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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

カテゴリー「良作」のレビュー

「テクノのゴッドファーザー」とも呼ばれるホアン・アトキンスのソロプロジェクト「 Model500」による1st EP。 デトロイトテクノ界のオリジネイターの作品という事もあり同じくシカゴハウスから派生したアシッドハウスと比較してどのような違いがあるのかを意識して聴いてみた。

実際に本作を聴いてみた率直な感想としては現在、存在する「テクノ」と言われる音楽のベーシックがまさに詰まっている作品であると感じ「原色なシンセサウンド」「暗号のように鳴り響くビートの断片」「複雑に同時に鳴らされるダンサブルなリズムアプローチ」などが印象に残った。アシッドハウスは「ジャングル」を連想するディープで開放的な雰囲気を持つサウンドだが、デトロイトテクノの元祖と言われる本作は「ストリート感溢れる都会の夜」を連想するサウンドとなっておりBPMも早い。この違いは非常に興味深い。

    「要点」

  • 「テクノのゴッドファーザー」とも呼ばれるホアン・アトキンス
  • 現在、存在するあらゆるテクノサウンドに影響を与えたと思われる
  • BPM早めで「ストリート感溢れる都会の夜」を連想するサウンド

「曲解説」

1 NO Ufo’s(Vocal)

「原色の蛍光灯」のような眩しいシンセサウンドと金属的でミニマムなビートがディープなリズムの上で輝く(2:35〜)「スライム」のような弾力感のある低音の登場と共にアシッドハウス的な展開となるが、直線的でカラフルなビートの粒は都会の夜を連想する(3:20〜)「泥沼にはまった」ようなカオスを感じるアバンギャルドなパートが挿入され、終盤ではポリリズムのようなリズムアプローチを聴くことができる。
3 Future(Vocal)

縮れたビームのような質感のシンセサウンドが縦横無尽に踊る曲(2:06〜)「迷宮を彷徨う」ような空想的なサウンドが展開され、半笑いのようなサンプリングボイスが不気味に響き渡る(3:22〜)「早足で螺旋階段を降りる」ようなループサウンドが展開され、終盤は不気味なサンプリングボイスがリフレインされる。

「テクノのゴッドファーザー」とも呼ばれるホアン・アトキンスのソロプロジェクト「 Model500」による1st EP。 デトロイトテクノ界のオリジネイターの作品という事もあり同じくシカゴハウスから派生したアシッドハウスと比較してどのような違いがあるのかを意識して聴いてみた。 実際に本作を聴いてみた率直な感想としては現在、存在する「テクノ」と言われる音楽のベーシックがまさに詰まっている作品であると感

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アシッドハウスのスタート地点とも言われる非常に興味深い作品で動物の鳴き声にエフェクトをかけたようなシンセサウンドの数々はまるでジャングルにいるかのような錯覚を味わえる。

またスライムやジェルを連想するカラフルで弾力のある低音やディープで「鼓動」のようにシンプルな四つ打ちのリズムは無条件にリスナーの体を揺らす。このポップネスを拒絶するかのようなクールでカラフルなサウンドは海を越えてロックのフィールドにも多大な影響を与えた。今作がなければ後の名作「Screamadelica/プライマル・スクリーム(Primal Scream)1991年」は生まれなかったであろう。

    「要点」

  • ジャングルにいるような錯覚を味わえる
  • アシッドハウス のスタート地点
  • 「鼓動」のような四つ打ちのリズム

「曲解説」

1 Acid Tracks

「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」と輪郭のしっかりしたシャープな四つ打ちの上を「スライム」のように弾力があるモノクロームな低音が踊り、多種多様な動物の鳴き声にエフェクトを掛けたようなシンセサウンドが四方八方から登場するサウンドはまるで「ジャングルにいる」かのような錯覚を味わうことが出来る。「Screamadelica/プライマル・スクリーム(Primal Scream)1991年」でも聴くことが出来る「メタリックな管楽器を叩いたようなリズム」やホイッスルのようなサウンドも登場(7:00〜)一時リズムレス状態になりズミカルなシンセサウンドがより躍動するが、すぐにデフォルトの四つ打ちに戻る。終盤はサウンドがより鋭角的になり音が脳をグサリグサリと刺激する。
2 Phuture Jacks

