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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

カテゴリー「良作」のレビュー

1stアルバムで模索していた「パンク以降の次なるビジョン」が明確に見えたサウンドを聴く事ができる2ndアルバムで全編を通して「ダークでミステリアスなギターサウンド」を前面に押し出しだしている。

空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられ後に登場するダーク系ニューウェイヴ・アーティストに多大な影響を与えたと思われる。

本作でスージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees) が提示した「ダークで閉ざされた音世界」は極東の島国「日本」でも「V系」という異端な形で花開く事になる。本作はオールドスクールV系ファンに是非聴いて頂きたいアルバムである。

    「要点」

  • ・本作で提示された「ダークで閉ざされた音世界」は極東の島国「日本」でも「V系」という異端な形で花開く事になる
  • ・空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられる

「曲解説」

1 Poppy Day

「不吉という言葉を音楽化した」ような怪しくダークなギターサウンドが渦巻くオープニングチューン。このギターサウンドは後に登場するダーク系二ューウェイブ・アーティストに多大な影響を与えたと思われる。ベースはダークな音響の中で「憂鬱」なラインを淡々と奏でている。
2 Regal Zone

「密室」のような雰囲気を前面に押し出した曲で空間系エフェクトを活用したダークで鋭角的なギターサウンドが全体を引っ張っている(1:48〜)「重力がバグった」ようなエキサイティングな展開を見せる。終盤は「強迫観念」のようにダークなアグレッシヴさが強調された展開となる。
3 PlaceboEffect

ヘヴィメタルに「呪縛」のようなエフェクティヴ・アレンジを施したようなイメージの曲。オクターブ奏法やブラッシング奏法を使って奏でられるギターサウンドは、どこかスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)を彷彿とさせる。
6 Playground Twist

「狂ったジェット機」のようなギターサウンドが宙を舞い「不吉さを助長する」ような鐘の音「終幕のファンファーレ」のようなサックスも登場する実験的な曲。
7 Mother / Oh mein Papa

物悲しいオルゴール風サウンドが「メランコリックな夏休みの思い出」のように鳴り響く曲。スージー・スー(vo)のボーカルは「祈り」のように繊細で儚いものとなっている。
9 Love In a Void

「密室で奏でられたパンクロック」という趣の曲。歌詞はパンクとはまた違ったベクトルで捻くれたものとなっており「恋は空虚である、恋をすることは愚かである」との事だ。
10 Infantry

ダークな残響音が「ミニマルミュージック」のように繰り返されるミステリアスな曲でスティーヴ・ライヒ(Steve Reich)のアルバムに収録されていても全く違和感がない。

1stアルバムで模索していた「パンク以降の次なるビジョン」が明確に見えたサウンドを聴く事ができる2ndアルバムで全編を通して「ダークでミステリアスなギターサウンド」を前面に押し出しだしている。 空間系エフェクターを多用して「イマージネーションを音楽化」しているようなイメージのサウンドは「パンクとはまた違った意味での初期衝動性」が感じられ後に登場するダーク系ニューウェイヴ・アーティストに多大な影響を

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「パンク=反体制・反権力」という「レガシーな方程式」を作った存在がセックス・ピストルズ(Sex Pistols)であるとすれば、ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」というアティテュードを提示したアーティストであると言える。

本作は彼らのキャリアの中でも最も評価の高いアルバムの1つであり「スカ」「ロカビリー」「ジャズ」など様々な音楽要素を盛り込んでいる。「15 Lover’s Rock」ではパンクロックの中でピアノサウンドを活かす方法論なども模索しており、やりたい放題である。

また様々な音楽要素を盛り込むだけではなく「パンク以降の二ューウェイブ」を思わせる浮遊感漂うギターサウンドや音響もいち早く取り入れており「9 Clampdown」で聴くことができる「チカチカ」するようなサイケなギターサウンドはまさかのシューゲイザー風であったりする。

様々な音楽に触手を伸ばす「音楽マニア」である彼らの「表現欲求」は3rdアルバムにして早くも「パンクという檻」の中で収まりがつかなくなっていた。本作でザ・クラッシュ(The Clash) が提示した「ある種の柔軟さ」は当時オールドスクール・パンクファンを中心に賛否両論を巻き起こしたはずである。

