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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

カテゴリー「良作」のレビュー

オリジナルアルバムには何故か収録されていない8枚目のマキシシングルでc/wにはメインボーカルである今井 絵理子・島袋 寛子のソロ曲が収録されており色んな意味で”この先”を予感させる内容となっている。

「1 ALL MY TRUE LOVE」はこれまでのスピード(SPEED)ソングをよりパワフル×タフにしたようなファンクソングとなっており歌詞に登場する「翼なんてないって気付いた」「消えそうな位にちっぽけだと思っていた」という”冷めた質感”には少しびっくりさせられる。大ヒット曲「White Love」のジャケットで手を翼に見立てて無邪気に空を飛んでいた少女の姿はこの曲には存在しない。

歌詞の内容は恋愛をテーマにしたものではあるが過去の曲で歌われた「熱烈な片思い」ではなく「輝くあなたについていきたい」というスタンスで成熟を感じさせる内容となっている。この短期間での精神的な成長はまるで「精神と時の部屋に入っていた」かのようでビックリだ。また今井 絵理子・島袋 寛子のツインボーカルは過去最高のクオリティーを見せ魅力である甲高いハイトーンボイスは「大空を羽ばたく鳥」のように伸びやかに響き渡る。

「2 見つめていたい」は島袋 寛子(hiro)のソロ曲となっており「息子の成長を見つめる母親の心境」のような歌詞が印象的である。ソロ初作品ではあるが「島袋 寛子(hiro)がソロ活動したこんな感じだろうな」とファンが思うイメージそのままの曲となっており色んな意味で完成されている。やはり島袋 寛子(hiro)はとんでもなく早熟な人であると感じる。

「3 冷たくしないで」今井 絵理子のソロ曲で落ち着いたモノトーンな質感のhiroの曲とは対象的なアッパーなキラキラ系ダンスチューン。ハリのあるハイトーンでアグレッシヴに攻めまくるボーカルラインはスピー(SPEED)以上にスピード(SPEED)的であり、「シンプルな四つ打ち」「冷たい風のようなコーラス」「カラフルな電子」「スピーディーなラップ」などを総動員したサウンドはとんでもなく疾走感がある。中盤以降は歪んだギターサウンドが存在感を強めサイバーでザクザクした質感のリフで曲をサポートする。歌詞の内容は熱烈な片思いの究極系のような内容となっている。

    「要点」

  • ・オリジナルアルバムに収録されていない8枚目のマキシシングル
  • ・メインボーカルである今井 絵理子・島袋 寛子のソロ曲をc/wに収録
  • ・「3 冷たくしないで」の攻めまくるボーカルラインはスピード(SPEED)以上にスピード(SPEED)的

オリジナルアルバムには何故か収録されていない8枚目のマキシシングルでc/wにはメインボーカルである今井 絵理子・島袋 寛子のソロ曲が収録されており色んな意味で”この先”を予感させる内容となっている。 「1 ALL MY TRUE LOVE」はこれまでのスピード(SPEED)ソングをよりパワフル×タフにしたようなファンクソングとなっており歌詞に登場する「翼なんてないって気付いた」「消えそうな位にちっ

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ルナシー(LUNA SEA)史上最もスレイヴ(彼らの熱心なファン)の中で賛否両論を巻き起こした問題作「SHINE」。

「1 SHINE」のサウンドを一言をで言うと「煌びやかな光を感じるタイトなポップパンク」という趣であり普通に良い曲である。だがしかし、ルナシー(LUNA SEA)というアーティストにおいてはこの「真っ当な光(SHINE)」は当時明らかにNGな質感であったのである。メンバーもおそらくリリース後の反響を受けて「リリースするのが早かった」と感じたことだろう。

要は俗な言い方をするとファンが彼らについていけなかったのである(筆者も含めて)

世界の音楽シーンと同時進行で「元祖オルタナ的な尖りきったサウンド」でインディーズシーンに登場した彼らには、既存の音楽シーンに対して「常にカウンターであり続けないといけない」というある種の強迫観念が常につきまとった。異端なアーティストが既存のシーンに対してカウンターを浴びせ時代の寵児になるまでのストーリーは実に美しくカリスマ的であり、また当時の音楽ビジネスの主流であったタイアップを拒絶した「孤高のスタンス」もコアで内向的なロックキッズには魅力的に移った。

