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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

カテゴリー「良作」のレビュー

「FAKE STAR」を自称する黒夢らしい「強烈な我流」を感じるデジタルパンクアルバム。

本作に収録されてる「7 REASON OF MY SELF」の歌詞にもあるようにまさしく「昨日いた場所、立つのを拒んでいる」という内容となっており、前作「feminism 」に収録されていた「カマキリ」のようなパンク・ハードコアテイストの曲が多く収録されている。またヒデ(hide)やバクチク(BUCK-TICK)からの影響を感じられる「インダストリアルな歪み」も多くの曲で導入されておりサイバーな質感がある。

歌詞はサウンド以上にぶっ飛んでおり現在だとリリースが難しいと思われる生々しい音楽業界批判も数曲で歌われている。反抗期における少年のフラストレーションに同調してくれるメッセージが圧倒的に不足していた90年代半ばにおいて、この反逆と言っていい尖った歌詞は非常に存在感があった。

「静寂」を感じるエンディングにうってつけの曲「15 夢」の後にぶっ壊れた「16 H・L・M」 is ORIGINAL」を配置するあたりは正に「FAKE STAR」。

    「要点」

  • 「強烈な我流」を感じるデジタルパンクアルバム
  • 現在だとリリースが難しいと思われる生々しい音楽業界批判

「曲解説」

1 Noise Low3

「情報過多」のようなインダストリアルノイズが「テレビ画面に映る砂嵐」のようにザラついた質感で鳴り響くインスト。攻撃的音響とは対照的に人時(b)のベースラインは「砂時計」のように淡々と時を刻む。
2 FAKE STAR

前作「feminism」に収録されていた「カマキリ」に近い質感のサウンドを聴かせるデジロック風のパンクチューン。洋楽アーティストのモノマネになる位なら「FAKE扱い」されても構わないと高らかに宣言し、また商業主義な音楽業界をバッサリと切り捨てている。最後は「狂い果てた後」のような清春(vo)のシャウトが炸裂する。
3 BEAMS

1曲目2曲目の暴れっぷりが嘘のようにスペーシーな浮遊感を感じるポップソング。歌詞の内容は「自身の無神経な一言に対する後悔」と鮮やかな彼女についてであり、パンクな反抗ソング「2 FAKE STAR」の歌詞を書いた人物が書いたとは思えない少しメルヘンな内容となっている。
4 BARTER

高速のエレクトロビートが終始リフレインされるインダストリアル風ロックチューン。「詞は誰に書かせようか?」「二番煎じあたるから」など、やりすぎな音楽業界批判を展開している。
6 SEE YOU

冷たく耽美的なV系ソングをポップパンク化したような曲。歌詞はエモく「長い片思いの終わり」をテーマにしているが、内省的な内容ではなく「恋の終わり」=「卒業」と捉え未来に向けて一歩踏み出そうという前向きなものとなっている。
7 REASON OF MY SELF

「深夜徘徊」のようなダークさと足音を感じるサウンドをもつ曲であり、歌詞は「遠回りしてもしてもいいから自分たちのやりたい事をやっていく」と決意表明するような内容となっている。「昨日いた場所、立つのを拒んでいる」という歌詞からは「常にオリジナルでいたい」という強烈な熱量を感じる。
9 SEX SYMBOL

「砕けたグラス」のような質感のミニマムな歪みギターリフがリフレインされ「畳み掛ける」ようなテンションで展開されるエロい系パンクソング。間奏部では「行為後」のような脱力感と「嘲笑」のような清春の笑い声が虚しく響くパートが挿入されアクセントとなっている。
10 Cool Girl

「ドッドッドッドッ」という「大きなドット」のような人時(b)のベースが存在感を放つ曲。コード進行はニルヴァーナ(Nirvana)的な混沌とした質感で歌詞は「9 SEX SYMBOL」同様にエロい系である。サビでは「Cool Girl」というワードに呼応するかのように「炭酸飲料」のような清涼感を感じるシンセサウンドが挿入される。
11 S.O.S

