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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果62件

カテゴリー「名作」のレビュー

伝説のパンク・アーティスト「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」が残した唯一のオリジナルアルバム。サウンド的にほぼ全ての曲に統一感があり「アグレッシヴなパンクサウンド」で埋め尽くされている。

「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」の最大の特徴は「明らかにノーマルではないイントネーショーンでコミカルですらあるジョニー・ロットン(vo)のボーカリゼイション」にこそあると思うのだがサウンドにも「計算されていないようで実はされているキャッチーさ」がある。

代表曲「8 Anarchy in the U.K.」などは言葉を選ばずに言うと「オラついた良質なポップ・ミュージック」であり、一度聴くとメロディーやサウンドが耳から離れない中毒性がある。「12 E.M.I.」は所属していたレコード会社(EMI)を痛快なまでに批判するパンクロックのお手本のような曲でパンクロックの歌詞=「反抗的・批判的という方向性」に大きな影響を与えたと思われる。

    「要点」

  • ・「明らかにノーマルではないイントネーショーンでコミカルですらあるジョニー・ロットン(vo)のボーカリゼイション」
  • ・代表曲「8 Anarchy in the U.K.」などは言葉を選ばずに言うと「オラついた良質なポップ・ミュージック」

「曲解説」

1 Holidays in the Sun

「軍隊の行進」SEから始まるパンクチューン。「捲し立てる」ようなジョニー・ロットン(vo)のボーカルは「明らかにノーマルなイントネーションではなく」舐めきっている。この「頭のネジが外れた」ようなハイテンションは当時とんでもなく斬新であったに違いない。
2 Bodies

ホーラーテイストのハードロック風ギターフレーズで幕をあけて、そのままハイテンションなパンクチューンになだれ込む曲。歌詞の中で「俺は動物ではない!」(I’m not an animal)と主張しているが、サビで「Bodies!!」と叫ぶジョニー・ロットン(vo)のボーカルは「狂った狂犬」のように危険である。
4 Liar

「嘘つき野郎」をヒステリーなテンションでディスり倒すシンプルなパンクチューン(1:30〜)ギターソロは同じポジションでチョークアップ・ダウンを機械的に繰り返すというものになっており「テクニカルなハードロックやプログレに対する一種のアンチ」のような質感である。
5 God Save the Queen

「俺にもお前にも未来なんてない!!ノーフューチャーだぜ!」と言い放つ身も蓋もない代表曲。タイトルの和訳は「女王様万歳」ではあるが、歌詞の内容は悪意に満ちた皮肉で溢れている。
8 Anarchy in the U.K.

パンチの効いたロックンロールに乗せて「俺はこの街でアナーキストになる」と大胆に宣言する代表曲。「アナーキストになりたい」という「ワルなモチベーション」は、どう考えても問題だがこの「ある種の志の高さ」は見習うべきであると思う。筆者はこの曲を聴いてはじめて「アナーキー」「アナーキズム」という言葉を知った。歌詞の中に「I use anarchy(アナーキー)」なるフレーズも登場「アナーキを使うという発想」は「オラオラ系パンクス」からは出てこない発想であり、インテリなジョニー・ロットン(vo)らしい。アナーキックな歌詞がインパクト大の曲だが、サウンドにはご丁寧にキャッチーなギターソロも用意されておりアルバム収録曲の中でも最も「ポップソングとしての体裁」があると感じる。
9 Submission

「沈んだ」ような気怠さを感じるスローなリフロック。他の曲と比較するとやや異なるテイストであり、ギターサウンドはオールドスクールなハードロックのようである。
10 Pretty Vacant

ノリノリなサウンドと威勢の良いボーカルとは裏腹に「空虚な自分たちを皮肉った」虚無感を全面に押し出した歌詞がなんとも言えない曲。歌詞の和訳を読み込むまでは頻出する「we so pretty」というフレーズから「イケてる俺たち」を自称するご機嫌なナンバーであると筆者は勘違いしていた。
12 E.M.I.

