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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果62件

カテゴリー「名作」のレビュー

オアシス(OASIS)やレディオヘッド(radiohead)からの強い影響を感じる気怠くメランコリックなUKギターロックサウンドで埋め尽くされたザ・ブリリアント・グリーン(the brilliant green)の1stアルバム。

ほぼ全ての曲で「曇り空」のようなギターサウンドが鳴り響き、流れるような抜群のメロディーラインを川瀬智子(vo)が「不機嫌な少女」のように気怠く歌い上げる。98年当時の日本の音楽シーンにおいてここまで「濃厚なUKロック匂」を醸し出したアーティストは非常にレアであり、アルバムを通して1曲のような統一感がある。「3 You & I」は神レベルの素晴らしいメロディーセンスをもつ曲でシングルカットされていない事が不思議でならない。

    「要点」

  • ・気怠くメランコリックなUKギターロックサウンド
  • ・抜群のメロディーラインを川瀬智子(vo)が「不機嫌な少女」のように気怠く歌い上げる

「曲解説」

1 I’m In Heaven

「UKロックアーティスト以上にUKロックなギターサウンド」が印象的であり「曇りのち曇り」のような雰囲気と「不機嫌な少女」のような気怠さをもつ川瀬智子(vo)の歌声が非常にマッチしている。
2 冷たい花

UKロックアーティスト・オアシス(OASIS)からの強い影響を感じるサイケなギターサウンドが「雨雲」のように分厚く鳴り響く曲で、相変わらず川瀬智子(vo)のボーカルは不機嫌である。歌詞は過去の失恋によって心に傷を抱えた主人公が「夢も希望も自分で捨てた」というメランコリックの極地のような感情をぶちまける内容となっており、サビに登場する「冷たい花を蹴り散らす様に」という「繊細で衝動的なワンフレーズ」だけがダークで陰鬱なこの曲に僅かな光を差し込む。
3 You & I

「初恋」のようなエモさを感じる良質なUKギターポップ。サビの後に「隠しアイテム」的に大サビが用意されており、全編を通して素晴らしいメロディーをもつ曲となっている。川瀬智子(vo)の歌声は気怠い質感ではあるが、同時に「少女」のような甘さも感じるられる。イントロや間奏で聴く事ができる「チュチュル、チュルチュルー」というコーラスは斬新な響きで他のアーティストでは聴けない類のものだ。
4 Always And Always

「アジアンな街」を連想するラフなパーカッションが印象的なアコースティックソングでボーカルラインは「気怠い無国籍が心地よいヴァース」と「初めてのおつかい」を連想するスウィートなサビの2部構成となっている。「3 You & I」同様に終始、素晴らしいメロディーを堪能できる。
6 Stand by

「ウェットに沈む」ギターサウンドがまるで「夕暮れの曇り空」のようなメランコリックソング(2:07〜)ギターソロ(オルガンかも?!)はまるで「憂鬱な夢」のようである。
7 “I”

枯れたギターサウンドをフィーチャーしたギターロック。歌詞の内容は「ひそかな想いを太陽」に隠した切ない片思いが今も心にうつろなメロディーを運んでくるが、それでも前に進むために過去にbye byeと手を振るという内容である。
8 Baby London Star

気怠さと疾走感が同居した曲で本作の中で最も直線的なビートを感じる(4:07〜)この曲でも川瀬智子(vo)独自のコーラス「チュル、チュッチュ、チュ、チュ、ルー」が登場する。
9 There will be love there -愛のある場所-

罪悪感を背負っていた主人公がメランコリックな内省を経て「確かな光」を見つけだすヒットシングル。メランコリックで良質なUKロックソングを収録した本作の中でこの曲以上にシングルに相応しい曲は存在しない。
10 Rock’n Roll

タイトルとは裏腹に「メランコリックな響き」をもつアコースティックソング。川瀬智子(vo)のボーカルラインは派手なメロディーを歌うわけではないのだが非常に耳に残る。終盤は「Just you and rock’n roll yeah」というフレーズが連呼される中で、ギターのコードストロークが唐突に途切れそのまま静寂で幕を閉じる。

オアシス(OASIS)やレディオヘッド(radiohead)からの強い影響を感じる気怠くメランコリックなUKギターロックサウンドで埋め尽くされたザ・ブリリアント・グリーン(the brilliant green)の1stアルバム。 ほぼ全ての曲で「曇り空」のようなギターサウンドが鳴り響き、流れるような抜群のメロディーラインを川瀬智子(vo)が「不機嫌な少女」のように気怠く歌い上げる。98年当時の日