ローファイな質感の低音と「疾風」のようなシンセサウンドを中心に展開されるデジタルパンク。イントロとアウトロで登場する透明でエッジのたった電子音は規則正しく「ミステリアスな記号」のように鳴り響き非常にインパクトがある。「悪趣味な君は僕がFavorite」という歌詞は「Sなのか?Mなのか?」もはやよく分からない。
14 ピストル

ミニストリー(Ministry)彷彿の強烈な歪みをもつインダストリアルなイントロから「極彩色の部屋」のような質感のカラフルなポップソングに転調するインパク大の曲。「疾風」のような電子音が部屋の中を駆け巡りデジタルな質感を曲に与えている。歌詞は壊れた内容で「壊れていく、撃ち殺せないピストル」についてである。
15 夢

極限までそぎ落とされた音数で展開される「誰もいない真っ白なベッド」のような哀愁を感じるメランコリックなバラード。壊れた質感のサウンドが多いアルバムの中で「安堵の時間」と言える静寂が存在し、清春の歌声は「本当の俺」のような素顔感がある。
16 H・L・M」 is ORIGINAL

「15 夢」という最後にピッタリな曲の後に用意されている「壊れたルービックキューブ」のようなマニアックな歪みチューン。清春のボーカルラインは呪文風でオリエンタルな浮遊感を感じるものとなっている。カラフルでバグった電子音が所狭しと自由に踊り、リスナーの頭を心地よく混乱させる。

「FAKE STAR」を自称する黒夢らしい「強烈な我流」を感じるデジタルパンクアルバム。 本作に収録されてる「7 REASON OF MY SELF」の歌詞にもあるようにまさしく「昨日いた場所、立つのを拒んでいる」という内容となっており、前作「feminism 」に収録されていた「カマキリ」のようなパンク・ハードコアテイストの曲が多く収録されている。またヒデ(hide)やバクチク(BUCK-TIC

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前作・前々作同様に様々な音楽的要素をラルクサウンドに反映させているアルバムであり、サックスやピアノ、ホーンセクションを大胆に活用して「渋みのあるジャジーなテイスト」や「カラフルで弾けたポップネス」を曲に反映している。

「1 SEVENTH HEAVEN」「12 Hurry Xmas」などは共にアルバム「True」に収録されていても不思議ではない弾けた質感をもっているし、またエレクトロニカやアンビエントミュージックからの影響を感じられる「冷たくクリアーな質感のサウンド」も登場してこれまでとは違う空気感を演出している。

前作・前々作では割とラフでストレートなサウンドを鳴らしていたken(g)がラルクの代名詞とも言える輝きに満ちたディレイサウンドを聴かせてくれるので、90年代の王道ラルクサウンドが好きなリスナーにとっても入っていきやすいアルバムとなっている。

    「要点」

  • 「渋みのあるジャジーなテイスト」「カラフルで弾けたポップネス」が印象的
  • 90年代の王道ラルクサウンドが好きな人も入っていきやすいアルバム

「曲解説」

1 SEVENTH HEAVEN

アルバム「True」に収録されている「2 Caress of Venus」とも共通するカラフルな光を感じるアッパーなダンスロックチューン。hyde(vo)のボーカルラインは「ラップ」のように歯切れが良くこれまでにはないフィーリングを感じさせ、ギターサウンドは「衛星」のように空間を彷徨っている。
2 Pretty girl

「二日酔い」のようなルーズさがあるロックチューン。ポップなタイトルとは裏腹にビンテージな質感を持つシンプルなギターリフがリフレインされる渋い曲だが、サビの裏ではカラフルなサックスが踊るというポップ職人「ラルク」らしい展開を見せる。hyde(vo)の歌声は低音が強調されたダンディーなテイストのものとなっている。
3 MY HEART DRAWS A DREAM

ken(g)得意のディレイサウンドが「夜空の星々」のように輝く曲。全体を通して「霧」のような透明感があり全てのパートがクリアーに響き渡る。終盤はミニマムでアンビエントな質感のピアノがループされ「冷たい雨」のように降り注ぐ。
4 砂時計