所属していたレコード会社(EMI)を「明らかに舐めきった歌唱法」で痛快なまでに批判するパンクロックのお手本のような曲で多くのパンクアーティストに影響を与えたと思われる。90年代の日本の音楽シーンでは黒夢がこの曲からインスピレーションを受けたと思われる「カマキリ」という曲をリリース※EMIの事を「Easy Money Island」と痛烈に批判※セックス・ピストルズ(Sex Pistols)は「既に利害がなくなったレコード会社(EMI)」をこの曲で強烈にディスった訳だが、黒夢の場合は「EMI」に所属しているアーティストという立場でありながらEMIをディスった。この場合どちらが「パンク」としてイケているのだろうか?!コアなパンクリスナーに聴いてみたいものである。

伝説のパンク・アーティスト「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」が残した唯一のオリジナルアルバム。サウンド的にほぼ全ての曲に統一感があり「アグレッシヴなパンクサウンド」で埋め尽くされている。 「セックス・ピストルズ(Sex Pistols) 」の最大の特徴は「明らかにノーマルではないイントネーショーンでコミカルですらあるジョニー・ロットン(vo)のボーカリゼイション」にこそあると思う

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「アーバンな冷気」を感じるシンセサウンドやマシーンビートを大胆に導入し、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)やニュー・オーダー (New Order)などの前衛的なアーティストからの影響を強く感じる硬質でシリアスな作風となっているボウイ(BOØWY)の4thアルバム。

アルバム全編を通して布袋寅泰(g)のギターサウンドは非常に実験的で「アヴァンギャルド」と形容しても良い内容となっている。特に「5 Justy」で聴けるギタープレイは特筆すべき「完璧な内容」と言ってよく布袋寅泰(g)史上TOP3に入るクオリティなのでは?!と筆者は感じる。

また氷室京介の作詞もこれまでと比べて「難解でマニアックな言葉」をチョイスしており「5 Justy」における「エスプリック」「ボナンザグラム」※クロスワードクイズの一種※「11 Welcome To The Twilight」における「アレスクラ」(ドイツ後で「It’s ok」の意味)など、実験的なサウンドにナチュラルに融合するシュールなものが多くなっている。本作は「ノリの良いロックを求めるリスナー」にはリアクションの難しいアルバムなのかもしれないが「シリアスなニューウェイブサウンドが好きなリスナー」には高評価を得るそんなアルバムだと思う。

    「要点」

  • ・硬質でシリアスな作風となっているボウイ(BOØWY)の4thアルバム
  • ・「5 Justy」で聴けるギタープレイは特筆すべき「完璧な内容」と言ってよく布袋寅泰(g)史上TOP3に入るクオリティなのでは?!
  • ・氷室京介の作詞に関しても「エスプリック」「ボナンザグラム」「アレスクラ」などの「難解でマニアックな言葉」をチョイスしている

「曲解説」

1 Dancing In The Pleasure Land

冷気とエッジを感じるシンセサウンドとクラウディーな布袋寅泰(g)のギター音色が印象的なダンサブルな曲(1:56〜、3:05〜)「ウ〜ッ、ハッ」というボウイ(BOØWY)らしからぬワイルドなコーラスが登場し、一時的に「先住民の宴」のような展開となる。終盤はチープなリズムトラックが挿入され、タイトルである「Dancing In The Pleasure Land」というフレーズが連呼される。
2 Rouge Of Gray

ドラムマシーンのビートを大胆に導入しており、おそらくではあるがニュー・オーダー (New Order)からの影響をダイレクトに曲に反映していると思われる。曲を通して「24h稼働する最先端の工場」のようなタイトさとメカニカルな質感がある。サビ裏で聴ける布袋寅泰(g)のトリッキーで耽美的なサウンドが「妖しい光」のように曲を彩っている。
3 わがままジュリエット

アーバンな泣き系ギターフレーズで幕をあける名バラード。シンプルでタイトなリズムの上を「ガラス細工」のような電子音が踊り、布袋寅泰(g)のギターサウンドは最小限の手数で音響構築に徹している(1:30〜)氷室京介がファルセットを使い「空回りして愛も夢も何も残っていない現状」を壊れそうな位に切なく歌い上げる。歌詞の内容は「夢を追いかければ追いかけるほど、傷つけあった過去の悲しい恋愛体験」についてである。
5 Justy

