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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果56件

カテゴリー「普通」のレビュー

タイトルにもなっている代表曲「EZ DO DANCE」を収録し「レイヴ的な開放感と煌びやかさ」をJ-POPに融合させたTKサウンドのベーシックとなる要素が詰まっているヒットアルバム。

TMN時代から小室哲哉というソングライターはどちらかというと聴けば聴くほど味が出るスルメタイプのメロディーセンスの持ち主であるという印象があったのだが、「1 EZ DO DANCE」サビで聴くことができる「突き抜けて弾けるボーカルライン」はリスナーに「マッハの速度」を感じさせるもので素晴らしいポップネスをもっている。

本作には「EZ DO DANCE (UK DANCE VERSION)」という海外を意識したバージョンも収録されている。「EZ DO DANCE」という曲は小室哲哉にとって自信作であると同時に売れるポップミュージックを作る上での明確な答えを与えたのではないかという気がする。

    「要点」

  • TKサウンド黄金期の幕開けを告げるヒットアルバム
  • マッハの速度を感じる「1 EZ DO DANCE」のサビ

「曲解説」

1 EZ DO DANCE

「夜の街を駆け抜けるような疾走感」と「レイヴ的な解放感」が混在された雰囲気を持つ代表曲。「はじける夜」を連想するサンプリングされた「男の壊れた笑い声」や「3.2.1 break down」というフレーズが随所で挿入され不思議なストリート感を演出する (1:32〜,2:47〜) サビのボーカルラインはこれまでのJ-POPでは聴けない類のものであり、耳に残るメロディーとファンキーな質感が癒合され非常にマッハのスピードを感じるものとなっている(3:28〜)DJ KOOによるファンキーなラップ風ボイスは当時相当にシュールな響きをもっていた。
2 ROCK IT ON!!

アシッドハウス的に潤う重低音が印象的なダンスチューン。都会的な落ち着きがあるラップと「ロキノン,ロキノン」(そう聴こえる)というフレーズを連呼するキュートなイケイケボイスは「シャイな男の子」と「はっちゃけたいギャル」のように対照的である(2:40〜)「声が何重にもブレるエフェクティブなアプローチ」は小室哲哉が多大な影響を受けたと思われるニューオーダー(New Order)の曲でも聴くことができるアプローチである。終盤は「1 EZ DO DANCE」同様にDJ KOOによるファンキーボイスが挿入される。
3 ISLAND ON YOUR MIND

清涼感を感じるシンセサウンドが「肌寒い秋の夜」を連想するスピード感のあるバラード。ヴァースはYU-KI(vo)が歌いサビはプロデューサーである小室哲哉が歌うというまさかの展開を見せる。サビのボーカルラインは「おとぎ話のような質感」を持つメロディーと「言葉のリフのようなスピーディーなボーカルライン」で構成されている。
4 ON MY WAY

TMNの曲であったとしても不思議ではない「都会の街角」のような雰囲気を醸し出す曲。サビのボーカルラインは「早歩き」のようなイメージでTKサウンド全盛の突き抜けた質感はまだない(3:36〜)小室哲哉による「woo woo woo woo」というメロディックなコーラスはサビ以上のポップネスがある。
5 ONE MORE NIGHT

切迫感とバブリーなゴージャス感が混在するシンセサウンドが「ハードなギターリフ」ようにリフレインされるスペーシーでディープなアッパーチューン(1:53〜,4:12〜)ミステリアスでダークな囁きは「マークパンサーによる独自のラップ」とも共通する質感である。終盤はDJ KOOにより「GO,GO」というノリノリの掛け声が披露される。
6 RAVING ZONE

ネオンカラーを思わせる電子音が「賑わうクラブ」を連想するイケイケの曲。ディープな四つ打ちのビートが脳みそをズンズンと刺激。中盤以降は更にリズムがディープになりダンスミュージックとしての強度を高める。