94年~96年にかけての3年間はルナシー(LUNA SEA)の絶頂期であった。この3年間はまさに「神の時期」で自分たちのやりたい事と「内向的な激しさ」を求めるコアなロックキッズとの間で完璧にニーズが合致した。だがこの完璧なバランスを保つのは色んな角度から見て不可能に近く、彼らは96年に傑作アルバム「STYLE」をリリース後に活動休止に入った。

ただでさえ「先が見えない」から活動休止した訳であるが、彼らは活動休止中も各々5人5様のソロ活動を精力的に行いあらゆる刺激を吸収していった。またボーカルのRYUICHIは本名の河村隆一名義で300万枚のアルバムセールスを達成。河村隆一が在籍するバンドとして音楽にさして興味がないような中高生にも認知されるバンドとなってしまった。

■常に変化するルナシー(LUNA SEA)

■ダークで耽美的で実験的なサウンドを求めるコアなロックキッズ

■河村隆一的なものをルナシー(LUNA SEA)に求める世間・レコード会社

このような迷路的状況になってくるとまさに八方塞がり状態で何をやっても「以前より良くない」という評価にしかならないのは明白で筆者も本作がリリースされ始めて聴いた時は率直に言って「これは何かの間違いだ」と思った。そう、彼らの作り出した「独自のサウンド」は90年代に多数のフォロワーを生み出し当時のロックシーンで完全にブランド化されていたのである。要するに異端から頂点に上り詰めたカリスマブランドはそのイメージから逸脱したイメージを打ち出すことは極めて困難であるという事だ。

当時の彼らにとって最も簡単な選択はファンが求めるルナシー(LUNA SEA)サウンドに河村隆一的なエッセンスを僅かに追加することである。だが彼らはこのカオスな状況においても不器用なまでにこれまで同様に普通に「変化した」。鳴っている音はこれまでのサウンドと比べると非常にポップ感が強く戸惑いも大きかったのは確かだが「何も変わらないスタンス」を貫いた。この作品のリリースがなければ現在のルナシー(LUNA SEA)は存在していないといっても過言ではないほどにチャレンジ精神のある作品であると思う。

大人になった今なら分かる。

    「要点」

  • 賛否両論を巻き起こした問題作
  • 不器用にこれまで通り変化したサウンド

ルナシー(LUNA SEA)史上最もスレイヴ(彼らの熱心なファン)の中で賛否両論を巻き起こした問題作「SHINE」。 「1 SHINE」のサウンドを一言をで言うと「煌びやかな光を感じるタイトなポップパンク」という趣であり普通に良い曲である。だがしかし、ルナシー(LUNA SEA)というアーティストにおいてはこの「真っ当な光(SHINE)」は当時明らかにNGな質感であったのである。メンバーもおそらく

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前作の流れを汲んだソウル・ジャズテイストはもちろん「レゲエ」「ファンク」なども消化したアルバムとなっており、彼らがTKサウンド(ファミリー)の中でも特別な立ち位置にいることが分かる濃厚なサウンドを展開している。

その濃厚なサウンドを中和するように「優雅さ」「心地よさ」を感じるストリングスや「静かに時を刻む」ような質感のカッティングギターが多くの曲で採用されており「4 Happening Here」はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)の ファンクソングをTKがアレンジしたような質感の曲となっている。

また「9 R&R,Who?“t”KOO-L」には90年代的なストリート感がありグランジやミクスチャーからの影響をわずかながらに感じる事ができる。

    「要点」

  • ソウル・ジャズテイストはもちろん「レゲエ」「ファンク」なども消化したアルバム
  • 彼らがTKサウンド(ファミリー)の中でも特別な立ち位置にいることが分かる濃厚なサウンド

「曲解説」

1 BRAND NEW TOMORROW(Album Version)

「晴天のような青さ」と「心地よい風」のようなストリングが印象的なポップソング。サビはしっかりと抑揚がありYU-KI(vo)のパワフルな歌声を引き出している(3:33〜)前作からの流れであるソウルな質感が強調されて、そのまま渋みのある洗練されたサックスソロに繋がる。終盤はサビがリピートされる展開だがソウルフルな女性コーラスのサポートもありこれまでよりも華やかに響く。
2 ALL YOU NEED IS LOVE

