁を帯びながらも力強くファンキーなサウンドは本作でも健在だがハードでソリッドな側面が目立つ作品となっている。

ファンの中では賛否両論があったアルバム。新ギタリスト:デイヴ・ナヴァロ(g)は、本作の作成とその後のツアーを終えレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)を脱退することになるが、本作でしか聴けないサウンドやテンションの曲もあり特にアルバム前半のハイパーなテンションの数曲は、初めて聴いたときは「近未来のようなサイバーさ」すら感じたと記憶している。筆者はレッチリ、ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)ともに好きなので、本作における化学反応は非常に興味深く、正直もう1枚このメンバーでアルバムをリリースして欲しかったというのが正直なところ。

    「要点」

  • 新ギタリストにデイヴ・ナヴァロ(g)を迎えた異色作
  • 本作でしか聴けないハイパーなテンションの曲も存在する

「曲解説」

1 Warped

これまでのレッチリとは明らかに異なる「1人時間差のような面白いタイミング」のハードなギターリフや空間を切り裂くようなメロディックなノイズギターなどが新鮮で本作は新加入した元ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)のデイヴ・ナヴァロ(g)がジョン・フルシアンテ(g)とは異なる特徴を発揮しており、またアンソニー・キーディス(vo)の「音響化された呪文」のようなボーカルラインもこれまでにはない試み(4:02〜)ファンキーだが直線的に攻めてくるリズム隊は前作よりロック的である。
2 Aeroplane

流れるようなカッティングギターとフリーのファンキーなスラップが絡みあう曲。アンソニー・キーディス(vo)によるボーカルラインは耳に残るメロウなものになっており、時折、ワウを使ったミニマムな歪みギターが登場(3:33〜)子供達の合唱によるコーラスが登場するポップな展開に意表を突かれる(3:56〜)コーラスの後ろでデイヴ・ナヴァロ(g)のウォームな質感のギターソロが鳴り響き曲は終わる。
3 Deep Kick

独白のようなシリアスな雰囲気の語りではじまる(1:40〜)落雷のようなエフェクティブなギターサウンドが静寂を引き裂きハイパーなテンションのノリに変貌する。「空気をバサバサと切り裂く」デイヴ・ナヴァロ(g)のギターは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)にハードさをもたらし何が飛び出るか分からない乱痴気騒ぎのような展開に発展するが(5:05〜)突如、激しい展開が嘘のように夕暮れ時のバラード調になりエンディングを迎える。
5 Coffee Shop

ニューウェイブな質感のダークで浮遊感のあるギターフレーズが空間を構築、フリー(b)の攻めまくるファンキーなベースラインは生理的にただただ気持ち良い(1:35〜)デイヴ・ナヴァロ(g)得意のビームのような光線ギターが登場、リズムは民族音楽のような雰囲気を演出(2:30〜)フリー(b)のベースソロは腰にグイグイくるファンキーさもありつつメロディックであり最後はドラムと絡み合い曲を締めくくる。
11 Falling into Grace

今作の中でも最も実験的な曲。アクの強いエフェクトをかけた時空の歪んだような音が何とも言えないサイケな雰囲気を醸し出している。トリップ・ホップのようなダークさと浮遊感がある。ギターソロは「砂漠」を連想するオリエンタルなトーンである。

脱退したジョン・フルシアンテの後釜に新ギタリストに元ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)デイヴ・ナヴァロ(g)を迎え作成された異色作。哀愁を帯びながらも力強くファンキーなサウンドは本作でも健在だがハードでソリッドな側面が目立つ作品となっている。 ファンの中では賛否両論があったアルバム。新ギタリスト:デイヴ・ナヴァロ(g)は、本作の作成とその後のツアーを終えレッ

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名作アルバムが多数リリースされた91年にリリースされた今作はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)というバンド名を聞いて連想する音楽のベーシックが詰まったアルバムとなっている。

哀愁と透明感を感じるギターのカッティングと下からグイグイとファンキーに攻めるベースのスラップとパワフルなドラムからなるリズム隊、アグレッシヴなラップから美しいバラードまでをサラッと歌い上げるアンソニー・キーディスという完璧なバランスがここにはある。グランジ、オルタナ全盛期の90年代前半で彼らのファンクネスは異彩を放っておりそれを見事にポップ・ミュージックに落とし込んでいる点が素晴らしい。