タイトルにもなっている代表曲「EZ DO DANCE」を収録し「レイヴ的な開放感と煌びやかさ」をJ-POPに融合させたTKサウンドのベーシックとなる要素が詰まっているヒットアルバム。 TMN時代から小室哲哉というソングライターはどちらかというと聴けば聴くほど味が出るスルメタイプのメロディーセンスの持ち主であるという印象があったのだが、「1 EZ DO DANCE」サビで聴くことができる「突き抜けて

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「やりたい事はなんでもやっちゃおうぜ!」というフリーな発想が他のV系バンドとの圧倒的な差別化を生んだ3rdアルバム。

「8 優しい悲劇」などで聴ける「冷たさと終幕感を感じるコード進行」は日本人独自のものであり非常に個性的である。また「アングラな匂いがするハードな曲」「王道V系チューン」「流れるようなメロディーを持つ歌謡テイスト強めの曲」など、バリエーション豊かな曲が並ぶアルバムではあるのだが「氷のような冷たさ」を多くの曲で感じる事ができる。

ルナシーの代表曲ROSIERのロングヒットにより化粧気バンドが世の中に認知され始めた頃に本作はリリースされたが、本作を最後に黒夢はV系的な表現や世界観から距離を置いたサウンドを模索する事となり90年代末のメジャーなロックバンドの中で最も尖ったバンドの一つとなっていく。本作は黒夢のラストV系アルバムと言えるかもしれない。

    「要点」

  • 「8 優しい悲劇」などで聴ける「冷たさと終幕感を感じるコード進行」は日本人独自のもの
  • 本作を最後に黒夢はV系的な表現や世界観から距離を置いたサウンドを模索する

「曲解説」

2 解凍実験

インダストリアルミュージック的なサイバーな歪み感を持つマニアック曲。「冷凍された心臓をガスバーナーで解凍する」というシュールな歌詞と「悪夢にうなされている」かのような清春(vo)の声が「呪縛」のように空間を支配しアングラな雰囲気を醸し出している。
3 feminism

「氷のような冷たさと終幕感を感じるコード進行」が特徴の疾走系・耽美ギターポップ(2:07〜)「氷の部屋に現れた黒蛇」のようなミステリアスでダークなベースフレーズが圧倒的な存在感を放つ。終盤はドラムプレイがよりタイトに直線的に鳴り響きパンク的な熱量を帯びる為、冷たい音響の曲なのだが曲を全て聴いた後はパワフルなロックを聴いたような感覚を味わえる。
4 眠れない日に見る時計

クランチなカッティングギターを中心に展開されるシンプルなサウンドをバックに「寂しがり屋な男の心情」を清春(vo)が歌い上げる。ギターサウンドは非V系な質感でザクっとしたオクターブ奏法やウォームな歪みが中心となっている。
5 Unlearned Man

歪んだベースとドラムが淡々と鳴り響く上を様々なジャンクなサウンドが無造作に転がり「散らかった部屋」のようなフィーリングを感じる曲である。 終盤は「呪文」のようにサビのボーカルラインが繰り返される。
6 LOVE SONG

耽美的なグッドメロディーが印象的なUKギターポップ風ソング。ギターの臣(g)は「センチメンタル」「どんよりと曇った空」「メタリックなきらめき」などの形容が似合う様々な音色のギターサウンドを聴かせてくれるが、どのフレーズも極めてシンプルでストレートに耳に残る。歌詞の中にある「うるさいsilence」という歌詞はその後「静けさだけがうるさく流れる」というフレーズに進化してSADSのシングル「TOKYO」で歌われる事となる。
8 優しい悲劇

「これぞV系!」という耽美さと終幕感をもつ初期の代表曲。センチメンタルなV系ソングを最小限の音数で見事に完成させている。臣(g)のギターサウンドは他の曲同様にシンプルだが非常に耳に残り、全ての音から「2月」のような冷たさを感じる事ができる。
9 情熱の影―Silhouette―

「バクチク(BUCK-TICK)」のようなサイバーな地下室感を感じるダークなサウンドではあるが、サビは「春の訪れのような華やかさと清々しさ」を感じる一癖ある曲。サビのバックでは「鈴の音」のようなキラメキを持つ電子音が清春(vo)のボーカルラインに寄り添うようにカラフルに優しく響く(2:58〜) 強烈に縮れたノイズサウンドがまるで「電撃」のようにリスナーの脳を刺激。
10 くちづけ

