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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果28件

カテゴリー「神作」のレビュー

前作「The Bends」でギターロックバンドとして確固たる地位を築いたレディオヘッド(Radiohead)が、エレクトロニカやトリップホップなどの新興ジャンルからの影響をエモーショナルなギターロックに作品に反映させはじめた90年代を代表する作品。サウンド面では不穏な暗さやエレクトロニカにも通じるような荒涼とした雰囲気が最大の特徴でキャッチーとは言えない曲がほとんどを占める作品だが紛れもなくポップとして成立している。

レディオヘッド(Radiohead)は2000年にエレクトロニカやポストロックに急接近した問題作KID Aリリースするのだが、本作は「ギターロック」と「非ギターロック」の中間に位置する過渡期的作品でありある意味一番バランスが良い作品かもしれない97年〜98年は本作に触発されたかのように他のアーティストもプログレッシヴな作品をリリースし活況であった。

    「要点」

  • 「エレクトロニカ傾倒」前夜の過渡期的作品
  • 人によってはプログレに聴こえるらしい

「曲解説」

1 Airbag

「強迫観念」のような不穏な空気感が印象的なオープニング曲。前作から取り入れ始めた電子音が前面に出ており、またディープなリズムアプローチなどは、マッシヴ・アタック(Massive Attack)やポーティスヘッド(Portishead)からの影響を感じさせる。
2 Paranoid Android

冒頭は神聖な雰囲気すら漂う美しいメロディーラインで進行するが、唐突に現れる「ガッ、ガッ」というブラッシングノイズがその神聖な雰囲気を引き裂きぶっとんだ早弾きのギターソロが炸裂するというレディオヘッド(Radiohead)風プログレ曲。
4 Exit Music (For a Film)

エレクトロニカのような荒涼とした冷たさを感じる曲。トム・ヨーク(vo)のボーカルにはエフェクトがかかっており、これまでにはない悲壮感と切迫感を感じる事ができる。
5 Let Down

輪郭のはっきりしたアルペジオを中心に淡々と進行されるが(3:25〜)ミニマムで煌びやかな電子音が舞い降りてくるのをキッカケに曲は変貌しトム・ヨーク(vo)の歌声は何重にも重なり過去最高のボーカルラインを奏でる。歌詞の内容な移動によって起こる「ヒステリーで無意味な化学反応」についてらしい。
9 Climbing Up the Walls

サンプリングされたアニメのキャラクターような笑い声ではじまる曲でトム・ヨーク(vo)のボーカルにはホラー映画のような不穏さがあり、曲は時間の経過と共に徐々に熱量をあげて、「天まで届くアラーム」のようなギターサウンドの登場でピークを迎える。その後は重厚でヒステリーなストリングスも加わり曲はまさにカオスの様相を呈する。最後はトム・ヨーク(vo)の鬼気迫る絶叫で幕を閉じる。

前作「The Bends」でギターロックバンドとして確固たる地位を築いたレディオヘッド(Radiohead)が、エレクトロニカやトリップホップなどの新興ジャンルからの影響をエモーショナルなギターロックに作品に反映させはじめた90年代を代表する作品。サウンド面では不穏な暗さやエレクトロニカにも通じるような荒涼とした雰囲気が最大の特徴でキャッチーとは言えない曲がほとんどを占める作品だが紛れもなくポップ

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90年代にリリースされた音楽アルバムの中で間違いなく五指に入る神アルバム。

幾重にも重ねられた轟音ギターサウンドがリスナーに様々なサイケデリックなイメージを想起させ極彩色なサウンドとドリーミーなポップが見事に溶け合った奇跡のような作品。本作がなければ現在の音楽シーンはまた別のものになっていたと断言してもよく「轟音を重ねて複雑なサウンドレイヤーを作り出し幻覚のような雰囲気を醸し出す」この方法論は間違いなく彼らが生み出したものであり後続のアーティストに多大な影響を与え多くのフォロワーを生み出したが、今だに本作を超えるようなサイケデリックなギターロック作品には出会えていない。マイブラが提示した「極彩色なサイケデリック」の探求はこの先エレクトロニカ勢に引き継がれる事になる。

