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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果278件

カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

91年に発表されたメタリカ史上最大の問題作。91年は音楽史の中でも後続のアーティストに影響を与えた作品が多数リリースされたターニングポイントと呼べる1年でアメリカ国内では商業主義なHR/HMに対するカウンターとしてグランジ・オルタナ勢が勢いを増し確実にトレンドが一変した。

本作「Metallica(Black album)」はグランジ的な「陰鬱さ」「生々しさ」を取り入れつつもこれまでのメタリカ(Metallica) が得意としていた緩急のつけ方の巧妙さは失われてはいないという「非常にバランスの良い」サウンドになっている。

初期衝動を叩きつけた1st キル・エム・オール – Kill ‘em All (1983)、プログレッシヴな展開を印象的な2nd ライド・ザ・ライトニング – Ride the Lightning (1984)、前作をさらに洗練させた3rd メタル・マスター – Master of Puppets (1986)、メロディックな要素を取り入れた メタル・ジャスティス – …And Justice for All (1988)。1st~4thアルバムの中でも彼らは常に進化してきたのだが、ここまでドラスティックな変化が起きている作品は今作が初となる。彼らの専売特許とも言える「ダッ、ダダッ、ダダダッ」と硬質な高速リフで畳み掛けるスラッシュメタルもプログレッシグな転調も前作で見られたような中世的な叙情性も今作にはない。またテクニカルなギターソロも最低限に押さられている。本作はバリエーション豊かなアルバムではなくむしろアルバムを通して統一された空気感が常に流れ続ける。ヘヴィーで少しオリエンタルな雰囲気は「砂漠に現れた巨大な渦」の様。

本作ではほとんど全ての曲がスローで「呪縛」のようなギターリフが主体となっている。「4 The Unforgiven」「8 Nothing Else Matters」などのように今までのメタリカの作品にない「バラード調」の曲やベースがメランコリーなフレーズを淡々と刻む11 My Friend of Miseryなどは新機軸と言える。彼らの今作での挑戦は時代のトレンドとも合致してバンド史上最高のセールスを記録する事となりまた90年代におけるのヘヴィネスの1つの基準ともなった。

    「要点」

  • 問題作でありながらメタリカ(Metallica)史上最も売れたアルバム
  • グランジ・オルタナと共振したスローでヘヴィなギターリフ

91年に発表されたメタリカ史上最大の問題作。91年は音楽史の中でも後続のアーティストに影響を与えた作品が多数リリースされたターニングポイントと呼べる1年でアメリカ国内では商業主義なHR/HMに対するカウンターとしてグランジ・オルタナ勢が勢いを増し確実にトレンドが一変した。 本作「Metallica(Black album)」はグランジ的な「陰鬱さ」「生々しさ」を取り入れつつもこれまでのメタリカ(M

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メタリカ通算4枚目のアルバム。ジャケットデザインのイメージ通り、初期のザクザクした音色ではなくコクがあり重層でクラシカルな音色が中世ヨーロッパの古城や名作RPGゲームの戦闘シーンを連想できる。

初期の荒々しい彼等のサウンドには気薄であったメロディックさがある。前作「メタル・マスター」(Master of Puppets)で「スラッシュメタル」の文脈でやりたい事は全てやったのではないか?!という印象を持ったのだが今作「…And Justice For All」で「スラッシュメタルマスター」の域に達し、スラッシュメタルの文脈においてはもう進化も深化もしないというところまで行き着いたのだと思う。そんな彼らは91年にアンダーグラウンドシーンから出てきた「スローなヘヴィネス」と共振する問題作をリリースして賛否両論を巻き起こすことになる。

    「要点」

  • スラッシュメタルの文脈でやりたい事は全てやった感を感じる
  • 名作RPGを連想する重層でクラシカルな音色

「曲解説」

4 One

彼らの楽曲の中でもおそらく指折りに名曲だと思われる。前作「Master of Puppets」収録「Battery」同様に叙情的で静かなパートからはじまる。Batteryは「静かなイントロ」→「激しいメタルサウンド」に変貌するというインパクト大の楽曲であったがOneは叙情的で美しいアコースティックアルペジオが曲の折り返し地点まで続き(ソロまで飛び出す)「この曲はアコースティックな曲なんだな」と本気で思いかけた時、その空気感を切り裂くようにディストーションギターが登場し徐々に熱量を上げていく。そしてラスト2分半は初期よりヘヴィになった音でガチガチのスラッシュメタルに変貌する。静かなイントロから激しいメタルサウンドに変貌する曲や90年代に一大トレンドとなった「動」(ラウド)→「静」(クワイエット)→「動」(ラウド)的な展開の曲なども多数聴いた事はあるのだが、個人的にはここまで振り幅の激しい曲を聴いた事がない。冒頭の「幼少時代の美しい原風景のような世界観」が曲が終わる頃には「阿修羅によって破壊された都」になっている。
8 To Live is to Die