    「要点」

  • レッチリクラシックなアルバム
  • 90年代前半に異彩を放ったファンクネス

「曲解説」

1 The Power of Equality

囁くような「1,2,3,4」というカウントから始まるオープニング曲。透明感のあるクリーンな音色のギターカッティングとその合間を縫ってズンズンと立体感のある音で攻めてくるベースラインそこにアグレッシヴで少しコミカルなアンソニー・キーディス(vo)のラップが絡む(3:03〜) 吹奏楽器を歪ませたような空間的広がりを見せるギターサウンドが登場、「海辺で寝そべっている」ような開放感と直線的なロック感を感じる事ができる。
2 If You Have to Ask

少し歪んだクランチでミニマムなカッティングが終始鳴り響き、サビでは「If You Have to Ask♪」というコミカルな女性コーラスが挿入され曲に開放感とポップ感を与えている(2:30〜)ギターソロはビンテージでコクのあるノイズプレイという感じで「海中の泡」のように煌びやかに揺らめく。ギターソロ後はサンプリングされた歓声が挿入されリズミカルでリラックスしたフリーのベースフレーズで曲は幕を閉じる。
5 Suck My Kiss

これぞレッチリというファンキーな曲だが微かなオルタナ感もある。輪郭のはっきりした太い音色でプレイさせるミニマムなギターリフとタイトで躍動感のあるリズムアップローチが絡む(2:25〜)ギターソロは壊れた質感のノイズプレイとった趣で歪んだトランペットのようにも聴こえる。
6 I Could Have Lied

「雨上がりの早朝」のような透明感とメランコリックな雰囲気を感じるアルペジオと「冷静な語り」のようなアンソニー・キーディス(vo)のボーカルが中心となり展開される。時折、挿入される透明でタイトなコードストロークがアクセントになっている(1:57〜)「梅雨」のような湿った質感と枯れた音色が同居しているかのようなギターソロが聴ける。
9 Give It Away

レッチリクラシックなファンクソングに電子音で色彩をつけてポップなテイストを加えている曲。「舌がもつれそうな早口」で連呼される「Give it away give it away give it away now」というフレーズは不思議なキャッチーさがあり(1:44〜)浮かんでは消える蜃気楼のようなサイケな電子音が少しオリエンタルな雰囲気を醸し出している。
11 Under the Bridge

哀愁漂うブルージーさと透明感が同居した雰囲気の曲。そこにアンソニー・キーディス(vo)のしっとりした歌声が絡み、過去の自身の過ちに対する後悔とそれでも自分を見捨てないでいてくれた天使の街(LA)に対する愛情を歌っている。

名作アルバムが多数リリースされた91年にリリースされた今作はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)というバンド名を聞いて連想する音楽のベーシックが詰まったアルバムとなっている。 哀愁と透明感を感じるギターのカッティングと下からグイグイとファンキーに攻めるベースのスラップとパワフルなドラムからなるリズム隊、アグレッシヴなラップから美しいバラードまでをサラッと歌

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グランジ・オルタナ系ギターバンドの中で最も「耽美」「浮遊感」「メルヘン」という形容が似合うアーティストであり、ハードなギターサウンドをフィーチャーしたサウンドではあるのだが、他のUSグランジ・オルタナ勢に見られるような「ヘヴィネス」や「グルーヴ」といった要素はあまり感じられず、直線的な轟音がなんとも言えない浮遊感を醸し出している。

「静」→「動」のダイナミズムを生かしたサウンドも得意とするバンドではあるが、真骨頂やはり「破壊的な轟音」と「メルヘンな質感」を同居させる事にあり、「轟音ニューウェイブ」と言いたくなる独自の音楽であると言える。ビリー・コーガン(vo)の特有のダミ声は「轟音ニューウェイブ」と奇跡の相性をみせ、どれだけ轟音を重ねても不思議な浮遊感を感じる一つの要因になっている。