「神聖な雰囲気と浮遊感をもつ耽美サウンド」と「歌謡テイスト」が見事に融合されたバラードで終始「曇りの早朝」のような気怠さを感じるサウンドとなっている。歌詞の内容は「過ちによって二度と戻らない甘い関係」をノスタルジックに描いたようなイメージだ。
11 Miss MOONLIGHT

流れるようなメロディーラインが見事な王道V系なギターポップ。無くした君を「月」に喩えて喪失感を描いた歌詞は日本人の琴線に触れる内容。人時(b)のベースラインは「遠回り」のようにゆったりとスローにサウンドを支えている。
12 カマキリ

「2 解凍実験」ほどではないがアングラな匂いが濃厚なデジロック風ハードコアパンク。マニアックで陰鬱な雰囲気とハードなサウンドが見事に融合されており、後のハードコアパンク路線のプロトタイプとも言える曲となっている。「Easy money island」という歌詞は明らかに「EMI」とかけており闇に音楽業界を痛烈に批判している。
13 Happy Birthday

「これからパーティに向かうようなワクワク感」を感じるポップソング。ギター・ベース・ドラムのみのシンプルな構成だが非常にカラフルな印象であり、 ハードコアパンク曲「12 カマキリ」の後にこのサウンドを聴くと彼らの音楽的な幅広さを痛感する。
14 至上のゆりかご

「小雨が降る深夜の都会」を連想するジャジーなバラード。沈むような質感のダークなベースラインと「砕けたグラス」のような透明で鋭いギターサウンドがアーバンで落ち着いた空気をバサバサと切り刻む。

「やりたい事はなんでもやっちゃおうぜ!」というフリーな発想が他のV系バンドとの圧倒的な差別化を生んだ3rdアルバム。 「8 優しい悲劇」などで聴ける「冷たさと終幕感を感じるコード進行」は日本人独自のものであり非常に個性的である。また「アングラな匂いがするハードな曲」「王道V系チューン」「流れるようなメロディーを持つ歌謡テイスト強めの曲」など、バリエーション豊かな曲が並ぶアルバムではあるのだが「氷の

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前作「REAL」が集大成的なALL in ONEのような作品であった点、また全メンバーがソロ活動を経た点などから、これまで築き上げたラルクサウンドに各メンバーがソロ活動で得た影響を反映した情報量の多いサウンドになるのでは?と聴く前は予想していたのだが、実際は予想に反してアナログなサウンドを前面に押し出したシンプルなロックアルバムとなっていた。

「2000年頃から世界的なトレンドとなっていたロックンロール・リバイバル的なミニマリズム」「これまで距離を置いているとも感じ取れたスラッシュメタル的なザクザクとした質感」「シンプルなロックソングを華やかに彩る七色のストリングス」これらが今作のサウンド面の特徴としてあげられる。

これまでのどの作品にも必ず存在したUKニューウェイブ的なサウンドがほとんど登場しないという点において本作は異色作と言って良いのでは??という気がする。

    「要点」

  • アナログなサウンドを前面に押し出したロックアルバム
  • スラッシュメタル的なザクザクリフ
  • ニューウェイブサウンドが登場しない異色作

「曲解説」

1 接吻

「アンプ直」のようなシンプルでアナログなギターリフがリフレインされるロックチューン。サビでは光沢感のあるスペーシーなシンセサウンドと優雅なストリングスが流れ、モノトーンになりがちなミニマムなロックソングに華やかさを与えている。
2 READY STEADY GO

アルバム「ark」以降、彼らの十八番となったドライブ感のあるロックンロール系譜の曲(1:00〜)サビは疾走感のあるボーカルラインと光を感じるシンセサウンドを中心に構成されるが、途中からスラッシュメタルのようなザクザクとした質感のリフが挿入されるという盛りだくさんな内容。ソロ活動を経て歌うことの楽しさに目覚めたのだろうか?tetsuya(b)のコーラスが過去最高レベルで目立つ曲となっている。最後はギターとベースがユニゾンする展開で幕を閉じる。
3 Lover Boy