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「1 ROCKET DIVE」
「並行移動のパワーコードリフ」を中心に展開されるご機嫌なラウドロックでギターフレーズは非常にシンプルなものとなっており「ギター初心者でもトライしやすいように」という「hideらしい十代に対する配慮」が感じられる。実際にこの曲にトライしたギターキッズは非常に多い(筆者も含む)

また本曲はエックスジャパン(X JAPAN)の解散から一ヶ月足らずというタイミングでリリースされており、エックスジャパン(X JAPAN)ファンに対する「クヨクヨせずに前に走り出そう」という無言のメッセージでもあると思われる。「だいたいおんなじ毎日」「何年待っても何も降ってこないんだろう」「高速の旅は一瞬のスパーク」という歌詞は「人生なんてどうせ、あっという間に終わるんだから「ロケット」みたいに突き進んじゃえよ!」という自己啓発的な内容となっており、親や教師の言うことを聞かない多くのティーンエイジャーに突き刺さったと思われる。

(2:35〜) 「稲妻」のようなイメージが頭に浮かぶシンプルな単音ギターソロは、一度聴いたら頭から離れないキャッチーさと「おもちゃ」のようなポップネスが混在しており「hide独自のセンス」を感じる。

「3 DOUBT (MIXED LEMONed JELLY MIX)」
サイボーグロックの名作をディープでスローに再構築しており原曲より「静寂なヴァース」と「狂乱のサビ」の対比を強調したアレンジとなっている(0:55〜、1:29〜)「螺旋階段を高速で転げ落ちる」ような質感のインダストリアルビートが炸裂(2:02〜)「fxxx up 」というhideのシャウトから原曲以上に鮮やかなサビに突入。リズムは「フロアが異常に凸凹した部屋」を連想するものとなっており、リスナーの脳にダイレクトに突き刺さる(2:36〜) 「お預けチワワのまんまじゃ」という可愛い歌詞と陰鬱なトリップホップ風サウンドとの対比が面白いパートが展開され「ヘヴィなサウンドが更にヘヴィに聴こえる」仕掛けとなっている。終盤は「頭のネジが外れた」ようなブチ切れたテンションで「DOUBT YOU」というフレーズが連呼される(3:55〜)hideのエフェクティヴな歪みボイスを「光のカッターで千切りにした」ようなパートが挿入される。最後の最後まで尖りすぎである。

    「要点」

  • ・「1 ROCKET DIVE」シンプルなギターサウンドでこの曲にトライしたギター初心者は非常に多い
  • ・「3 DOUBT (MIXED LEMONed JELLY MIX)」サイボーグロックの名作をディープでスローに再構築しており、 「静寂なヴァース」と「狂乱のサビ」の対比を強調したアレンジ

「1 ROCKET DIVE」 「並行移動のパワーコードリフ」を中心に展開されるご機嫌なラウドロックでギターフレーズは非常にシンプルなものとなっており「ギター初心者でもトライしやすいように」という「hideらしい十代に対する配慮」が感じられる。実際にこの曲にトライしたギターキッズは非常に多い(筆者も含む) また本曲はエックスジャパン(X JAPAN)の解散から一ヶ月足らずというタイミングでリリース

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デビューアルバム以上に様々な音楽要素を取り入れた作品となっており、本格的な海外進出を意識して作成したであろうハードな曲も収録されている2ndアルバムで「X JAPANのギタリストhide」ではなくソロアーティストhideとして見事なオリジナリティを提示している。

「USインダストリアルロックに対する日本からの回答」とも言える「サイボーグロック」を音楽シーンに提案したhideであったが、hideから感じる「DJのような目利きセンス」をもったUSヘヴィロックアーティストはあまり見た(聴いた)事がないので、是非、hideには海外進出を果たして向こうでも大暴れしてほしかった。

筆者のイメージではあるがhideというアーティストは「自身(hide)が初めてロックミュージックを聴いた時に感じた衝撃をリスナーに提示」 するという事に最も大きなモチベーションがあるアーティストなのでは?と感じる。

    「要点」

  • ・hideから感じる「DJのような目利きセンス」をもったUSヘヴィロックアーティストはあまり見た(聴いた)事がないので、 是非、hideには海外進出を果たして向こうでも大暴れしてほしかった。
  • ・「X JAPANのギタリストhide」ではなくソロアーティストhideとして見事なオリジナリティを提示