    「要点」

  • 極彩色なサイケデリックサウンド
  • 現代音楽に多大な影響を与えている
  • 90年代のアルバムで5指に入る作品

「曲解説」

1 Only Shallow

強烈にうねる「渦巻き」のようなギターサウンドで幕をあけるオープニングソング。囁くようなビリンダ・ブッチャー(vo , g)のボーカルはうねる「渦巻き」のようなサウンドと対照的でどこまでも限りなく透明。ラスト35秒の幽玄な残響は足を踏み入れてはいけない世界の入り口に立っているかのような不穏さがある。
2 Loomer

「テレビモニターに映した出された砂嵐」のようにざらついた「静かなノイズ」が終始鳴り響き、ノイズの隙間から光をさすようなシンセと時間と共に複雑さを増していくノイズが絡み合いがリスナーから全ての感覚を奪っていく。
4 To Here Knows When

乱反射するピンク色の音のシャワーのようなサウンドで完全にアナザーサイドに足を踏み入れている。目に映るもの全てが揺らめき、狂った輝度の光の中に包まれていくような感覚を味わえる衝撃の1曲。
5 When You Sleep

何重にも重なったギターサウンドが「深海」のような安らぎをもたらしている。ケヴィン・シールズ(vo , g)とビリンダ・ブッチャー(vo , g)の囁くような声は一つに重なりリスナーを眠りの世界へと誘う。
8 Sometimes

全てを包み込むような揺らめく轟音と終焉のようなダウナーさが心地く、「時間の経過と共に表情をかえる静かなノイズ」と「囁く」ようなボーカルラインで淡々と進行する曲。1〜7曲目までの「ピンク色の極彩色サウンド」を聴いたあとにこの「静かにノイズが流れる」だけのこの曲を聴くと頭の中に様々なサイケデリックなイメージが湧き上がる。
10 What You Want

轟音ギターサウンドが疾走す曲なのだが、ギターロックを聴いているという感覚は全くなく「深い森に迷い込んだ」ような静けさと洪水のような溢れ出す光を感じる。

90年代にリリースされた音楽アルバムの中で間違いなく五指に入る神アルバム。 幾重にも重ねられた轟音ギターサウンドがリスナーに様々なサイケデリックなイメージを想起させ極彩色なサウンドとドリーミーなポップが見事に溶け合った奇跡のような作品。本作がなければ現在の音楽シーンはまた別のものになっていたと断言してもよく「轟音を重ねて複雑なサウンドレイヤーを作り出し幻覚のような雰囲気を醸し出す」この方法論は間違

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スペースメン3 (Spacemen 3)の元メンバーが中心になって結成されたスピリチュアライズド(Spiritualized)が97年にリリースした作品Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space(宇宙遊泳)。

本作に触れてみてとにかく「ぶっとんでる」「バグっている」という感想をもった。アルバムタイトル通り無条件に「宇宙」が目に浮かぶ浮遊感と重さと煌びやかさを感じるサウンド。この宇宙空間を不穏なホーンセクションとシンセ(キーボード)、壊れた質感のギターサウンドが縦横無尽に暴れ頭の中に様々なイメージを連想させる。

本当に宇宙を遊泳しているかのような錯覚すら味わえるため、「音楽を聴いた」というよりかは「宇宙をテーマにした実験的な映画」を見たという感覚に襲われる。97年はレディオヘッド(Radiohead)、ザ・ヴァーヴ (The Verve)、マンサン(Mansun)が傑作をリリースした激動の1年だったが、その激動の1年の中で最もアバンギャルドで「ぶっとんでる」過激な作品は間違いなく本作だと断言だと思われる。文句なしで「神作」。

    「要点」

  • バグった宇宙空間
  • アバンギャルドと言っていい実験性

「曲解説」

1 Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space

「宇宙と交信する電波」のような電子音と壮大なストリングスを中心に展開される。宇宙を彷徨っているかのような浮遊感を感じる事ができる本作「宇宙遊泳」にぴったりなオープニングソング。
3 I Think I’m in Love