非常にインパクトのある曲で「4 One」同様に美しくアコースティクなアルペジオから始まるが「ドッドッドッドッ」という歪みがあらわれるのを合図にスローでディープなメタルサウンドに変貌するのだが曲の中間部では「幼少期の思い出」のようなオルゴールが鳴り響くという構造。

この曲を聴いていると90年代RPGゲームによくあった「のどかで何もないが平和な村がある日巨大なドラゴンにより壊滅させられた。そんな中で一人だけ生き残った少年が後に勇者となる」このような話が頭の中に浮かんでくる。90年代RPGゲームの戦闘シーンは今にして思えば、スラッシュメタルやメロディックスピードメタルな音が完全にメインであり、ストーリーの展開も「破壊」「哀愁」などが複雑に絡んでいた。当時のRPGゲーム関係者には熱心なメタルファンが多いのでは?!と思われる。
9 Dyers Eve

高速ユニゾンが印象的な「待ってました感」のあるスラッシュメタルチューン。1stアルバムのスラッシュメタルが単車での暴走ならば本曲はサラブレッド100頭の突進のような破壊力を感じる。



メタリカ通算4枚目のアルバム。ジャケットデザインのイメージ通り、初期のザクザクした音色ではなくコクがあり重層でクラシカルな音色が中世ヨーロッパの古城や名作RPGゲームの戦闘シーンを連想できる。 初期の荒々しい彼等のサウンドには気薄であったメロディックさがある。前作「メタル・マスター」(Master of Puppets)で「スラッシュメタル」の文脈でやりたい事は全てやったのではないか?!という印象

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3rdアルバムにして帝王の風格すら漂い「スラッシュメタルの文脈」においてやりたい事は全てやりきったのでは?!と思える内容となっている。「叙情的」であり「ヘヴィ」であり「プログレッシブ」。「分かりやすいプログレッシブさ」であれば前作に軍配が上がるが今作はより自然な形で一筋縄ではいかない楽曲を生み出している。ギターソロは中世ヨーロッパに建てられた「古城が頭に浮かぶ」ような重層な音色が印象的。

筆者はメタルというジャンルは「変化を好まず色んな意味で様式を楽しむものだ」と誤解していたが、メタリカ(Metallica)は作品ごとに常に前進し続けている。彼らの凄いところは激しい曲やヘヴィーな曲をボーカル・ギター・ベース・ドラムというミニマムな構成音の中での緩急や創意工夫で意外性を追求しているところにあると思う。

まさに絶頂期で充実の時を迎えていた彼等は今作の発表から数ヶ月後にベーシスト:クリフ・バートンを交通事故で亡くす事となる。コンポーザーとしてプレイヤーとしてバンドに大きく貢献していた彼の存在は絶大であり、2nd 3rdの「プログレッシブ」「叙情的」などの要素はクリフ(b)がバンドにもたらしたものだと言われている。次作以降彼等はどのように変化するのだろう?!

    「要点」

  • 「叙情的」で「ヘヴィ」で「プログレッシブ」
  • ベーシスト:クリフ・バートンが参加した最後のアルバム

「曲解説」

1 Battery

前作のオープニングソング同様に「静イントロ」から突如激しくタイトな曲調に変貌する曲。物悲しいアルペジオからスラッシュメタルに変貌する「XJAPAN」の名曲「紅」はこの曲からヒントを得たアレンジなのかもしれない。それ位に後続のバンドに影響を与えたインパクト大の曲。
2 Master of Puppets

8分の大曲。「静パート」では叙情的ともいえる哀愁感が漂い今までの彼らにはない音色のギターソロが飛び出す。「静のパート」の後は「原始の宴」のような雰囲気の中でジェイムズ・ヘットフィールド(vo)が「マスター」「マスター」と連呼する。これまでの彼らの曲で最も多面的な要素が盛り込まれた曲であり曲中全くダレることなく体感で「5分位の曲」に感じる。
8 Damage, Inc

ラストの曲で「待ってました!」な彼等らしい高速スラッシュメタルチューン。前作、前々作より更にヘヴィーになっている。

3rdアルバムにして帝王の風格すら漂い「スラッシュメタルの文脈」においてやりたい事は全てやりきったのでは?!と思える内容となっている。「叙情的」であり「ヘヴィ」であり「プログレッシブ」。「分かりやすいプログレッシブさ」であれば前作に軍配が上がるが今作はより自然な形で一筋縄ではいかない楽曲を生み出している。ギターソロは中世ヨーロッパに建てられた「古城が頭に浮かぶ」ような重層な音色が印象的。 筆者はメ

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初期衝動の勢いで怒涛のスラッシュメタルを連発した1stアルバム「Kill ‘Em All」から+aで様々な創意工夫が施されており、リスナーを「楽しませる」「飽きさせない」という意識を強烈に感じるメタリカ(Metallica)の2ndアルバム。