「曲解説」

2 ERASE

ダンサブルなビートを感じる横ノリのロックチューンでギターサウンドには「DJスクラッチ」のような鋭角性がある。
3 限界破裂

ミニマムで性急なパンクサウンドにのせて「出会うのが遅すぎたせいで君を傷つけてしまう」というナイーヴな歌詞をアグレッシヴに歌い上げる曲(2:20〜)ギターソロは「メタリックに揺らめく」サイケサウンドとなっており、ギターソロの後には「迷走」のようなベースソロも披露される。
4 DAMAGE

「地下の実験室で行われる破壊的な実験」のような歪みチューン。冷静に聴いてみるとゆったりしたBPMのリフロックなのだが「ハイテンションでルナティックな歪みボーカル」が曲にBPMを大幅に上回るスピード感を与えている。
5 LEMONed I Scream (CHOCO-CHIP version)

ひんやりとしたサイケデリックを感じるドリーミーなギターポップ。サビのボーカルラインはフリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)風であり、おしゃれカフェで流れていても違和感なくマッチすると思われる。「I scream」と「アイスクリーム」をかけた歌詞は脱力感すら感じさせる。
6 Hi-Ho

ラテンなビートを感じるダンサブルなロックチューンで「ハウスミュージックに影響を受けているグルーヴィーなUKロックバンド」のような雰囲気もある。歌詞は「無駄だらけだが天才肌であるアーティスト」に対するリスペクトをファンキーに言語化したようなイメージである。
7 FLAME

「ギターロック期のレディオヘッド(radiohead)のようなダイナミズム」を感じるオルタナチューン。激しいサウンドとは対照的にhideのボーカルは「何気ない日常」のように淡々としているが、歌詞は「悲しみは消えないけど、星の嘆きを聞けば小さな事だ」というラインからもわかるようにシリアスなものとなっている。
8 BEAUTY & STUPID

「恋」と「行為」をかけたアニマルな歌詞がインパクト大のノリノリな曲。先に惚れてしまい「追いかける側の苦悩」が詰まった歌詞だが、一度聴けばスグに覚えてしまう「突き刺さるポップネス」を感じる。
10 BACTERIA

バグった重力を感じるブチギレたサイボーグロック。終始「暴風雨」のような強烈なノイズが吹き荒れ「USヘヴィロック勢に対する宣戦布告」のようなサウンドとなっている。hideのボーカルは「ヒリヒリとしたメロディックな音響」のようである。
11 GOOD BYE

「手に持ちきれないもの全てにgood byeしよう」という前向きなのか後ろ向きなのかよくわからない不思議な歌詞が印象的でサウンドはローファイで「どんより曇った早朝」のような気だるさを感じる。
14 POSE

ブレイクビーツや四つ打ちを取り入れた凝ったリズムアプローチが印象的なダンサブルなヘヴィロック(1:35〜、3:10〜)「流れるアクエリアス」のような流麗なピアノの旋律が挿入されハードなサウンドの中に幻想の華が咲く。hideのボーカルは「デビル」のような凶暴さを感じさせるものとなっている。

デビューアルバム以上に様々な音楽要素を取り入れた作品となっており、本格的な海外進出を意識して作成したであろうハードな曲も収録されている2ndアルバムで「X JAPANのギタリストhide」ではなくソロアーティストhideとして見事なオリジナリティを提示している。 「USインダストリアルロックに対する日本からの回答」とも言える「サイボーグロック」を音楽シーンに提案したhideであったが、hideから

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X JAPANのカリスマギタリストhideのソロデビューアルバムであり「インダストリアル」「オルタナ」「グランジ」などのハードな歪みを大胆に取り入れた作風となっている。

hideの魅力はエッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映できる点であろう。80年代UKギターポップのような「4 EYES LOVE YOU <T.T.VERSION>」ワルツ調のギターサウンドを響かせる「8 A STORY」などはhideの音楽的なキャパシティーの大きさを感じさせる。

「2 DICE」「13 TELL ME」のギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)風のハモリフレーズでありhideからエックスジャパン(X JAPAN)ファンに対するプレゼントのようであり、「14 HONEY BLADE」における「神登場のミステリアスな語り」は後輩であるルナシー(LUNASEA)に対するhideからの「愛のあるイジリ」であると思われる。

    「要点」

  • ・エッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、 そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映
  • ・「2 DICE」「13 TELL ME」のギターソロはエックスジャパン(X JAPAN)風のハモリフレーズ

「曲解説」

1 PSYCHOMMUNITY

X JAPANのメジャーファーストアルバム「BLUE BLOOD」に収録されているオープニング「PROLOGUE (〜WORLD ANTHEM)」を思わせる曲で、「中世ヨーロッパに建てられたドイツの古城」のような叙情性を放つHRインスト。
2 DICE