クラフトワークのような伸びやかなシンセ音が心地よく無条件に宇宙を連想する。2:30分頃に数秒ブレイクした後に「船が港を出港した」かのように曲が動きはじめる。その後は、空間を揺らすミニマムなホーンの音と心地よいボーカルラインが淡々と繰り返される。あまり抑揚がなく淡々と続くタイプの曲なのだが不思議とダレる感覚はない。
4 All of My Thoughts

ピアノの調べとそこに光を差し込むようなオルガンの音で構成される冒頭だが、1:00分頃を境に突如、転調して狂ったようなホーンと重力のようなベースラインが登場しまるで暴風雨を思わせる展開に移行する。その後は「静かなパート」と「暴風雨」を繰り返すという展開、最後は宇宙に包み込まれるように静かに終わる。
6 Electricity

「直線的でビーム」のようなシンセと壊れた質感のあるギターサウンドを中心に進行される作品中で最もアバンギャルドな曲。 ここでも時空がバグらせる狂ったようなホーンセクションが登場する。このバグったような展開は最後まで続く。
8 The Individual

宇宙的なビジュアルが嫌でも目に浮かぶ壮大なインスト。「錆びついたドアのドアノブを回す」ようなザラついたギターノイズと不規則にそして不穏に鳴り響く狂気じみたホーンの音のみで構成される。
10 No God Only Religion

「高速で逆回転」しているかのような電子音と「軍歌」のようなタフさと貫禄をもったホーンセクションがBPMとは別の疾走感を感じる。「光のシャワー」のような電子音も降り注ぐ。目を閉じて見えてくるビジュアルはやはり宇宙。

スペースメン3 (Spacemen 3)の元メンバーが中心になって結成されたスピリチュアライズド(Spiritualized)が97年にリリースした作品Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space(宇宙遊泳)。 本作に触れてみてとにかく「ぶっとんでる」「バグっている」という感想をもった。アルバムタイトル通り無条件に「宇宙」が目に浮かぶ浮遊感と重さと煌び

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影響を受けた音楽を大胆に反映させアルバムごとに異なる作風にチャレンジするカメレオンアーティスト/プライマル・スクリーム(Primal Scream)。彼らの初期の代表作であり「ギターロック」と「ハウスミュージック」を見事に融合させたUKロック史の中でもターニングポイントとなる作品。

ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)やニュー・オーダー (New Order)など、ギターロックと「ハウス」や「ヒップホップ」など融合をさせていたアーティストは本作以前にも存在したが、本作でプライマル・スクリーム(Primal Scream)はより「ドラッギーでサイケデリック」なサウンドをシーンに叩きつけた。プライマル・スクリーム(Primal Scream)以降、ここまで「ドラッギーなサイケデリック」を表現・提示した「ギターロックバンド」を筆者は知らないし彼ら自身本作を超える「化学反応」を未だに生み出せずにいる。余裕で「神作」。

    「要点」

  • アシッドハウスに傾倒した代表作
  • ドラッギーでサイケデリックなサウンド
  • 90年代を代表する神作

「曲解説」

2 Slip Inside This House

酩酊感のある金縛りのようなサウンドがまさに呪縛(Screamadelica)。気怠るすぎる(最高)ボビー・ギレスピー(vo)のボーカルラインが完璧にサウンドにマッチしたしている。サンプリングされている男の笑い声はメンバーのものだろうか。
3 Don’t Fight It, Feel It

ファンキーな女性ボーカルを大胆にフィーチャーした曲。ここでもやはりサンプリングされた男の笑い声が聴ける。「時空をワープ」するかのような狂った音や極彩色でミニマムな電子音のループが重なり続ける「酩酊のような空間」はリスナーをトランス状態にして「ここではないどこか」にいるような錯覚を味あわせてくれる。曲のタイトル通りまさに感じるしかない曲。
4 Higher Than the Sun