    「要点」

  • 「耽美」「浮遊感」「メルヘン」を感じるハード系バンド
  • 「轟音ニューウェイブ」と言いたくなる独自の音楽

「曲解説」

1 Cherub Rock

これから始まる激情を予感させるマーチ風のシンバルではじまり、ニルヴァーナ(Nirvana)やサウンドガーデン(Soundgarden)etcとはやや異なる少し「金属的なきらめき」を感じることができるギターリフが鳴り響くが「ヘヴィ」という印象ははなく「轟音」という表現がぴったりのサウンド。タイトル和訳は「天使のロック」おそるおそる歌詞の和訳を見てみるとファンタジーな内容ではなく生々しい音楽産業批判であった。
2 Quiet

SEは「センサーが不法侵入者の発見を知らせる」ような不穏な残響音。その後は「地に張り付く砂鉄」のような重低音リフが終始鳴り響く (1:50〜)ブラックホールに吸い込まれるような音の後にこれからの爆発を予感させる手数の多いドラムフレーズが鳴り響き(2:02〜)「空気をナイフで引き裂く」ような金属的でエフェクティヴなギターソロ飛び出す。
3 Today

日本のミクスチャーバンド「ドラゴン・アッシュ(Dragon Ash)」がヒットシングル「Grateful Days」のイントロで本曲のアルペジオをサンプリングしている事でも有名。おとぎ話のような少しセンチメンタルなアルペジオが終始鳴り響くが、メインリフはそれとは対極の地を這うような轟音となっている。両極端なフレーズが見事に絡み、油絵のような浮遊感を感じる事ができる。
4 Hummer

ヒップホップ風のリズムに激しいモザイクような音が絡んだようなSE(0:55〜)異なる音色がハモるツインギターは轟音だがやはり浮遊感を感じる(1:18〜)透明でクリアなアルペジオは同時期のグランジ・オルタナバンドではあまり聴けない。その後は「透明でクリアなパート」と「油絵のような轟音」パートを交互に繰り返す(4:30〜)流れるようなアルペジオはメランコリックさが強調されており、特に後半は「水面に広がる波紋」のような美旋律が堪能できる。
6 Disarm

柔らかいアコギのコードストロークとストリングスとビリー・コーガン(vo)の歌声だけで構成される壮大な曲。本曲におけるビリー・コーガン(vo)のボーカルはエモーショナルでセンチメンタル。ボーカルラインの美しさは筆者がこれまで聴いた全ての曲の中でもトップ10に入る位の神ライン。教会の鐘を思わせる音もセンチメンタルな雰囲気を助長する。
7 Soma

「何も起きない平凡な日常」のような淡々とした静かなアコギの音色が心地よく、そこにビリー・コーガン(vo)の繊細なボーカルラインが加わる(2:25〜)徐々にボーカルラインに抑揚がつき始め平凡な日常に色彩が加わる(3:30〜)轟音ギターサウンドが鳴り響きグランジサウンドに変貌(6:00〜)全ての感情を放出した後のような静けさに包まれ「浅い夢」のようなメルヘンなメロディーが流れる。
11 Silverfuck

ブラッシングノイズをうまく取り入れたザクっとした質感のノイズギターがメインリフ(1:00〜)テンポダウンして原始的なリズムとビリー・コーガン(vo)の囁くような歌声だけで構成される展開に移行するが(1:37〜)直線的なギターリフが鳴り響き一気に熱量マックスのグランジサウンドに変貌。鳴り響くフィードバックノイズが凶暴な雰囲気を演出(3:02〜)世界の果てを思わせる静寂に包まれエフェクティブなノイズの断片が挿入されるが(6:46〜)ハードな展開に戻りその後は視界に映る全てを木っ端微塵に破壊するようなノイズの渦に包まれる。
12 Sweet Sweet

ニューウェイブ直系のガラス細工のような透明で耽美的なギターサウンドとビリー・コーガン(vo)による「淡い炎」のようなボーカルラインのみで展開される浮遊感あるの曲。ほとんど全ての曲に言える事だが異なる世界観や質感を1曲の中に同居させている。

グランジ・オルタナ系ギターバンドの中で最も「耽美」「浮遊感」「メルヘン」という形容が似合うアーティストであり、ハードなギターサウンドをフィーチャーしたサウンドではあるのだが、他のUSグランジ・オルタナ勢に見られるような「ヘヴィネス」や「グルーヴ」といった要素はあまり感じられず、直線的な轟音がなんとも言えない浮遊感を醸し出している。 「静」→「動」のダイナミズムを生かしたサウンドも得意とするバンドで