退廃的なムードを持つスラッシュメタルライクな曲。これまでメタルという音楽と距離を置いていた感すらあるラルクが、ここまでスラッシュなザクザクギターリフをフィーチャーしたサウンドを鳴らした事は驚きである(2:28〜)立体的なベースラインがブライクビーツ風のリズムの上で踊り、そこからギターソロに突入する。
5 Time goes on

夢見心地な雰囲気のアコースティックソング。tetsuya(b)が大活躍の曲であり、サビでは「ボーカルライン以上に目立つベースライン」がボーカルとは異なるメランコリックなメロディーを奏で、またhyde(vo)のボーカルラインを包み込むようなコーラスも聴かせる。
6 Coming Closer

スローなギターサウンドが「金縛り」のように鳴り響くシンプルな曲。時折挿入される「ホイッスル」のような電子音や「春風」のようなストリングスが曲にポップネスを与えている。最後は悲壮感漂う重厚なバイオリンだけが流れる少し不気味な展開である。
7 永遠

ザ・ストロークス(The Strokes)のようなミニマムでモダンな質感のロックソング。ken(g)のラフで歪んだカッティングギターがループされリフというより音響的に鳴り響く(3:05〜)ギターソロは非常にインパクトがあり「永遠」というタイトルとは裏腹に刹那的な輝きに満ちている早弾きフレーズである。
8 REVELATION

「砂鉄」ような歪みギターサウンドが重力感を演出するヘヴィチューン。サビのボーカルラインはUSグランジのように「言葉のリフ」という感じである。
9 瞳の住人

「長閑で平和な日々」を連想する優しい音で構成されたバラード。サビのメロディーはこれまであまり聴いたことがないタイプでどことなく中国風。また間違いなく偶然だが浜崎あゆみの某曲のボーカルラインに少し似てるとも思う(4:03〜)ギターソロは「浅い眠り」のような質感で空間を彷徨う。
10 Spirit dreams inside

本作を象徴するラフでアナログなサウンドが響き渡るラストソング(1:48〜)存在感のある分厚いベースリフがリフレインされ、そこにオリエンタルな電子音やken(g)特有の光を感じるギターサウンドが絡まる展開は非常にグルーヴィー。

前作「REAL」が集大成的なALL in ONEのような作品であった点、また全メンバーがソロ活動を経た点などから、これまで築き上げたラルクサウンドに各メンバーがソロ活動で得た影響を反映した情報量の多いサウンドになるのでは?と聴く前は予想していたのだが、実際は予想に反してアナログなサウンドを前面に押し出したシンプルなロックアルバムとなっていた。 「2000年頃から世界的なトレンドとなっていたロックン

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メランコリックでダークな質感を持つ「悩ましいクラブミュージック」という趣の3rdアルバム。

「極彩色な電子音」や「ディープな四つ打ち」などはあまり鳴らされおらず、反面、メランコリックでダークなギター・アルペジオやメタリックな音響、「メロディックな語り」のような無機質でミステリアスなボーカルが非常に印象的であり、彼らが元々ニューウェイブ系バンドであったというのも納得のサウンドである。

アシッドハウス以降の「レイヴ的な開放感」や「サイケデリックな質感」をほとんど感じないダークで無機質なサウンドは当時のテクノ・ハウス畑では間違いなく浮いた存在であった思われ、キャッチーでもポップでもなく「地下室」のようなダークさを持つサウンドではあるが聴いた後でも不思議とビートや音響などが耳に残っている。 またラストソング「9 M.E」で聴ける不可思議な日本語の存在も日本人としては気になるところである。

本作は筆者の感覚でいえば「非売れ線ミュージック」であると思うのだがアンダーワールド(Underworld)は「テクノ路線のファーストアルバム」である本作でブレイクを果たす事となる。