    「要点」

  • ・ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」であるというアティテュードを提示したアーティストであると言える
  • ・「パンク以降の二ューウェイブ」を思わせる浮遊感漂うギターサウンドや音響も取り入れている

「曲解説」

1 London Calling

確かなメロディーと「パンクなしがらみ」から解放されている自由度の高いサウンドが印象的なタイトルトラック。ギターのコードバッキングは「記号」のような質感となっており、ポール・シムノン(b)のベースラインは「静かに佇む」かのようにクールである。
2 Brand New Cadillac

「路地裏」のようなダークさと「迷子」のようなギターフレーズが印象的な曲で「ベースがメインリフを奏で、ギターが空間構築に徹する」という「二ューウェイブ的方法論」をいち早く取り入れている。
3 immy Jazz

「古びた場末のbar」のような渋さがあるアコースティックソング(2:18〜)曲の空気に瞬時に溶け合うサックスサウンドがモノトーンな曲に色彩を与える。終盤は「音楽室にあるマニアックな楽器を無造作に鳴らしたようなイメージ」の展開となる。
6 Spanish Bombs

和訳「スペイン戦争」というシリアスなタイトルとは裏腹にサウンドは軽やかなギターポップとなっており、イントロのギターサウンドはややキュアー(CURE)風である。
7 The Right Profile

レトロで分厚いホーンサウンドをフィーチャーしており「スカ」からの影響を反映させている曲。ギターサウンドは「スカ」特有の「メカニカルに時を刻む」ようなフレーズとなっている。
8 Lost in the Supermarket

浮遊感のあるニューウェイヴのようなイメージの曲でコーラスを効かせたギターフレーズはキュアー(CURE)に近い質感。キュアー(CURE)はザ・クラッシュ(The Clash)の影響を受けているのだろうか?!歌詞は「スーパーマーケットで迷子になっている男の喪失感」についてであり、ポジティブな意味で「パンク=反抗的」という方程式を完全無視している。
9 Clampdown

アンプのハウリングを「電子音」のように利用しているシンプルなロックチューン(1:35〜)時代を先取りしているシューゲイザー風のギターサウンドが「チカチカ」と響き渡る。
15 Lover’s Rock

女性ボーカルをゲストに招いたデュエットソング。タイトル通りスウィートなポップソングとなっておりサウンドも「よく晴れた午後」のように爽やかである。
16 Four Horsemen

シンプルなパンクソングにピアノサウンドを上手く絡めた曲となっており「パンク=音楽的自由」というザ・クラッシュ(The Clash)的パンク美学をアルバム収録曲の中で最も分かりやすく表現している曲かもしれない。

「パンク=反体制・反権力」という「レガシーな方程式」を作った存在がセックス・ピストルズ(Sex Pistols)であるとすれば、ザ・クラッシュ(The Clash) は「パンク=音楽的自由」というアティテュードを提示したアーティストであると言える。 本作は彼らのキャリアの中でも最も評価の高いアルバムの1つであり「スカ」「ロカビリー」「ジャズ」など様々な音楽要素を盛り込んでいる。「15 Lover&

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様々な音楽ジャンルからの影響をサウンドに反映させた1stアルバムと比べてシンプルなサウンドとなっており「ブルース」や「ハードロック」的な熱量が印象的なアルバムとなっている。

また1stアルバム以上に原由子のピアノサウンドがフィーチャーされており「非売れ線サウンド」な曲の中でもポップネスを感じる事ができる一つの大きな要因となっている。

「7 気分しだいで責めないで」は名曲「勝手にシンドバッド」同様にラテン調であり、 桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」と奇跡の相性をみせ本アルバムでも特筆すべき曲となっている。 桑田佳祐(vo)の歌声はバラードにありがちな「湿っぽさ」「暗さ」を良い意味で見事にかき消し曲に「圧倒的なポップネス」を与える魔力がある。

国民的ラブバラードと言っても過言ではない名曲「10 いとしのエリー」に関しても桑田佳祐(vo)が歌うと「ラブバラード特有の非恥ずかしさ」が消去されポップソングらしい「楽しさ」が強調されている。

    「要点」

  • ・「7 気分しだいで責めないで」は名曲「勝手にシンドバッド」同様にラテン調であり、桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」と奇跡の相性をみせる。
  • ・名曲「10 いとしのエリー」に関しても桑田佳祐(vo)が歌うと「ラブバラード特有の非恥ずかしさ」が消去されポップソングらしい楽しさが強調される。

「曲解説」

1 お願いD.J.