グループ名である「Phuture」が呪文のように繰り返されるダンサブルな曲。「モザイク」のような低音と「カラフルなジェル」のようなシンセサウンド、リズムアプローチは「メタリックなブレイクビーツ」のような質感である(3:37〜)「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」というシンプルな四つ打ちのみの展開になるが、その後はドラムマシンのタイトなリズムなども加わり直線的なエッジを持ち始める。終盤は「Phuture」と共に「シャッ、シャッ、シャッ、シャッ」という呪文ボイスが連呼され、最後は酸性雨のようなアシッドなシンセサウンドが降り注ぐ。
3 Your Only Friend

全編を通して不穏なサンプリングボイスが儚く踊り、まるで「嫌な夢」を見た後のような気分になる曲。空気感を切り刻みようなリズムプローチが時折登場して、最後は金縛りのように不穏な声が強調されかなり怖い。

アシッドハウスのスタート地点とも言われる非常に興味深い作品で動物の鳴き声にエフェクトをかけたようなシンセサウンドの数々はまるでジャングルにいるかのような錯覚を味わえる。 またスライムやジェルを連想するカラフルで弾力のある低音やディープで「鼓動」のようにシンプルな四つ打ちのリズムは無条件にリスナーの体を揺らす。このポップネスを拒絶するかのようなクールでカラフルなサウンドは海を越えてロックのフィールド

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90年代末のロック至上主義の日本の音楽シーンに突如現れたドラゴン・アッシュ(Dragon Ash)は宇多田ヒカルと共に当時のティーンエイジャーに今までには明確な新感覚を提示したアーティストであった。

本作は彼らの3rdアルバムで前半はノリのよりHIP HOP・後半はロックやアコースティックという構成になっている。エッジのたった多様な音を盛り込んだトラックは、まるで「渋谷のセンター街を闊歩している」ようなストリートな錯覚をリスナーに与えてくれる。

HIP HOPとロックを合体させた「ラップメタル」がアメリカで流行った時代ではあるが、本作は「HIP HOPとロックを扱うセレクトショップ」のようなイメージである。本作の大ヒットにより「ミクスチャー」や「ラップ」という言葉がより身近になった。HIP HOPとロックを絶妙に配置したこのバランスは今後どのような変化を見せるのだろうか?!

    「要点」

  • ストリート感溢れるクールなトラック
  • 「HIP HOPとロックを扱うセレクトショップ」のようなアルバム

「曲解説」

2 Communication

インダストリアルな質感の硬質なビートの上をアジーテーションのようなKj(vo,rap)ラップが乗る(2:07〜)アーバンでジャジーなピアノの旋律が流れ静けさと安らぎを感じる。
3 Rock the beat

空に浮かぶ街を連想する吹奏楽器のミニマムな音色とソニックに切り刻むようなビートで構成されるトラック。歌詞は「自分たちなりのHIP HOPでシーンの頂点を目指す」という内容。
4 Humanity

80年代エレポップのような立体感のあるビートの上を歪んだシャッター音のようなフレーズがループされるストリート感MAXのHIP HOPソング。歌詞は「ニヒリストにならず前に進もう」という内容。
5 Attention

カッティングギターをフィーチャーしたファンクソングをサンプリングしたと思われるトラックの上をヘヴィで立体的なベースラインが底からグイグイと攻めてくる。ファンキーな女性コーラスも挿入されてアーバンな雰囲気を醸し出す。
6 Let yourself go, Let myself go

チープなトリックのようなループが響き渡るイケイケの曲。これまでの日本の音楽にはない新感覚を強烈に提示した1曲(3:35〜)晴れ渡る青空のように爽やかなKj(vo,rap)のボーカルラインが聴くことができる。
8 Drugs can’t kill teens

U2のような浮遊感を感じるイントロから突如、凶暴なスラッシュメタルに変貌するファストチューン。メロコアバンドのようなメロディーラインが新鮮。また何も起きない日常のような静かなパートの存在がハードでスラッシュなサウンドをより激しくしている(3:40〜)Kj(vo,rap)のボーカルが突如シューゲイザーのような囁きに変貌しビックリ。
10 Fool around

ドライブするベースラインが曲を引っ張るハードチューン。 派手なサビやギターソロなどはないがダレることなく緊張感が保たれている。
11 Freedom of Expression

メロウなアルペジオをサンプリングしたトラックからハードでダイナミックなバンドサウンドに切り替わる曲。「急停止」のようなノイズやグルーヴが時折、挿入されて曲に緊張感を与えている。
13 Viva la revolution