恍惚感を感じるオルガンとパワフルでシンプルなドラムをフィーチャーしたミドルテンポの曲。Aメロは「淡々とした語り調」でサビは「メインボーカル以上に目立つソウルフルな女性コーラス」がボーカルラインに華を添える(3:13〜)ストリートを連想する様々な人のサンプリングボイスが挿入され曲をさらにファンキーにする。
3 Xmas dance wiz U(HAPPY NEW YEAR)

X’masが近くワクワク感と冬の冷たさをパッケージングしたアーバンなソウル。「静かに時を刻む」ようなカッティングギターが印象的(2:50〜)少しだけセンチメンタルでコクのあるギターソロ(3:33〜)秘め事のようにきらめくアルペジオが滑らかに流れる。歌詞の内容は渋いサウンドとは裏腹に「X’masやnew yearを君と一緒に踊りたいと願う」シンプルなラブソングとなっている。
4 Happening Here

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)のファンキーな曲をTKがアレンジしたような曲でこの曲でも「静かに時を刻む」ようなカッティングギターと「曇り空」のような質感のアルペジオが導入されている。インダストリアルな質感の硬質なビートと「ガラス玉」のような透明感をもつ電子音も印象的。クールなYU-KI(vo)とDJ KOOのラップも披露されヒップホップ色が強い。
5 Hold the Line

「優雅」なストリングスやバイオリンを導入したエモーショナルなバラード。この曲でもカッティングギターが静かに時を刻み、 ベースラインは「雨雲」のような湿り気とディープさを感じるものとなっている。
7 teens

「放課後」のような開放感とノスタルジーを感じる歌謡テイストが強いバラード。「夕日」のような包容力をもつコーラスが曲に眩しさを与えYU-KI(vo)のボーカルを支えている(1:56〜)「センチメンタルな思い出」のような渋いサックスソロが登場。歌詞の内容も「恋しいけど、もうあの日には帰れない」というセンチメンタルなものとなっておりサウンドを言語化したような内容となっている。
9 R&R,Who?“t”KOO-L

ジャンクなロックサウンドを1.5倍速にしたようなイメージのファンキーチューン。SEではおそらくではあるがパブリック・エナミー(Public Enemy)の音源がサンプリングされており「DJスクラッチの断片」「アーバンな質感のカッティングギター」 「大粒の雨のような質感のドラム」なども随所に挿入される。縦ノリと横ノリが良いバランスで融合されており、ついついリズムをとってしまう。
10 HOT WINTER NIGHT~samuiyorudakara~

ヒットシングル「寒い夜だから…」をレゲエ調にアレンジしておりアシッドハウスにジャズテイストを反映させたオリジナル版とは全く異なるフィーリングをもっている。「牧歌的な夏のような雰囲気のサウンドの上で歌われるサビの歌詞「寒い夜だから」は心地よいシュールさがある(2:38〜)「青い残像のような質感のギターソロは非常にサイケデリックであり不思議なトロピカル感もある。

前作の流れを汲んだソウル・ジャズテイストはもちろん「レゲエ」「ファンク」なども消化したアルバムとなっており、彼らがTKサウンド(ファミリー)の中でも特別な立ち位置にいることが分かる濃厚なサウンドを展開している。 その濃厚なサウンドを中和するように「優雅さ」「心地よさ」を感じるストリングスや「静かに時を刻む」ような質感のカッティングギターが多くの曲で採用されており「4 Happening Here」

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無国籍な質感のサウンドアプローチが印象的であった前作「WORLD GROOVE」からわずか半年足らずでリリースされた4thアルバム。

「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などの曲は「口ずさむたくなる抜群のメロディー」と「つい体を動かしたくなるフィーリング」が融合されておりレイヴサウンドをJ-POPに落とし込むという方法論が完璧なまでに機能していると感じる。

また「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などで聴くことができるサビの圧倒的な爆発力は鳴っている音はこそ全く異なるが「静→動」のダイナミズムを強調したオルタナティヴロックに通じるものがある。

サウンド面では90年代前半のテクノサウンドからの影響を感じる極彩色な電子音やジャズやヒップホップのレコードからサンプリングした様々な音や声などを反映している曲もありこれまでの作品よりストリート感があると感じる。

    「要点」

  • 「7 survival dAnce(12”REMIX)」はレイヴ×J-POPの完成系
  • 極彩色な電子音やジャズやヒップホップのレコードからサンプリングした音の断片を曲に反映