    「要点」

  • メランコリックでダークな質感を持つ「悩ましいクラブミュージック」
  • ギターのアルペジオやメタリックな音響、無機質でミステリアスなボーカルが特徴

「曲解説」

1 Dark&Long

「地下室」のようなダークさを持つオープニングチューン。メタリックな質感のモノトーンな電子音がまるで「酸性雨」のように降り注ぎ、クールで「独り言」のようなボーカルラインは抑揚はあまりないが不思議と頭に残る。このあたりが元ギターバンドのメロディーセンスなのだろうか?!BPMは一貫してゆったりとしたテンポであえて抑制しているかのような淡々としたものとなっている。
2 mmm skyscraper i love you

13分の中に様々な質感や表情を持つミステリアスな曲。序盤はアフリカン・テイストのパーカッションがリスナーの体を揺らし「カラフルなビーム」のような電子音がリスナーの目の前を通り過ぎるように鳴り響く。ボーカルはメロディックなラップ風のボーカルラインをクールに歌う(6:20〜)エフェクティヴなギターサウンドが「ガラスの破片」のように目に突き刺さり(6:58〜)唐突に「揺らめく光」のようなサウンドが挿入されて「幻の都」のようなサイケデリック感を醸し出す(7:45〜) 非常に耳に残るシンセリフが曲に疾走感を与える。この疾走感と連動するようにボーカルラインも抑揚のあるメロディックなボーカルラインを奏でる。終盤は神聖な雰囲気のストリングスが鳴り響く中、きらめく電子音や日本語の断片が登場して、まるで「鏡の中の世界に迷い込んだ」ようなミステリアスな展開となる。
3 Surfboy

「時空を超えるようなミニマムなループ」がインパクト大の曲。「近未来の汽車」のようなイメージの電子音や少し狂った感じのする男の雄叫びなどがミステリアスな印象を与える(5:02〜)「真っ白な何もない空間」のようなストリングスが流れ神聖な雰囲気を醸し出す。終盤は「縮れた電子音」がザラついた質感を曲に与え、最後はビートだけが静かに流れる。
4 Spoonman

歪ませたホラーテイストのサンプリングボイスが「電子の海に広がる波紋」のように広がるダークなアッパーチューン。電子的な歪みと「ジェル」のような浮遊感と重さを感じる音響が全編を通して流れ、挿入されるボーカルラインは「メロディックな独り言」風であるが曲にフックを与えている。
5 Tongue

「恍惚」のような光を感じるギターサウンドをフィーチャーした陰鬱なサイケソング。時折、挿入される「鳥のさえずり」や「川のせせらぎ」は砂漠のオアシスのような安らぎを与えてくれる(2:10〜 、3:25〜)「夜の砂漠」のようなダークさと静けさを持つ秀逸なアルペジオがサビのような存在感を放つ。
8 river of bass

「物憂げな昼下がり」のような雰囲気のミニマルポップ。淡々としたリズムとモノトーンなベースラインの上を最小限の音数で構成されるメランコリックなアルペジオが静かにリフレインされる。「5 Tongue」でも聴けたがこのアルペジオの活かし方は彼らの個性の一つだと思われる。聴く時の気分によって好みが分かれるとは思うが、メランコリックなロック好きに是非おすすめしたい名曲。
9 M.E

「カラフルな光溢れる部屋」のようなサウンドをバックに「あなたの夢に私を保てる??」という不可思議な日本語がシュールなインパクトを放つラストソング。モノトーンな音色のベースラインが曲にうねりを与えている。中盤以降はジャージで美しいピアノの旋律が曲に色彩を与えておりメランコリックな質感を与える。終盤は「起きろ〜」というアニメ風のコミカルボイスが挿入される。

メランコリックでダークな質感を持つ「悩ましいクラブミュージック」という趣の3rdアルバム。 「極彩色な電子音」や「ディープな四つ打ち」などはあまり鳴らされおらず、反面、メランコリックでダークなギター・アルペジオやメタリックな音響、「メロディックな語り」のような無機質でミステリアスなボーカルが非常に印象的であり、彼らが元々ニューウェイブ系バンドであったというのも納得のサウンドである。 アシッドハウス