「神秘的な呪文」のようなギターリフが冴え渡るボウイ(BOØWY)屈指のイカしたニューウェイブチューン。サビ裏でも容赦なくイントロのギターリフを弾いており、氷室京介(vo)のボーカルより明らかに目立っている(2:07〜)ギターソロはオリエンタルでミステリアスな雰囲気があり「階段を転がり落ちる」ようなある種の危険性も感じる。最後はビビッドでアヴァンギャルドな音響がリスナーの視界を極彩色に染め上げる。本作のギタープレイは布袋寅泰(g)史上TOP3に入るクオリティであると思わる。それ位に「完璧」で全てのギタープレイヤー必聴の内容となっている。
7 1994 -Label Of Complex-

布袋寅泰(g)のファンキーなカッティングギターが「ガラス瓶」のようにキラめいている曲で「海辺に佇む」のようなメロウネスと切なさ、「高層ビル」のような艶やかなアーバンさが同居している曲。ギターソロは立体的な響きでありウォームな松井常松(b)のベースラインが非常によく目立つ。
8 ミス・ミステリー・レディ

メカニカルなリズムアプローチの上を布袋寅泰(g)の煌びやかなギターフレーズが踊るダンスチューン。サビのボーカルラインの後ろでは「カラフルな火炎放射」のような布袋寅泰(g) のアヴァンギャルドなギターサウンドが唸りをあげる。歌詞の中にも「アヴァンギャルド」というワードが登場。タイトル通りミステリーな内容となっている。
9 Blue Vacation

「深海」のようなBlueを感じる曲。サビはメカニカルなビートの上で氷室京介(vo)と布袋寅泰(g)がデュエットする展開となっておりインパクトがある。
11 Welcome To The Twilight

「眩しい季節」のような音響を感じるラストチューン。実験的で冷たい質感を前面に出したシリアスなサウンドが多い本作の中でこの曲がもつ「健全な清々しさ」は一種の救いとも言える。シンプルなサウンドとは異なり歌詞は一癖あり、見慣れない「アレスクラ」なるワードが登場。ドイツ語で「It’s ok」との意味があるそうだ。

「アーバンな冷気」を感じるシンセサウンドやマシーンビートを大胆に導入し、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)やニュー・オーダー (New Order)などの前衛的なアーティストからの影響を強く感じる硬質でシリアスな作風となっているボウイ(BOØWY)の4thアルバム。 アルバム全編を通して布袋寅泰(g)のギターサウンドは非常に実験的で「アヴァンギャルド」と形容しても良い内容となっている。特

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実験性とポップネスが高次元で結びついたボウイ(BOØWY)の3rdアルバム「BOØWY」。

バンド名をアルバムタイトルに起用する場合、その多くは自信作であるケースが多いのだが本作もそのケースに見事に当てはまる名作となっている。本作は初めて海外レコーディングを行ったアルバムでもありこれまでの作品と比べると「モダン」という表現がピッタリである。

前作から本格的に本領を発揮し始めた布袋寅泰(g) のギターは更に独自性を高めており「1 Dreamin’」「5 ホンキー・トンキー・クレイジー」などでは「曲が求める音のみを提供するプロデューサー的視点」を感じるし、多くのギタリストに多大な影響を与えた「6 BAD FEELING」などではポジティヴな意味で弾きすぎなやりたい放題感がある。

また歌詞の内容にも大きな変化があり、反抗的・挑発的な歌詞をもつ「1 Dreamin’」「6 BAD FEELING 」などの曲であってもアルバム「MORAL」に収録されていた「パンクソング的な痛さ」を感じないフィーリングとなっている。「1 Dreamin’」の歌詞は「サラリーマン的人生を真っ向から否定しつつも「I ‘m only dreaming’ = 私はただ夢を見ているだけ」と自身の「ある種のクサさ」を開示している点に潔さを感じる事ができ「6 BAD FEELING」 のサビの歌詞は「アッパッパーなladyに対する嫌悪感」を言語化しているが、エモーショナルになる訳でもなく「大人の対応」と言わんばかりの落ち着きを感じる事ができる。