「蜃気楼」のように揺らめくken(g)のディレイサウンドがリフレインされる幻想的な曲(1:24〜)「ガザッ」という唐突なブラッシングノイズとパンチの効いたドラムの連打が挿入されて清涼感のあるクリアーなサビに移行する。終盤は「精神と時の部屋」のような真っ白な空間を思わせるストリングスをバックにアグレッシヴなバンドサウンドが鳴り響く。
5 spiral

「ハリネズミ」のようなインダストリアル・ビートが印象的で密室のような雰囲気の曲で電子音や歪んだギターサウンドが次々と現れ不穏に鳴り響く。終盤はスローなBPMではあるが非常に疾走感を感じるサビが繰り返しリフレインされる。
6 ALONE EN LA VIDA

「ラテン」な異国感と哀愁の風を感じるオーガニックソング。「優雅なストリングス」「小雨のようなスパニッシュギター」を中心に展開される。時折、登場するken(g)のリードギターは「夕暮れを羽ばたく鳥」のように自由である。
7 DAYBREAK’S BELL

「内省派エモバンド」のような透明なギターサウンドと「雫」のようなメランコリックなピアノが絡まるサウンドが「梅雨」のような湿り気と透明感を演出するジャジーな曲。(1:13〜,2:18〜,3:18)サビのボーカルラインは歌謡テイストが強く「川」のように滑らかに流れる。
8 海辺

ヘヴィな歪みと冷たいピアノサウンドの共存が印象的な曲。タイトルとは裏腹に「実験室」のようなダークさがあり(2:47〜)ギターソロはテクニカルなヘヴィメタルフレーズのようだ(3:35〜)これまでのダークさが嘘のように「晴れ渡る空」を連想する爽やかなパートが挿入されるが、それもつかの間すぐに元のダークなサウンドに戻る。終盤はダークなサウンドに「斜陽」のようなken(g)のギターサウンドが僅かな光を差し込む。
9 THE BLACK ROSE

ミニマムミュージックの巨匠「スティーヴ・ライヒ」を思わせるミニマムなピアノの連打で始まるジャジーなヘヴィチューン(0:50〜,1:54〜,2:48〜)サビではhyde(vo)らしい伸びやか高音を活かしたボーカルラインの裏で透明感溢れるピアノが舞い、サビの後はヘヴィなバンドサウンドと並走する形で「渋みのあるワイン」のようなホーンセクションが鳴り響くレアな展開を見せる。
11 雪の足跡

天から降り注ぐ光をスポットライトにしてhyde(vo)がしっとりとエモーショナルに歌い上げるバラード。ローファイな質感のドラムと重厚なバイオリンを中心に構成される曲でありラルクのバラードの中でも指折りにシンプルな構成をもつ曲ではあるが、リスナーにノスタルジーな冬の景色を連想させる。
12 Hurry Xmas

アルバム「True」に収録されていても不思議ではない弾けたポップソング。クリスマスのワクワク感を表現しているようなストリングスとカラフルなホーンセクションが終始曲をリード(1:35〜)ギターソロは「Xmasプレゼントに添えられた花束」のような華やかさがあるジャジーなテイスト。またポップネスの権化のような歌詞から「ラルク」や「ロック」という殻を打ち破ろうとするチャレンジ精神を感じる。

前作・前々作同様に様々な音楽的要素をラルクサウンドに反映させているアルバムであり、サックスやピアノ、ホーンセクションを大胆に活用して「渋みのあるジャジーなテイスト」や「カラフルで弾けたポップネス」を曲に反映している。 「1 SEVENTH HEAVEN」「12 Hurry Xmas」などは共にアルバム「True」に収録されていても不思議ではない弾けた質感をもっているし、またエレクトロニカやアンビエ

