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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
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カテゴリー「全てのレビューを見る」のレビュー

「1 TONIGHT」
極限までシンプルにそぎ落とされたギターリフは「これまでのルナシー(LUNA SEA)」にはないタイプのもの。「はじめてギターやベースに触れたあの日」のような「初期衝動」をテーマにして作られたサウンドであると思われ「ルナシー(LUNA SEA)的様式美」を完全に破壊している。

歌詞は「乾き切る前にとにかく動け!」とリスナーに行動を促すものであり、繰り返し歌われる「君だけの」というフレーズは、「何もない俺たちでもこうやって成功できたんだから君たちにもできる」と繊細なティーンエイジャーの背中を押す。この曲に登場する「キミ」とは自分たちを支持してくれた10代であり、またかつてのJ(b)自身のなのであろう。

J(b)は「この曲聴いて何も感じなかったらそれでいいや」と語っている(wiki)事から自身が作曲した神曲「ROSIER」同様に自身のキャリアの中でも「特別な曲」として大事にしているのであろう。

この曲で聴く事ができるRYUICHI(vo)のボーカルは非常にパワフルで曲のダイナミズムを引き出している。ソロ活動以前のRYUICHI(vo)が歌えばおそらく違和感が半端ないであろう。

ボーカルの事に関して筆者は専門的な事はよく分からないが、テクニックでは超える事ができない「ある種の壁」を超える為に彼はソロ活動以降、劇的に歌唱法に変化させたのではないだろうか?!そんな気がする。

「2 be gone」
「初期のダークチューンをモダンにアップデートした」ようなミドルテンポの曲で「醜い毒」「病んでいる」など「昔のRYUICHI」がチョイスしそうなワードも登場する。SUGIZO(g)のギターはサビ裏で「歪な乱反射」のようなフレーズを奏でている(3:40〜)突如、SUGIZO(g)とINORAN(g)による即興ラテン調のアコースティックパートが始まる。SUGIZO(g)が奏でる旋律は非常に美しくそしてテクニカルである。

    「要点」

  • ・「1 TONIGHT」・・・「はじめてギターやベースに触れたあの日」のような「初期衝動」をテーマにして作られたサウンドであると思われ、 「ルナシー(LUNA SEA)的様式美」を完全に破壊している。
  • ・「2 be gone」・・・「醜い毒」「病んでいる」など「昔のRYUICHI」がチョイスしそうなワードも登場する。

「1 TONIGHT」 極限までシンプルにそぎ落とされたギターリフは「これまでのルナシー(LUNA SEA)」にはないタイプのもの。「はじめてギターやベースに触れたあの日」のような「初期衝動」をテーマにして作られたサウンドであると思われ「ルナシー(LUNA SEA)的様式美」を完全に破壊している。 歌詞は「乾き切る前にとにかく動け!」とリスナーに行動を促すものであり、繰り返し歌われる「君だけの」と

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「1 gravity」
ルナシー(LUNA SEA)らしい退廃的な質感を残しつつも、これまでにはない「色鮮やかさ」を感じさせる名曲で曲そのものから「雨の匂い」を感じる事ができる。

歌詞はINORAN(g)が中心となって書かれたもの(wiki)らしく「置き忘れたアスファルト」なるワードに破格のセンスを感じる。またRYUICHI(vo)のボーカルはアルバム「SHINE」に収録されていた数曲で「河村隆一以降の伸びやかな歌声」がミスマッチとなっていたが、 ポジティヴな意味で曲の世界観にマッチするように低音をうまく活かしたボーカルとなっている。

サウンド面ではツインギターはソロ活動前と比べるとエフェクティヴではないが色鮮やかで「アナログで生々しい音」にトライしたアルバム「SHINE」以降のギターサウンドとなっている。そしてベースラインである。この曲で聴く事ができるJ(b)のベースラインは硬質でソリッド。プレイ自体は「静かに佇む」ような渋めのベースラインとなっているのだが、非常に立体的でインパクトがある。

98年にリリースされたアルバム「SHINE」のジャケットにはトンネルの先に「光」が描かれていた。

この曲はマイナー調の曲だが「光に満ちている」かのような突き抜けた感があり、ベタな言い方だが過去のルナシー(LUNA SEA)サウンドの魅力を残しつつもモダンにアップデートされている。またこの曲のサウンドはアルバム「SHINE」での音楽的なチャレンジなくしては生まれないと断言できる。