本作はセンスとやる気に満ちた若者たちが「大人の余裕」をもちはじめ、 冷静にそして大胆に自分たちの音楽を作り始めた。 本作「BOØWY」はそんなイメージのアルバムである。

    「要点」

  • ・「1 Dreamin’」「サラリーマン的人生を真っ向から否定する歌詞を前面に押し出しているが、ファーストアルバム「MORAL」に収録されているパンクソング的な痛さは感じられない。
  • ・「6 BAD FEELING」サビでは「アッパッパーなladyに対する嫌悪感」を淡々と吐き出しているが、 初期のようなパンク的なオラオラ感はなく「大人の対応」というクールさがある。

「曲解説」

1 Dreamin’

「ファンファーレ」のようなサックスサウンド(シンセかも?!)で幕をあける華やかロックチューン。「サラリーマン的人生を真っ向から否定する歌詞」を前面に押し出しているが、ファーストアルバム「MORAL」に収録されているパンクソング的な痛さは感じられない。痛さを感じない理由は何かを否定しているだけではなく、自分自身の熱い願望(「I ‘m only dreaming’ = 私はただ夢を見ているだけ」)を歌っている前向きさがあるからであろうと思われる。そう「他者を否定・批判するだけ」ならそれこそ「居酒屋で無駄な熱量を発するサラリーマンと変わらない」というパンク的な矛盾に彼らはいち早く気づいてしまったのだろう。
2 黒のラプソディー

「路地裏」のようなダークさと「繁華街」の華やかさが同居した曲で「花束」のようなサックスサウンドを大胆にフィーチャーしている(1:50〜) 布袋寅泰(g)のギターソロは「ガラス細工」のようなエッジを感じさせる音質となっており、松井常松(b)のベースラインは「点をピンポイントでメカニカルに突く」ようにイメージであり存在感を放っている。
3 Baby Action

「散歩のようなヴァース」と「疾走感全開のサビ」との対比が面白いミニマムなギターポップ。歌詞は「軽い遊びのつもりだったけど、あいつにハマってしまって忘れられない。もうイヤだ」という内容。イントロとアウトロだけ何故か?!「パキッ」としたゴージャスなインダストリアル風サウンドとなっている。
5 ホンキー・トンキー・クレイジー

「タップダンス」のようなリズムとキャッチーなサックスが印象的なポップチューン(2:30〜)曲のクオリティーを劇的にあげるソウルフルな女性コーラスが登場して曲に「パーティー」のような開放感と華やかさを与えている。タイトルは意味不明だが、おそらくデヴィッド・ボウイ(David Bowie)のアルバム「Hunky Dory」からヒントを得ていると思われる。
6 BAD FEELING

著名ギタリストに多大な影響を与えた名ギターリフがスペーシーな音響の中で踊るニューウェイブ・ファンク。筆者もこの曲のギターリフのコピーにトライした事があるが、この曲のギターリフはシンプルなフレーズではあるのだが布袋寅泰(g)特有のリズム感に慣れるまでが非常に難しかったと記憶している。サビ前に登場する「イマジネーション通りに腰振るのはやめてくれ」という「イマジネーション溢れるライン」はヒムロック以外のシンガーからはまず出てこないラインであろう。サビは「アッパッパーなladyに対する嫌悪感」を淡々と吐き出すという内容であるが、初期のような「パンク的なオラオラ感」はなく「大人の対応」というクールさがある。またこの曲でも「5 ホンキー・トンキー・クレイジー」同様に「タップダンス風」のリズムが存在感を放っている。
8 DANCE CRAZE

ミニマムなロックンロールリフが「ねずみ花火」のように同じところをクルクルとループする冒頭から徐々に近未来的にカラフルで壊れた展開に移行する実験的なサウンドで「クラフトワーク(Kraftwerk)とT・レックス(T. Rex)」が共演したようなイメージの曲となっている。作詞は「ジョナ・パシュビー」という外部クリエイターが手がけており、ボーカルは布袋寅泰が担当している。
9 ハイウェイに乗る前に