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アシッドハウスリヴァイバルの立役者ハードフロア(Hardfloor)の1stアルバム。

アシッドハウス特有の「鼓動」のような四つ打ちサウンドとリスナーを「ジャングル」に誘うディープネスを継承しつつ、ダークな質感を加え歪ませたようなイメージのサウンドとなっており、人間の声を歪ませたように聴こえる電子音が曲に随所で聴け不気味な怖さを感じる。

また「静けさ」や「不穏さ」を強調するストリングス(シンセかも?!)が多く使われており、この点は「オリジナル・アシッドハウス」と決定的に異なる点である。90年代前半のテクノ勢などが得意としている極彩色な電子音などは皆無で個人的には非常にマニアックな音楽であるという印象を持った。

    「要点」

  • アシッドハウスをダークに歪ませたサウンド
  • 「静けさ」や「不穏さ」を強調するストリングス(シンセかも?!)が頻出

「曲解説」

1 Lost In the Silverbox

「モザイク」のような質感の四つ打ちが終始鳴り響く、歪んだアッパーチューン。「耳にグサリと突き刺さる光線」のような電子音は80年代アシッドハウスにはあまり聴けないタイプのものである(4:48〜)四つ打ちのリズムが「パタリ」とストップして不穏な静けさをもつストリングスと「警報機」のようなモザイクがかった電子音だけが流れる展開が中間部に挿入され、終盤はこれぞアシッドハウスという「スライム」のように潤った低音が登場しアッパーなBPMに戻る。最後は不穏なストリングスと「鼓動」のような四つ打ちだけが静かに流れる。
2 Trancescript

「海の中で鳴らされたアシッドハウス」のようなイメージの曲。潤いのあるディープな電子音がミニマムに鳴り響き「トライアングル」のような金属的な高音が耳を刺激(4:44〜)ダークで少し神秘的なストリングスが曲にシリアスな空気感を与え、終盤はリズムレスの展開となり「男の声の断片を強烈に歪ませた」ような電子音が鳴り響き少し不気味である。
4 into the Nature

神秘的なストリングスが生み出す浮遊感とディープな四つ打ちの対比が印象的な曲。この曲でも「男の声の断片を歪ませた」ような音がループされミステリアスな雰囲気を醸し出している(4:15〜)歪んでいる電子音がさらに歪み「ちぎれる」ような質感のサウンドに進化してリスナーの脳みそを絞る。終盤は「メロディーの断片」のような柔らかな女性ボイスが挿入され僅かなポップさを感じる。
6 Acperience 1

全体を通して歪んだ潤いのような質感を持つ曲(1:42〜)「電子の海に広がる波紋」のようなデリケートな電子音がダークな曲に光を与える(2:10〜)「終幕」のようなシリアスさを持つ透明なベールのようなサウンドが一番遠くで鳴り響き全体を包む。終盤はビートが躍動感と複雑性を増し、リスナーの脳みそと体を同時に揺らす。最後はシリアスで透明なベールサウンドが「消えかけのロウソク」のようにミステリアスに鳴り響く。
8 AM-Trip

ダークでクラシカルなストリングス風シンセと「神経質で小刻み」なブレイクビーツが宇宙を連想するラストチューン(4:56〜)これまで「音響」として佇むように流れていたストリングスが壮大な旋律を奏で始める。本作はメロディーや旋律を拒絶するような曲が多いので、この旋律の登場には非常に安堵感を感じる。終盤はアシッドハウス特有の「動物の声にエフェクトをかけた」ような音の断片が空間を舞いジャングル感を醸し出す。

アシッドハウスリヴァイバルの立役者ハードフロア(Hardfloor)の1stアルバム。 アシッドハウス特有の「鼓動」のような四つ打ちサウンドとリスナーを「ジャングル」に誘うディープネスを継承しつつ、ダークな質感を加え歪ませたようなイメージのサウンドとなっており、人間の声を歪ませたように聴こえる電子音が曲に随所で聴け不気味な怖さを感じる。 また「静けさ」や「不穏さ」を強調するストリングス(シンセかも

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