ヒステリックな女性の言葉の断片がループされる浮遊感のある曲。清々しい風のようなストリングスとメロウな女性ボーカルが癒しを与えてくれる。

90年代末のロック至上主義の日本の音楽シーンに突如現れたドラゴン・アッシュ(Dragon Ash)は宇多田ヒカルと共に当時のティーンエイジャーに今までには明確な新感覚を提示したアーティストであった。 本作は彼らの3rdアルバムで前半はノリのよりHIP HOP・後半はロックやアコースティックという構成になっている。エッジのたった多様な音を盛り込んだトラックは、まるで「渋谷のセンター街を闊歩している」

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90年代に活躍した女性ボーカルのギターロック・ポップアーティストの代表格ジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)。

YUKI(vo)のキュートな歌声は印象に残っていたのだがアルバムをじっくり聴きこんだことはなかったのだ。今回初めてジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)のアルバムを聴いてみたところ、90年代以降のギターノイズをいち早く取り入れたアバンギャルドとも言えるサウンドに衝撃を受けた。

しかし、そのサウンド以上に衝撃なのはこのアルバムが200万枚以上のセールスを記録しているという点である。アンダーグラウンドなシーンで壊れたノイズを取り入れているバンドは当時、もちろん存在していたとは思うが今作は壊れたノイズをふんだんに取り入れておりながらもダイレクトにフックの効いたボーカルラインが真っ先に耳に入ってきてメロディックなポップソングとして成立している。ノイジーで壊れたサウンドがYUKI(vo)のキュートな歌声をさらに魅力的に響かせている。

    「要点」

  • 97年の日本の音楽シーンで「やりすぎなノイズサウンド」
  • ノイズサウンドがYUKI(vo)のキュートな歌声をさらに魅力的に

「曲解説」

1 BIRTHDAY SONG

タイトルとは裏腹に「ロボットが壊れた」ようなノイズが鳴り響くオープニングソング。サビの後ろでも「関係ない」と言わんばかりにノイズサウンドが渦巻いているが同時に「氷のように透明」な電子音も鳴っておりノイズロックではなくノイズポップとなっている。間奏部やギターソロは非常にアバンギャルドでサイバーな空気感が流れるものとなっている。
2 ラブリーベイベー

壊れた質感を持つギターポップ「1 BIRTHDAY SONG」同様サビでも容赦無くぶっ壊れたノイズサウンドが響き渡る。 時折、挿入される愛らしいコーラスがアクセントになっている。97年の日本のJ-POPシーンでここまで壊れたノイズを前面に押し出した曲はレアだと言える
3 そばかす

時空が歪んだような心地よい違和感とキャッチーなボーカルラインを持つヒットソング。イントロ・間奏・アウトロではやはり壊れたノイズサウンドが鳴り響き(2:24〜)元気でノリの良い曲の中にジャージーでアダルトなパートが挿入される。歌詞はサウンドとは裏腹にメルヘンの極みのような内容となっている。
4 KISSの温度

アーバンなポップソングとノイズが同居している曲。部屋でくつろいでいるようなリラックス感と夢のような浮遊感を同時に感じる空気感で(1:26〜)マニアックなエフェクターがかかった歪み音で奏でられる牧歌的なフレーズは非常に癖がある。
6 Pinky loves him

少しジャージなサウンドとYUKI(vo)の元気な歌声の対比が面白い曲。「アダルトなバーに佇む男」のように淡々と静かに進行する。さすがにこの曲にノイズサウンドは登場しない。
7 くじら12号

ドライブするベースラインとジャカジャカ歪むギターサウンドを中心に展開されるヒットソング(1:27〜)サビのボーカルラインは「待ちわびた海開き」のような爽快さとダイナミズムを感じるものとなっているが、裏ではモノトーンなダンスビートが鳴り響きBPM以上のスピード感を演出している。
8 クラシック

「目の前がパッと開けた」ような開放感を感じるギターロック(1:40〜)ギターソロはモダンなサーフミュージックのような清涼感を感じるものとなっており、終盤は抑揚の効いたサビが繰り返し流れ最後は静かに終わる。
10 The Great Escape

本作を象徴するようなアグレッシヴなノイズポップ。ハードで畳み掛けるようなパンク調ではあるがYUKI(vo)のキュートな声とマッチしている。

90年代に活躍した女性ボーカルのギターロック・ポップアーティストの代表格ジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)。 YUKI(vo)のキュートな歌声は印象に残っていたのだがアルバムをじっくり聴きこんだことはなかったのだ。今回初めてジュディ・アンド・マリー(JUDY AND MARY)のアルバムを聴いてみたところ、90年代以降のギターノイズをいち早く取り入れたアバンギャルドとも言えるサ