イントロからノリノリのテンションを感じさせるロックンロールチューン。サウンドは実際に「ハイウェイに乗っているような疾走感を判じるパート」と「都会をすり抜けたようなナイーヴな開放感を感じるパート」が主となり構成されている。歌詞の内容は「アッパーな上にいい女であるオマエを忘れる為に強がってハイウェイを走り抜ける男の心情」と言ったところだろうか。
10 CLOUDY HEART

「機械仕掛け」のような緻密さと「ガラス越し」のようなフィーリングを感じる曲でバラード調から疾走感溢れるサビに移行する展開となっている。歌詞は「軽いはじまりだったけど、案外長く続いた恋の終わり」をテーマにしており「若すぎて無責任であった2人の日々」を氷室京介(vo)が切なく振り返っている。終盤はスペーシーなシンセサウンドが存在感を放ち、主人公の「CLOUDYな心情」を表現している。

実験性とポップネスが高次元で結びついたボウイ(BOØWY)の3rdアルバム「BOØWY」。 バンド名をアルバムタイトルに起用する場合、その多くは自信作であるケースが多いのだが本作もそのケースに見事に当てはまる名作となっている。本作は初めて海外レコーディングを行ったアルバムでもありこれまでの作品と比べると「モダン」という表現がピッタリである。 前作から本格的に本領を発揮し始めた布袋寅泰(g) のギタ

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本作は「Romanticが止まらない」という不可思議なタイトルである為、ネタ扱いされる事もあるが「80年代の浮ついたカラフルでバブルな空気感を見事にパッケージングした」歌謡テイスト・シンセポップの名曲であり、シーシービー(C-C-B)を知らなくても「止めて!ロマンティック」というサビの歌詞を多くの人が知っている彼らの代表曲。

ボーカリストが複数人存在する点、またメンバー全員が積極的にコーラスを行う姿勢が印象的で間違いなくビートルズに多大な影響を受けていると思われる。「カラフルでスピード感のあるシンセサウンド」「モノトーンでメロディックなベースライン」を中心に展開されるサウンドにのせて「思春期にしかありえないロマンティックな恋愛感情」を大爆発させる歌詞は秀逸である。

曲を通して強烈なメロディーを感じる内容となっているが、サビのメロディーラインはキャッチーとは程遠い「異国のメロディックな呪文風」である。だがしかし「誰か!ロマンティック、止めて!ロマンティック」という魔法のワードが呪文風のメロディーを極彩色に彩る。 「この魔法のワード」を聴いてしまったら最後、あなたの頭の中では「嫌でもサビのメロディーがリフレインされ続けている」事だろう。 「言葉の面白さや不可思議さを強調する事で曲を魅力的に響かせる方法論」があるとすれば、その文脈の中で過去最高レベルのインパクトを放つ曲となっており、時を超えて多くのアーティストにカバーされている。「Romanticはまだ止まってはいなかった」。

    「要点」

  • ・80年代の浮ついたカラフルなバブルな空気感を見事にパッケージングした歌謡テイスト・シンセポップの名曲
  • ・「誰か!ロマンティック、止めて!ロマンティック」という魔法のワードが呪文風のメロディーを極彩色に彩る

本作は「Romanticが止まらない」という不可思議なタイトルである為、ネタ扱いされる事もあるが「80年代の浮ついたカラフルでバブルな空気感を見事にパッケージングした」歌謡テイスト・シンセポップの名曲であり、シーシービー(C-C-B)を知らなくても「止めて!ロマンティック」というサビの歌詞を多くの人が知っている彼らの代表曲。 ボーカリストが複数人存在する点、またメンバー全員が積極的にコーラスを行う

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ヘヴィメタルの中に耽美派ニューウェイブの要素を大胆に反映させた独自すぎるメタルサウンドが後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与えたジャパニーズ・ヘヴィメタルの異端児/デッドエンド(DEAD END)

本作はそんな彼らの3rdアルバムとなっており「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている。

河村隆一、hyde、清春などの「V系レジェンド達」に多大すぎる影響を与えたMORRIEのボーカルは耽美的でありながらも「どこまでも続く地平線」のように力強く、本作に収録されている某曲などは「これボーカルhytdeじゃない?!」と聴き間違いしてしまう程である。また「ヘヴィだが空間的な広がりを見せるギターリフ」「異空間のようなミステリアスさを醸し出す耽美なアルペジオ」などを自在に操り、良質なV系ツインギターサウンドを1人で演っているような足立祐二(g)のギタープレイはギターキッズ必聴である。

デッドエンド(DEAD END)の存在がなければ「90年代V系」は存在しなかったと断言でき、ミュージシャン限定で言うとその影響力は日本におけるギターロックの雛形を作ったボウイ(BOOWY)以上かもしれない?!