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アルバム「ray」と同時に発売された6thアルバム。

「ray」はインディーズアルバム「DUNE」にも通じるダークさがあり彼らが昔からやりたかったサウンドの集大成のようなアルバムとなっているが、本作「ark」はジャンルやこれまでのキャリアに縛られず、やりたい事をナチュラルにパッケージングしたアルバムという印象である。

「ノリノリでドライブ感のあるロックチューン」「神々しい雰囲気のバラード」「ポストロックやトリップホップからの影響を反映させたニューウェイブとはまた異なるダークな質感をもつ曲」などやりたい放題。90年代末という時代もあり本作は300万枚以上のセールスを記録。90年代末〜2000年代初頭は明らかに邦楽ロックの頂点にラルクが君臨していた。

    「要点」

  • やりたい事をナチュラルにパッケージングしたアルバム
  • ノリノリでドライブ感のあるロックチューンも収録

「曲解説」

1 forbidden lover

マーチ風のブレイクビーツが斬新で「深海」のようなディープな雰囲気を持つ神々しいバラード。サビにおけるhyde(vo)のボーカルラインは過去最高レベルの神ラインであり「天までに届くエネルギー波」のように強烈な響きを持つ。また歌詞に久しぶりに「神」「瓦礫」などのワードが登場するが、初期のミステリアスな歌詞を洗練させたような仕上がりとなっている。
2 HEAVEN’S DRIVE

クールなカッティングと「春風」のようなコーラスが印象的でウネるドライブ感が魅力のロックチューン(0:35〜)hyde(vo)のエロい歌詞に絡みつくken(g)のギターフレーズはまるで「濡れた蛇」のような質感である(0:58〜,1:51〜,3:06〜)サビはドライブ感のあるロックサウンドから一変、キャッチーなホーンセクションが華やかに弾ける(2:20〜)「隠しアイテム」のようなサビ以上にサビな華やかなボーカルラインが登場。
3 Driver’s High

「イケイケのドライブ」のように疾走するロックチューン。イントロのken(g)のギターサウンドは名曲「2 Vivid Colors」と共通する哀愁感があるが、歌詞の内容は「2 Vivid Colors」とは正反対であり、かつて「列車は今日彼女の街を超えて」とナイーブに歌っていたのが嘘のように「この世の果てまでぶっ飛ばす」と宣言する。サビは「2 HEAVEN’S DRIVE」同様に非ロックな華やかに弾けるサウンドを聴かせてくれる。
4 Cradle

トリップホップのようなダークさと透明感を感じる実験的な曲。「クリスタル」のような質感の電子音が「真っ暗な密室」のような空間に僅かな光を灯し、 「蜃気楼」のように揺らめくDJスクラッチはポーティスヘッド(Portishead)のようだ(3:20〜)ダークな雰囲気と歩調を合わせるかのようにギターソロはダウナーな質感である。
5 DIVE TO BLUE

タイトル通りブルーな質感と「宙を舞う」ような浮遊感を感じるギターポップ。ken(g)得意のディレイサウンドはかつてのようなモノトーンな質感ではなく「カラフルなバルーン」のようにキャッチーであり、反面tetsuya(b)のベースラインは浮遊感のあるギターサウンドとは対照的に地を這うような質感である。
6 Larva

ポストロック系のモザイクがかったミニマムなビートと「青空」のように晴れ渡るシンセサウンドが印象的なインストナンバー。作曲は幅広い音楽に興味を持つyukihiro(dr)が担当している。
7 Butterfly’s Sleep

キュアー(CURE)の耽美的な曲を90年代的な壊れた質感で再構築したような曲。時折挿入されるストリングスは「情熱大陸」のように優雅である。ken(g)のギターは「豪雨」のような質感で音響的であるが、tetsuya(b)のベースラインはまるで「大蛇」のように立体的でメロディアス。
8 Perfect Blue

「南国」のような開放感とトロピカルさを持つポップソング。ギターサウンドはまるで「砂浜に埋もれたガラス瓶」のように透明で煌びやか。終始リラックスした雰囲気が漂いこれまでのラルクにはないタイプの曲である。
9 真実と幻想と