賛否両論を呼んだアルバムの後に「音楽的充実」が用意されているからこそルナシー(LUNA SEA)というアーティストは面白い。

「2 inside you」
インダストリアルな質感のヴァースと「光の国」のような開放的なサビの対比が印象的な曲。歌詞に「神様の庭」なるV系ワードも登場する。この曲は作詞・作曲共に真矢(dr)が担当(wiki)しており「会えない夜は景色さえもにじむ」ラブソングとなっている。

「3 My Lover」
ギターリフがアルバム「MOTHER」に収録されている「7 IN FUTURE」に少し似ているが音が過去のサウンドより音が太く立体的になっている。

この曲でも「2 inside you」同様にサビで「光の国」のような開放的なパートが挿入され曲を色鮮やかなものにしている。この曲で聴く事ができる「DJスクラッチ」のようなSUGIZOのギタープレイは、トム・モレロ/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)のプレイを参考にしているハズである。

RYUICHI(vo)のボーカルにはエフェクトがかかっており、強烈なサウンドの中でも全く埋もれていない。

    「要点」

  • ・「1 gravity」・・・歌詞はINORANが中心となって書かれたもの(wiki)らしく「置き忘れたアスファルト」なるワードに破格のセンスを感じる
  • ・「3 My Lover」・・・「2 inside you」同様にサビで「光の国」のような開放的なパートが挿入され曲を色鮮やかなものにしている。

「1 gravity」 ルナシー(LUNA SEA)らしい退廃的な質感を残しつつも、これまでにはない「色鮮やかさ」を感じさせる名曲で曲そのものから「雨の匂い」を感じる事ができる。 歌詞はINORAN(g)が中心となって書かれたもの(wiki)らしく「置き忘れたアスファルト」なるワードに破格のセンスを感じる。またRYUICHI(vo)のボーカルはアルバム「SHINE」に収録されていた数曲で「河村隆一

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ファンの中で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムであり、またルナシー(LUNA SEA)史上最も過小評価されている6thアルバム。

97年のソロ活動で男性ソロアーティストのアルバムセールス記録を更新し「国民的歌手」と化した「河村隆一が在籍するバンドのアルバム」という事で多くの注目を集めた本作だが、結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」「河村隆一ファン」の両者にとって「リアクションの難しい作品」となってしまった。サウンド的にはこれまでのアルバムとは異なる「アナログでコクのある音」が印象的で、空間的で浮遊感のあるサウンドをフィチャーしたアルバム「EDEN」同様に「音楽的に過渡期的な作品」となっている。

「自分たちに影響を受けているであろうアーティストの台頭」(ビジュアル系なるワードがお茶の間レベルで浸透したのもこの頃だった) や「5人5様であったソロ活動」の後というビジネス的に最もデリケートなタイミングにリリースされた本作もまた、これまで同様にアーティストエゴを剥き出している。

本作はベースJが作曲したと思われるシンプルでパワフルなサウンドが多くみられる。インディーズ時代からルナシー(LUNA SEA)は作曲者が誰であれ、メンバー全員で「あ〜でもない、こ〜でもない」と意見を出し、ジャムりながら音を作り上げる事で有名なアーティストなのだが、個人的に今作は「あまりジャムってる感」を感じないのである。これは「作曲者のキャラを立たせてみよう」というあえての試みなのか?!それとも「多忙の極みによる時間不足」の問題なのであろうか?!非常に気になる。

90年代に多くのギターキッズを魅了した「ダークで耽美なサウンド」が減退し「ロックらしいロックテイスト」がこれまでより強く反映されている本作は、これまでの作品と比べるとやや「独自性が薄れている」と筆者は感じるのだが、同時に「これまでの自分たちの殻を壊す」という最も難易度の高いをチャレンジしているとも感じている。

「常に変化し続けなければならない」という強迫観念は彼らのクリエイティヴィティーの源なのだろう。また本作のリリース前後からメンバー全員が「輝く」というワードを頻繁に使い出しバンド内の共通認識ワードとしていた。「売れたい」「もっとビッグになりたい」などという下世話な言葉は彼らには似合わない。自分たちの究極目的を深く突きつめたところ導き出された言葉が「輝く」なのであろう。