    「要点」

  • ・「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている
  • ・デッドエンド(DEAD END)の存在がなければ「90年代V系」は存在しなかったと断言できる

「曲解説」

1 EMBRYO BURNING

「魔界」のような質感のヘヴィなギターリフが、他のジャパニーズ・ヘヴィメタルバンドとは一線を画するヘヴィメタル・チューン。サビのボーカルラインの後ろでは「蜃気楼」のようなシンセ(ギターの可能性もある)が透明に響き渡る。MORRIEのボーカルはパワフルでありながらも耽美的であり素晴らしいの一言である。
2 JUNK

ヘヴィリフがゆったりとリフレインされるスローテンポの曲。MORRIEのボーカルはおどろおどろしいものとなっている。歌詞の内容は「シュールを超えた不気味さ」を感じるものとなっており、「ばらばらの肉体が宙ぶらりんになり」などは中々出てこないラインであると思う。
3 NIGHT SONG

「強打」のようなドラムプレイと浮遊感を感じるヘヴィリフが疾走感を演出するハードチューン。サビではキュアー(CURE)を彷彿とさせる耽美でミステリアスなアルペジオが登場し曲を立体的にしている(2:13〜)ギターソロはテクニカルなものとなっており「ヘヴィメタル」ではあるのだが「V系的な狂ったフィーリング」を確かに感じる事ができる内容となっている。本曲で聴ける足立祐二(g)のプレイは「ルナシー(LUNASEA)のツインギターを1人で演奏した」ようなイメージであり効果的に「ヘヴィネス」と「耽美」を曲に提供している。
4 SERPENT SILVER

スラッシュメタルのようなスピードを感じるニューウェイブ・メタル。この曲でもキュアー(CURE)彷彿の耽美的なアルペジオが導入されている。歌詞は意味深とした言いようがない内容だが「神々しい光」というラインは、河村隆一とhydeに多大な影響を与えたと思われる。
6 LUNA MADNESS

ウォームで立体的なベースラインが非常に目立ち、耽美なUKポップをデッドエンド(DEAD END)流にアレンジしたような曲。歌われている内容は狂気的なものっているが、歌詞の内容とは裏腹にMORRIEのボーカルは「耽美的に揺れる」ように歌われており逆説的に狂気を表現していると思われる。
8 BLOOD MUSIC

ブルージーなハードロックテイストを感じるハードな曲で本作に収録されている曲の中で「最もグルーヴを感じる」事ができる。MORRIEのボーカルもワイルドさが強調されたものとなっており「デッドエンド(DEAD END)」のヘヴィメタル的側面を強調したようなイメージの曲である。
10 I CAN HEAR THE RAIN

泣きのギターフレーズで幕をあける疾走系・耽美チューン。この曲で聴く事ができる足立祐二(g)のプレイは、ジョニー・マー/ザ・スミス(The Smiths) を彷彿とさせる流麗なものとなっている。反面、ギターソロは高速早弾きを盛り込んだエモーショナルなものとなっておりハードロック的な熱量を感じる。

ヘヴィメタルの中に耽美派ニューウェイブの要素を大胆に反映させた独自すぎるメタルサウンドが後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与えたジャパニーズ・ヘヴィメタルの異端児/デッドエンド(DEAD END) 本作はそんな彼らの3rdアルバムとなっており「狂気的で摩訶不思議な歌詞」と「耽美的で退廃的なメタルサウンド」が見事に融合されている。 河村隆一、hyde、清春などの「V系レジェンド達」に多大すぎる

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