「宇宙」のようなディープさをもつトリップホップ風の曲。歪んだギターサウンドの断片がリスナーの脳に突き刺さりサビは「儚い願い」のように美しい。中盤以降は重層なストリングスが存在感を増し神々しい雰囲気が漂う。終盤は「氷の雫」のような電子音と「渦巻き」のようなギターリフがリフレインされる。
11 Pieces [ark mix]

「曇った早朝のビーチ」のようなブルーを感じる名バラード(2:38〜)「美しい風景画」のような曲にken(g)のアバンギャルドなノイズプレイがアクセントを加えており、曲がギリギリ破綻しないラインで成立させているバグった質感を与えている。このギターソロがなければ曲の印象は全く異なったものとなっていただろう。

アルバム「ray」と同時に発売された6thアルバム。 「ray」はインディーズアルバム「DUNE」にも通じるダークさがあり彼らが昔からやりたかったサウンドの集大成のようなアルバムとなっているが、本作「ark」はジャンルやこれまでのキャリアに縛られず、やりたい事をナチュラルにパッケージングしたアルバムという印象である。 「ノリノリでドライブ感のあるロックチューン」「神々しい雰囲気のバラード」「ポスト

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「秋が近づく夏の海」のようなメランコリックな空気感と内省的な歌詞を持ち「ポップ」に対する挑戦を感じれられる3rdアルバム。

メランコリックではあるがポップでもあるという不思議なバランス感覚があり鳴っているサウンドは異なるがルナシー(LUNASEA)のアルバム「EDEN」に近いものがあると感じる。

「2 Vivid Colors」「7 夏の憂鬱」などには日本人の琴線に触れる歌謡性がありこれまでのラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)の曲に比べてメロディーが非常に頭に残る。ラルクサウンドのキーマンであるken(g)のギターサウンドは前作のような透明で耽美的な質感ではなく、コクがある哀愁感漂うサウンドを聴かせるがやはり煌びやかで曲に豊かな色彩を与えている。

気になるのはラストに収録されている「10 The Rain Leaves a Scar」の存在でアルバム全体に流れるメランコリックな質感もありつつもダイナミックに突き刺さる勢いを感じる曲となっている。このダイナミックな勢いは次作を暗示するものなのだろうか?

    「要点」

  • 「秋が近づく夏の海」のようなメランコリックな空気感と内省的な歌詞
  • メランコリックではあるがポップでもあるという不思議なバランス感覚

「曲解説」

1 Still I’m With You

後にリリースされるヒットシングル「DIVE TO BLUE」とも共通する軽やかさを持つポップソング。「空間を舞う」ようなギターワークとは対照的にベースラインはスローで「地を這う」ような質感である(2:12〜)タイトルである「Still I’m With You」というワードが「子守唄」のようにリフレインされる間奏パートを挟み、そのままギターソロに突入する。終盤はサビが何度も何度もリフレインされ、アウトロではken(g)が得意とする透明なディレイサウンドが登場して曲に彩りを与える。
2 Vivid Colors

エモい歌詞と「ライ麦畑」を連想する哀愁漂うサウンドが印象的なヒットシングル。(1:15〜 , 2:10〜 , 3:28〜)サビは知らない風景がビビッドに広がる歌詞を歌うボーカルラインと「田舎道を走るような列車」を思わせる軽やかでビビッドに歪むカッティングギターが絡む展開。前作までにはないポップネスを感じるサウンドと日本人の琴線に触れる「切なさ」「哀愁」を持つ歌詞が印象的でセンチメンタルな失恋をテーマにしていると思われる。インディーズアルバムのような密室感が嘘のように開放的な雰囲気を醸し出している。
3 and She Said

煌びやかなギターサウンドと連打されるオルガンが60年代サイケのようなロックチューン。wikiにはビートルズを意識した曲と書かれているがサウンドというより「迷いのない突き抜けたポップネス」がビートルズ的であると感じる。
4 ガラス玉