「爽やかな早朝」を連想する軽やかな曲で「水滴」のような透明感を感じるピアノサウンドが印象的であり、ちょっと狂ったDJの語りがフィーチャーされている。
2 奥歯を食いしばれ

「濃厚なコーヒー」のような桑田佳祐(vo)のしゃがれ声がリスナーの鼓膜にまとわりつくブルージーなロックソング。ギターサウンドはオールドスクールなハードロック風でウォームな響きである。中盤以降は「レゲエ的な揺らめく音響」が強調されるという展開を見せる(3:20〜) 本格的にレゲエサウンドに移行、桑田佳祐(vo)の歌声は「愉快な夢を見ている老人」の独り言のようである。
3 ラチエン通りのシスター

「夕暮れ」を思わせるハーモニカが印象的なバラード。ミニマムでシンプルなリズムアプローチの上で桑田佳祐(vo)が伸びやかなボーカルラインを歌い上げる。この曲の歌詞は桑田佳祐がかつて交際していた女性をモデルに書かれたらしい(wiki)が、サビの歌詞「彼氏になりたきゃどういうの」というフレーズを後に妻となる原由子が歌っているのには何とも言えない気まずさを感じる。
6 アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)

牧歌的な雰囲気とタイトル通り「アラブ的な賑やかさ」が同居する曲となっており、ホーンサウンドが濃厚な雰囲気を演出している。
7 気分しだいで責めないで

ラテン的なノリの良さを感じるロックチューン。サウンドは非売れ線でルーズなハードロック調ではあるのだが、桑田佳祐(vo)が歌う事で唯一無二のポップネスを放つ曲となっている(1:25〜)ギターソロは「チープな西部劇をヘヴィメタルにした」ようなイメージの音である。
8 Let It Boogie

アーバンな雰囲気と「田舎」のようなのどかさが同居しているノリノリのポップチューン。歌詞はエロい系で「やりたい放題」(2:04〜)「ロックンロール!」というご機嫌なシャウトが登場しそのままギターソロになだれ込む。
10 いとしのエリー

ディープなベースラインを中心に展開されるサザンオールスターズ(Southern All Stars)の代表曲。歌詞は「エリーとの恋を最後の恋」にしたいと願う主人公が、愛するエリーに対してシンプルに真っ直ぐな愛情を歌うというシリアスな内容だが「歌が上手い酔っ払い」桑田佳祐(vo)が歌うとラブバラード特有の気恥ずかしさが消えてポップソングらしい楽しさが強調されるのである。

様々な音楽ジャンルからの影響をサウンドに反映させた1stアルバムと比べてシンプルなサウンドとなっており「ブルース」や「ハードロック」的な熱量が印象的なアルバムとなっている。 また1stアルバム以上に原由子のピアノサウンドがフィーチャーされており「非売れ線サウンド」な曲の中でもポップネスを感じる事ができる一つの大きな要因となっている。 「7 気分しだいで責めないで」は名曲「勝手にシンドバッド」同様に

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幅広い年齢層に支持される国民的なアーティスト/サザンオールスターズ(Southern All Stars)のデビューアルバム。

デビュー作にしてサザンオールスターズ(Southern All Stars)の魅力をギュッと詰め込んだような作品となっており、ハードロックやプログレなどに影響を受けたアーティストが多かったと思われる78年当時に「サンバ」「ボサノバ」「レゲエ」からの影響をサウンドに反映しておりパブリックイメージとは異なる「音楽マニア」な側面が垣間見れる。

そして桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」はサウンドが「サンバ」「ボサノバ」はたまた「レゲエ」であろうが「そんなの関係ない」と言わんばかりにリスナーの脳に「濃厚なメロディー」を刻み込む魔力がある。またセンチメンタルな内容の歌詞であっても「驚異的に歌が上手い酔っ払い」という形容がピッタリの桑田佳祐(vo)が歌うと本来、曲がもっているであろう「湿っぽさ」や「暗さ」を感じる事が一切ない。