「メタリカ=スラッシュメタル」という印象を強烈に与えた1stアルバム「Kill ‘Em All」。その先入観を最大限活かしてリスナーに「アレっ?!」「ンン?!」という心地よい違和感を与えつつ「ハードな音をよりハード」に聴かせている。アコースティックパートからスラッシュメタルに変貌する「落差の激しいプログレッシヴなアプローチ」は以降、スラッシュメタルのアレンジの王道となる。

    「要点」

  • 意外性のあるプログレッシヴな展開を導入している/li>
  • ハードな音をよりハードに聴かせる様々な創意工夫

「曲解説」

1 Fight Fire with Fire

0秒〜30秒までは「本当にメタリカのアルバムなのか?!」と心配になってしまう程、「のどかな田園風景」を連想するアコースティックな展開だが、そこはやはりメタリカ。シンバルの音が徐々にボリュームを上げていき「これから本番が始まるぞ」と言わんばかりの空気感が出来上がると突如、スラッシュメタルに変貌するというインパクト大の展開で傑作であった1stアルバムから更に1歩進むのだと宣言するかのような1曲。
4 Fade to Black

前半は物悲しいアコースティックバラードで後半はスローでグルーヴィーなメタルというな構造で、かなりのこだわりを感じる事ができる1曲。
6 Escape 7 Creeping Death

前作の流れを色濃く反映しているこれぞメタリカ!というハードなスラッシュメタル曲だが、全体的に音が太くなっておりザクザクしたスラッシュメタルなギターリフの登場頻度は明らかに減っているのだが前作同様の体感速度を味わえる。
8 The Call of Ktulu

冷たいアルペジオが印象的で様々な情景が浮かぶインスト。激しく振り切る訳でもなくクールな訳でもないという、なんとも不思議な印象を受けるプログレッシブな曲。

初期衝動の勢いで怒涛のスラッシュメタルを連発した1stアルバム「Kill ‘Em All」から+aで様々な創意工夫が施されており、リスナーを「楽しませる」「飽きさせない」という意識を強烈に感じるメタリカ(Metallica)の2ndアルバム。 「メタリカ=スラッシュメタル」という印象を強烈に与えた1stアルバム「Kill ‘Em All」。その先入観を最大限活かしてリスナー

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6弦5弦を多様した「ダッ、ダダ、ダダダ」というこれぞスラッシュメタルという刻みリフで埋め尽くされた衝撃のデビューアルバム。全編にわたり「リフ」「リフ」「リフ」の嵐。ギターリフはメロディーを口ずさめて脳内にインプットされる類のものではなくミニマムで、「破壊を楽しむ冷徹なロボット」のように曲に鋭利さと力強さを与えている。

「5 Pulling Teeth」のようにマニアックなエフェクターを活用した音響的なアプローチの曲もあるが、それ以外は終始高速のスラッシュメタルで埋め尽くされている。だがしかし、「同じような曲ばかりで飽きる」という感情は全くと言っていいほどに感じる事はなく、「音を聴いて楽しむ」というよりかは、まるで「ジェットコースターに乗っている」ようなもしくは「誰もいない夜道を自転車で猛スピードで走っている」ような感覚を味わえる。単調なクリーンアルペジオも取り入れており「7 Phantom Lord」などは「クリーンなアルペジオが登場した段階」で、「この後は速くなるんでしょ?!」と頭で考えてしまうのだが、その浅はかな思考を大音量でミニマムなリフがいとも簡単に吹き飛ばし、またその激しい音が「静けさの前」よりも更に激しくそして速くなって迫ってくる。

ギターソロはとんでもなくテクニカルでシンプルでミニマムなリフとは対照的で「連射されるレーザービーム」を連想させるフレーズが多い。なぜ?!メタリカ(Metallica)が日本のヘヴィメタルバンド「ラウドネス(LOUDNESS)」の高崎晃をスカウトしたのかがよく分かる。 本作はデビューアルバムなのだが、「完璧以上に完璧なスラッシュメタル」のアルバムだと思う。

    「要点」

  • 全編にわたり「リフ」で覆い尽くされた鬼のスラッシュメタルアルバム
  • ハードコアパンクが好きなら本作が最高傑作

6弦5弦を多様した「ダッ、ダダ、ダダダ」というこれぞスラッシュメタルという刻みリフで埋め尽くされた衝撃のデビューアルバム。全編にわたり「リフ」「リフ」「リフ」の嵐。ギターリフはメロディーを口ずさめて脳内にインプットされる類のものではなくミニマムで、「破壊を楽しむ冷徹なロボット」のように曲に鋭利さと力強さを与えている。 「5 Pulling Teeth」のようにマニアックなエフェクターを活用した音響

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