「真夏の夜の海」のような質感のセンチメンタルなバラードから「大空を羽ばたく鳥」のようなエモーショナルロックに移行するインパクト大の曲。「難解なパズル」のようなプログレ的な響きを持つつもメロディックなギターソロは、90年代ギターキッズにとってテクニカルの一つの基準にもなった名ソロである。終盤は「誰もいない海辺に静かに佇む男のつぶやき」のようなhyde(vo)のボーカルが存在を放つ。
5 Secret Signs

「黄金の宮殿」を連想する煌びやかサウンドとエロい歌詞を持つオリエンタルな質感の曲。シンセサウンドを大胆に導入しており、サビのバックではボーカルラインと「呪文」のようなシンセフレーズが並行し曲をミステリアスをしている(1:52〜)シンセによるソロパートまで飛び出す。
7 夏の憂鬱

日本人の琴線に触れる歌謡性を持つメランコリックソング。歌詞は過去の恋愛を引きずる男のナイーブな心情を歌っており、美化された過去に浸っている主人公が「もう秋が来るから」と強がって前に進もうとするが、やはりあなたを失った僕に降り注ぐ「夏の憂鬱」には抗えないという内容となっている。後に「夏の憂鬱 time to say good-bye」なるシングルがリリースされるが、筆者としてはアルバム収録されているオリジナル版「夏の憂鬱」のほうが素晴らしいと思う。
8 Cureless

キュアー(CURE)の耽美な曲をビートロックにアレンジしたような曲(0:40〜 , 1:46〜)愛し方を知らない主人公による嘆きが「交錯」のように響き、まるで「鏡の中の世界にいる」ような錯覚をおぼえる。サビの歌詞は「あなたを救いたいが傷つけてしまう」というなんとも切ない内容。
10 The Rain Leaves a Scar

ラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)が得意とする流れるような旋律を持つ耽美チューン。ザ・スミス(The Smiths)のような80年代UKギターサウンドをダイナミックに演奏したような曲で本作の中で最もストレートでアグレッシヴである。

「秋が近づく夏の海」のようなメランコリックな空気感と内省的な歌詞を持ち「ポップ」に対する挑戦を感じれられる3rdアルバム。 メランコリックではあるがポップでもあるという不思議なバランス感覚があり鳴っているサウンドは異なるがルナシー(LUNASEA)のアルバム「EDEN」に近いものがあると感じる。 「2 Vivid Colors」「7 夏の憂鬱」などには日本人の琴線に触れる歌謡性がありこれまでのラル

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インディーズアルバムに存在したダークで密室的な雰囲気が後退して「耽美」「メロウ」などの形容詞がよく似合う2ndアルバム。キュアー(CURE)などの耽美派UKアーティストからの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流に消化したサウンドを聴かせてくれる。

前作同様にken(g)のギターサウンドは「眩しすぎる光」を感じるものとなっており様々な情景をリスナーに連想させ、また今作から歪んだギターサウンドも導入されておりセンチメンタルな展開から歪んだパートに切り替わる曲も存在している。

hyde(vo)のボーカルラインは「耽美」「メロウ」なサウンドとは対照的に「大空」や「天空」を連想する伸びやかなものとなっている。前作的な響きをもつ曲はsakura(dr)作曲の「6 Inner Core」位であり、彼らの挑戦的な姿勢がしっかりと音に反映されている作品となっている。

    「要点」

  • インディーズアルバムに存在したダークで密室的な雰囲気が後退
  • 「耽美」「メロウ」などの形容詞がよく似合うサウンド

「曲解説」

1 In the Air

「空を舞う」ような浮遊感と「太陽」のような光を感じる空間系ギターポップ。hyde(vo)の美しい高音を活かした伸びやかなボーカルラインは、どこか「密室」のような雰囲気があった前作には見られなかったものである。イントロとアウトロで登場するアルペジオは「誰もいない早朝のビーチ」のようにメロウだ。
2 All Dead