当時の日本のメジャーシーンでは「斬新すぎたインダストリアル・ビート」を大胆に反映させたファストチューン。ギターサウンドは「金縛りのようなメタリックな音響」となっており「叩きつけるような直線的なビート」が大きな存在感を放っている。歌詞は「目の前にうつる全てが化け物に見える」尖ったセンスをもつ異端な10代に対するメッセージソングのようなイメージで「世間や大人に縛られず自分の思い描く花を咲かせればいい」という内容(1:10〜)「13 TELL ME」同様にX JAPAN風の流麗なハモリギターソロが登場(2:28〜)「ピィ〜、ピィ〜」というフィードバックノイズが鳴り響き最後までアグレッシヴに攻めきる。
4 EYES LOVE YOU <T.T.VERSION>

「80年代UKギターポップ」のような透明感とメロウネスを感じる曲だが歌詞には「絶望」や「狂気」という過激な言葉が登場して不思議なミスマッチがある。この曲のクリーンなギターフレーズはX JAPANでは聴けない類のものであり当時ファンに大きな衝撃を与えたハズだ。
5 D.O.D.(DRINK OR DIE)

ザクザクしたスラッシュメタル・リフが空間を切り裂く凶暴なハードコアチューン。hideの声にもエフェクトがかけられており、サビではhideが得意としている「早口呪文歌唱」が冴え渡る。「2 DICE」同様に海外のインダストリ系アーティスト/ミニストリー(Ministry)からの影響を感じる「コアなインダストリ感」を導入しているが「おもちゃ」のようなポップネスも同時に感じる事ができる曲となっている(1:54〜)ブレイクの後、BPMが倍速位に速くなりスラッシュに畳み掛ける。
7 DOUBT <REMIX VERSION>

「サイバーな爆発」のような強烈な歪みが炸裂するサイボーグロックの名曲。終始「分厚いモザイク」のような音響感でhideのボーカルにはやはりエフェクトがかけられており間違いなく「シラフではないブチ切れたテンション」で狂ったように畳み掛ける。「俺とよく似た歌うたい」なる歌詞からおそらくではあるが、自分(hide)のスタイルを表面的になぞってアナーキーを気取っている痛い人達を痛烈に批判していると思われる。そんな気がする。
8 A STORY

「よく晴れた夏の日のメランコリックな思い出」のような浮遊系バラード。ワルツ調の流れるようなアコースティックサウンドを導入しており、hideの音楽的なキャパシティーの大きさに驚く。
9 FROZEN BUG ’93 <DIGGERS VERSION>

「壊れたラジオ」のような無秩序な歪みが歪(いびつ)な空間を構築する曲。ボーカルラインは「ミニマムなヘヴィリフ」のようだし、サウンド的にも「かき混ぜたグランジロック」のようなイメージなのだが不思議とポップな響きを感じるhideマジックを堪能できる(2:35〜)「悲鳴を洗濯機にぶち込んだ」ようなアバンギャルドノイズが登場、その後は「享楽的なバカンス」のようなトロピカルサウンドが鳴り響きアクセントとなる。
11 BLUE SKY COMPLEX

タイトル通り「BLUEなSKY」を連想するホーンセクションを大胆にフィーチャーしており、アグレッシヴなハードサウンドとホーンセクションが「仲良く喧嘩している」ようなイメージの曲で「音同士が殺しあわないギリギリの距離感」が面白い。
14 HONEY BLADE

「穏やかヴァース」→「アグレッシヴなサビ」に移行するグランジソング(2:15〜)ルナシー(LUNASEA)のインディーズ時代の名曲「CHESS」における 「ダークでミステリアスな語り」と共通する語りパートが挿入される。「神」というフレーズも登場。。hideによる愛のある後輩イジリだと思われる。
15 50% & 50% <CRISTAL LAKE VERSION>

ラテン調のアコースティックサウンドが印象的なリミックス。牧歌的なバイオリンの音色や軽やかなパーカッションの響きが「田舎の花畑」のような空気感を醸し出しす(3:52〜)「のどかな空気」を引き裂くように突如、アグレッシヴなハードサウンドが鳴り響く展開はインパクト大。

X JAPANのカリスマギタリストhideのソロデビューアルバムであり「インダストリアル」「オルタナ」「グランジ」などのハードな歪みを大胆に取り入れた作風となっている。 hideの魅力はエッジのたったサウンドやマニアックな響きを主にしたサウンドを作りつつも、そこに「おもちゃ」や「ゲームセンター」のようなポップネスを反映できる点であろう。80年代UKギターポップのような「4 EYES LOVE YO