    「要点」

  • ・結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」と「河村隆一ファン」の両者にとってリアクションの難しい作品。
  • ・これまでの作品と比べるとやや「独自性が薄れている」と筆者は感じるのだが、同時に「これまでの自分たちの殻を壊す」という最も難易度の高いチャレンジしているとも感じている。

「曲解説」

1 Time Has Come

「これから起こる輝きに満ちたストーリーを予感させる」ようなオープニングチューン。これまでエフェクトを多用して幻想的・耽美的という形容がよく似合うサウンドを構築してきたツインギターは「輪郭のはっきりとしたアナログで太い音」を出しておりロック的なダイナミズムを演出している。
3 NO PAIN

「モノクロームな白昼夢」を連想するアルペジオ・オリエンテッドなダークチューン。作曲者はINORANではなく意外にもSUGIZOである。 コアファンであれば幻想・耽美要素が少ない「1 Time Has Come」「2 STORM」の後にこの曲を聴くと「ホッ」と安心するだろう。歌詞は戦争を「すれ違い続ける恋愛関係」に絡ませて表現したものとなっている。
5 I for You

ドラマのタイアップにも抜擢されたメロディックで熱量が高いバラード。イントロのツインギターの絡みは素晴らしいの一言であり「繊細な感情が泉のように溢れ出す」名フレーズ。歌詞は一聴すると「悲しい運命にあるヒロインに対して自身の激しくそして繊細な愛情を全てをぶつけた」ような内容となっているが、一説にはこの曲の歌詞に登場する「君」とは同年に亡くなった「恩人/hide」の事だとも言われている。この曲がテレビで披露される際、河村隆一の目は心なしか潤んでいるように見える。いつまでもドラマの主人公に対して感情移入し続けることは難しいハズである。おそらくこの曲に出てくる「君」とはhideの事であろう。
6 Unlikelihood

ストリート感溢れるラップ調のJ(b)のボーカルが印象的なザクザクした質感のハードチューンでタイトルの和訳は「あり得ない」である。RYUICHIはタイトルにもなっている「あり得ない」を「天使と悪魔がキスをした」という独自な言い回して表現。ハードに攻めまくるアグレッシヴなサウンドは間違いなくカッコいいのだがルナシー(LUNA SEA)独自の耽美テイストはやや希薄であると感じる。
7 ANOTHER

レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)の名曲「Stairway to Heaven」和訳;「天国への階段」を意識していると思われるコクのあるエモーショナル・バラード。歌詞の内容は「心の中に影を持ちながらも明日への扉を開けたい」と強く願うという内容である。ミニマムな音数でしっかりとしたグルーヴを感じる事ができ「アナログで太い音」に拘っているアルバム「SHINE」を象徴する曲であると言える。間奏部に登場するパワフルな女性コーラスは「大空を支配する巨大な鳥」のように別格の存在感を放っている。
8 MILLENNIUM 11 Love Me

河村隆一の良質なポップネスをルナシー(LUNA SEA)サウンドに上手く反映させた2曲。おそらくではあるが河村隆一目当てのリスナーにもウケが良いと思われる。2曲ともツインギターの絡みが面白い疾走系ルナシー(LUNA SEA)クラシックとも言える内容だが「河村隆一」として世間に認知されたRYUICHIが歌うと不思議と「ポップソング」として成立する。河村隆一の大成功はルナシー(LUNA SEA)に絶大な知名度とある種のバイアスを与える事となった。
12 BREATHE

「雲の上」のような浮遊感を感じるアコースティック・バラード。INORAN(g)のミニマムなアルペジオが曲に開放感を与えていおり、RYUICHI(vo)の声は「どこまでも広がる海」のように伸びやかである。歌詞は「河村隆一的なシュール性」を含んだラブソングであり「空に浮かぶ街」なるフレーズがインパクト大である。河村隆一の曲に「小さな星」という曲があるが、歌詞の世界に「非現実・シュールな場所」を設定するのは河村隆一が得意とする方法論かもしれない。
13 UP TO YOU