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「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合という発明が詰まった作品。80年代にも「ヒップホップグループ」とHR/HMバンドとの合体はあったがグランジ以降の壊れた質感と90年代的なストリート感をもった「ハードなギターサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合は彼らが元祖だと思われる。

スタイルとしてのラップというより怒り狂ったラディカルな言葉を吐き出す為の「手段としてのラップ」という印象を受けるし、また彼らの怒りや焦燥感を表現するためには「ハード」で「ヘヴィ」なサウンドは必然だと思われる。要するに彼らのサウンドスタイルは「音楽的な斬新さ」を求めた探求の結果ではなく、自分たちのやりたいことを最も自然な形に落とし込む為の結果論と言っていいと思う。本作のリリース後、彼らのスタイルの表層部分を真似たバンドが大量発生したが、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)の持つ空気感やテンション迫るバンドは存在しない。

    「要点」

  • 「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合
  • モノマネバンドが大量発生
  • 鋼鉄リフと特殊でアバンギャルドなギタープレイ

「曲解説」

3 take the Power Back

ブンブンとしなる分厚いベースラインとその合間を縫うように展開されるギターリフを中心に展開される。ギターソロは「スプリングのおもちゃ」を連想するユニークなタイミング(5:05〜)一時の静寂の後に訪れる本曲最大の見せ場。一層ハードさを増すサウンドと「撃ちまくるマシンガン」のようなザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)のアグレッシヴなラップが炸裂。
4 Settle for Nothing

広い荒野のような静けさに不気味なサイレンのような音が鳴り響くイントロ(0:40〜)あえて抑制しているかのような単調なアルペジオが流れ、その上を「怒気を含む語り」のようなラップが乗る(1:00〜)これまでの静けさを吹き飛ばすような怒り狂っている絶叫とタイトなドラムが鳴り響く。「静寂」と「怒り狂ったサウンド」が交互に繰り返されるグランジ的展開の曲。1回目の「怒り狂ったパート」ではギターは一切登場しないが特殊系ギタリスト/トム・モレロ(g)がこのまま大人しくしているわけもなく、2回目3回目の「怒り狂ったパート」で「この世の終幕を告げる狂ったサイレン」のようなヤバイ音を聴かせてくれる。
5 Bullet in the Head

「鋼鉄を簡単に引き裂く真っ赤なレーザー」のようなエフェクティヴなリフや「瞬間移動」のような「ピィーピィー」というシュールなギタープレイと武装化した70年代風ハードロックリフの対比が面白い曲(4:28〜)一層アグレッシヴになるサウンドの中、ザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)が「Bullet in the Head」(頭の中の弾丸)というフレーズを怒り狂ったテンションで連続シャウトする。最後は「24時間稼働でミサイルを作り続ける工場」のようなタイトなリズムで終わる。
7 Wake Up

退廃的なストリートのような空気感をもつ曲。早口で甲高いアグレッシヴなラップと狂ったように繰り返される「Wake Up」というシャウトなど本曲でもザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)は暴れまくり、そしてやはり怒っている。DJのスクラッチのようなプレイや「難解なパズル」のようなモザイクがかったギターソロは必聴。曲の最後には「死ぬまで一生追いかけてくる冷徹なレーザービーム」のようなアバンギャルドの極致と言えるギターサウンドが鳴り響く。
10 Freedom

耳に残るメインリフと鋼鉄のリズムがシンプルにリフレインされる。ギターソロの後はメインリフに変化が見られ「これまでのリフ」を逆さにして弾いているかのうようなフレーズとなる(3:43〜)一瞬の静寂の後「これからが本番」と言わんばかりにラウドになるサウンド。最後は「Freedom Yeah」という壮絶な絶叫とバグりまくったハウリングで締めくくられる。

「ハードなサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合という発明が詰まった作品。80年代にも「ヒップホップグループ」とHR/HMバンドとの合体はあったがグランジ以降の壊れた質感と90年代的なストリート感をもった「ハードなギターサウンド」と「アグレッシヴなHIP HOP」の融合は彼らが元祖だと思われる。 スタイルとしてのラップというより怒り狂ったラディカルな言葉を吐き出す為の「手段としてのラッ

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