「曲解説」

1 BILLIONAIRE(ORIGINAL SUMMER’94 MIX)

ダビーな質感のリズムと中国風のシンセサウンドが印象的なオープニングソング。歌詞は「生きていく為の仕事」と「自分が描く夢」ついて言及しており 「自分の可能性を信じてビッグな存在を目指せ」とリスナーにエールを送る曲。小室哲哉ってこんな熱い系メッセージソングを書く人なんだと少しびっくり。
2 Le Bleu(GRAND BLEU DANCE)

「海岸をドライブする」ような清涼感を感じるポップなハウスチューンで時折、小室哲哉独自の浮遊感を感じるコーラスが「髪を乱す風」のように流れる。 ボーカルラインはメロディーよりメッセージ性を重視しているような感じで「メロディックな語り」のようである。
3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)

テクノグループ/808ステイト(808 State)のようなシンセサウンドと重低音がビビッドに響くハードテクノ(1:46〜,4:18〜)YU-KI(vo)の声が 「酩酊」のように揺れるアレンジは非常にサイケである。サビのボーカルラインはおそらくキーボードで作ったと思われる質感であり「出会いこそ人生の宝探し」であるという真理をリスナーに突きつけてくる。終盤は「夏の終わり」のような哀愁を感じる旋律をシンセサイザーが奏でる。
4 Sexual in Gravure (JAZZY GROOVE MIX)

ジャズやヒップホップの音源から様々な音や声をサウンプリングした遊び心ある曲。「ジャジーなトラックを流してラッパーやダンサーが即興でパフォーマンスした」ようなイメージが頭に浮かぶ。
5 TRUTH’94(UNPLUGGED STYLE MIX)

ピアノとボーカルのみで構成されたセンチメンタルなバラード。「嘘が溢れて夢が隠れていた」というラインは、夢を忘れて日々何気なく過ごしている多くの人にとって耳が痛いフレーズだと思われる。
7 survival dAnce(12”REMIX)

爆発的な疾走感をもつサビのボーカルラインが秀逸なノリノリのダンスチューン。全編を通して「カラフルなバブル」に包まれたようなドリーミーな質感のアレンジが施されている。サビのボーカルラインは「yeah」と「wow」が大部分を占めるミニマムな構造だがとんでもなくインパクトがある(2:28〜)「雨雲」のようにどんよりとしたベースラインと幽玄なシンセが「Bメロ」のボーカルラインをなぞる珍しいアレンジ。

無国籍な質感のサウンドアプローチが印象的であった前作「WORLD GROOVE」からわずか半年足らずでリリースされた4thアルバム。 「3 BOY MEETS GIRL(12”CLUB MIX)」「7 survival dAnce(12”REMIX)」などの曲は「口ずさむたくなる抜群のメロディー」と「つい体を動かしたくなるフィーリング」が融合されておりレイヴサウンドをJ-POPに落とし込むという方

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前作「FAKE STAR」が可愛く思える程に放送禁止レベルの反逆ソングが多く収録されている5thアルバム。

前作「FAKE STAR」に収録されていたパンクソングの強度を更に高めたサウンドに乗せて歌われる歌詞は、音楽業界だけに留まらずテレビやV系シーンまでをディスりの対象としており、もはや「痛快」の域である。反面、「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」などの歌詞は反抗期男子のフラストレーションを代弁したような歌詞は非常に繊細でこの二面性が清春(vo)の魅力なのだろう。この時期の清春はファッションリーダーとしてもまさに神の域で中高生男子から絶対的な支持を得ていた。

    「要点」

  • 放送禁止レベルの反逆ソングを多く収録
  • 「12 NEEDLESS」の歌詞は反抗期男子のフラストレーションを代弁

「曲解説」

1 MIND BREAKER

「ザクっ」とした歪んだギターサウンドが中心となって展開されるヘヴィロック。タイトルである「MIND BREAKER」というフレーズをメロディックに歌い上げるサビが非常に頭に残る(2:05〜)間奏部ではヘヴィなサウンドの上を「金縛り」のような清春(vo)の声が空間を舞う。
2 DRUG PEOPLE

ビジネス最優先の音楽業界をディスった歌詞と挑発的なラップ風歌唱が印象的なファンクロック。サウンド自体は「砂鉄」のような歪みを感じるギター、強烈にうねるベースラインとタイトなドラムのみで構成されているシンプルなものである。
3 DRIVE

