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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果28件

カテゴリー「神作」のレビュー

ブリットポップ前夜の1993年にリリースされたスウェード(Suede)の1stアルバム。「USグランジやオルタナなんて興味ないし」と言わんばかりの最高のUKロックアルバム。「モノトーンでメランコリックな側面」と「極彩色」と言いたくなる濃厚な色合いが奇跡的に絡んでいる。

リスナーに迎合する気など一切なく、むしろリスナーを振るいにかけているかのようなアルバムジャケットが素敵。 ブレット・アンダーソン(vo)のナルシスティックでスター然とした佇まいと耽美的なファルセットボイス、煌びやかでエロティックな鋭いギターサウンドの絡みは唯一無二の存在感があり、強烈なアルバムジャケット以上に強烈な音を聴かせてくれる。

    「要点」

  • インパクト大のジャケット以上に強烈な音
  • ボーカルとギターのエロティックな絡みは唯一無二

「曲解説」

1 So Young

「雫が溺れ落ちる」ような退廃的なギターサウンドからがはじまる濃厚な耽美的世界のオープニングソング。ボーカルの歌い方、ギターサウンド全てがエロく鼓膜に絡みついてくる。
2 Animal Nitrate

イントロは「紫色の夕焼け」を思わせる90年代ロック史を代表する名フレーズで「ダークでメランコリックだが美に浸れる」感覚がある。イントロだけに限らずこの曲におけるバーナード・バトラー(g)のギタープレイは完璧の仕上がりだと思われ、退廃的でありながらキャッチーであるという奇跡のバランスを生み出している。
8 Breakdown

ゆったりとしたテンポとブレット・アンダーソン(vo)のファルセットボイスはモノトーンな空を思わせる。淡々と進行する曲で微睡むような気分になるのだがその空気感を煌びやかなギターサウンドが引き裂き、最後は真っ白になって全ての感覚が奪われたような脱力感と共に幕を閉じる。
9 MetalMIckey

少しだけオルタナ風の曲だがスウェード(Suede)以外の何者でもない耽美な質感がある。ギターは結構歪んでいるのだがUSオルタナ的なハードさとは全く無縁な煌びやかな音像は「酩酊した時に見る夜景」のように揺らめいている。

ブリットポップ前夜の1993年にリリースされたスウェード(Suede)の1stアルバム。「USグランジやオルタナなんて興味ないし」と言わんばかりの最高のUKロックアルバム。「モノトーンでメランコリックな側面」と「極彩色」と言いたくなる濃厚な色合いが奇跡的に絡んでいる。 リスナーに迎合する気など一切なく、むしろリスナーを振るいにかけているかのようなアルバムジャケットが素敵。 ブレット・アンダーソン(

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レディオヘッド(Radiohead)が90年代の神アルバム「Ok Computer」をリリースした97年、ブラー(Blur)がエレクトロニカやプログレの影響を大胆に反映させアーティストエゴを爆発させた「13」をリリースした98年など、90年代後半はまさにUKロック黄金時代といっていい時代だった。そんな中でスーパーグラス(Supergrass)もまた独自進化した傑作アルバムをリリース。

率直な感想を述べると聴いてビックリしたアルバム。デビュー作の「元気の良いギターロック」に乗せて歌われる良質なボーカルラインの数々を聴いて非凡なポップセンスを持つバンドという認識はあったのだが、今作のクオリティは筆者の想像を遥かに超えていた。

90年代オルタナ・グランジの影響がほとんどなく当時、頻出した「メランコリックな質感」もあまり感じさせず明らかに傾倒していると感じるジャンルも見当たらない。そして何より特筆すべきは当時多くのアーティスティックなバンドが取り入れた「エレクトロニカ」や「ポストロック」以降の「冷凍された音像」を取り入れずに独自としか言いようがない作品になっている点が凄い。

    「要点」

  • 予想を遥かに超えた進化
  • オリエンタルな匂いと圧倒的なポップセンス

「曲解説」

1 Moving

宙に浮いているかのような浮遊感を感じるサイケデリックな冒頭から踊れるソウルのようなノリノリの展開に変貌する。オリエンタルな雰囲気もあり異国のカーニバルを連想してしまう曲となっている。「本当にスーパーグラスの作品なのか??」と感じてしまう程の進化。
2 Your Love

「トコッ、トコッ、トコッ、トコッ」と鳴らされるトライバルなリズムアプローチが「1 Moving」同様のオリエンタルな異国感を感じる。「揺らいで消える紫の煙」を思わせるギターフレーズが夢見心地な気分になる1曲。
4 Beautiful people

日本の歌謡曲のように聴こえるボーカルラインを持つ曲。デビューアルバム 「I Should Coco」のレビューでも書いた通りスーパーグラスのメンバーは「日本の音楽を聴いているのでは?」と思えるほどボーカルラインがどこか日本人の琴線に触れ、リスナーをノスタルジーな気分にさせる。
7 Mary