「鏡の中の世界」のような揺らめきを感じるボーカルがインパクト大の曲。イントロ・アウトロでは「波紋のような質感の美しいピアノ」と「頭の中をグシャグシャとかき乱す歪みギター」が絡みつく。曲の中で透明感のある様々な音色のギターサウンドが登場しまるで「油絵」のような深みを感じる事ができる。時折挿入されるグランジ的なうねるギターリフが曲に締まりを与えており(2:10〜)ギターソロは前作の箱庭的な世界には収まりきらない程に叙情的で確かな熱を感じる。
3 Blame

「センチメンタルでメルヘンな思い出のような質感のパート」と「突き刺さるように疾走するパート」の対比が印象的な曲で「静」→「動」を強調した展開はある意味グランジ的である。終盤はアグレッシヴな展開で真っ白なイメージのサウンドレイヤーが存在感を放ち「宙に浮く」ような浮遊感を曲に与え、 最後は自由に弾きまくるken(g)のエフェクティヴなギターワークが「爪痕」のように刻まれる。
4 Wind of Gold

耽美的でメランコリックなUKギターポップのような曲で「誰もいない早朝のビーチ」のような雰囲気を醸し出している。淡々と鳴り響くアコギと「ガラス瓶」のようなキラメキを持つクリーンサウンドを中心に展開される(2:18〜)サビのボーカルラインの後ろで「限りなく透明なベール」のようなストリングスが鳴り響く。その後は「ガラス玉」を連想する木琴のような音がミニマムに鳴り響きアクセントとなっている。
5 Blurry Eyes

「レトロなヨーロッパの街並み」を連想する流れるようなギターサウンドがあり、強烈なサビのボーカルラインが一発で頭に刻まれるシングル曲。サビでは「センチメンタルな思い出」のようなオルゴール風のフレーズが鳴り響き曲にポップネスを与えている。アウトロは「巡る思い」のようなメロウなギターフレーズによって締めくくられる。
6 Inner Core

地下室のようなダークな質感が他の収録曲とは一線を画する異色曲(0:46〜 , 4:42〜)インディーズアルバムに収録されていても違和感がないミステリアスで歪んだ語りがルナティック。ダークで密室的な雰囲気をもつ曲ではあるがサビのhyde(vo)によるボーカルラインは密室的な質感とは対照的で「天空」のように伸びやかである(2:25〜)ギターソロはプログレバンドのように手の込んだもので「油絵」のような透明感と揺らめきを感じテクニカルである。アウトロでは「恐怖すら感じる壊れた質感の笑い声」が空間を歪める。
7 眠りによせて

「牧歌的な雰囲気を持つボサノヴァ調パート」と「グランジーに歪んだパート」が交互に展開されるラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流グランジソング。ギターソロが終わった後は「歪んだパート」と「ボサノヴァ調パート」がミックスされたようなイメージで、ハードではあるが牧歌的な雰囲気も失われず存在するという凝った展開を見せる。
8 風の行方

「真夏の青空」のような眩しい光を感じるメロウなギターチューン(2:05〜)サビの裏ではボーカルライン以上に目立つベースラインがミステリアスに踊る。「比喩に比喩を重ねられた歌詞」はシュールな印象だが「次の恋を期待する」メランコリックな休日のようなイメージである。
10 White Feathers

「曇り空」のようなどんよりとした空気感を持ち最小限の音数で構成される空間系ギターバラード。サビのボーカルラインは「卒業式」のようなセンチメンタルと光を感じるものとなっており、悩みながら迷いながらでも少しでも前に進もうという希望をリスナーに与えてくれる(4:45〜)ギターソロはアバンギャルドで曲をズタズタに引き裂くような質感である。

インディーズアルバムに存在したダークで密室的な雰囲気が後退して「耽美」「メロウ」などの形容詞がよく似合う2ndアルバム。キュアー(CURE)などの耽美派UKアーティストからの影響をラルク アン シエル(L’Arc〜en〜Ciel)流に消化したサウンドを聴かせてくれる。 前作同様にken(g)のギターサウンドは「眩しすぎる光」を感じるものとなっており様々な情景をリスナーに連想させ、また今

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