「ザクっ」とした音質のシンプルなパンクロック。時折現れる幽玄なシンセサウンドはまるで「白い煙」のようだ。歌詞は現在では間違いなくリリース出来ない類のものでありセックスドラッグを前面に押し出している(1:58〜)BPMが急速に落ち人時(b)のベースリフが繰り返しリフレインされる、このあたりは作曲者の特権と言えるだろう。
4 C.Y.HEAD

ミニマムなリフがリフレインされるド直球のパンクロック。音楽評論家に対して「たいした文章も書けない」「君の頭はプラスティックだ」と真っ向から喧嘩を売る歌詞が痛快。C.Y.HEADは「cutting your head」の略であると思われる。
5 CAN’T SEE YARD

腐った音楽産業や業界人を気持ちいい位にディスる曲で清春(vo)のボーカルはエフェクトでガッツリと歪んでおり、反抗期の男の子の気持ちを代弁するかのような熱量がある。
6 DISTRACTION

ギターとベースがユニゾンする分厚いリフが印象的がパンクチューン。音楽業界のみならず「ロッカーではない子供向けタレント」にまでディスりの範囲を広げた反逆ソング。サビで登場する「オーオーオッ」という野太いコーラスはまるで自分が「勇敢な勇者」になったかのような錯覚をリスナーに与える。
7 Spray

抜群のメロディーラインを持つノリノリのパンクソング。気持ち良い位に攻撃的なディスりソングが続いた後に登場するこの曲の歌詞は、「Sprayで描いた夢は叶うから」と優しくそして力強くティーンエイジャーにエールを送るという内容になっている。「手に負えない不良が時折見せる優しさ」は、「普通の人の優しさ」の10倍評価されるのと同じ法則でこの曲の歌詞は普通のミュージシャンが書いた歌詞の10倍優しくリスナーに響く。
9 BLOODY VALENTINE

伝説のシューゲイザーアーティスト/マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)を意識したと思われる浮遊感と透明感をもつ歪みソング(2:22〜)久しぶり感のある耽美的でエロティックなギターサウンドが登場し、その後は強度を増したうねる歪みとガラスの破片のようなクリーンサウンドが絡まる(3:40〜)ボーカルラインの後ろで「隠しアイテム」のようなクリーンアルペジオがミステリアスに響く。
11 NITE&DAY

「刹那的な恋愛を映画にした」ようなメロウなアコースティックソング。全編を通して「霧の中にいる」ような心地よいウエットな質感がありメロウな歌詞が数段メロウに切なく響き渡る。「繊細な男女の心の揺れ」を描いた歌詞がとにかく素晴らしい。
12 NEEDLESS

「全力疾走」のようなスピード感をもつメロディックなパンクソング。反抗期男子の気持ちを代弁している歌詞が生々しく、そして繊細な響きをもっている。「昔話好きな大人から逃げたい」という気持ちは若気の至りだが、確かに10代のある時期はそういう気持ちが自分にもあったような気がする。「あの頃の気持ち」を思い出させてくれる名曲である。
13 Like @ Angel

全ての塞ぎ込む思春期期男子に「ナイフで窓を削り天使の羽を広げて羽ばたこう」とエールを送るメッセージソング。「窓のない部屋で膝を抱えている」というフレーズは思春期特有の陰鬱さを端的に表した名フレーズだと思う。
14 BAD SPEED PLAY

BADなSPEEDを体感できる強烈なハードコアソング。歌詞は当時頻出していたモノマネV系バンドの事を痛烈にディスっていると思われる内容であり、現在の音楽シーンでは明らかに発売できないレベルの反逆ソング。「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」という反抗期・思春期の少年の気持ちを代弁したような素晴らしいパンクソングの後で、しかもラストソングにこの曲を配置するあたり「さすが」としか言いようがない。

前作「FAKE STAR」が可愛く思える程に放送禁止レベルの反逆ソングが多く収録されている5thアルバム。 前作「FAKE STAR」に収録されていたパンクソングの強度を更に高めたサウンドに乗せて歌われる歌詞は、音楽業界だけに留まらずテレビやV系シーンまでをディスりの対象としており、もはや「痛快」の域である。反面、「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」などの歌詞は反抗期男子の

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