アーバンな雰囲気のするキーボードと歪みの残響が心地よく珍しく壊れた質感のノイズギターが登場する。ソウルフルな女性ボーカルをゲストに招いており共に歌われる「ア〜、ア〜、ア〜、ア〜、アヤヤ〜♪」というサビのボーカルラインが秀逸。
10 Born Again

「真冬の誰もいない海」のようなクリーンアルペジオが繰り返される曲。この曲もゲストの女性ボーカルとのデュエット(?)が素晴らしく、メランコリックな雰囲気を醸し出している。

レディオヘッド(Radiohead)が90年代の神アルバム「Ok Computer」をリリースした97年、ブラー(Blur)がエレクトロニカやプログレの影響を大胆に反映させアーティストエゴを爆発させた「13」をリリースした98年など、90年代後半はまさにUKロック黄金時代といっていい時代だった。そんな中でスーパーグラス(Supergrass)もまた独自進化した傑作アルバムをリリース。 率直な感想を

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90年代オルタナに急接近した前作「Blur」でブリットポップ云々ではなく90年代を代表するアーティストとなったブラー(Blur)。今作は「エレクトロニカの冷たい質感」「プログレ的な重さ」「さらに増幅させたノイズ」などが特徴と言える内容になっており「前半はメロディー重視」で「中盤から後半に掛けては実験性重視」といった感じである。

正直に言うとブラー(Blur)というバンドがここまで筆者好みな音をやるとは思わなかった、、「7 Battle」「9 Trailerpark」のような曲は当時の最先端といっていい尖りっぷり。「98年にこれはやりすぎではないか??」商業性無視にもほどがある。13曲収録で収録時間77分という長尺なのが筆者的にはマイナスポイントではあるが、。本作を聴いてオアシス(Oasis)より「ブラー(Blur)の方がロックじゃね?!」状態になっている。

    「要点」

  • エレクトロニカ、プログレに急接近
  • アーティストエゴ大爆発の傑作
  • レディオヘッド(radiohead)の傑作KID Aと共通する冷気

「曲解説」

1 Tender

ノイズ多めだった前作の反動なのか、海辺を連想するような開放的なアコースティックギターと牧歌的とも言える「カモン、カモン、カモン」というノスタルジーなサビのボーカルラインが心地よい曲。彼らの真骨頂である「ひねくれたポップネス」はあまり感じずどっしりとした貫禄がある。
2 Bugman

前作の歪み感をさらに増幅させたようなノイズポップ。ザラついたノイズはジーザス&メリーチェイン (The Jesus and Mary Chain)のようだ。間奏部でノイズはさらに激しくなりどこかにワープしてしまうような錯覚に陥る。対照的にボーカルライン・歌い方は「かわいい」と言ってもいい位に甘いというブラーらしい構造。自分たちが作るものはどんなサウンドを導入したとしても「ポップ」なのだという強い意志を感じる。
3 Coffee & TV

Tahiti80(タヒチ80)のようなフレンチポップを思わせる曲。この曲もグレアム・コクソン(g)がヴァースを歌っている。やはりこの人の声は抜群に良い!気怠くて雰囲気抜群。
6 B.L.U.R.E.M.I.

「2 Bugman」と同じ趣向のバグったようなノイズポップ。だが、最後の30秒だけエイフェックス・ツイン (Aphex Twin)のようなアンビエントテクノになる展開。
7 Battle

冒頭は「氷の世界の山奥に隠されているクリスタル」のような透明感を感じるブラー史上、最もシリアスな雰囲気。だがブラー(Blur)が何の仕掛けも用意せずこの展開を続けるわけもなく、2:15分頃から「目に映る全てを霧で覆う」ようなノイズギターが現れ視界が真っ白になる。その後、ノイズは消え去るが「以前とはどこか違う微妙な感覚」だけは残ったままで曲は進行される。その後は、荒涼とした世界を不規則な残響やノイズが切り裂きまくるというパンチの効いたプログレ曲。2000年にリリースされたレディオヘッドの神アルバム「キッドA」の空気感に近いものがある。
9 Trailerpark

ポーティスヘッド(Portishead)のような異国感あるダークさとアンビエントな氷の音色と壊れた質感のノイズギターが同居。浮かんでは消える蜃気楼をじっとみているような気分になる神曲。

90年代オルタナに急接近した前作「Blur」でブリットポップ云々ではなく90年代を代表するアーティストとなったブラー(Blur)。今作は「エレクトロニカの冷たい質感」「プログレ的な重さ」「さらに増幅させたノイズ」などが特徴と言える内容になっており「前半はメロディー重視」で「中盤から後半に掛けては実験性重視」といった感じである。 正直に言うとブラー(Blur)というバンドがここまで筆者好みな音をやる

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