サウンド・歌詞共に「ルナシー(LUNA SEA)の殻」を壊しているラストソング。シンプルなグランジ風サウンドだが作曲者はまさかのINORAN(g)。歌詞はこれまでの彼らからは考えられない程に熱量を強調したポジティヴなモノとなっている。この曲をはじめて聴いた時、筆者は中学生であったので「クサイ事を言い始めたな」と斜に構えていたが、大人になった現在の感覚で聴くと「エネルギーに満ちた素晴らしい歌詞」であると素直に感じる事が出来る。

ファンの中で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムであり、またルナシー(LUNA SEA)史上最も過小評価されている6thアルバム。 97年のソロ活動で男性ソロアーティストのアルバムセールス記録を更新し「国民的歌手」と化した「河村隆一が在籍するバンドのアルバム」という事で多くの注目を集めた本作だが、結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」「河村隆一ファン」の両者にとって「リアクションの

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「1 STORM」
活動休止期間を経て再び走り出した彼等の勢いをパッケージングした疾走感のあるハードチューン。活動休止前と比較して音が「カチッと太く」なっており「硬質なロック感」が増している。サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)らしい。

コアファンは「活動休止前の「ダークで前衛的なサウンド」と「河村隆一」が絡まる事でとんでもない化学反応が起こるのでは?!」と 大きな期待をよせていたハズだがこの曲は良くも悪くも整合性がとていると感じる。97年に行われたソロ活動では5人5様のスタイルで各々がやりたい事にチャレンジした訳だが、ソロ活動で得た収穫をルナシー(LUNA SEA) サウンドに反映させるには時間が足りなかったのであろう。また河村隆一名義でのソロ活動がセールス面で大成功を収めた事から「河村隆一が在籍するバンド」として世間にも大きく認知される存在となった彼等には、セールス面でのプレッシャーも重くのしかかったハズである。

当時はこの曲を聴いて活動再開してくれて嬉しい反面「ルナシー(LUNA SEA)らしさという体裁」が彼等のクリエイティヴィティーに制限をかけているのでは?!という印象をもった。

「2 この世界の果てで」
これぞルナシー(LUNA SEA)というディープなダークチューン。「河村隆一目当てでこのシングルを購入したリスナー」はこの曲にどのようなリアクションをしたのだろうか?!非常に興味がある。「どこまでも続いていく雨雲」のようなどんよりした空気感が印象的な曲ではあるのだが、暗さよりも「耽美な美しさ」に耳がいく。

開放弦を活かした(と思われる)アルペジオはLIVE映像を見る限りSUGIZO(g)がプレイしておりアルペジオ職人/INORAN(g)とは異なるタイプの鋭角性を感じる。この曲で聴けるRYUICHI(vo)のボーカルは「何の偏見」もたず聴くと伸びやかでパワフルな素晴らしい歌声なのだが繰り返される「この世界の果て」といういかにもルナシー(LUNA SEA)な「退廃ワード」と「微妙なミスマッチ」も同時に感じるというのが「ぶっちゃけた」ところである。

この曲がもつディープネス・耽美性は非常に素晴らしいので、現在の彼等が歌い・演奏すれば「最も化ける曲」であるような気してならない。

    「要点」

  • ・「1 STORM」・・・サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)
  • ・「2 この世界の果てで」・・・この曲がもつディープネス・耽美性は非常に素晴らしいので、現在の彼等が歌い・演奏すれば「最も化ける曲」であるような気してならない。

「1 STORM」 活動休止期間を経て再び走り出した彼等の勢いをパッケージングした疾走感のあるハードチューン。活動休止前と比較して音が「カチッと太く」なっており「硬質なロック感」が増している。サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)らしい。 コアファンは「活動休止前の「ダークで前衛的なサウンド」と「河村隆一」が絡まる事でとんでもない

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ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。

前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっている。

歌詞の内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

音楽的な充実を一気に放出した「94年〜96年の絶頂期」を経て翌年97年に彼等は1年間のソロ活動を行ったが、97年には彼等の音楽性や美意識に多大な影響を受けたと思われるアーティスト達が大量に発生し「ビジュアル系」というワードが「お茶の間レベル」にも広がりを見せた。

下世話な話だがこの「ビジネス的に最も良い時期」に活動休止する彼等のスタンスはやはり「孤高」である。

    「要点」

  • ・「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形。
  • ・歌詞に内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