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スピッツ(SPITZ)のキャリアの中でセールス的に最も成功した6枚目のアルバム。全曲を通して草野マサムネ(vo)のメロウで透明感ある歌声が響き渡り、どのようなサウンドやテンポであってもバカボンのパパのように「これでいいのだ!」状態でスピッツ(SPITZ)の音楽となっている。

失礼な話だが「2 涙がキラリ☆」などの曲は他のボーカリトが歌た場合、そこまで売れないのでは?!と思われるのだが草野マサムネ(vo)が歌うと一度でリスナーの頭にメロディーが刷り込まれる。「6 トンガリ’95」などはUSグランジロックに対する回答のような曲で色んな意味で「非売れ線」な曲だがこれまたポップソングとして成立してしまう。

この一度聴くと頭にインプットされる独特な歌声をもつシンガーはそう多くなく、90年代の日本の音楽シーンで考えるとパッと頭に浮かぶのは「草野マサムネ」「河村隆一」「MISIA」などだろうか。例えば、ルナシー(LUNA SEA)というバンドの場合は5人のメンバーの個性や癖を絡めて面白いものを作るというスタンスだが、スピッツ(SPITZ)は草野マサムネ(vo)の歌声を最大限活かす為に他のメンバーがサポートするというような構造になっているとじっくり今作「ハチミツ」を聴いて感じた。

    「要点」

  • 「6 トンガリ’95」はグランジロックへの回答
  • 一度聴くと頭にインプットされる独特な草野マサムネ(vo)の歌声

「曲解説」

2 涙がキラリ☆

イントロと間奏で聴ける「眩しい光」のようなギターリフが印象的なヒットソング。ヴァースの裏では「しっとりした雨」のようなアルペジオと「鐘の音」のようなカッティングが鳴り響く。歌詞の内容は「純粋さと下心の間で揺れる思春期男子の気持ち」といったところ。基本的にはメロウな曲だが不思議な熱量も感じる曲となっている。
3 歩き出せ、クローバー

「誰もいない曇りのビーチ」のような雰囲気を持つUKポップ風の曲で「サビ以上にサビ」なボーカルラインを持つメロウなBメロが素晴らしい(2:18〜)夏の幻のような陶酔感のあるギターソロが登場、ギターソロ以降はウォームに歪んだギターサウンドも鳴り響き、曇りから晴れに移りゆくようなサウンドになる。
4 ルナルナ

ザ・スミス(The Smiths)の曲をフリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)が演奏したようなポップソング。「待ちきれない明日の遠足」のような早足のテンポ感と「短く切ない夏休み」のような揺らめく電子音が印象的で柔らかいストリングスが爽快な風を運んでくる(3:26〜)最後は唐突に「夏の終わりの」ようなギターフレーズが飛び出す。
6 トンガリ’95

スピッツ(SPITZ)がグランジにチャレンジした尖っている曲。終始、がっつりと歪んだギターサウンドが鳴り響くが、イントロので聴けるキラキラした電子音やサビのコーラス「ルゥー、ウー、ウー」などがスピッツ(SPITZ)らしい。サビは「尖っている」というワードを草野マサムネ(vo)が甘い声で連呼するというシュールなものとなっている。この曲をガチのUSグランジ勢が聴いたらどのような反応示すのか興味がある。
7 あじさい通り

真夏の田舎道をゆっくりと練り歩くようなスローテンポの曲。「カッティングギターが淡々鳴り響く展開」と「シャボン玉のように揺らめくクリーンなアルペジオが踊るカラフルな展開」で構成されている(2:55〜)リバーヴを掛けた濃厚な煙のようなギターソロが曲にコクを与えている。
8 ロビンソン

日本の音楽史に残るメロウなギターポップソング。イントロとサビ裏で聴けるメロウなアルペジオは簡単そうにみえて実は難しく、サビのメロディーラインは素晴らしいの一言で「本当に空を飛んでいる」ような浮遊感を感じる名曲。
10 グラスホッパー

本作の中では「6 トンガリ’95」の次に歪んでいるハードな曲。低音がよく聴こえるウォームに歪んだサウンドだが「そよ風」のような爽やかさがある。

スピッツ(SPITZ)のキャリアの中でセールス的に最も成功した6枚目のアルバム。全曲を通して草野マサムネ(vo)のメロウで透明感ある歌声が響き渡り、どのようなサウンドやテンポであってもバカボンのパパのように「これでいいのだ!」状態でスピッツ(SPITZ)の音楽となっている。 失礼な話だが「2 涙がキラリ☆」などの曲は他のボーカリトが歌た場合、そこまで売れないのでは?!と思われるのだが草野マサムネ(

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