極端な話、桑田佳祐(vo)が歌えば例えどんなに「シュールな歌詞」や「非売れ線サウンド」であってもポップとして成立し「嫌でも売れてしまう」だろう。

    「要点」

  • ・デビュー作にしてサザンオールスターズ(Southern All Stars)の魅力をギュッと詰め込んだような作品
  • ・「驚異的に歌が上手い酔っ払い」という形容がピッタリな桑田佳祐(vo)のボーカル

「曲解説」

1 勝手にシンドバッド

「リオのカーニバルを和風にアレンジした」ようなイメージのサンバ調のヒットシングル。デビューシングルのオープニングソングにして 「サザンオールスターズ(Southern All Stars)」というアーティストの魅力が凝縮されており、桑田佳祐(vo)独自の「しゃがれた巻き舌歌唱」がキレキレで曲の中を縦横無尽に動き回る。歌詞の内容は「サザンらしく海で出会ったアンタを思い出す」というものだが、歌詞の展開的に唐突感が半端ない「いま何時?!」なるコーラスがこの曲に強烈な「コミカルさ」を与えていると感じる。
2 別れ話は最後に

「夢見心地」のような揺らめく音響が印象的なボサノバ風の曲。「雨が降っているのに空は晴れている」というレアな状況を「雨のSun shine Road」と表現している。
3 当って砕けろ

「抑えられないワクワク感を音楽化した」ような賑やかなポップソング。「祝祭」のようなホーンセクションが中心となって展開されるサウンドだが、アーバンなピアノが曲全体をアダルトに引き締めている。
5 茅ヶ崎に背を向けて

「曇った夏の海辺」のようなポップソングでループされる「ガラス」のようなコードカッティングと清涼感のあるピアノサウンドを中心に展開される。ボーカルは桑田佳祐(vo)と原由子によるデュェットとなっており桑田佳祐(vo)のボーカルは「驚異的に歌が上手い酔っ払い」風、対照的に原由子のボーカルは「普通に冷静」である。終盤は熱いギターソロが「溢れ出す思い」のようにブルージーに響き渡る。
7 女呼んでブギ

「女の気持ちが分かるモテる男」をテーマにした歌詞が印象的な曲で歌詞の中にはモテる男に対する同性(男)からの「嫉妬」と「鋭い指摘」が混在されている。「女呼んでもんで抱いていい気持ち」なるラインは現在では明らかにNGであると思われる。
8 レゲエに首ったけ

サンプルリングされた動物の鳴き声が「ジャングル」を連想するレゲエソングで「我関せず」と言わんばかりにクリーンなギターフレーズがマイペースにリフレインされる。「レゲエは女よりいいや」というフレーズがガチであれば当時、桑田佳祐(vo)は相当レゲエに傾倒していたと思われる。
10 今宵あなたに

ディープなベースラインと「高級レストラン」のようなピアノサウンドを中心に展開される曲。基本バラードではあるが「ディナーショー」のような華やかさも混在している珍しいタイプである。ギターソロとピアノソロの前で「メンバー紹介」を行う余裕も見せつける。

幅広い年齢層に支持される国民的なアーティスト/サザンオールスターズ(Southern All Stars)のデビューアルバム。 デビュー作にしてサザンオールスターズ(Southern All Stars)の魅力をギュッと詰め込んだような作品となっており、ハードロックやプログレなどに影響を受けたアーティストが多かったと思われる78年当時に「サンバ」「ボサノバ」「レゲエ」からの影響をサウンドに反映して

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硬質かつシリアスな作風でアーティスティックな印象があった前作「JUST A HERO」の反動からか?!シンプルなビートとキャッチーなボーカルラインが目立つアルバムとなっている。

本作には80年代中頃〜後半にかけてティーンエイジャーであった者なら一度は聴いた事があるであろう「1 B・BLUE」「2 ONLY YOU」などのボウイ(BOØWY) を象徴するシンプルなビートロックが収録されており、トータルで見て彼らのパブリックイメージに最も近いアルバムとなっている。また本作はオリコンチャート1位を獲得した大出世アルバムでもあり、世の中にバンドブームなる現象を起こす一つのキッカケにもなった。

世の中に ボウイ(BOØWY)のコピーバンドが大量発生しロックバンドとして「完全に天下を取った」ボウイ(BOØWY)だが、同時に売れたことによってアイドル扱いされるようになった自分達に違和感を感じるようにもなっていった。ある意味、近い将来に起こる解散を決定つけたアルバムであると言える。