「曲解説」

1 WITH LOVE

レコードに針を落とす音から始まるオープニングチューン。揺らめく気怠い音響が「ディープな静けさ」を演出しており、このような実験的な曲をアルバムの1曲目に収録できる点に当時の彼等の自信と充実ぶりを感じる。歌詞はこの時期の彼等らしく「狂おしい愛」をテーマにしており「この愛が冷めてしまうのでは?!」という強迫観念に追われている男の心情を歌っている。曲の中盤で聴く事ができるSUGIZO(g)のアバンギャルドノイズは「ポップミュージックの体裁」に反発するかのような暴れっぷりである。
2 G

「バーンと何かが弾け飛ぶ」ようなギターフレーズで幕をあけるハードチューン。90年代以降のUSグランジ/オルタナのダイナミズムをダイレクトに反映しているサウンドとなっており、コアなルナシー(LUNA SEA)ファンであればイントロから20秒もあれば「作曲者」が誰か分かってしまうだろう。ハードで低音が強調されたサウンドではあるが、エフェクティヴで空間構築に徹するツインギターは相変わらず左右でバラバラのフレーズを弾いる。タイトルの「G」とは「God」の「G」であり、初期の歌詞に登場した「神」をモダンに洗練させた形で表現している。
3 HURT

ルナシー(LUNA SEA)らしからぬヘヴィリフを前面に押し出したハードチューン。一聴する分には非常にシンプルな構造となっているが、J(b)のベースラインにはマニアックな空間系エフェクトが掛けられており、サウンドに「宇宙的な無重力感」を与えている。
4 RA-SE-N

「独白」のような歌詞の内容に思わず「ハッ」とさせられるスローテンポの名曲。「静かで淡々とした展開」から「一気に熱量を放出する展開」に移行する曲なのだが、海外のハード系アーティストの「それ」とは明らかに異なる空気感があり「繊細な緊張感」が常に保たれている。この曲のギタープレイは宇宙的なサウンドを求めるSUGIZO(g)にとって、一つの理想形い言えるものとなっており特に「ディープな感情を解き放つ」ような短いギターソロは抜群のクオリティを誇る。
6 FOREVER & EVER

90年代に最も評価されたギターロックアーティストの一つであるレディオヘッド(radiohead)のエモーショナルな名曲と比較しても全く負けていない10分超えの大作。「ゆったりと流れる大河」のような雰囲気がある曲で歌詞の内容は「今までの自分達とこれから羽ばたこうとする自分たち」についてであり曲の途中でJ(b)による「英語の語りパート」が挿入される。「語りパート」の和訳は「あの頃に感じた永遠と希望を思い出そう、時間の経過と努力は僕を確かに変えたが熱いアティテュードはあの頃と変わらない。そして人生はこれからも続く。あの頃感じた永遠をずっと感じていたい」このようなイメージの内容となっている。落ち込んでいる時や迷っている時に聴きたくなるこの「語りパート」だけでも非常に価値があると筆者は思う。
7 1999

INORAN(g)のアルペジオがミステリアスな存在感を放つ2分弱の曲でSUGIZO(g)とJ(b)のベースラインがユニゾンしており、なんとも言えない不穏な空気感を演出している。「ディープでシリアスなアルバムの前半」から「爆発するアルバムの後半」にスムーズに繋げるような「橋渡し」的な立ち位置の曲となっている。
10 IN SILENCE

「万華鏡」のような幻想的なディレイサウンドが素晴らしく、海に佇み「過去の切ない恋愛を回顧する」ような歌詞を歌う RYUICHI(vo)のボーカルラインと複雑に絡まる。ディレイを上手く活かしたお手本のような曲である。「真っ白な羽が空浮かんでた、何かを告げるように」というラインは文学的でこの後に起こる「活動休止」を示唆していると思われる。
11 SELVES

「終幕感を演出する鐘の音」「神経質で冷たいリズム」などトリップホップからの影響を感じるディープなラストチューンで 完璧主義のSUGIZO(g)をして「理想に近い」(wiki)と言わしめる完成度を誇る。歌詞は相当読み込んで考察しないと正しい意味を解釈できそうにない「非常に深く宇宙的な内容」となっている。

ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。 前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっ

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