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アルバム全体を通してメランコリックなバラードを多く収録しておりファンの中で賛否両論あったと思われるが「ロックという枠組み」をいい意味で意識していない作品となっている。

全体を通して音響やサウンドから「雨後」「梅雨」のような湿り気を感じる曲が多く「3 MISSING PIECE」はロック的なエモーショナルではなく内省的な叙情性を感じさせる。ノリの良いビートロックを求めるファンには「リアクションの難しいアルバム」かもしれないが、 色彩豊かなメランコリックな音に氷室京介の「アーティスト魂」を感じる事が出来るハズだ。

本作はアメリカでレコーディングされ、またレコード会社を移籍してからの第一弾アルバムでもある為、氷室京介のキャリアの中でも節目とも言える立ち位置にあるアルバムとなっている。

    「要点」

  • ・メランコリックなバラードを多く収録
  • ・音響やサウンドから「雨後」「梅雨」のような湿り気を感じる

「曲解説」

1 STAY

「梅雨時」のような湿り気を感じるオープニングソングでサビのボーカルラインは派手さはないのだが非常にフックがある。歌詞は「誰かを傷つけても構わない、俺の女になれ」という「強引なオレイズム」を感じる内容となっているが、氷室京介がこの「強引なオレイズム」を歌うとナチュラルに「熱いラブソング」に変換されるから不思議だ。これがヒムロックの魔力だろうか。
2 PLEASURE SKIN

「弾けるゴジャース」なホーンセクションをフィーチャーしたミドルテンポの曲でサビのボーカルラインは「ミステリアスな呪文」をスピード感のあるメロディーに変換したようなものとなっている(2:33〜、3:32〜) ギターソロは「濃厚な白い煙」のようなサイケな質感を感じるものとなっている。
3 MISSING PIECE

「雨後の気怠い午前4時」のようなメランコリックさを感じるアーバンなサウンドにのせて「もうここにはいない君」に対する喪失感とノスタルジーを静かに歌い上げるバラード。ボーカルラインは「ゆったり流れる河」のようなもので淡々としているのだが非常に熱量を感じる(3:25〜)ギターソロは「消せない炎」のような質感でリスナーの心をかき乱す。
4 魂を抱いてくれ (ALBUM MIX)

「不器用で尖っている俺だけど、おまえだけには裸の感情をさらけ出せる」という感じの熱い歌詞が魂を揺さぶるバラード。「雨粒のついた曇った窓ガラスをベッドに横たりながらぼんやり見つめる」ようなイメージが浮かぶ冒頭から徐々に熱量を上げていく展開で優雅なストリングスが「ベッドで眠る二人」を優しく包み込むように流れる。
5 WALTZ

「誰もいなくなった部屋のような静けさ」と「しっとりと降り注ぐ雨のような湿り気」が同居しているバラードでアルペジオはまるで「独り言」のような物悲しさを感じるものとなっており、この曲でも「4 魂を抱いてくれ (ALBUM MIX)」同様に優しく優雅なストリングスを導入している。
7 MIDNIGHT EVE (ALBUM MIX)

「賑わう雨の都会」ような雰囲気のアーバンな曲で「艶のあるカッティングギター」が非常に目立つ(1:54〜)「高級飲食店でのディナー」のようなジャズピアノが挿入され曲にアダルトな質感を加えている。
8 SQUALL

「メロディックな暗躍」のようなベースラインを中心に展開されるアーバンポップで「微妙な曇り空」のような空気感はあまり聴く事ができないレアなものだと感じる。歌詞は「魅力度MAXのいい女に対する溢れんばかりの愛情をナルシスティックな言い回しに変換した」ようなイメージでこの歌詞を歌うことが許される日本人ボーカリストは非常に限られると思われる。
9 NAKED KING ON THE BLIND HORSE

エフェクトがかかった氷室京介のボーカルが印象的なハードチューン。メランコリックで「雨後」や「梅雨」を連想するバラードが多いアルバムの中で少し浮いている曲である。筆者の経験則からいってラストソング(10 NAKED KING ON THE BLIND HORSE 2」はリミックス版なのでノーカウント)に アルバムの全体像と毛色の違う曲を配置する時はかなりの高確率で「次作のサウンドを暗示」しているケースが多い。

アルバム全体を通してメランコリックなバラードを多く収録しておりファンの中で賛否両論あったと思われるが「ロックという枠組み」をいい意味で意識していない作品となっている。 全体を通して音響やサウンドから「雨後」「梅雨」のような湿り気を感じる曲が多く「3 MISSING PIECE」はロック的なエモーショナルではなく内省的な叙情性を感じさせる。ノリの良いビートロックを求めるファンには「リアクションの難し

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