    「要点」

  • ・ボウイ(BOØWY) を象徴するシンプルなビートロックが収録されており、トータルで彼らのパブリックイメージに最も近いアルバム
  • ・オリコンチャート1位を獲得した大出世アルバム

「曲解説」

1 B・BLUE

「シンプル」と言う言葉を具現化したような8ビートが心地よいビートロック。名曲「マリオネット」と共にボウイ(BOØWY)というバンドのパブリックイメージを作り上げた曲で難解であった前作「JUST A HERO」からの反動なのか?!非常にポップな躍動感を感じるサウンドとなっている。歌詞は「不器用で傷つけあった過去の恋愛」をテーマにしつつ「もう一度飛ぶのさ」と力強く宣言する内容となっており「ナイーヴな湿り気」は一切感じない。
2 ONLY YOU

煌びやかなギターサウンドに乗せて「お前に対する真っ直ぐで熱すぎる愛情」を歌うロックチューン。氷室京介(vo)がここまで前向きなラブソングを歌ったのは筆者の知る限り初めてである。この曲におけるドラムプレイも「1 B・BLUE」同様に「晴れ渡る青空」のように果てしなくシンプルである。
4 BEAT SWEET

布袋寅泰(g)特有の不思議なコミカルさを感じるギターリフを中心に展開されるロックチューン。歌詞は「男の下心を気持ち良い位に全肯定」した内容となっており、要約すると「君とはじめて会った日から、その白い素肌の事ばかりを考えるようになり、みだらな夢ばかり見ている」というもの(1:58〜)ギターソロはピッキングハーモニクスを交えたフレーズとなっており「揺らめく」ようなエフェクトもかけられている。
5 NOISE LIMITTER

ドラムマシーン風の高橋まこと(dr)のドラムプレイが印象的な曲で「カチッ」としたメカニカルなサウンドがメインとなっている。終盤に「呑気」と形容しても良い「子供向けアニメ的な音響」に転調するというまさかの展開を見せる。
7 B・E・L・I・E・V・E

シンセの連打が「過去のメモリーを思い起こさせる」ように鳴り響くバラード。サビのボーカルラインはボウイ(BOØWY)史上最も「安らぎ」を感じるメロディーとなっている。「ゆったりと時が流れる」ようなギターソロなどは、インディーズ時代から激動の日々を送ってきたボウイ(BOØWY) に与えられた「束の間の休息」のようである。
10 WORKING MAN

鋭角的なインダストリアルビートで幕をあける疾走感抜群のロックチューン。作詞はなんと松井恒松(b)が担当。タイトルにもなっているWORKING MANとは「パンを食えて飛び乗る」というラインから推測するとおそらくサラリーマンの事であろう。初期のボウイ(BOØWY)は「サラリーマンという存在そのものに対する強烈な嫌悪感」をパンキッシュに吐き出していた訳だが、この曲の歌詞にはサラリーマンに対して「哀れな奴ら」的な同情がありつつも応援歌的なエッセンスもある。彼らのこの心境の変化は、以前のレビューでも触れたが「他者を否定・批判するだけの歌詞」はある意味「居酒屋で無駄な熱量を発するサラリーマン」と本質的には変わらないという「パンクの矛盾」に気付いたからではないだろうか?!
12 DRAMATIC?DRASTIC!

トーキング・ヘッズ (Talking Heads)を意識した音創りをした曲(wiki)サビ裏でボーカルラインと同様のメロディーを「煙」のようなサイケな音色で奏でるギターサウンドがインパクト大(2:12〜)ギターソロは「トロピカルな妄想」を具現化したようなラインとなっており、布袋寅泰(g)のタイトなリズム感を堪能する事ができる指弾きフレーズとなっている。
14 SENSITIVE LOVE

「曇り空」のようなどんよりした音響の中でクリーンなアルペジオが存在感を放つラストチューン。歌詞は「いつの間にか冷めていた恋愛感情」についてである。

硬質かつシリアスな作風でアーティスティックな印象があった前作「JUST A HERO」の反動からか?!シンプルなビートとキャッチーなボーカルラインが目立つアルバムとなっている。 本作には80年代中頃〜後半にかけてティーンエイジャーであった者なら一度は聴いた事があるであろう「1 B・BLUE」「2 ONLY YOU」などのボウイ(BOØWY) を象徴するシンプルなビートロックが収録されており、トータ

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