「酩酊した状態で真夏の日の出を見る」ような恍惚感を感じるサイケな曲。オリエンタルな雰囲気の吹奏楽器が曲をより混沌としたものにしている。
7 Loaded

分厚いベースラインとホーンセクションが中心と進行されサンプリングされた様々な男女の話声が祝祭的な雰囲気を醸し出す。3:30頃に突如「ザガッ」というリバーブのしっかりかかった歪みギターが飛び出し、サンプリングされた多種多様な音が登場しカオスな雰囲気となる。今作を象徴するようなクロスオーバーな1曲。
9 I’m Comin’ Down

「ド〜ン」というドラの音で幕を開け「アラブの大蛇使い」を思わせる「鼓膜に絡みつく」ような吹奏楽器がリスナーをディープな夢の世界に引きづり込む。ガラスの砕けたような電子音が二日酔いのように脳に突き刺さりトリップ感を味わえる。

影響を受けた音楽を大胆に反映させアルバムごとに異なる作風にチャレンジするカメレオンアーティスト/プライマル・スクリーム(Primal Scream)。彼らの初期の代表作であり「ギターロック」と「ハウスミュージック」を見事に融合させたUKロック史の中でもターニングポイントとなる作品。 ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)やニュー・オーダー (New Order)など、ギターロック

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オアシスをはじめ数多くのバンドに多大な影響を与えた伝説のアーティスト/ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)。パンク・ニューウェイブ以降のアーティスティックなバンド達とは明らかに異なる存在感がありハウスミュージックのようなゆったりとした原始的なリズムとU2とはまた異なる立体的で空間を支配するジョン・スクワイア(g)のサイケデリックなギターサウンドが特徴。初期オアシスの圧倒的なシンプルさはザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)の影響からきているものだろうと確信する1枚で全編にわたりエバーグリーンな響きと無条件に体が反応してしまう開放的のある魅惑のグルーヴで構成されている。彼らに影響を受けたアーティストは多数存在するが、彼らのようなグルーヴ感を持つアーティストはほとんどいない点が彼らの偉大さを物語る。1stアルバムにして金字塔であり文句なしの「神作」。

    「要点」

  • ハウス的なリズムと立体的でサイケなギターサウンド
  • 野外を連想する開放感のある魅惑のグルーヴ
  • 削ぎ落とされたシンプルさ

「曲解説」

1  I Wanna Be Adored

「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」という四つ打ちのリズムの上を瑞々しい透明なアルペジオが踊り、ニューウェイブ的な箱庭さとは対照的なゆったりと流れる大河のように開放感なサウンドが鳴り響く。全てのパートが削ぎ落とされ圧倒的にシンプルで生命力のある音になっている。
3 Waterfall

「同じところをクルクルまわる」ような立体的な質感のアルペジオを中心に展開される。ループされるアルペジオとは対照的にベースはうねりまくり(2:45〜)テンポに変化がみられ最終的には「原始の宴」のような躍動感をもって終わる。
4 Don’t Stop

マイブラッヴィバレンタインと共振する時空をバグらせまくる酩酊のようなサイケデリックサウンド。ラスト1:00分の脳内にドンドンと突き刺されるマニ(b)のベースラインは「これがグルーヴだ」と言わんばかり。「シューゲイザーの元祖」といっても良い神曲。
8 Made Of Stone

切迫感がありシリアスでダークな雰囲気のギターサウンドが終始鳴り響き、変幻自在に緩急をつけるリズム隊が曲にうねりを与え無条件に体が動いてしまう。

オアシスをはじめ数多くのバンドに多大な影響を与えた伝説のアーティスト/ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)。パンク・ニューウェイブ以降のアーティスティックなバンド達とは明らかに異なる存在感がありハウスミュージックのようなゆったりとした原始的なリズムとU2とはまた異なる立体的で空間を支配するジョン・スクワイア(g)のサイケデリックなギターサウンドが特徴。初期オアシスの圧倒的なシン

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